【記述項目】 |
《関連した薬剤》 |
一般名 |
ルビプロストンカプセル
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販売名 |
アミティーザカプセル12μg
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剤型 |
内
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規格単位(含有量、濃度) |
12μg1カプセル
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製造販売業者名 |
ヴィアトリス製薬合同会社
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事例の具体的な内容 |
患者は年齢相応の認知機能低下があり、同居の家族も高齢であった。16日前、当院の頭頸科を初診。舌癌の診断で高齢だが術前検査には問題なく手術の方針となる。14日前、癌性疼痛に対してオキシコドンとスインブロイクを処方。8日前に薬剤師外来受診、癌性疼痛や便秘のコントロール不良のためオキシコドン増量と下剤にアミティーザを追加することが推奨された。5日前、頭頸科再診しオキシコドンとアミティーザなど8種類の内服薬が処方された。当日頭頸科再診、患者家族から「昨日、本人が内服薬をPTPシートごと内服しそうになったが、すんでのことで掻きだすことがありました。喉に傷がついているかもしれないので診てもらいたい」との申し出があった。医師Aは左記を聴取し咽頭部を精査したが明らかな異常はなく、PTPシートは誤飲していないとの情報からそれ以上の精査は行わなかった。9日後入院し、13日後に舌癌に対して再建術を施行。術後経過には問題なく2か月後を退院予定としていた。54日後、深夜に39℃台の発熱と右下腹部痛の訴えがあった。55日後には解熱し経口摂取にも問題はなかったが、56日後に行ったCT検査で回盲部穿通疑いと診断。消化器外科が併診し、保存的な治療が開始された改善に乏しく、57日後に緊急手術施行。腸管内には下剤のPTPシートが異物として回盲部粘膜に引っ掛かり大網側に潰瘍が形成され穿孔したことが判明した。
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事例が発生した背景・要因 |
・自宅では、患者の家族が薬剤を1錠ごとPTPシートから切り離し、服薬時間ごと患者に内服をさせていた。・患者は入院後にアミティーザを服薬しておらず、同室者にも同剤を内服している患者はいなかった。・当日の外来受診時に医師Aが自宅でPTPシートを誤飲した可能性があることを聴取した時点で内視鏡検査を行っていれば腸管穿孔を回避できた可能性がある。
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実施した、若しくは考えられる改善策 |
・PTPシートの誤飲による腸管穿孔事例として医療安全の委員会で報告した。・患者と家族にはPTPシートから薬剤を切り離して服薬することは避けるように指導し、医師にはPTPシートを誤飲した可能性があることを聴取した場合には速やかに内視鏡検査を行うことを検討するように周知した。
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