事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 ラフチジン
販売名 プロテカジンOD錠10
剤型 口腔内崩壊錠
規格単位(含有量、濃度) 10mg
製造販売業者名 大鵬薬品工業株式会社
事例の具体的な内容 看護師Aは夜勤で患者を担当していた。検温のために訪室した際に患者から「薬を殻ごと飲んでしまった。最初は詰まった感じがしたけど吐き戻せなかったから飲んでしまった。ちゃんと起き上がって飲んだらよかったけど、痛かったし、めんどうだったから頭をちゃんと起こさないまま飲んだ。どうしたらいいかな。」と報告があった。患者は薬剤を自己管理しており7種類の錠剤を自分で包装シートから取り出して錠剤を薬杯に移して内服していたが看護師Aが内服済みの包装シートを確認するとH2遮断剤の包装シートのみ確認できなかった。看護師Aは速やかに医師B(当直)に報告し、腹部CT検査で包装シートは胃内にあることが確認された。医師Bは医師C(消化器内科オンコール)に連絡し医師Cは上部内視鏡で薬殻を摘出した。
事例が発生した背景・要因 ・患者は高齢だがインシデントが発生するまでは適切に薬剤を自己管理できていた。・患者は包装シートから錠剤を取り出して薬杯にうつす作業をしている最中に注意力が低下し、錠剤を取り出さないまま包装シートごと薬杯に入れた可能性がある。・患者は薬杯にうつした薬剤を服薬する際に、錠剤を目視で確認しないまま包装シートごと内服した可能性がある。・患者は起き上がって内服をしなかったことで、通常よりも薬杯の中身が確認し難かった可能性がある。
実施した、若しくは考えられる改善策 内服薬を包装シートごと誤飲したインシデントとして医療安全の委員会で報告し、適切な服薬指導のもとに自己管理を行っている患者でも起こりうる医療事故として再周知した。

事例検討結果
事例検討結果 平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼している。加えて、令和元年9月11日付事務連絡「内服薬等の包装の誤飲の発生について(情報提供)」が発出されており、継続的な注意喚起がなされているところである。