事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液
販売名 ビーフリード輸液
剤型 点滴
規格単位(含有量、濃度) 500mL
製造販売業者名 大塚製薬工場
事例の具体的な内容 患者は中咽頭癌に通過障害と左頸部痛で緊急入院。医師A(頭頸科)はビーフリード輸液をオーダーし看護師B(日勤担当)はナースステーションで準備した製剤を患者の病室に持参して投与を開始した。しかしながら、看護師C(夜勤担当)がビーフリード輸液の上室と下室とが開通されずに投与されていることに気が付いた。看護師Cから医師D(当直)に報告され経過観察の方針となった。
事例が発生した背景・要因 ・看護師Bがナースステーションでビーフリード輸液を準備する際、他患者からナースコールがあった。・看護師Bは外装から製剤を取り出した状態で業務を中断し他患者からのナースコールに対応した。・看護師Bはナースステーションに戻ってビーフリード輸液の準備を継続したが上室液と下室液の開通を怠った。・看護師Bは準備した製剤を患者の病室に搬送し認証と滴下の確認を行ったが、その際も隔壁の開通状況は確認しなかった。・看護師Bは製剤の投与開始後も滴下速度と残量の差異に気が付かなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・一定の頻度で発生するインシデントとして看護部の委員会で事例が共有された。・ビーフリード輸液の製剤準備は薬剤部と看護部が合同で開催する勉強会でも研修項目に含まれているが多くの場合において当事者が手順を遵守しないことが原因で発生しており看護部の教育や業務の委員会に体制の見直しを要請した。

事例検討結果
事例検討結果 平成16年6月2日付薬食発第0602009号通知「医薬品関連医療事故防止対策の強化・徹底について」により、隔壁の未開通防止のための開通確認シールを吊り穴部に貼る等の工夫が製造販売業者により行われているところである。また、PMDA医療安全情報「二槽バッグ製剤(バッグ型キット製剤)の隔壁未開通事例について」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。