【記述項目】 | |
《関連した薬剤》 | |
一般名 | 塩化カリウム |
販売名 | KCL補正液1mEg/ml |
剤型 | キット |
規格単位(含有量、濃度) | 20mL |
製造販売業者名 | 大塚製薬工場 |
事例の具体的な内容 | 至急指示にてKCL4A原液を15ml/hで末梢静脈からシリンジポンプを使用し投与。バイタル測定時、点滴刺入部が発赤+内出血しているところを発見する。救急科医師が診察し静脈炎の診断。陰圧をかけながら抜針。クーリング実施の指示を受ける。翌日皮膚科兼診、壊死拡大、植皮の可能性があった。デブリードマン2回施行。その後保存的に経過観察し5ヶ月後上皮化する。機能障害はないものの瘢痕形成が生じた。
|
事例が発生した背景・要因 | ・薬剤の添付文書では、投与経路は中心静脈でなく、静脈内と明記している。看護師は他の薬剤との配合の観点から末梢からの投与を選択してしまっている。・当院でKCLの原液投与を行っている以上、原液投与のリスクを考慮したマニュアルが必要であるが、不備があったと考える。
|
実施した、若しくは考えられる改善策 | ・薬剤管理マニュアル上でKCL投与時の経路まだ記したものに修正する。・KCL使用後の報告義務を課していく。
|
事例検討結果 | カリウム製剤については、平成19年3月30日付医政総発第0330001号・薬食総発第0330001号連名通知「医薬品の安全使用のための業務手順書マニュアルについて」及び平成20年12月4日付医政発第1204001号・薬食発第1204001号連名通知「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について(注意喚起)」の巻末資料により、特に安全管理が必要な医薬品(心停止等に注意が必要な医薬品)として医療機関に注意喚起しているところであり、製造販売業者においても誤使用防止のため情報提供を実施しているところ。 また、医薬品・医療用具等安全性情報No.202においてもカリウム製剤は、新規配属者を含め関係者への注意喚起の徹底が必要な医薬品として紹介されている。 |