事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 L-アスパラギン酸カリウム
販売名 アスパラカリウム注10mEq
剤型
規格単位(含有量、濃度) 10mEq
製造販売業者名 ニプロESファーマ株式会社
事例の具体的な内容 開腹下右結腸切除して4病日目の患者。当日の採血にてカリウム値2.8と低く、主治医より15時から6時間で投与するヴィーンDにアスパラカリウム10ml点内注するように指示を受けた。17時過ぎに滴下確認時は残400ml弱であった。その後看護師が訪室し、滴下調整して勤務交代した。17時45分点滴残50mlであることを夜勤者から伝えられ、早落ちが発覚。主治医に報告。
事例が発生した背景・要因 ・腕の角度によって、滴下速度が変わる患者であったため、体勢に変化に伴い点滴速度が変化してしまったと考える。 ・薬剤ボトルから刺入部まで指差呼称しながらの確認ができていなく、ルートが身体の下などで屈曲していた可能性がある。 ・1年目看護師は点滴交換と滴下調整は自立していたため、毎回一緒に確認してはいなかった(今回は点滴交換時は一緒に訪室したが、その後の滴下調整は他の業務が重なり、一緒には行っていない。)。・1年目看護師が訪室して滴下調整している。その後は確認していなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・院内ルールでは、カリウム製剤(アスパラK KCL補正液)が混合された輸液は、輸液ポンプ使用となっており、守られていなかった。・院内ルールを徹底するため、クオリティーマネージャー会議で周知する。

事例検討結果
事例検討結果 カリウム製剤については、平成19年3月30日付医政総発第0330001号・薬食総発第0330001号連名通知「医薬品の安全使用のための業務手順書マニュアルについて」及び平成20年12月4日付医政発第1204001号・薬食発第1204001号連名通知「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について(注意喚起)」の巻末資料により、特に安全管理が必要な医薬品(心停止等に注意が必要な医薬品)として医療機関に注意喚起しているところであり、製造販売業者においても誤使用防止のため情報提供を実施しているところ。 また、医薬品・医療用具等安全性情報No.202においてもカリウム製剤は、新規配属者を含め関係者への注意喚起の徹底が必要な医薬品として紹介されている。