事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液
販売名 ビーフリード輸液
剤型 点滴
規格単位(含有量、濃度) 500mL
製造販売業者名 大塚製薬工場
事例の具体的な内容 医師から夜勤帯にビーフリード輸液/500ml1キットにヒューマリンR7単位とパントール注500mgを混注して5時間で投与する指示が出された。看護師Aは投与予定のビーフリード輸液を点滴台に準備し休憩前に隔壁を開通しヒューマリンR等の混注を行う予定としていた。その後、看護師BがヒューマリンRを冷蔵庫から持ってきて、看護師Aは患者に投与予定の製剤のダブルチェックを行ったが、看護師Aは看護師Bが、看護師Bは看護師Aが、それぞれビーフリード輸液の隔壁開通は相手が適切に行ったものと認識していた。その後、看護師Aは休憩に入り、看護師Bがヒューマリンとパントールを混注したビーフリード輸液の点滴を開始したが、点滴投与の開始時に看護師Bが看護師Cと行ったダブルチェックでもビーフリード輸液の隔壁が開通していないことは確認されなかった。その後の滴下確認でもビーフリード輸液の隔壁が開通していないことは気が付かれず明朝に予定時間よりも早く点滴の滴下が終わったことで事態が発覚。看護師Aからリーダー看護師に連絡し、医師にも報告されたが経過観察の指示となった。
事例が発生した背景・要因 ・ビーフリード輸液にヒューマリンとパントールを混注する際に立ち合った看護師はお互いが何をどこまで行っているか確認していなかった。・ビーフリード輸液にヒューマリンとパントールを混注する際に立ち合った看護師はお互いに相手が隔壁の開通を適切に行ったものと思い込んでいた。・ビーフリード輸液の投与を開始する際に立ち合った看護師は輸液は適切に準備されたものと思い込みビーフリード輸液の隔壁開通について確認しなかった。・ダブルチェックが形骸化していた。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・事例を当該部署と医療安全の委員会で共有した。・ビーフリード輸液は袋から出した時点で速やかに隔壁の開通を行う。・隔壁の開通を要する薬剤では、製剤の準備のダブルチェックで隔壁が適切に開通されていることを確認とする。・隔壁の開通を要する薬剤では、点滴の投与を開始するのダブルチェックで隔壁が適切に開通されていることを確認する。

事例検討結果
事例検討結果 平成16年6月2日付薬食発第0602009号通知「医薬品関連医療事故防止対策の強化・徹底について」により、隔壁の未開通防止のための開通確認シールを吊り穴部に貼る等の工夫が製造販売業者により行われているところである。