事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 フルニトラゼパム
販売名 サイレース静注2mg
剤型
規格単位(含有量、濃度) 2mg
製造販売業者名 エーザイ
《医薬品の取り違え事例の場合、本来投与すべき薬剤》
販売名 セレネース注5mg
剤型
規格単位(含有量、濃度) 5mg
製造販売業者名 大日本住友
事例の具体的な内容 準夜帯ラウンド時、消灯前に患者から「昨日と同じ点滴の眠剤がほしい」と希望あり。電子カルテの患者スケジュールでセレネース投与の指示を確認した。20:45、患者スケジュールにて再度指示確認し、病棟常備薬から薬剤を準備した。取り出した際にセレネースと思い込んだ。他看護師にダブルチェックを依頼したが、依頼した他看護師もダブルチェックが必要な薬剤があり、先に他看護師の薬剤のダブルチェックを行った。他看護師はナースコール対応のためその場を離れた。20:50、看護師は、他看護師に薬剤チェックを行ったか確認をすることなくダブルチェックされたと思い込み調剤を行った。白紙ラベルにセレネース+生食50と記載した。21:00、患者スケジュールを確認し、薬剤を投与した。21:40に当該患者と同室の他患者の対応をしていた他看護師が、当該患者の寝息が大きかったため声掛けを行ったところ反応がなかった。モニター装着、舌根沈下あり、右側臥位とし、医師にコール。来棟した主科医師より眠剤投与について質問あり、セレネースを投与したと答えたところ、ダブルチェックを依頼していた他看護師より「セレネースではなくサイレースと聞いた」と発言あり。常備薬の残数を確認したところ、サイレースを投与していたことが発覚した。また、ダブルチェックされていたと思っていたが、ダブルチェックしていない状況で調剤・投与していたことが発覚した。
事例が発生した背景・要因 ・薬剤を取り出した後・調剤前に6Rの確認をしていなかった。・取り出した薬剤がセレネースだと思い込んだ。・セレネースは、病棟の注射準備室内にある常備薬戸棚に保管されていた。・サイレースは、病棟の注射準備室内にある病棟薬剤金庫に保管されていた。・薬剤について知識が不足していた。・急いでいたため口頭の依頼のみでダブルチェックを行ったと思い込んだ。
実施した、若しくは考えられる改善策 薬剤を取り出す前、取り出した後、調剤前、調剤後、投与前、投与後に指示画面と薬剤を照らし合わせ6Rを確認する。昨日投与した薬剤を確認する際に経過表を再度確認しなおす。6R確認する際は指さし声だしで確認する。ダブルチェックは必ずカルテ画面を用いて使用する薬剤を確認する。ダブルチェックが中断された場合には、調剤前に再度他看護にダブルチェックを依頼するか、ダブルチェックを行ったか確認する。全病棟の常備薬剤からサイレースを撤去した。

事例検討結果
事例検討結果 サイレースとセレネースの販売名類似については、誤処方事例等が複数報告されていることから、製造販売業者は医療機関へ注意喚起を実施しているところである。