【記述項目】 |
《関連した薬剤》 |
一般名 |
ニフェジピン
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販売名 |
ニフェジピンCR錠20mg「サワイ」
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剤型 |
錠
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規格単位(含有量、濃度) |
20mg
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製造販売業者名 |
沢井製薬株式会社
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事例の具体的な内容 |
医師は、ニフェジピンCR錠20mg 1錠/1× 朝食後5日分をそのままオーダーした。リーダー看護師は医師のオーダーを受け、担当看護師に投与を依頼した。担当看護師は病棟に届いた薬をセットし、当日分を粉砕して経鼻胃チューブより投与した。同時刻、医師の指示によりニカルジピン塩酸塩注射液10mgを5mL/hに減量した。投与10分後、動脈ライン上の血圧が70mmHg台まで低下したため、近くにいた当直医師に報告した。当直医師はニカルジピン塩酸塩注射液10mgを4mL/hに減量した。投与30分後、動脈ライン上の血圧が50mmHg台を推移。リーダー看護師は担当看護師に投与時間と投与方法について確認したところ、ニフェジピンCR錠20mgを粉砕して経鼻胃チューブから投与したことが発覚した。当直医師に報告し、ニカルジピン塩酸塩注射液10mgの投与が中止となった。ノルアドリナリン注3mL/h( ノルアドリナリン注1mg/5mL+大塚生食注45mL)が開始、その後、5mL/hに増量となった。投与75分後、血圧が上昇しないため、ミルリノン注22.5mgバッグの投与が中止、ドブタミン点滴静注液600mgキットが 5mL/hに増量、ノルアドリナリン注が7.5mL/hに増量となった。投与120分後、実測血圧72/59mmHg(動脈ライン上の血圧47mmHg)であったため、大塚生食注200mL/hにて持続投与開始した。投与180分後、実測血圧118/30mmHgまで上昇した。
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事例が発生した背景・要因 |
・経鼻胃チューブが挿入されている患者に徐放錠がそのままオーダーされた。・オーダー内容を最後まできちんと確認していなかった。・「徐放錠は粉砕不可」ということは知っていたが、ニフェジピンCR錠が該当する薬ということには至らなかった。
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実施した、若しくは考えられる改善策 |
・オーダー時は必ず粉砕指示を入力する。・オーダー時は必ず薬品名、投与経路を確認する。・錠剤は原則病棟で粉砕しない。迷った場合は相談する。・病院全体に粉砕不可の医薬品に関する周知(会議での報告および至急回報)を行い、研修会(e-learning)を開催する。・処方箋に「徐放性のため粉砕禁」などのコメントを表示できるか検討する。
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