事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 プロカテロール塩酸塩水和物
販売名 メプチン吸入液0.01%/メプチン吸入液ユニット0.3mL/メプチン吸入液ユニット0.5mL
剤型 吸入液
規格単位(含有量、濃度) 不明
製造販売業者名 大塚製薬
事例の具体的な内容 開腹術後の患者。他の内服薬とともに、咳嗽時に投与指示のあったメジコンも腸瘻チューブから注入していた。しかし、腸瘻チューブを自己抜去したため、内服薬を注射薬へ移行し、PICCからの静脈内投与指示に変更されていた。患者より呼吸困難感の訴えがあったため、担当看護師は事前に医師から出されていた咳嗽時指示を確認した。その際、医師指示には「メプチン吸入呼吸症状のあるときに投与してください 1回あたりメプチン0.3mL/生食10mL 症状増悪時は1日4回まで可」とあったが、担当看護師はメプチン吸入を実施した経験が無く、メプチンをPICCから静脈内投与すると思い込み準備を始めた。メプチンの準備時は、まず、担当看護師が、1mLの注射用シリンジにメプチンを0.3mL、10mLの注射用シリンジに生理食塩水10mLを用意し、次に、看護師2名で電子カルテ画面の医師指示を確認した。この時、患者氏名、薬剤名、用量、時間は確認したが、投与経路の確認は行っていなかった。確認時、もう1名の看護師はメプチンが吸入薬であるため、吸入薬の準備、確認をしているものと思っていた。約9時間後、実施した看護行為を振り返った際に、メプチンの投与経路を間違えたことに気づき、医師に報告した。誤投与後、患者から気分不良等の訴えは無く、夜間の病室ラウンド時も変わった様子はなかった。
事例が発生した背景・要因 ・担当看護師はメプチン吸入を実施したことが無く、メプチンが吸入薬であると気づかなかった。・メプチンの準備時に看護師2名で確認を行ったが、投与経路の確認を実施していなかった。・吸入薬の準備時も注射用シリンジを使用する場合が多いため、もう1名の看護師は静脈内投与をするつもりでいることに気づけなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・メプチン吸入薬の保管場所に「禁注射」の表示を加え、注意喚起を促した。・投薬経路の確認を再度徹底するよう部署内に周知した。・血管内に投与しない薬剤の準備時は、注射用シリンジ以外のもので準備することを検討中である。

事例検討結果
事例検討結果 当該製剤については、平成12年9月19日医薬発第935号通知「医療事故を防止するための医薬品の表示事項及び販売名の取扱いについて」別添1「バイアル又はアンプル入り経口剤及び外用剤の取扱い」で示す事項に則した表示を実施しているところである。