事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液
販売名 ビーフリード輸液
剤型 点滴
規格単位(含有量、濃度) 500mL
製造販売業者名 大塚製薬工場
事例の具体的な内容 右前腕軟部肉腫術後、直腸穿孔・汎発性腹膜炎術後の患者に対して入院での全身管理を行っていた。医師指示ではビタメジン1Aをビーフリード輸液500mlに混注して、○/11 22時から○/12 10時に投与する予定であった。点滴を準備した看護師Aは、22時にビタメジン1Aをビーフリード輸液500mlに混注する時のみ看護師Bと確認作業を行った。看護師Aはビタメジンを混注する作業のみに気を取られ、ビーフリード輸液500mlの上室液と下室液の隔壁を開通する作業を失念したままビタメジンを混注し、ビーフリード輸液の開通プラグを開放した。その後、看護師Aは他看護師とビーフリード輸液500mlの隔壁開通に関する確認作業は行わず患者に点滴を開始した。○/12、看護師Aは6時頃に巡視で訪室した際、輸液ポンプのアラーム解除時にビーフリード輸液500mlの下室液のみの投与が終了していることを発見し、ビーフリード輸液500mlの隔壁を開通していなかったことが発覚した。看護師Aから当直医師に事象報告され、当該輸液は投与を中止し、○/12 10時から投与が予定されていた輸液を開始して経過を観察する方針となった。
事例が発生した背景・要因 ・看護業務の標準的な手順が遵守されていなかった。・ビーフリード輸液/500mL1キットの使用に関する添付文書上の注意事項が遵守されていなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・看護業務手順におけるダブルチェックの遵守を徹底する。・ビーフリード輸液/500mLは必ず下室を両手で押して隔壁を開通させる。・隔壁開通後は上室と下室を交互に押して両液を十分に混合し、薬剤を混注する際には隔壁の開通後に行う。・ビーフリード輸液/500mLキットは投与前に隔壁が開通されていることを必ず確認する。・ビーフリード輸液/500mL1キットの使用に関する添付文書上の注意事項を病棟内で再度教育する。

事例検討結果
事例検討結果 平成16年6月2日付薬食発第0602009号通知「医薬品関連医療事故防止対策の強化・徹底について」により、隔壁の未開通防止のための開通確認シールを吊り穴部に貼る等の工夫が製造販売業者により行われているところである。