事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 フロセミド
販売名 ラシックス錠 20mg
剤型
規格単位(含有量、濃度) 20mg
製造販売業者名 サノフィ株式会社
事例の具体的な内容 糖尿病性網膜症による視力低下がある患者に対して、8:30頃、朝食後薬を担当看護師が配薬に行くと「自分で薬を飲む。」と言われたため、薬のシートは開封せず食事のトレイに配薬した。9:10頃、環境整備のために日勤看護師が訪床すると、食事のトレイの上に内服が残っていたので、薬が残っていることを患者に伝え、看護師は水を渡した。内服直後に「喉に違和感がある。痛い。」と訴えがあったため主治医に報告し、直ちに耳鼻咽喉科にコンサルトし緊急CT、咽頭ファイバーを施行したがシートの確認は出来ず。消化管内科へコンサルトして胃カメラ施行、胃内部からラシックス20mg1錠が未開封のまま取り出された。出血等はなく、バイタルサインの変化もなかった。
事例が発生した背景・要因 入院当日の視力低下の情報を聞き、内服介助の必要性について看護記録に残していたが、夜勤看護師及び日勤看護師は記録を確認していなかった。 夜勤看護師は病棟の取り決めである内服確認を怠った。 患者は寝る前、7時、朝食前の内服薬もあり、その時もシートの開封はせずに配薬したが、全て内服していた。朝食後の内服も「自分で薬は飲める。」と言われたので大丈夫と判断した。
実施した、若しくは考えられる改善策 発生後から全ての錠剤はシートを外して患者が飲み込むまでを確認することを、スタッフ全員へ周知して徹底している。

事例検討結果
事例検討結果 平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。 また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼している。 加えて、令和元年9月11日付事務連絡「内服薬等の包装の誤飲の発生について(情報提供)」が発出されており、継続的な注意喚起がなされているところである。