事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 フルスルチアミン
販売名 フルスルチアミン錠25mg「トーワ」
剤型
規格単位(含有量、濃度) 25mg
製造販売業者名 東和薬品株式会社
事例の具体的な内容 食道癌術後で外来にて経過観察中の患者。自宅で体動困難になり、救急要請にて当院搬送された。本人の話では自宅で食事を取れていなかった。入院後、点滴加療開始、同時に食事摂取も良好であった。入院中は観察部屋の観察室(4床)にいたが、全身状態が改善したと判断し、大部屋(3人部屋)へ転室、在宅もしくは転院の調整をしていた。入院6日後の19時頃、担当看護師が夕食後の配薬のため病室を訪れた際にベッド上で心肺停止状態で発見された。
事例が発生した背景・要因 ・前日、上部内視鏡の気管拡張術を施行しており、食道内にPTPシートを認めなかった。その後、朝昼晩に内服薬を1錠ずつ処方している。その際にPTPシートが食道胃管吻合部に詰まったと考えられる。 ・内服薬は1回ごとに看護師が配薬していたが、服用するまでの確認が不十分であった。 ・当該部署のスタッフに対して1回毎の配薬について確認したところ、シートごと渡す、又はシートから取り出し内服するまで見守るスタッフがおり手順に差異があった。 ・患者が誤ってPTPシートのまま、内服をしてしまったと考えられる。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・1回毎に配薬している患者は、PTPシートから取り出して与薬し、飲み込むところまで確認することを徹底する。 ・錠剤毎に切ったPTPシートが患者に渡らないように、配薬方法(一包化・介助者がシートから取り出す等)を検討する。

事例検討結果
事例検討結果 平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。 また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼している。 加えて、令和元年9月11日付事務連絡「内服薬等の包装の誤飲の発生について(情報提供)」が発出されており、継続的な注意喚起がなされているところである。