事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 シクロスポリン
販売名 サンディミュン点滴静注用250mg
剤型
規格単位(含有量、濃度) 250mg
製造販売業者名 ノバルティスファーマ株式会社
事例の具体的な内容 腎移植後のため免疫抑制剤(ネオーラル)を服用中の患者が、整形外科で手術となり、手術のため絶食期間中は点滴でサンディミュン注を投与することとなった。5%糖液250mL+サンディミュン注0.2管の点滴を滴下制御型輸液ポンプを使用し、速度10mL/hで投与行ったところ、予定より大幅に遅れたため、シリンジポンプに変更した。
事例が発生した背景・要因 非水性薬剤を投与する際、滴下量が減少するが、サンディミュンがそれにあたり速度調整を行う必要がある薬剤であることを看護師が知らなかった。整形外科病棟であったため、普段使用しない薬剤であった。血液内科病棟では滴下速度が変化する免疫抑制剤や抗がん剤を使用する頻度が高いため流量制御型輸液ポンプを配置し、速度変化が生じないように対応していたが、整形外科病棟では、そのようなリスクの高い薬剤をほとんど使用しないため、流量制御型輸液ポンプを配置していなかった。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・滴下量に変化を起こしやすい薬剤一覧を作成し、周知する。 ・当院採用薬品で滴下速度変化を起こしやすい免疫抑制剤、抗がん剤使用時は、流量制御型輸液ポンプの使用を推奨する。 ・自然落下・滴下制御型輸液ポンプを使用する際は、定期的な残量確認をし、速度調整を行う。 ・滴下制御型輸液ポンプから流量制御型輸液ポンプへと機種統一を図る。

事例検討結果
事例検討結果 サンディミュン注射液は、添加剤として含まれる界面活性剤により粘性が低下するため滴下制御方式の輸液ポンプでは、一滴の大きさが小さくなることから実際の液量が少なくなることが確認されている。そのため正確な投与を行うには、適切な流量に補正する必要があることが、既に添付文書に記載しており、注意喚起が実施されているところ。