【記述項目】 |
《関連した薬剤》 |
一般名 |
メシル酸ガベキサート
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販売名 |
注射用パナベート100/注射用パナベート500
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剤型 |
注用
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規格単位(含有量、濃度) |
100mg1瓶/500mg1瓶
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製造販売業者名 |
エール薬品株式会社
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事例の具体的な内容 |
注射用パナベート1500mg+5%ブドウ糖液200mL(濃度0.75)を右足末梢血管から投与開始した。4日後、末梢血管留置針の交換予定日であったため、留置針を別の場所(右足)に刺し替え、担当医から「薬液の濃度が濃いのでビタメジン入りのソルデム3A500mLの側管から投与した方がよい」と指示あり、点滴ルートを変更した。5日間のパナベート投与が終了し、ビタメジン入りのソルデム3A 500mLを点滴後抜針する際、右足背に6cm×5cm大の壊死様変化を発見した。5日間患部付近からパナベート入りの点滴をしており、点滴剤による血管障害ではないかと判断した。
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事例が発生した背景・要因 |
5日間注射用パナベート1500mgを5%ブドウ糖液200mLに溶解し、右足末梢血管から留置針で投与していた。パナベートについては、高濃度で血管内壁を障害し、静脈炎や潰瘍・壊死などを起こすため、末梢血管から投与する場合は100mg/50mL以上の輸液(0.2%以下)で投与する必要がある。今回は1500mg/200mL(0.75%)の濃度で投与していること、間質性肺炎急性増悪によるステロイド投与・糖尿病・強皮症・肝臓がん・肥満症などの疾患の治療中であり、全身状態が悪化していることが要因となり発生したと考えられる。
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実施した、若しくは考えられる改善策 |
・末梢血管からパナベートを投与する場合は、同薬剤100mgあたり50mL以上の輸液(0.2%以下)で投与する。
・オーダリングで入力する際に、画面に注意コメントが表示できるか、システム担当者と検討する。
・パナベートを末梢血管から投与する場合は、手背、下肢など血管外漏出を起こしやすい血管は避ける。
・注射部位及び刺入した血管に沿って静脈炎や硬結、潰瘍・壊死を起こす可能性があることをふまえ、観察を十分に行う。
・注射部位の血管痛、発赤、炎症などが現われた場合には、投与を中止し、注射部位の変更、適切な処置(形成外科医の指示)を行う。
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