事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 メシル酸ガベキサート
販売名 アロデート注射用100mg/アロデート注射用500mg
剤型 注用
規格単位(含有量、濃度) 100mg1瓶/500mg1瓶
製造販売業者名 沢井製薬株式会社
事例の具体的な内容 急性膵炎の疑いに対し、薬剤部日直時に、救急部よりアロデート2000mg+生食100mLの注射薬のオーダーが出た。アロデートを末梢から投与する場合は0.2%以下に溶解しなければ、組織障害の発生が非常に高い薬品であったが、薬剤部での鑑査で指摘出来ず、2%の指示のまま払い出した。翌々日のに主治医の指示で当直医よりアロデート2000mgを生食100mLに溶解し、4mL/hで末梢の単独ルートから投与した。その翌朝、患者の刺入部が腫脹していることが判明して直ちに中止した。患者は刺入部に腫脹・硬結を生じ、皮膚科でステロイドの局注による治療を受けた。その後も高濃度のアロデート投与による組織障害の治療で入院中である。
事例が発生した背景・要因 救急部において、口頭指示の復唱をさせなかった。薬剤部において、当直の交代時で鑑査出来なかった。高濃度についての注意喚起のアラートが表示されていたが、新しいシステムになってアラート表示されなくなっていた。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・救急部にて、口頭指示の場合は復唱させる。 ・薬剤部にて、新しいシステムでアラート表示するようにした。 ・病棟のアロデートの配置薬は原則置かないこととし、アロデートの処方が出たら調剤する際、注意喚起する説明書を必ず付けて払い出すことを、薬剤部内で取り決めて実行する。

事例検討結果
事例検討結果 ガベキサートメシル酸塩製剤の製造販売業者は、高濃度での投与により注射部位等に静脈炎や硬結、潰瘍・壊死を起こすことがあるため、濃度を0.2%以下とすることについての注意喚起を行っているところ。