イムネース注35

作成又は改訂年月

**2022年 1月改訂 ( 第2版 )
2021年 6月改訂 ( 第1版 、 効能変更、用量変更、用法変更 )

日本標準商品分類番号

876399

薬効分類名

遺伝子組換え型インターロイキン-2製剤

承認等

イムネース注35

販売名コード

YJコード

6399411D1022

販売名英語表記

IMUNACE 35 for Injection

販売名ひらがな

いむねーすちゅう35

承認番号等

承認番号

20400AMZ00789000

販売開始年月

1992年 6月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避け10℃以下で保存

有効期間

2年

基準名

日本薬局方

注射用テセロイキン(遺伝子組換え)

一般的名称

テセロイキン(遺伝子組換え)

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 ワクチン等の生物学的製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

イムネース注35

1瓶中

有効成分テセロイキン(遺伝子組換え)  35万単位
添加剤L-アルギニン  15.0mg
L-メチオニン  0.15mg
精製白糖  90.0mg
ポリソルベート80  0.5mg
リン酸二水素ナトリウム水和物、リン酸水素ナトリウム水和物、クエン酸水和物  

3.2 製剤の性状

イムネース注35

pH7.0~7.7
1瓶/mL水溶液
浸透圧比約1
1瓶/mL水溶液
〔生理食塩液に対する比〕
性状・剤形白色の軽質の塊又は粉末である。(注射剤)
添付溶解液1管中
日局注射用水1mL

4. 効能・効果

○ 血管肉腫

○ 腎癌

*○ 神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強

6. 用法・用量

  • 〈血管肉腫〉

    通常、成人にはテセロイキン(遺伝子組換え)として1日70万単位を、1日1~2回に分けて連日点滴静注する。
    なお、年齢、症状により適宜増減するが最大投与量は1日140万単位とする。

  • 〈腎癌〉

    通常、成人にはテセロイキン(遺伝子組換え)として1日70万単位を、1日1~2回に分けて連日点滴静注する。
    なお、年齢、症状により適宜増減するが最大投与量は1日210万単位とする。
    増量することにより、肝機能検査値異常、体液貯留が発現しやすくなるため、注意すること。

  • *〈神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強〉

    ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)及びフィルグラスチム(遺伝子組換え)との併用において、通常、テセロイキン(遺伝子組換え)として1日1回75万単位/m2(体表面積)又は1日1回100万単位/m2(体表面積)を24時間持続点滴静注する。28日間を1サイクルとし、2、4、6サイクルの1~4日目に1日1回75万単位/m2(体表面積)、8~11日目に1日1回100万単位/m2(体表面積)を投与する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤を投与する場合には、臨床効果及び副作用の程度を考慮し、効果が認められない場合には投与を中止すること。
  2. 8.2 過敏症等の反応を予測するため、使用に際しては十分な問診を行うとともに、あらかじめ本剤によるプリック試験を行うことが望ましい。
  3. 8.3 本剤の投与により、投与直後から発熱等の全身症状があらわれやすいので、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて解熱剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  4. 8.4 動物試験(マウス)では、本剤の投与によりインターロイキン-5の産生が誘導されることによると思われる好酸球増多が認められている。臨床においても、本剤の投与により著明な好酸球増多があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
  5. 8.5 本剤の皮下投与時の有効性は確立していない。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 アレルギー素因のある患者

  2. 9.1.2 心疾患又はその既往歴のある患者

    心疾患が悪化することがある。

9.2 腎機能障害患者

症状が悪化することがある。また、本剤は主として腎において代謝・排泄されるため、腎機能低下例では副作用が強く発現する可能性がある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

    症状が悪化することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠の可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物試験(ウサギ)で流産並びに母動物に対する毒性の二次的な影響と思われる胎児奇形の報告がある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁中移行の報告がある。

9.7 小児等

  • 〈血管肉腫、腎癌〉

    小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。本剤は主として腎において代謝・排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。なお、承認時(血管肉腫及び腎癌)において、65歳以上の高齢者103例中、副作用は発熱72例(69.9%)、体液貯留13例(12.6%)、血圧低下5例(4.9%)に認められ、臨床検査値の異常変動は、好酸球増多74例(71.8%)、肝機能検査値異常19例(18.4%)、腎機能検査値異常6例(5.8%)であった。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    副腎皮質ホルモン剤

    インターロイキン-2製剤の抗腫瘍効果を減弱させる可能性があるので併用を避けること1)

    やむを得ず併用する場合は慎重に投与すること。

    機序は不明である。

    ヨード系X線造影剤

    インターロイキン-2製剤を含む治療を受けた患者が、引き続きヨード系X線造影剤を投与されたときに、およそ1~4時間後に発熱、悪寒・戦慄、悪心・嘔吐、紅斑、低血圧、浮腫等があらわれたとの報告がある2)

    機序は不明である。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 体液貯留(12.4%)

      毛細血管漏出症候群(capillary leak syndrome)によると思われる体液貯留〔体重増加(5.8%)、浮腫(4.3%)、胸水・腹水・肺水腫等の水分貯留(3.5%)、尿量減少(1.6%)〕あるいは循環血漿量の減少による血圧低下(2.7%)等があらわれることがある。なお、体液貯留は投与開始1~2週目に発現することが多いので注意すること。

    2. 11.1.2 うっ血性心不全(0.4%)
    3. 11.1.3 抑うつ(0.8%)、自殺企図(頻度不明)

      抑うつ、自殺企図があらわれたとの報告がある3)

    4. 11.1.4 誘発感染症、感染症の増悪(いずれも頻度不明)

      大量投与により、好中球機能が抑制され、誘発感染症、感染症の増悪を起こしやすくなるとの報告がある4)

    5. 11.1.5 自己免疫現象(頻度不明)

      自己免疫現象によると思われる症状・徴候(強皮症、溶血性貧血、糖尿病)があらわれたとの報告がある5) ,6) ,7)

    11.2 その他の副作用

    10%以上

    5~10%未満

    0.1~5%未満

    頻度不明

    循環器

    血圧低下、不整脈、動悸、頻脈、下肢冷感

    インフル
    エンザ様
    症状1)

    発熱(73.3%)、悪寒・戦慄(39.9%)、全身倦怠感(34.9%)、頭痛・頭重感

    筋肉痛、関節痛

    血液

    好酸球増多(69.4%)

    好中球減少、白血球増加、白血球減少、リンパ球減少、貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少)、血小板減少、フィブリノーゲン減少

    肝臓

    ALT上昇、AST上昇

    Al-P上昇

    γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、LDH上昇、コリンエステラーゼ低下

    腎臓

    BUN上昇、血清クレアチニン上昇

    消化器

    食欲不振(36.8%)、悪心・嘔吐

    下痢、腹部膨満感、腹痛、腹部不快感、胃潰瘍、口内乾燥、口腔内アフタ

    皮膚

    そう痒感

    紅斑、発疹、脂漏性皮膚炎、潮紅、皮膚腫脹、皮膚落屑

    呼吸器

    呼吸困難、喘息発作、咳・痰、鼻閉、鼻汁

    精神神経系

    見当識障害、発汗、しびれ感、めまい、ふらつき

    注射部位

    発赤

    静脈炎、疼痛

    その他

    膀胱炎様症状、耳鳴、血清総蛋白の減少、血清アルブミン減少、蛋白尿、CRP上昇、高カリウム血症、LAP上昇、IgG増多、IgA増多、IgE増多

    発現頻度は血管肉腫及び腎癌に対する国内臨床試験の併合解析に基づく。
    1) 症状があらわれた場合には、必要に応じて解熱剤の投与等の適切な処置を行うこと。

    13. 過量投与

    1. 13.1 徴候、症状

      通常投与量の10倍以上の投与により、重篤な低血圧、腎不全、呼吸不全、肺うっ血、精神状態の変化、心筋虚血、心筋炎・壊死、消化管出血、腸管穿孔・閉塞等が認められている。

    2. 13.2 処置

      海外において、他の遺伝子組換え型インターロイキン-2製剤の過量投与による生命にかかわる重篤な副作用が、副腎皮質ホルモン剤の静脈内投与により、緩和されたとの報告がある。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    1. 14.1.1 本剤1瓶(テセロイキン35万単位)あたり、添付の日局注射用水1mLを加え、溶解する。
    2. 14.1.2 本剤の1回投与量を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等の200~500mLに加えて点滴静注する。
    3. 14.1.3 **用時調製し、溶解後は速やかに使用すること。

    15. その他の注意

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    臨床において、本剤によりリンパ系腫瘍の増悪を来したとの報告はないが、in vitroにおいてリンパ系腫瘍細胞の増殖を促進したとの報告があるため、リンパ系腫瘍を合併している症例に投与するときには注意すること。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 単回投与

      悪性腫瘍患者(成人)4例に、注射用テセロイキン1回70万単位を、正確に2時間かけて定速静注したとき、血清中濃度は投与終了時が最も高く、その後の消失は2相性を示した8)

       

      表16-1 薬物動態パラメータ

      投与量
      (単位)

      例数

      Cmax
      (単位/mL)

      AUC0-∞
      (単位・hr/mL)

      T1/2(α)
      (hr)

      T1/2(β)
      (hr)

      70万

      4

      53.6±13.0

      129±32

      0.23±0.15

      1.46±0.79

      (測定法:bioassay及びenzyme immunoassay)(平均値±標準偏差)

    16.3 分布

    1. 16.3.1 ラットに125I-標識テセロイキン35万単位/mL/kgを静脈内投与した5分後の主要臓器中放射活性は、腎臓が最も高く、血清、脾臓、肺、心臓、肝臓の順で、脳では定量限界以下であった9)
    2. 16.3.2 妊娠ラットにテセロイキンを静脈内投与したとき、胎児の血清、肝臓、腎臓、脳の濃度は定量限界以下であった9)
    3. 16.3.3 授乳中のラットにテセロイキン35万単位/kgを静脈内投与したとき、30分~4時間後の乳汁中濃度はいずれも低いものであった9)

    16.4 代謝

    ラットに静脈内投与されたテセロイキンは各組織から比較的速やかに消失しているが、代謝物に関しては不明である。

    主な代謝臓器は腎臓であり、近位尿細管で細胞内に取り込まれ、分子量の小さい代謝物になると考えられる9) ,10)

    16.5 排泄

    悪性腫瘍患者(成人)7例に、注射用テセロイキンの35万単位(1例)、70万単位(6例)を定速静注したとき、0~4時間の尿中濃度をbioassay及びenzyme immunoassayで測定したが、いずれの測定法でも検出されなかった11) ,12)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    • 〈血管肉腫〉
      1. 17.1.1 国内一般臨床試験

        承認時における一般臨床試験での有効性評価対象例は11例であり、奏効率は36.4%(CR1例及びPR3例)であった13)

        表17-1 臨床成績(血管肉腫)

        疾患名

        有効性評価
        対象例数

        奏効率(%)

        臨床評価(評価例数)

        CR+PR

        CR

        PR

        MR

        NC

        PD

        血管肉腫

        11

        36.4

        1

        3

        0

        3

        4

        CR:complete response  PR:partial response  MR:minor response

        NC:no change  PD:progressive disease

    • 〈腎癌〉
      1. 17.1.2 国内一般臨床試験

        承認時における一般臨床試験での有効性評価対象例は119例であり、奏効率は14.3%(CR3例及びPR14例)であった。そのうち、インターフェロン(IFN)無効例が66例あり、その奏効率は13.6%(CR1例及びPR8例)であった。

        表17-2 臨床成績(腎癌)

        疾患名

        有効性評価
        対象例数

        奏効率(%)

        臨床評価(評価例数)

        CR+PR

        CR

        PR

        MR

        NC

        PD

        NE

        腎癌

        119

        14.3

        3

        14

        3

        46

        44

        9

        腎癌(IFN無効)

        66

        13.6

        1

        8

        3

        29

        22

        3

        NE:not evaluable、その他の略号は表17-1に同じ

    • 〈神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強〉
      1. 17.1.3 *国内第Ⅱb相臨床試験(GD2-PⅡ試験)

        初回診断時に31歳未満の大量化学療法を含む集学的治療施行後に疾患進行が認められない高リスク群神経芽腫患者2)  35例を対象として、本剤、ジヌツキシマブ及びフィルグラスチムの併用投与3) (DIN/FIL/TEC群)と、ジヌツキシマブ、sargramostim、aldesleukin及びisotretinoinの併用投与(米国レジメン群)の有効性及び安全性を検討する非盲検無作為化比較試験を実施した。主要評価項目である治験責任医師判定による2年無イベント生存率[95%信頼区間]は、DIN/FIL/TEC群で80.8[51.4~93.4]%、米国レジメン群で62.3[36.7~80.0]%であった。

        DIN/FIL/TEC群16例において、副作用が全例(100%)に認められた。主な副作用は、発熱16例(100%)、低アルブミン血症15例(93.8%)、ALT増加14例(87.5%)、GGT増加、嘔吐、好中球数減少、貧血、AST増加、顔面浮腫[以上13例(81.3%)]、血小板数減少、便秘[以上12例(75.0%)]、倦怠感、食欲減退[以上11例(68.8%)]、腹痛、疼痛[以上10例(62.5%)]、下痢9例(56.3%)、血中尿素増加、咳嗽[以上8例(50.0%)]であった(2019年9月6日データカットオフ)14)

         

        2) 臨床試験に組み入れられた患者の年齢は2~8歳であった。

        3) 28日間を1サイクルとして、①ジヌツキシマブ17.5mg/m2を第1、3、5サイクルの第4~7日目及び第2、4、6サイクルの第8~11日目に静脈内投与、②フィルグラスチム5μg/kgを第1、3、5サイクルの第1~14日目に皮下投与、③本剤75万単位/m2を第2、4、6サイクルの第1~4日目、及び100万単位/m2を同サイクルの第8~11日目に静脈内投与

         

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    主としてT細胞やNK細胞に結合し、活性化することにより、細胞障害能の高いキラー細胞を誘導して腫瘍を障害する。更にB細胞やマクロファージにも結合し、免疫を賦活する。

    18.2 薬理作用

    1. 18.2.1 抗腫瘍作用

      健康成人6例(男性5例、女性1例)から得られた末梢血リンパ球に70単位/mLを加えて72時間培養したとき、ヒト腎癌培養細胞3株に対する強い細胞障害活性が誘導された。しかし、正常細胞(ConA刺激ヒト正常リンパ球)に対する作用は示さなかった(in vitro)。

    2. 18.2.2 抗腫瘍作用

      Renca(自然発生マウス腎癌)に対し、生存期間の延長と転移抑制効果を示した15)

      また、化学発癌のマウス腎癌に対して著しい転移抑制効果を示した16) in vivo)。

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    テセロイキン(遺伝子組換え)
    (Teceleukin(Genetical Recombination))(JAN)[日局]

    分子式

    C698H1127N179O204S8

    分子量

    15547.01

    性状

    無色澄明の液である。

    本質

    遺伝子組換えヒトインターロイキン-2であり、N末端にメチオニンが結合した134個のアミノ酸残基からなる蛋白質である。

    略号

    rIL-2

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は遮光して保存すること。

    22. 包装

    1瓶(溶解液として、日局注射用水1mL添付)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    共和薬品工業株式会社 学術情報課

    〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4

    電話0120-041-189

    FAX 06-6121-2858

     

    共和クリティケア株式会社 学術情報課

    〒112-0006 東京都文京区小日向4-2-8

    TEL 0120-265-321  FAX 03-5840-5145

    25. 保険給付上の注意

    *本製剤を、神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強に用いる場合は、ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)及びフィルグラスチム(遺伝子組換え)との併用療法を行う場合に限り使用されるものであること。(令和3年6月23日付け保医発0623第1号厚生労働省保険局医療課長通知)

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    塩野義製薬株式会社

    大阪市中央区道修町3丁目1番8号

    26.2 発売元

    共和薬品工業株式会社

    大阪市北区中之島3-2-4

    26.3 プロモーション提携

    共和クリティケア株式会社

    神奈川県厚木市旭町四丁目18番29号