はしか風しん混合生ワクチン「第一三共」

作成又は改訂年月

2022年 4月改訂 ( 第1版 )

日本標準商品分類番号

876369

薬効分類名

ウイルスワクチン類混合製剤

承認等

はしか風しん混合生ワクチン「第一三共」

販売名コード

YJコード

636940CD3048

販売名英語表記

FREEZE-DRIED LIVE ATTENUATED MEASLES, RUBELLA COMBINED VACCINE “DAIICHI SANKYO”

承認番号等

承認番号

22300AMX00394

販売開始年月

2011年 5月

貯法・有効期間

貯法

5℃以下で保存

有効期間

製造日から18箇月

基準名

生物学的製剤基準

乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン

規制区分

一般的名称

乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

  1. 2.1 明らかな発熱を呈している者
  2. 2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  3. 2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  4. 2.4 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者
  5. 2.5 妊娠していることが明らかな者
  6. 2.6 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

本剤は、弱毒生麻しんウイルス(AIK-C株)を特定の伝染性の疾患に感染していないニワトリ胚初代培養細胞で増殖させ、得たウイルス液を精製したものと、弱毒生風しんウイルス(高橋株)を特定の伝染性の疾患に感染していない健康なウサギの腎初代培養細胞で増殖させ、得たウイルス液を精製したものとを混合し、安定剤を加え分注した後、凍結乾燥したものである。培養液にはM199を使用している。
なお、本剤は製造工程でウシの血液由来成分(血清)、ウシの乳由来成分(ラクトアルブミン水解物)及びブタの膵臓由来成分(トリプシン、パンクレアチン)を使用している。
また、1970年代に作製したマスターシードに、動物種及び原産国が明らかでない生物由来原料(血清、トリプシン、ラクトアルブミン水解物、乳糖水和物、エリスロマイシンラクトビオン酸塩、ゼラチン)を一部使用している。

3.2 組成

はしか風しん混合生ワクチン「第一三共」

有効成分本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶かした液剤0.5mL中
弱毒生麻しんウイルス(AIK-C株)  5,000FFU以上
本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶かした液剤0.5mL中
弱毒生風しんウイルス(高橋株)  1,000FFU以上
添加剤本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶かした液剤0.5mL中
乳糖水和物 25mg、D-ソルビトール 9mg、L-グルタミン酸ナトリウム 2mg、エリスロマイシンラクトビオン酸塩 12.5μg(力価)以下、カナマイシン硫酸塩 12.5μg(力価)以下、M199-3 適量

3.3 製剤の性状

はしか風しん混合生ワクチン「第一三共」

pH7.9~8.5
浸透圧比1.4~1.8(生理食塩液対比)
性状乳白色の乾燥製剤
添付の溶剤0.7mLを加え、混和して溶解すると、速やかに溶解して無色の澄明な液剤となる。

4. 効能又は効果

本剤は、麻しん及び風しんの予防に使用する。

6. 用法及び用量

本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解し、通常、その0.5mLを1回皮下に注射する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 接種対象者
    1. 7.1.1 定期の予防接種
      1. (1) 第1期 生後12月から24月に至るまでの間にある者
      2. (2) 第2期 5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者(小学校就学前の1年間にある者)
      3. (3) *昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性。この対象者は、令和7年3月31日までの適用とする。
    2. 7.1.2 任意の予防接種

      任意接種として、性、年齢に関係なく接種できる。

  2. 7.2 輸血及びガンマグロブリン製剤投与との関係

    輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、通常、3か月以上間隔を置いて本剤を接種すること。
    また、ガンマグロブリン製剤の大量療法において200mg/kg以上投与を受けた者は、6か月以上間隔を置いて本剤を接種すること。

  3. 7.3 他の生ワクチン(注射剤)との接種間隔

    他の生ワクチン(注射剤)の接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。

  4. 7.4 同時接種

    医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
  2. 8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
  3. 8.3 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種直後及び5~14日の間の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

9. 特定の背景を有する者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  1. 9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

    ,

  2. 9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  3. 9.1.3 過去にけいれんの既往のある者
  4. 9.1.4 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  5. 9.1.5 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者

9.2 腎機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.3 肝機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.4 生殖能を有する者

妊娠可能な女性においては、あらかじめ約1か月間避妊した後接種すること、及びワクチン接種後約2か月間は妊娠しないように注意させること。

9.5 妊婦

妊娠していることが明らかな者には接種しないこと。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    副腎皮質ステロイド剤

    • プレドニゾロン等

    免疫抑制剤

    • シクロスポリン
      • サンディミュン
      • ネオーラル
    • タクロリムス
      • プログラフ
    • アザチオプリン
      • イムラン

    麻しん又は風しん様症状があらわれるおそれがある。

    特に長期あるいは大量投与を受けている者、又は投与中止後6か月以内の者は、免疫機能抑制下にあるため、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    輸血

    ガンマグロブリン製剤

    接種前3か月以内に輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、3か月以上過ぎるまで接種を延期すること。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法において200mg/kg以上投与を受けた者は、6か月以上(麻しん感染の危険性が低い場合は11か月以上)過ぎるまで接種を延期すること。
    本剤接種後14日以内にガンマグロブリン製剤を投与した場合は、投与後3か月以上経過した後に本剤を再接種することが望ましい。

    輸血及びガンマグロブリン製剤中に麻しん又は風しん抗体が含まれると、ワクチンウイルスが中和されて増殖の抑制が起こり、本剤の効果が得られないおそれがある。

    ツベルクリン反応検査

    本剤接種後1か月以内はツベルクリン反応が弱くなることがある。

    細胞性免疫の抑制が起こることがある。

    他の生ワクチン(注射剤)

    • おたふくかぜワクチン
    • 水痘ワクチン
    • BCGワクチン
    • 黄熱ワクチン等

    通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。

    他の生ワクチン(注射剤)の干渉作用により本剤のウイルスが増殖せず免疫が獲得できないおそれがある。

    11. 副反応

    次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副反応

    1. 11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)

      蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等があらわれることがある。

    2. 11.1.2 血小板減少性紫斑病(頻度不明)

      通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。

    3. 11.1.3 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(頻度不明)

      通常、接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。

    4. 11.1.4 脳炎・脳症(頻度不明)

      異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。

    5. 11.1.5 けいれん(熱性けいれんを含む)(頻度不明)

    11.2 その他の副反応

    5%以上

    0.1~5%未満

    頻度不明

    過敏症1)

    発熱、発疹、蕁麻疹

    紅斑、多形紅斑、そう痒

    全身症状2)

    発熱、発疹

    不機嫌、食欲減退、鼻汁、咳、下痢、嘔吐、眼脂、頸部その他のリンパ節腫脹

    だるさ、咽頭紅斑、口腔咽頭痛、鼻閉、腹痛、頭痛、関節痛

    局所症状

    発赤

    硬結、腫脹

    疼痛

    1) 接種直後から数日中にあらわれることがある。
    2) 接種後5~14日ごろに1~3日間あらわれることがある。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤接種時の注意

    1. 14.1.1 接種時
      1. (1) 接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用い、被接種者ごとに取り換えること。
      2. (2) 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
      3. (3) 本剤の溶解に当たっては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、添付の溶剤で均一に溶解して、所要量を注射器内に吸引すること。この操作に当たっては、雑菌が迷入しないよう注意すること。また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用しないこと。
      4. (4) 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
    2. 14.1.2 接種部位

      接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒すること。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

      健康小児(12か月以上24か月未満)を対象とした臨床試験において、本剤0.5mLを425例に1回皮下接種した。有効性評価対象423例のうち、接種前において、麻しんウイルスあるいは風しんウイルスに対する抗体が陰性であった小児の抗体陽転率及び陽転者の接種後幾何平均抗体価は次のとおりであった。麻しん抗体は中和法とHI法(赤血球凝集抑制試験法)で測定した。風しん抗体はHI法で測定した。麻しんに対する中和抗体陽転率(中和抗体価4倍以上)は99.8%(419/420例)、麻しんに対するHI抗体陽転率(HI抗体価8倍以上)は99.1%(419/423例)、風しんに対するHI抗体陽転率(HI抗体価8倍以上)は99.1%(418/422例)であった1)

      抗体陽転率及び幾何平均抗体価

      抗体の種類

      抗体
      測定法

      陽性基準
      抗体価3)

      接種前抗体
      陰性者数

      抗体
      陽転率(%)

      接種後抗体価4)
      (平均値±標準偏差)

      麻しん抗体

      中和法

      4倍

      420

      99.8

      4.8±0.97

      8倍

      423

      99.3

      4.8±0.95

      HI法

      8倍

      423

      99.1

      5.3±0.98

      風しん抗体

      HI法

      8倍

      422

      99.1

      6.0±1.06

      3) 陽性基準抗体価:抗体陽性と規定した最小抗体価
      4) 接種後抗体価:接種前に陰性で接種後に陽性になった小児の抗体価の対数変換値(log2

      また、副反応発現頻度は本剤接種群39.6%(168/424例)であり、接種後6~8週間までに次の副反応が認められた1)

      発現頻度

      5%以上

      0.1%~5%未満

      主な副反応(5%以上)の症状説明

      全身症状

      発熱(37.5℃以上)、発疹

      不機嫌、鼻漏、食欲不振、上気道感染、下痢、咳嗽、蕁麻疹、鼻咽頭炎、嘔吐、リンパ節症、紅斑性皮疹、気管支炎、眼脂、胃腸炎、咽頭炎、くしゃみ、ウイルス性発疹、ウイルス性上気道感染、咽頭紅斑

      発熱(37.5℃以上)の平均発現時期は接種後8.1日、平均持続期間は2.6日、最高体温は平均37.8℃(最高40.1℃)であり、最高体温の平均発現時期は接種後9.5日であった。
      発疹の平均発現時期は接種後9.3日、平均持続期間は5.3日であった。

      局所症状
      (注射部位)

      紅斑

      硬結、腫脹、そう痒感、内出血、発疹、丘疹

      紅斑の平均発現時期は接種後5.0日、平均持続期間は4.3日であった。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    麻しんウイルス及び風しんウイルスは経気道的に感染し、上気道の局所リンパ節で増殖後ウイルス血症を起こして全身の標的器官に運ばれ、麻しんあるいは風しんを発症すると考えられている。しかし、予め本剤の接種により麻しんウイルス及び風しんウイルスに対する液性免疫及び細胞性免疫が獲得されていると、感染したウイルスの増殖は抑制され、発症は阻止される2)

    20. 取扱い上の注意

    本剤のウイルスは日光に弱く、速やかに不活化されるので、溶解の前後にかかわらず光が当たらないよう注意すること。

    22. 包装

    1人分 1バイアル
    溶剤:日本薬局方注射用水0.7mL 1バイアル添付

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    第一三共株式会社 製品情報センター

    〒103-8426 東京都中央区日本橋本町3-5-1

    TEL:0120-189-132

    25. 保険給付上の注意

    本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    第一三共株式会社

    東京都中央区日本橋本町3-5-1