テトラビック皮下注シリンジ

作成又は改訂年月

**2023年 4月改訂 ( 第3版 )
2022年 12月改訂 ( 第2版 )

日本標準商品分類番号

876361

薬効分類名

ワクチン・トキソイド混合製剤

承認等

テトラビック皮下注シリンジ

販売名コード

YJコード

636140DG1021

販売名英語表記

TETRABIK

承認番号等

承認番号

22400AMX00781000

販売開始年月

2012年 10月

貯法・有効期間

貯法

凍結を避け、10℃以下で保存

有効期間

製造日から27か月

基準名

生物学的製剤基準

沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(セービン株)混合ワクチン

規制区分

一般的名称

沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(セービン株)混合ワクチン

2. 接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者)

  1. 2.1 明らかな発熱を呈している者
  2. 2.2 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
  3. 2.3 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
  4. 2.4 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

3. 製法の概要及び組成・性状

3.1 製法の概要

本剤は、百日せき菌Ⅰ相菌(東浜株)の培養ろ液を精製後、ホルマリンで減毒した感染防御抗原画分と、ジフテリア菌(Park-Williams No.8株)及び破傷風菌(Harvard株)の培養ろ液中の毒素を、それぞれ精製後、ホルマリンで無毒化したトキソイド液、及びVero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来株化細胞)で増殖させた弱毒ポリオウイルス(セービン株)を精製後、ホルマリンで不活化したウイルス液をそれぞれ規定濃度に混合し、免疫原性を高めるためにアルミニウム塩に吸着させ不溶性とした液剤である。
なお、本剤は製造工程でウシの乳由来成分(カザミノ酸、スキムミルク、ペプトン、ラクトアルブミン加水分解物)、心臓由来成分(ビーフハートインフュージョン)、肝臓、肉、肉由来成分(牛肉消化液)、血液、血液由来成分(血清)、ブタの膵臓由来成分(パンクレアチン)、ブタ由来成分(トリプシン、パンクレアチン)及びウマ由来成分(血清)を使用している。

3.2 組成

本剤は、0.5mL中に次の成分を含有する。

テトラビック皮下注シリンジ

有効成分百日せき菌の防御抗原  4単位以上
ジフテリアトキソイド  15Lf以下
破傷風トキソイド  2.5Lf以下
不活化ポリオウイルス1型(Sabin株)  1.5DU
不活化ポリオウイルス2型(Sabin株)  50DU
不活化ポリオウイルス3型(Sabin株)  50DU
添加剤リン酸水素ナトリウム水和物  1.10mg
リン酸二水素ナトリウム水和物  0.56mg
塩化ナトリウム  4.25mg
塩酸  適量
水酸化ナトリウム  適量
塩化アルミニウム(Ⅲ)水和物(アルミニウム換算)  0.08mg
水酸化アルミニウムゲル(アルミニウム換算)  0.02mg
ホルマリン(ホルムアルデヒド換算)  0.025mg
エデト酸ナトリウム水和物  0.0175mg
M199培地  0.5mg

DU:D抗原単位

3.3 製剤の性状

テトラビック皮下注シリンジ

性状不溶性で、振り混ぜるとき均等に白濁する液剤
pH5.8~7.4
浸透圧比1.0±0.3(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

百日せき、ジフテリア、破傷風及び急性灰白髄炎の予防

6. 用法及び用量

初回免疫:小児に通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも3週間以上の間隔で皮下に注射する。

追加免疫:小児に通常、初回免疫後6か月以上の間隔をおいて、0.5mLを1回皮下に注射する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 接種対象者・接種時期

    **本剤の接種は、生後2か月から90か月までの間にある者に行うが、初回免疫については、標準として生後2か月から12か月までの者に3~8週間の間隔で、追加免疫については、標準として初回免疫終了後12か月から18か月を経過した者に接種する。

  2. 7.2 同時接種

    医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
  2. 8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
  3. 8.3 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

9. 特定の背景を有する者に関する注意

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

  1. 9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

    ,

  2. 9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
  3. 9.1.3 過去にけいれんの既往のある者
  4. 9.1.4 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
  5. 9.1.5 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者

9.2 腎機能障害を有する者

接種要注意者である。

9.3 肝機能障害を有する者

接種要注意者である。

11. 副反応

次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副反応

  1. 11.1.1 *ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    *蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫等があらわれることがある。

  2. 11.1.2 血小板減少性紫斑病(頻度不明)

    通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等を実施し、適切な処置を行うこと。

  3. 11.1.3 脳症(頻度不明)

    発熱、四肢麻痺、けいれん、意識障害等の症状があらわれることがある。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。

  4. 11.1.4 けいれん(頻度不明)

    通常、接種直後から数日ごろまでにあらわれる。

11.2 その他の副反応

5%以上

1~5%未満

1%未満

頻度不明

局所症状(注射部位)

紅斑、硬結、腫脹

血腫、熱感

湿疹、疼痛、発疹

そう痒感

呼吸器

咳嗽、鼻漏

上気道の炎症

鼻閉

消化器

下痢

嘔吐

便秘

食欲減退

皮膚

発疹

蕁麻疹、湿疹

紅斑

その他

発熱

倦怠感、眼そう痒症、気分変化、脱水、鼻咽頭炎

14. 適用上の注意

14.1 薬剤接種時の注意

  1. 14.1.1 接種時
    1. (1) 【テトラビック皮下注シリンジの使用方法】に従い接種準備を行うこと。
    2. (2) 注射針は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用いること。
    3. (3) 冷蔵庫から取り出し室温になってから、シリンジ(注射器)内の液剤を泡立てないように反転し、均等にして使用すること。
    4. (4) 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。
    5. (5) 本剤は添加剤として保存剤を含有していないので、チップキャップを取り外した後は速やかに使用すること。
    6. (6) 本剤の使用に際しては、雑菌が迷入しないよう注意すること。また、他の容器に移し使用しないこと。
    7. (7) 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
    8. (8) 本剤は、1回限りの使用とすること。
  2. 14.1.2 接種部位

     接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。なお、同一接種部位に反復して接種しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

*因果関係は明確ではないが、沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(セービン株)混合ワクチン接種後にギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎が報告されている。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

    生後3か月以上74か月未満の健康小児247例(男児135例、女児112例)を対象に本剤0.5mLを計4回(初回免疫として3~8週間隔で3回、追加免疫として6~12か月隔てて1回)皮下に接種した。初回免疫後及び追加免疫後における弱毒ポリオウイルス(セービン株:1型、2型、3型)、百日せき毒素(PT)、線維状赤血球凝集素(FHA)、ジフテリア毒素、破傷風毒素それぞれの抗体陽性率、抗体陽転率、抗体価の推移及び副反応発生状況は以下のとおりであった。1)

    表1 本剤接種後の抗体陽性率1)

    初回免疫後

    追加免疫後

     %(95%CI)

     n

     %(95%CI)

    n

    弱毒ポリオ
    ウイルス

    (セービン株)

     1型

    100(98.5-100)

    246

    100(98.5-100)

    243

     2型

    100(98.5-100)

    246

    100(98.5-100)

    243

    3型

    100(98.5-100)

    246

    100(98.5-100)

    243

     百日せき毒素(PT)

    100(98.5-100)

    246

    100(98.5-100)

    244

     百日せきFHA

    100(98.5-100)

    246

    100(98.5-100)

    244

     ジフテリア毒素

    100(98.5-100)

    246

    100(98.5-100)

    244

    破傷風毒素

    99.6(97.8-100)

    246

    100(98.5-100)

    244

    n:解析対象者数、CI:信頼区間

    1) 抗体陽性率:接種後の抗体価が陽性2)  を示した被験者の割合
    2) 抗体陽性基準値
      弱毒ポリオウイルス(セービン株):中和法で8倍以上
      百日せき毒素(PT)、百日せきFHA:酵素免疫測定法で10.0(U/mL)以上3)
      ジフテリア毒素:中和法で0.1(IU/mL)以上
      破傷風毒素:間接凝集試験法で0.01(U/mL)以上4)
    3) EU(ELISA単位)と同意語
    4) IU(国際単位)と同意語

    表2 本剤接種後の抗体陽転率5)

     初回免疫後

     追加免疫後

     %(95%CI)

    n

     %(95%CI)

    n

    弱毒ポリオ
    ウイルス

    (セービン株)

      1型

     95.1(91.6-97.5)

     246

     99.6(97.7-100)

     243

      2型

     98.8(96.5-99.7)

     246

     99.2(97.1-99.9)

    243

      3型

     99.2(97.1-99.9)

     246

     100(98.5-100)

    243

    百日せき毒素(PT)

     100(98.5-100)

     241

     100(98.5-100)

    239

    百日せきFHA

     100(98.4-100)

     229

     100(98.4-100)

    227

    ジフテリア毒素

     100(98.5-100)

     238

     100(98.4-100)

    236

    破傷風毒素

     100(96.7-100)

     111

     100(96.7-100)

    110

    n:解析対象者数、CI:信頼区間

    5) 抗体陽転率:接種前の抗体価が陰性かつ接種後の抗体価が陽性を示した被験者の割合
    ポリオウイルス抗体については、接種前に陽性で接種後4倍以上上昇した場合も含む

    表3 本剤接種後の抗体価(幾何平均)の推移

    接種前
    (n=246)

     初回免疫後
    (n=246)

     追加免疫前
    (n=243-244)

    追加免疫後
    (n=243-244)

    弱毒ポリオ
    ウイルス

    (セービン株)6)

     1型

     6.6

    1734.1

    849.2

    5914.3

     2型

    7.8

    1978.2

    975.5

    10734.7

     3型

     3.2

    1734.1

    474.4

    7590.6

     百日せき毒素(PT)7)

     0.79

    203.56

    83.36

    212.50

     百日せきFHA7)

     2.62

    92.29

    44.75

    179.35

     ジフテリア毒素8)

     0.008

    1.302

    1.610

    8.418

     破傷風毒素9)

     0.017

    0.905

    1.055

    3.097

    6) 抗体価が8倍未満の場合は2.8倍として集計
    7) 抗体価(U/mL)が0.1未満の場合は「0.05」として集計
    8) 抗体価(IU/mL)が0.01未満の場合は「0.005」として集計
    9) 抗体価(U/mL)が0.01未満の場合は「0.005」として集計
    接種部位及び接種部位以外の副反応の発現率は、1回目接種(247例)で94例(38.1%)及び45例(18.2%)、2回目接種(247例)で165例(66.8%)及び66例(26.7%)、3回目接種(247例)で140例(56.7%)及び41例(16.6%)、4回目接種(244例)で117例(48.0%)及び55例(22.5%)であった。主な副反応は、以下のとおりである。

  • 接種部位の副反応
    注射部位紅斑:1回目79例(32.0%)、2回目159例(64.4%)、3回目126例(51.0%)、4回目89例(36.5%)、注射部位硬結:1回目61例(24.7%)、2回目113例(45.7%)、3回目101例(40.9%)、4回目77例(31.6%)、注射部位腫脹:1回目20例(8.1%)、2回目66例(26.7%)、3回目38例(15.4%)、4回目37例(15.2%)
  • 接種部位以外の副反応
    発熱:1回目23例(9.3%)、2回目50例(20.2%)、3回目28例(11.3%)、4回目39例(16.0%)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤の接種は、有効成分に対して一定(発症防御レベル)以上の抗体の産生を誘導し、百日せき、ジフテリア、破傷風及び急性灰白髄炎の発症を予防する。

18.2 発症防御レベル

百日せきは罹患小児の回復期血清で、抗PT抗体及び抗FHA抗体をELISA法により測定した結果から、両抗体共少なくとも10EU(ELISA単位)/mL以上が血中に存在すればよいとの報告がある2)  。ジフテリアに対する発症防御は、0.1IU(国際単位)/mLの抗毒素(抗体)が3)  、また破傷風に対する発症防御は、0.01IU/mLの抗毒素がそれぞれ血中に存在すればよいとの報告がある4)  。
急性灰白髄炎については、ポリオウイルス1型、2型、3型に対する中和抗体価がそれぞれ8倍以上あれば発症を防御できるとする報告がある5)  。

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

シリンジ 0.5mL 1本

24. 文献請求先及び問い合わせ先

田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター

〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10

電話 0120-753-280

25. 保険給付上の注意

本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

一般財団法人 阪大微生物病研究会

香川県観音寺市瀬戸町四丁目1番70号

26.2 販売元

田辺三菱製薬株式会社

大阪市中央区道修町3-2-10



【テトラビック皮下注シリンジの使用方法】

①接種に使用する注射針を用意する。注射針は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用いる。

②ワクチン名、識別色(ベージュ)、製造番号、最終有効年月日を確認後、ケースを開封し、ブリスター容器の蓋フィルムをゆっくりと引きはがす。

③シリンジ胴体をつまんでゆっくりと容器からシリンジを取り出す。

※プランジャーロッド(押し子)をもって無理に引き上げないこと。

※破損や液漏れ、異常な混濁、着色、異物の混入、その他の異常が認められる場合は使用しないこと。

※プランジャーロッドが緩んでいないか確認すること。

④室温になってからシリンジ内の液剤を泡立てないようにしずかに反転し、均等にする。

⑤シリンジ先端を上に向け、シリンジ胴体を指ではじき、シリンジ内の気泡を上部に集める。

⑥シリンジ先端に包装してあるチップキャップラベルとその下に装着されているチップキャップをミシン目に沿ってひねりとる。

※チップキャップを取り外した後は、直ちに使用すること。

⑦①で用意した注射針をルアーロックアダプターに時計回りにねじ込み装着する。

※注射針がまっすぐに固定されていることを確認すること。

⑧注射針を少し傾けて、プランジャーロッドをゆっくり押してシリンジ内の気泡を完全に抜き、プランジャーストッパー(押し子先端のゴム栓)を下図のとおり用量線に合わせ接種を行う。