組織培養不活化狂犬病ワクチン


作成又は改訂年月

**2021年7月改訂(第20版)

*2020年10月改訂

日本標準商品分類番号

876313

薬効分類名

ウイルスワクチン類

承認等

販売名
組織培養不活化狂犬病ワクチン

販売名コード

6313400A1023

承認・許可番号

承認番号
15500EZZ00956
商標名
Inactivated Tissue Culture Rabies Vaccine

薬価基準収載年月

1980年9月
(一部限定適用)

販売開始年月

1996年5月

貯法・使用期限等

貯法

遮光して、10℃以下に凍結を避けて保存(【取扱い上の注意】参照)

有効期間

検定合格日から3年(最終有効年月日は外箱等に表示)

基準名

日本薬局方

乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン

生物学的製剤基準

乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン

規制区分

生物由来製品、劇薬、処方箋医薬品注)

注)注意-医師等の処方箋により使用すること

製法の概要及び組成・性状

製法の概要

 本剤は、ニワトリ胚初代培養細胞に馴化した狂犬病ウイルス(HEP Flury株)を、伝染性の疾患に感染していない鶏群(SPF鶏)から採取した発育鶏卵のニワトリ胚初代培養細胞で増殖させ、得たウイルスをベータープロピオラクトン0.02vol%で不活化し、濃縮・精製し、安定剤を加え分注した後、凍結乾燥したものである。

 細胞の培養に用いる培養液TCM-199には、抗生物質として1mL中カナマイシン硫酸塩を100μg(力価)及びエリスロマイシンラクトビオン酸塩を30μg(力価)含む。また着色剤としてフェノールレッドを6μg含有する。

 なお、本剤は製造工程でウシの血液由来成分(血清)、ウシの乳由来成分(ラクトアルブミン、ペプトン)、ブタ由来成分(酵素)を使用している。

組成

 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)全量で溶解した液剤1mL中に次の成分を含有する。

有効成分
不活化狂犬病ウイルス(HEP Flury株)

**2.5国際単位以上

添加物
乳糖水和物

75mg

添加物
L-グルタミン酸ナトリウム

1.0mg

添加物
ゼラチン

0.2mg

添加物
塩化ナトリウム

8.1mg

添加物
リン酸水素ナトリウム水和物

2.5mg

添加物
リン酸二水素カリウム

0.4mg

製剤の性状

 本剤は、不活化した狂犬病ウイルスを含む白色又は微黄白色の乾燥製剤である。

 添付の溶剤を加えると、無色又は淡黄赤色の澄明又はわずかに白濁した液剤となる。

 pH:6.8〜7.4

 浸透圧比(生理食塩液に対する比):1〜2

接種不適当者

(次の患者には投与しないこと)

(予防接種を受けることが適当でない者)

 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。

(1)
明らかな発熱を呈している者

(2)
重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者

(3)
本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者

(4)
上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

効能・効果

 本剤は、狂犬病の感染予防及び発病阻止に使用する。

用法・用量

 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)の全量で溶解し、次のとおり使用する。

1. 曝露前免疫
1.0mLを1回量として、4週間隔で2回皮下注射し、更に、6〜12箇月後1.0mLを追加する。

2. 曝露後免疫
1.0mLを1回量として、その第1回目を0日とし、以降3、7、14、30及び90日の計6回皮下に注射する。

用法・用量に関連する接種上の注意

1. 接種要否は世界保健機関(WHO)の推奨1)も参考に検討すること。
2. 咬傷等の曝露を受けた場合には、以前に曝露前免疫を完了した者であっても、必ず曝露後免疫を行うこと。
3. *同時接種
 医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。

接種上の注意

接種要注意者

(次の患者には慎重に投与すること)

(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

1.
ゼラチン含有製剤又はゼラチン含有の食品に対して、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等)等の過敏症の既往歴のある者

2.
心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

3.
予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者

4.
過去にけいれんの既往のある者

5.
過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者

6.
本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者

重要な基本的注意

1.
本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。

2.
被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。

3.
本剤は安定剤としてゼラチンを含有している。ゼラチン含有製剤の接種により、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等)があらわれたとの報告があるので、問診を十分に行い、接種後は観察を十分に行うこと。

4.
被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

副反応

(1)全身症状(頻度不明):一過性であるが、発熱を認めることがある。
(2)局所症状(頻度不明):一過性であるが、発赤、腫脹、疼痛等を認めることがある。

高齢者への接種

 一般に高齢者では、生理機能が低下しているので、接種に当たっては、予診等を慎重に行い、被接種者の健康状態を十分に観察すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への接種

 妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には接種しないことを原則とし、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。

接種時の注意

1. 接種用器具

(1)
接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用いる。

(2)
注射針及び注射筒は、被接種者ごとに取り換えなければならない。

2. 接種時

(1)
本剤の溶解に当たっては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、添付の溶剤で均一に溶解して、注射針をさし込み、所要量を注射器内に吸引する。この操作に当たっては雑菌が迷入しないよう注意する。また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用してはならない。

(2)
注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。

3. 接種部位
接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。

なお、同一接種部位に反復して接種することは避けること。

臨床成績

1. 有効性
 本剤を健康成人30名に2週間間隔で2回、うち10名については初回接種後6カ月目に1回追加接種した。2回接種後には抗体陽転率100%、平均中和抗体価105倍に達したが、6カ月後の3回接種前には、それぞれ40%、11倍に低下した。3回目接種2週後はそれぞれ100%、170倍に上昇した2)

 また、狂犬病又はその疑いのある動物により咬傷を受けた17名に本剤を接種すると狂犬病の症状を呈した者はなく、発病を予防したものと考えられる3)

2. 安全性4)
 本剤接種により、約10%に局所の発赤腫脹がみられるが、発熱などの全身反応はほとんどない。

薬効薬理5)

 狂犬病動物に咬まれた後でも速やかに抗血清(中和抗体)を注射すれば発病阻止に有効であるので、狂犬病ワクチン接種により産生される液性免疫(中和抗体)が有効となる。どのような免疫機構がワクチン接種によって発現し、有効に働いているかは明らかになっていない。

取扱い上の注意

1. 保存時
溶剤が凍結すると容器が破損することがある。

2. 接種前
溶解時に内容をよく調べ、沈殿及び異物の混入、その他異常を認めたものは使用しないこと。

3. 接種時
本剤の溶解は接種直前に行うこと。

なお、本剤は保存剤を含有していないので、溶解後は直ちに使用し、残液を保存して再使用することは厳に避けること。

包装

瓶入 1回分:1本

溶剤(日本薬局方注射用水) 1mL:1本添付

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
World Health Organization(WHO). Expert Consultation on Rabies. WHO Technical Report Series 1012, 2018

2)
山田 昭ほか:基礎と臨床 13 (10) 3210,1979

3)
Yamada A. et al.:Virus vaccines in Asian countries p.83,1986

4)
木村三生夫ほか:予防接種の手びき 第七版(近代出版) p.226,1995

5)
大谷 明:ワクチン学(講談社) p.30,1987

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

Meiji Seika ファルマ株式会社 くすり相談室

〒104-8002 東京都中央区京橋2-4-16

フリーダイヤル (0120) 093-396 電話 (03) 3273-3539

      FAX (03) 3272-2438

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
KMバイオロジクス株式会社

熊本市北区大窪一丁目6番1号

販売元
Meiji Seika ファルマ株式会社

東京都中央区京橋2-4-16