セフジニル細粒小児用10%「SW」


作成又は改訂年月

2022年8月作成 (第1版)

日本標準商品分類番号

876132

薬効分類名

経口用セフェム系抗生物質製剤

承認等

販売名
セフジニル細粒小児用10%「SW」

販売名コード

6132013C1171

承認・許可番号

承認番号
30400AMX00318000
商標名
CEFDINIR Fine Granules for Pediatric [SW]

薬価基準収載年月

2022年12月

販売開始年月

2023年2月

貯法・使用期限等

貯法

遮光室温保存
(光による退色及び湿気による固化のおそれがある)

使用期限

外箱等に表示

基準名

日本薬局方

セフジニル細粒

規制区分

処方箋医薬品

注意—医師等の処方箋により使用すること

組成及び性状の表

・組成

有効成分
[1g中] 
添加剤 
日局セフジニル 100mg(力価) デキストリン、二酸化ケイ素、乳糖、白糖、バニリン、ヒドロキシプロピルセルロース、赤色102号、香料 

・製剤の性状

剤形 性状 
細粒 淡赤白色 

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

原則禁忌

(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)

セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌

〈適応症〉
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱

効能又は効果に関連する使用上の注意

咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

用法及び用量

通常、小児に対してセフジニルとして1日量9〜18mg(力価)/kgを3回に分割して経口投与する。
なお、年齢及び症状に応じて適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

2.
高度の腎障害のある患者では血中濃度が持続するので、腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用すること。

3.
鉄剤との併用は避けることが望ましい。
やむを得ず併用する場合には、本剤の投与後3時間以上間隔をあけて投与する。(「相互作用」の項参照)

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
ペニシリン系抗生物質に対し、過敏症の既往歴のある患者

2.
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者

3.
高度の腎障害のある患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)

4.
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者〔ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。〕

重要な基本的注意

ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 
鉄剤 本剤の吸収を約10分の1まで阻害するので、併用は避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合には、本剤の投与後3時間以上間隔をあけて投与する。 腸管内において鉄イオンとほとんど吸収されない錯体を形成する。 
ワルファリンカリウム ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。 腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある。 
制酸剤(アルミニウム又はマグネシウム含有) 本剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与後2時間以上間隔をあけて投与する。 機序不明 

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

(頻度不明) 

1.
ショック:ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2.
アナフィラキシー:アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3.
皮膚障害:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4.
血液障害:汎血球減少、無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、頭痛、倦怠感等)、血小板減少(初期症状:点状出血、紫斑等)、溶血性貧血(初期症状:発熱、ヘモグロビン尿、貧血症状等)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5.
大腸炎:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

6.
間質性肺炎、PIE症候群:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

7.
腎障害:急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

8.
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸:劇症肝炎等の重篤な肝炎、著しいAST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

  頻度不明 
過敏症注) 発疹、蕁麻疹、紅斑、浮腫、そう痒、発熱 
血液 好酸球増多、顆粒球減少 
腎臓 BUN上昇 
消化器 下痢、腹痛、嘔吐、悪心、食欲不振、胃部不快感、胸やけ、便秘 
菌交代症 口内炎、カンジダ症、黒毛舌 
ビタミン欠乏症 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等) 
その他 めまい、頭痛、胸部圧迫感、しびれ 

注)発現した場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

小児等への投与

低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

臨床検査結果に及ぼす影響

1.
テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。

2.
直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。

その他の注意

1.
粉ミルク、経腸栄養剤など鉄添加製品との併用により、便が赤色調を呈することがある。

2.
尿が赤色調を呈することがある。

薬物動態

1.
生物学的同等性試験
セフジニル細粒小児用10%「SW」と標準製剤を健康成人男子にそれぞれ1g[セフジニルとして100mg(力価)]空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中セフジニル濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。2)

血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

2.
溶出挙動
本製剤は、日本薬局方に定められた溶出規格に適合していることが確認されている。3)

各製剤1g投与時の薬物動態パラメータ

  Cmax[ng(力価)/mL] Tmax(hr) T1/2(hr) AUC0-10hr[ng(力価)・hr/mL] 
セフジニル細粒小児用10%「SW」 1055.1±294.7 3.3±0.5 1.6±0.3 5263.2±1369.3 
標準製剤(細粒、10%) 1003.7±273.1 3.0±0.7 1.5±0.2 5116.0±1369.5 

(Mean±S.D., n=10)


薬効薬理

1.
セフジニルは、グラム陽性菌及び陰性菌に広範囲な抗菌スペクトルを持ち、特にグラム陽性菌のブドウ球菌属、レンサ球菌属等に対して強い抗菌力を示す。また、β-ラクタマーゼに安定で、β-ラクタマーゼ産生菌にも優れた抗菌力を示す。4)

2.
作用機序は細菌の細胞壁合成阻害であり、殺菌的に作用する。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
セフジニル(Cefdinir)

略号
CFDN

化学名
(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-Aminothiazol-4-yl)-2-(hydroxyimino)acetylamino]-8-oxo-3-vinyl-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylic acid

分子式
C14H13N5O5S2

分子量
395.41

構造式

性状
白色〜淡黄色の結晶性の粉末である。水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。pH7.0の0.1mol/Lリン酸塩緩衝液に溶ける。

取扱い上の注意

・安定性試験
包装品を用いた長期保存試験(室温、3年間)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。5)

包装

120包(1包0.5g)、100g(バラ)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き

2)
沢井製薬(株)社内資料[生物学的同等性試験]

3)
沢井製薬(株)社内資料[溶出試験]

4)
第十七改正日本薬局方解説書,廣川書店,2016,C-2724.

5)
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]

文献請求先

〔主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい〕

沢井製薬株式会社 医薬品情報センター

〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30

TEL:0120-381-999

FAX:06-7708-8966

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
沢井製薬株式会社

大阪市淀川区宮原5丁目2-30