ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)


作成又は改訂年月

**2016年6月改訂(第10版)

*2014年11月改訂(第9版)

日本標準商品分類番号

875200

薬効分類名

漢方製剤

承認等

販売名
ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)

販売名コード

5200139D1037

承認・許可番号

承認番号
(61AM)1133

薬価基準収載年月

1986年10月

販売開始年月

1986年10月

貯法・使用期限等

貯法

しゃ光・気密容器

使用期限

容器、外箱に表示

組成

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス3.25gを含有する。
日局ソウジュツ  4.0g
日局ブクリョウ  4.0g
日局センキュウ  3.0g
日局チョウトウコウ 3.0g
日局トウキ    3.0g
日局サイコ    2.0g
日局カンゾウ   1.5g

添加物

日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物

性状

剤形

顆粒剤

淡灰褐色

におい

特異なにおい

わずかに甘くて渋い

識別コード

ツムラ/54

一般的名称

抑肝散(よくかんさん)

効能又は効果

虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:
神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症

用法及び用量

通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
著しく胃腸の虚弱な患者 [食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等があらわれることがある。]

2.
食欲不振、悪心、嘔吐のある患者 [これらの症状が悪化するおそれがある。]

重要な基本的注意

1.
本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。

2.
本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意し、異常が認められた場合には投与を中止すること。

3.
他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等 
(1) カンゾウ含有製剤
(2) グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤

臨床症状・措置方法
偽アルドステロン症があらわれやすくなる。また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる。(「重大な副作用」の項参照)

機序・危険因子
グリチルリチン酸は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる。

副作用

副作用発生状況の概要

**,*副作用発現頻度調査(2012年10月〜2014年3月)において、3,141例中、136例(4.3%)162件に臨床検査値の異常を含む副作用が報告された。1)

重大な副作用

1. 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

2. 偽アルドステロン症(頻度不明)
低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

3. 心不全(0.1%未満)
心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、体液貯留、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、心胸比拡大、胸水等)が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4. ミオパチー、横紋筋融解症(頻度不明)
低カリウム血症の結果として、ミオパチー、横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・麻痺、CK(CPK)上昇、血中及び尿中のミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。

5. 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、AI-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

  0.1〜5%未満 0.1%未満 
過敏症注1)   発疹、発赤、そう痒等 
肝臓 肝機能異常   
消化器 食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等   
精神神経系 傾眠   
その他 低カリウム血症、浮腫、血圧上昇、倦怠感   

注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。


高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない]

薬効薬理

1. 抗不安様作用
正常マウスに経口投与したところ、高架式十字迷路実験において抗不安様作用を示した2)。この作用は脳虚血ラット(経口)3)及び老齢ラット(混餌)4)でも認められた。

2. 攻撃性抑制作用
アミロイド前駆体蛋白過剰発現マウス(混餌)5)、アミロイドβ蛋白脳室内注入マウス(経口)6)及び亜鉛欠乏マウス(飲水)7)に投与したところ、攻撃性が抑制された。

3. 睡眠障害改善作用
隔離ストレスマウスに経口投与したところ、ペントバルビタール誘発睡眠時間の短縮が抑制された8)

4. 作用機序
本剤は、以下の作用により薬理効果を示すことが示唆されている。

攻撃性抑制作用

(1) グルタミン酸放出抑制作用
亜鉛欠乏ラットに経口投与したところ、海馬細胞外液グルタミン酸濃度の上昇並びに海馬スライス標本におけるグルタミン酸神経終末開口放出が抑制された9)

(2) グルタミン酸取込是正作用
チアミン欠乏下のラット培養アストロサイトにおいて、グルタミン酸取込能の低下、グルタミン酸トランスポーターのmRNA並びに蛋白の発現低下を改善した(in vitro )10)

(3) セロトニン2A受容体ダウンレギュレーション作用
正常マウスに経口投与したところ、前頭前野セロトニン2A受容体発現量が低下し、セロトニン2A受容体作動薬(ジメトキシヨードアンフェタミン)誘発首振り運動が抑制された11)

(4) セロトニン1A受容体刺激作用

・パラクロロアンフェタミン処置ラット12)及び隔離ストレスマウス13)に経口投与したところ、攻撃性が抑制され、その作用はセロトニン1A受容体拮抗薬(WAY-100635)で消失した。

in vitro 受容体結合試験において、セロトニン1A受容体部分刺激作用を示した14)

*・電気ショックラットにおける不安抑制作用は、WAY-100635で消失した15)

包装

500g、5kg(500g×10)、2.5g×42包、2.5g×189包

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
**,*久田 孝光・他. 診断と治療. 2016, 104(5), p.640.

2)
栗原 久・他. 神経精神薬理. 1996, 18(3), p.179.

3)
Nogami, A. et al. J. Nat. Med. 2011, 65(2), p.275.

4)
Mizoguchi, K. et al. J. Ethnopharmacol. 2010, 127(1), p.70.

5)
Fujiwara, H. et al. Neuroscience. 2011, 180, p.305.

6)
Sekiguchi, K. et al. Phytother. Res. 2009, 23(8), p.1175.

7)
Tamano, H. et al. Brain Res. Bull. 2010, 83(6), p.351.

8)
Egashira, N. et al. J. Pharmacol. Sci. 2011, 116(3), p.316.

9)
Takeda, A. et al. Neurochem. Int. 2008, 53(6-8), p.230.

10)
Kawakami, Z. et al. Neuroscience. 2009, 159(4), p.1397.

11)
Egashira, N. et al. Prog. Neuropsychopharmacol. Biol. Psychiatry. 2008, 32(6), p.1516.

12)
Kanno, H. et al. J. Pharm. Pharmacol. 2009, 61(9), p.1249.

13)
Nishi, A. et al. Neuroscience. 2012, 207, p.124.

14)
Terawaki, K. et al. J. Ethnopharmacol. 2010, 127(2), p.306.

15)
*Yamaguchi, T. et al. J. Ethnopharmacol. 2012, 143(2), p.533.

文献請求先

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