ツムラ大柴胡湯エキス顆粒(医療用)
作成又は改訂年月
- **2014年10月改訂(第9版)
- *2013年3月改訂(第8版)
日本標準商品分類番号
- 875200
薬効分類名
- 漢方製剤
承認等
- 販売名
- ツムラ大柴胡湯エキス顆粒(医療用)

販売名コード
- 5200093D1092
承認・許可番号
- 承認番号
- (61AM)3261
薬価基準収載年月
- 1986年10月
販売開始年月
- 1986年10月
貯法・使用期限等
- 貯法
- しゃ光・気密容器
- 使用期限
- 容器、外箱に表示
組成
- 本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.5gを含有する。
日局サイコ 6.0g
日局ハンゲ 4.0g
日局オウゴン 3.0g
日局シャクヤク 3.0g
日局タイソウ 3.0g
日局キジツ 2.0g
日局ショウキョウ 1.0g
日局ダイオウ 1.0g
- 添加物
- 日局ステアリン酸マグネシウム、日局乳糖水和物、ショ糖脂肪酸エステル
性状
- 剤形
- 顆粒剤
- 色
- 淡黄褐色
- におい
- 特異なにおい
- 味
- 苦い
- 識別コード
- ツムラ/8
一般的名称
- 大柴胡湯(だいさいことう)
効能又は効果
- 比較的体力のある人で、便秘がちで、上腹部が張って苦しく、耳鳴り、肩こりなど伴うものの次の諸症:
胆石症、胆のう炎、黄疸、肝機能障害、高血圧症、脳溢血、じんましん、胃酸過多症、急性胃腸カタル、悪心、嘔吐、食欲不振、痔疾、糖尿病、ノイローゼ、不眠症
用法及び用量
- 通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
- 1.
- 下痢、軟便のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
- 2.
- 著しく胃腸の虚弱な患者[食欲不振、腹痛、下痢等があらわれることがある。]
- 3.
- 著しく体力の衰えている患者[副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。]
重要な基本的注意
- 1.
- 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
- 2.
- 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。ダイオウを含む製剤との併用には、特に注意すること。
- 3.
- ダイオウの瀉下作用には個人差が認められるので、用法及び用量に注意すること。
副作用
- 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度は不明である。
重大な副作用
1.
間質性肺炎
発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
2.
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
高齢者への投与
- 一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
- 1.
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[本剤に含まれるダイオウの子宮収縮作用及び骨盤内臓器の充血作用により流早産の危険性がある。]
- 2.
- 授乳中の婦人には慎重に投与すること。[本剤に含まれるダイオウ中のアントラキノン誘導体が母乳中に移行し、乳児の下痢を起こすことがある。]
小児等への投与
- 小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない]
薬効薬理
- 1.
**肝障害抑制作用
- 四塩化炭素肝障害ラットに経口投与したところ、血清中のAST(GOT)、ALT(GPT)並びに肝LPOの上昇が抑制され、肝G-6-Paseの低下が抑制された1)。
- 2.
**肝の脂質代謝改善作用
- ラットに高脂肪食とともに混餌投与したところ、血清中の総コレステロール及びリン脂質の上昇が抑制された2)。
- 3.
胆石形成抑制作用
- ハムスターに、コレステロール胆石を形成するグルコース食とともに混餌投与したところ、胆石形成が抑制された3)。
- 4.
抗アレルギー作用
- マウス腹腔内肥満細胞において、compound 48/80によるヒスタミン遊離及び脱顆粒を抑制した(in vitro )4)。
- 5.
循環系に対する作用
-
(1)
- 自然発症高脂血症(SHC)ラットに混餌投与したところ、血清総コレステロールの上昇が抑制された5)。
-
(2)
- ウサギに高コレステロール食とともに混餌投与したところ、血管弾性特性が改善され、胸部大動脈中の脂質及びハイドロキシプロリン含量の上昇が抑制された。また、胸部大動脈における動脈硬化指数及び病理組織学所見の悪化が抑制された6)。
-
(3)
- ウサギに高コレステロール食で血清脂質を上昇させた後、普通食に変更して3及び6カ月混餌投与したところ、血清トリグリセリドが改善され、6カ月投与では、大動脈壁内膜・中膜細胞成分の遊離コレステロールが低下した。また、大動脈における動脈硬化指数及び病理組織学所見の悪化が抑制された7)。
-
(4)
- 自然発症高脂血症(KHC)ウサギに混餌投与したところ、LDLの酸化が抑制され、胸部大動脈弓部における粥状硬化病変の進展が抑制された8)。
- 6.
作用機序
- 本剤は、以下の作用により薬理効果を示すことが示唆されている。
-
(1)
肝の脂質過酸化抑制作用
- 四塩化炭素肝障害ラットに経口投与したところ、肝組織中のグルタチオン、アスコルビン酸の低下が抑制された。また、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオン還元酵素活性の低下が改善された9)。
-
(2)
肝の脂質代謝改善作用
- ・ヒト肝細胞モデルHepG2細胞において、細胞内コレステロールエステル、トリグリセリドの合成を抑制し10)11)、apoBの分泌を低下させた10)(in vitro )。
- ・ウサギに高コレステロール食とともに混餌投与したところ、肝臓組織におけるapoB mRNA量が抑制され、apoE及びLDL受容体mRNA量が増加した12)。
包装
- *500g、2.5g×42包、2.5g×189包
主要文献及び文献請求先
主要文献
- 1)
- **Ohta, Y. et al. Phytother. Res. 1998, 12(1), p.5.
- 2)
- **Nakayama, T. et al. J. Ethnopharmacol. 2007, 109(2), p.236.
- 3)
- 相原直樹・他. 胆道. 1994, 8(1), p.9.
- 4)
- Toda, S. et al. 和漢医薬学会誌. 1987, 4(2), p.77.
- 5)
- 清水勝嘉・他. 漢方医学. 1990, 14(7), p.243.
- 6)
- Umeda, M. et al. 和漢医薬学会誌. 1988, 5(2), p.154.
- 7)
- 山田 勉・他. 動脈硬化. 1991, 19(2,3) , p.209.
- 8)
- Iizuka, A. et al. J. Ethnopharmacol. 1998, 63, p.209.
- 9)
- Ohta, Y. et al. Am. J. Chin. Med. 1995, 23(1), p.53.
- 10)
- 古川誠一・他. 和漢医薬学雑誌. 1994, 11(3), p.236.
- 11)
- Yamamoto, K. et al. J. Ethnopharmacol. 1995, 46, p.49.
- 12)
- Iizuka, A. et al. Res. Commun. Pharmacol. Toxicol. 2001, 6(3・4), p.205.
文献請求先
- 株式会社ツムラ お客様相談窓口
- 東京都港区赤坂2-17-11 〒107-8521
- TEL:0120-329970
- FAX:03-5574-6610
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
- 製造販売元
- 株式会社ツムラ
- 東京都港区赤坂2-17-11