パージェタ点滴静注420mg/14mL

作成又は改訂年月

2019年 10月改訂 ( 第1版 )

日本標準商品分類番号

874291

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤
抗HER21) ヒト化モノクローナル抗体
1) HER2:Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 2(ヒト上皮増殖因子受容体2型、別称:c-erbB-2)

承認等

パージェタ点滴静注420mg/14mL

販売名コード

YJコード

4291424A1020

販売名英語表記

PERJETA for Intravenous Infusion

販売名ひらがな

ぱーじぇたてんてきじょうちゅう420mg/14mL

承認番号等

承認番号

22500AMX01001

販売開始年月

2013年 9月

貯法・有効期間

貯法

2~8℃保存

有効期間

24箇月

規制区分

一般的名称

ペルツズマブ(遺伝子組換え)

1. 警告

本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

3. 組成・性状

3.1 組成

パージェタ点滴静注420mg/14mL

有効成分ペルツズマブ(遺伝子組換え)注)  420mg
添加剤L-ヒスチジン 43.5mg
氷酢酸 9.2mg
精製白糖 575.1mg
ポリソルベート20 2.8mg

注)本剤は、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。製造工程の培地成分としてブタ由来成分(ペプトン)を使用している。

3.2 製剤の性状

パージェタ点滴静注420mg/14mL

剤形注射剤(バイアル)
pH6.0±0.3
浸透圧比0.4~0.7
(生理食塩液に対する比)
性状無色~微褐色の液

4. 効能又は効果

HER2陽性の乳癌

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 HER2陽性の検査は、十分な経験を有する病理医又は検査施設において実施すること。
  2. 5.2 HER2陽性の早期乳癌の術後患者のうち、再発リスクの低い患者(リンパ節転移のない患者)における本剤の有効性及び安全性は確立していないことから、再発リスクが高い患者を対象とすること。

6. 用法及び用量

トラスツズマブ(遺伝子組換え)と他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人に対して1日1回、ペルツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には840mgを、2回目以降は420mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。ただし、術前・術後薬物療法の場合には、投与期間は12カ月間までとする。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 トラスツズマブ以外の他の抗悪性腫瘍剤の中止後に本剤を投与するときには、トラスツズマブと併用すること。,,,
  2. 7.2 本剤と併用するトラスツズマブ以外の抗悪性腫瘍剤は「17.臨床成績」の項を熟知した上で選択すること。
  3. 7.3 本剤を単独投与した場合の有効性及び安全性は確立していない。
  4. 7.4 何らかの理由により予定された投与が遅れた場合には、以下のとおり投与することが望ましい。
    1. 7.4.1 前回投与日から6週間未満のときには、420mgを投与する。
    2. 7.4.2 前回投与日から6週間以上のときには、改めて初回投与量の840mgで投与を行う。なお、次回以降は420mgを3週間間隔で投与する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 左室機能不全(うっ血性心不全を含む)があらわれることがあるので、本剤投与開始前には患者の心機能を確認すること。また、本剤投与中は心症状の発現状況・重篤度等に応じて適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(左室駆出率(LVEF)の変動を含む)を十分に観察し、休薬、投与再開、あるいは中止を判断すること。,
  2. 8.2 好中球減少症、白血球減少症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  3. 8.3 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 左室駆出率(LVEF)が低下している患者

    心不全等の心障害があらわれるおそれがある。

  2. 9.1.2 以下のような心機能の低下するおそれのある患者

    心不全等の心障害があらわれるおそれがある。

    • アントラサイクリン系薬剤の投与歴のある患者
    • 胸部への放射線治療歴のある患者
    • うっ血性心不全若しくは治療を要する重篤な不整脈(心房細動、発作性上室性頻脈を除く)のある患者又はその既往歴のある患者
    • 冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症等)の患者又はその既往歴のある患者
    • 高血圧症の患者又はその既往歴のある患者

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後一定期間は、適切な避妊法を用いるように指導すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物試験(サル)では、流産、胚・胎児死亡、羊水過少、胎児の腎形成不全等が認められている。また、胎児の血清中に本薬が検出されている。,

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本薬の乳汁への移行性については不明であるが、ヒトIgGは母乳中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    アントラサイクリン系薬剤

    心不全等の心障害があらわれるおそれがある。

    心障害のリスクを増強させるおそれがある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 好中球減少症、白血球減少症

      発熱性好中球減少症(4.2%)、好中球減少症(17.1%)、白血球減少症(7.2%)があらわれることがあり、感染症により死亡に至った例も報告されている。

    2. 11.1.2 Infusion reaction(4.5%)

      悪寒、発熱、疲労、悪心、紅斑、高血圧、呼吸困難等を含むInfusion reactionがあらわれることがあり、本剤投与中又は投与開始後24時間以内に多く報告されている。また、2回目以降の本剤投与時にもInfusion reactionがあらわれることがある。本剤投与中にこれらの異常が認められた場合には本剤の投与速度を遅らせる、又は投与を中断し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。重篤なInfusion reactionがあらわれた場合には本剤の投与を直ちに中止し、以降、本剤を再投与しないこと。

    3. 11.1.3 アナフィラキシー(0.1%)、過敏症(3.0%)
    4. 11.1.4 間質性肺疾患(0.3%)
    5. 11.1.5 腫瘍崩壊症候群(頻度不明)

      異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。

    11.2 その他の副作用

    5%以上

    2~5%未満

    2%未満

    精神神経系

    末梢性ニューロパチー(末梢性感覚ニューロパチー等)(10.0%)、味覚異常

    頭痛、浮動性めまい、錯感覚、不眠症

    感覚鈍麻、神経毒性

    流涙増加

    眼乾燥、結膜炎、霧視、視力障害、視力低下

    消化器

    下痢(38.7%)、悪心(16.2%)、嘔吐、口内炎、食欲減退、腹痛

    便秘、消化不良

    口内乾燥、胃食道逆流性疾患、腹部膨満、肛門直腸障害(肛門の炎症、肛門周囲痛、肛門瘙痒症)、嚥下障害、胃腸炎、肛門出血、口唇炎

    循環器

    駆出率減少

    ほてり、高血圧、動悸、心不全、左室機能不全、頻脈、静脈炎、うっ血性心不全

    呼吸器

    鼻出血、上気道感染(鼻咽頭炎等)、呼吸困難、咳嗽

    鼻漏、口腔咽頭痛、鼻乾燥、胸水、発声障害

    皮膚

    脱毛症(17.2%)、発疹(16.9%)、爪の障害(10.6%)、瘙痒症

    皮膚乾燥、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚炎、爪感染(爪囲炎等)

    紅斑、皮膚色素過剰、ざ瘡

    肝臓

    ALT増加

    AST増加、γ-GTP増加

    腎臓

    排尿困難

    血液

    貧血

    血小板減少症

    ヘモグロビン減少、血小板数減少、リンパ球減少症

    その他

    疲労(16.3%)、筋骨格痛(筋肉痛等)(10.4%)、無力症、粘膜障害(粘膜の炎症等)、浮腫(末梢性浮腫、全身性浮腫、限局性浮腫)、関節痛

    発熱、筋痙縮、四肢痛、注入に伴う反応、悪寒、体重減少

    背部痛、疼痛、低マグネシウム血症、低カリウム血症、尿路感染、脱水、倦怠感、胸痛、月経障害、カンジダ感染、インフルエンザ様疾患、胸部不快感、筋力低下、体重増加、注射部位反応、ヘルペスウイルス感染、蜂巣炎、体液貯留、熱感、リンパ浮腫

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    1. 14.1.1 調製時には、日局生理食塩液以外は使用しないこと。
    2. 14.1.2 調製時は静かに転倒混和すること。
    3. 14.1.3 用時調製し、調製後は速やかに使用すること。

    14.2 薬剤投与時の注意

    1. 14.2.1 本剤投与時には、バイアルから本剤溶液を14mL抜き取り、日局生理食塩液250mLに添加し、点滴静注すること。
    2. 14.2.2 他剤との混注をしないこと。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    抗ペルツズマブ抗体は、国際共同第Ⅲ相試験(CLEOPATRA試験)の本剤群386例中11例(2.8%)、プラセボ群372例中23例(6.2%)に検出されたが、抗ペルツズマブ抗体発現と明らかに関連したアナフィラキシー/過敏症は認められていない。第Ⅰ相及び第Ⅱ相試験では366例中2例(0.5%)で抗ペルツズマブ抗体が検出され、共に過敏症が発現した。なお、使用された抗ペルツズマブ抗体測定法では、検体中のペルツズマブ及び抗トラスツズマブ抗体が測定結果に影響を及ぼした可能性は否定できない。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 単回投与

      進行固形癌患者に本剤5~25mg/kgを90分間注1)で点滴静注したとき、ペルツズマブの薬物動態は以下のとおりであった。AUCinf及びCmaxは5~25mg/kgの用量域で用量比例性を示した。全身クリアランス及び定常状態の分布容積は、投与量によらず同様の値を示した1)
      注1) 本剤の承認された用法・用量は、初回投与時840mg、2回目以降420mg、投与時間60分、3週間間隔投与である。

      単回投与後の血清中濃度推移
      単回投与時の薬物動態パラメータ

      投与量(mg/kg)

      Cmax
      (μg/mL)

      AUCinf
      (μg・day/mL)

      t1/2
      (days)

      CL
      (mL/day/kg)

      Vd,ss
      (mL/kg)

      5
      (n=3)

      105±32.4

      902±121

      11.1±0.5

      5.62±0.82

      90.2±12.8

      10
      (n=3)

      181±32.6

      2230±773

      14.4±2.7

      4.82±1.53

      93.7±18.7

      15
      (n=3)

      320±73.2

      3970±1740

      16.8±4.0

      4.25±1.66

      94.1±40.9

      20
      (n=3)

      340±51.3

      4150±507

      15.0±2.6

      4.87±0.58

      99.6±10.8

      25
      (n=6)

      498±108

      6060±1900

      16.3±5.9

      4.54±1.66

      94.7±12.3

      (平均値±標準偏差)

    2. 16.1.2 反復投与

      前治療歴のないHER2陽性転移・再発乳癌患者に本剤(初回投与時840mg、2回目以降420mg)、トラスツズマブ(初回投与時8mg/kg、2回目以降6mg/kg)及びドセタキセル(75mg/m2注2)を3週間間隔で併用したとき、ペルツズマブの血清中濃度推移は、以下のとおりであった2) (日本人データ)。
      注2)初回投与における忍容性が確認できれば100mg/m2に増量可能。国内において承認されているドセタキセルの乳癌における用量は60mg/m2(ただし、75mg/m2まで増量可能)である。

      トラスツズマブ及びドセタキセルを併用したときのペルツズマブの血清中濃度推移

      サイクル

      ペルツズマブの血清中濃度(μg/mL)

      トラフ濃度

      ピーク濃度

      1

      -

      272±94.8(n=4)

      3

      53.9±7.67(n=4)

      195±40.7(n=4)

      6

      52.8±11.4(n=3)

      214±21.5(n=3)

      9

      62.3±16.5(n=4)

      212±29.4(n=4)

      12

      60.9±26.7(n=4)

      219±41.8(n=4)

      15

      59.2±19.0(n=3)

      228±31.6(n=3)

      (平均値±標準偏差)

    3. 16.1.3 母集団薬物動態解析の成績

      HER2陽性転移・再発乳癌患者を含む各種固形癌患者440例(日本人22例を含む)の薬物動態データを用いて母集団薬物動態解析を実施したところ、CLは血清アルブミンが高値の患者で低下、除脂肪体重が高値の患者で上昇し、また、Vc、Vpは除脂肪体重が高値の患者で上昇したが、その程度は大きくなく除脂肪体重及び血清アルブミンに基づく用量調節の必要はないと考えられた。最終モデルにおける母集団薬物動態パラメータの推定値は以下のとおりであった3)

      母集団薬物動態解析から推定されたパラメータ

      CL
      (L/day)

      Vc
      (L)

      Vp
      (L)

      t1/2
      (day)

      0.235

      3.11

      2.46

      18.0

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    1. 17.1.1 国際共同第III相試験(CLEOPATRA試験)

      転移・再発乳癌に対する前治療歴のないHER2陽性(IHC法3+又はFISH法陽性)転移・再発乳癌患者808例(国内53例を含む)を対象に、プラセボ+トラスツズマブ+ドセタキセル(プラセボ+T+D群)と本剤+トラスツズマブ+ドセタキセル(本剤+T+D群)を比較する第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験を実施した。プラセボ又は本剤は初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。有害事象又はその他の理由によるドセタキセル中止後は本剤及びトラスツズマブは同一の用法・用量で病勢進行まで投与継続した。ドセタキセルは75mg/m2を3週間間隔で投与した注1)。本剤及びトラスツズマブの投与が予定された投与から遅れた場合、前回投与日から6週間未満のときには維持投与量を投与し、6週間以上のときには改めて初回投与量を投与し、次回以降は維持投与量を3週間間隔で投与した。主要評価項目である独立判定機関による無増悪生存期間において、プラセボ+T+D群に比べて本剤+T+D群で有意な延長が認められた4)
      また、安全性についてはドセタキセル、トラスツズマブ及び本剤が併用投与された407例(日本人26例を含む)において、副作用が396例(97.3%)に認められた。主な副作用は、下痢236例(58.0%)、脱毛症232例(57.0%)、倦怠感212例(52.1%)、好中球減少症207例(50.9%)、悪心149例(36.6%)、爪の異常145例(35.6%)、ニューロパチー126例(31.0%)、発疹125例(30.7%)等であった。
      注1)初回投与における忍容性が確認できれば100mg/m2に増量可能。国内において承認されているドセタキセルの乳癌における用量は60mg/m2(ただし、75mg/m2まで増量可能)である。

      独立判定機関評価による無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
      全生存期間のKaplan-Meier曲線
      日本人部分集団における独立判定機関評価による無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
      日本人部分集団における全生存期間のKaplan-Meier曲線
    2. 17.1.2 国際共同第III相試験(APHINITY試験)

      HER2陽性(IHC法3+又はFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術後患者(①TNM分類でT0を除くリンパ節転移を有する患者、②原発巣の腫瘍径が1cm超でリンパ節転移を有しない患者、及び③(ⅰ)組織学的/核グレードがGrade3、(ⅱ)HR陰性、(ⅲ)35歳未満のうち、少なくとも1つを満たす原発巣の腫瘍径が0.5cm超で1cm以下のリンパ節転移を有しない患者)4,804例(国内302例を含む)を対象に、術後薬物療法としてプラセボ+トラスツズマブ+化学療法注2)(プラセボ群)と本剤+トラスツズマブ+化学療法注2)(本剤群)を比較する第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験を実施した。プラセボ又は本剤は初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。本剤及びトラスツズマブの投与が予定された投与から遅れた場合、前回投与日から6週間未満のときには維持投与量を投与し、6週間以上のときには改めて初回投与量を投与し、次回以降は維持投与量を3週間間隔で投与した。本剤及びトラスツズマブは1年間投与した。主要評価項目である乳癌以外の続発性原発癌をイベントとして含まない浸潤性疾患のない生存期間(IDFS)において、プラセボ群に比べて本剤群で有意な延長が認められた。リンパ節転移陽性及び陰性の部分集団におけるハザード比の推定値は、それぞれ0.77(95%信頼区間:0.62~0.96)及び1.13(95%信頼区間:0.68~1.86)であった5) ,
      また、安全性については、本剤及びトラスツズマブが投与された2,364例(日本人147例を含む)において、副作用が1,538例(65.1%)に認められた。主な副作用は、下痢780例(33.0%)、発疹346例(14.6%)、疲労280例(11.8%)、悪心206例(8.7%)、筋骨格痛166例(7.0%)、爪の障害165例(7.0%)、好中球減少症157例(6.6%)、口内炎141例(6.0%)等であった。
      注2)アントラサイクリン系薬剤を含む場合は、3週間を1サイクルとして、FEC療法(5-FU500~600mg/m2、エピルビシン90~120mg/m2注3)、シクロホスファミド500~600mg/m2)、FAC療法(5-FU500~600mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、シクロホスファミド500~600mg/m2)、EC療法(エピルビシン90~120mg/m2注3)、シクロホスファミド500~600mg/m2)又はAC療法(ドキソルビシン60mg/m2、シクロホスファミド500~600mg/m2)のいずれかを3~4サイクル投与した後、本剤(又はプラセボ)+タキサン系薬剤(ドセタキセル75mg/m2注1)又はパクリタキセル80mg/m2注4))+トラスツズマブを逐次投与した。ドセタキセルは3週間を1サイクルとして3~4サイクル投与した。パクリタキセルは1週間間隔で12週間投与した注4)。アントラサイクリン系薬剤を含まない場合は、3週間を1サイクルとして、本剤(又はプラセボ)+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注1)+カルボプラチンAUC 6mg・min/mL相当量(最大900mg/bodyまで注5))を6サイクル同時併用投与した。
      注3)国内において承認されている用量は100mg/m2である。
      注4)国内において承認されている用量は210mg/m2(A法、少なくとも3週間休薬)又は100mg/m2(B法、週1回投与を6週連続し、少なくとも2週間休薬)である。
      注5)国内において承認されている用量は300~400mg/m2である。

      APHINITY試験の有効性に関する成績

      本剤群

      プラセボ群

      IDFS注6)

      イベント発現例数
      (発現率)

      171
      (7.1%)

      210
      (8.7%)

      3年IDFS
      [95% 信頼区間]

      94.1%
      [93.1-95.0]

      93.2%
      [92.2-94.3]

      ハザード比
      [95% 信頼区間]

      0.81
      [0.66-1.00]

      P値注7)

      0.0446

      注6)乳癌以外の続発性原発癌をイベントとして含まない浸潤性疾患のない生存期間
      注7)層別Log-rank検定(両側有意水準5%)

    3. 17.1.3 海外第II相試験(NEOSPHERE試験)

      HER2陽性(IHC法3+又はIHC法2+かつFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術前患者(原発巣の腫瘍径が2cm超で遠隔転移を有しない患者)417例を対象に、術前薬物療法としてトラスツズマブ+ドセタキセル(T+D群)、本剤+トラスツズマブ+ドセタキセル(本剤+T+D群)、本剤+トラスツズマブ(本剤+T群)注8)、本剤+ドセタキセル(本剤+D群)注8)を比較する第Ⅱ相非盲検無作為化4群比較試験を実施した。本剤は初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。ドセタキセルは75mg/m2注1)を3週間間隔で投与した。いずれの薬剤も3週間を1サイクルとして、術前薬物療法として4サイクル投与した。トラスツズマブは術前薬物療法と術後薬物療法を合わせて1年間投与した。主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)率において、T+D群に比べて本剤+T+D群で有意に高かった。
      また、安全性については、術前薬物療法期間の副作用はT+D群で104/107例(97.2%)、本剤+T+D群で102/107例(95.3%)であった。主な副作用は、脱毛症(T+D群:65.4%、本剤+T+D群:63.6%、以下同順)、好中球減少症(62.6%、50.5%)、下痢(26.2%、43.0%)、悪心(31.8%、34.6%)、疲労(26.2%、18.7%)等であった。術後薬物療法期間の副作用はT+D群で90/103例(87.4%)、本剤+T+D群で85/102例(83.3%)であった。主な副作用は、悪心(T+D群:42.7%、本剤+T+D群:45.1%、以下同順)、好中球減少症(39.8%、37.3%)等であった6)
      注8)本剤の承認された用法・用量は、トラスツズマブ(遺伝子組換え)と他の抗悪性腫瘍剤との併用投与である。

      NEOSPHERE試験の有効性に関する成績

      T+D群
      n=107

      本剤+T+D群
      n=107

      本剤+T群
      n=107

      本剤+D群
      n=96

      pCR
      [95% 信頼区間]

      29.0%
      [20.6-38.5]

      45.8%
      [36.1-55.7]

      16.8%
      [10.3 -25.3]

      24.0%
      [15.8-33.7]

      P値注9)

      0.0141 (vs.T+D群)

      0.0198 (vs.T+D群)

      0.0030
      (vs.本剤+T+D群)

      注9)Cochran Mantel-Haenszel検定(Simes法による多重性調整P値を算出、有意水準を両側20%とした)

    4. 17.1.4 海外第II相試験(TRYPHAENA試験)

      HER2陽性(IHC法3+又はIHC法2+かつFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術前患者(原発巣の腫瘍径が2cm超で遠隔転移を有しない患者)225例を対象に、術前薬物療法として本剤+トラスツズマブ+化学療法注10)を比較する第Ⅱ相非盲検無作為化3群(A群、B群、C群)比較試験を実施した。本剤は初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。トラスツズマブは術前薬物療法と術後薬物療法を合わせて1年間投与した。主要評価項目である術前薬物療法における忍容性に問題は認められなかった。副次評価項目であるpCR率は、A群が61.6%、B群が57.3%、C群が66.2%であった。
      また、安全性については、術前薬物療法期間の副作用はA群72/72例(100.0%)、B群71/75例(94.7%)、C群76/76例(100.0%)であった。主な副作用は、下痢(A群:61.1%、B群:57.3%、C群:67.1%、以下同順)、脱毛症(48.6%、52.0%、53.9%)、悪心(52.8%、52.0%、44.7%)、好中球減少症(51.4%、46.7%、48.7%)、嘔吐(40.3%、33.3%、38.2%)、疲労(33.3%、33.3%、38.2%)、貧血(18.1%、8.0%、35.5%)、血小板減少症(6.9%、1.3%、30.3%)等であった。術後薬物療法期間の副作用はA群30/68例(44.1%)、B群30/65例(46.2%)及びC群21/67例(31.3%)であった。主な副作用は、関節痛(A群:5.9%、B群:3.1%、C群:4.5%、以下同順)、下痢(7.4%、3.1%、4.5%)等であった7)
      注10)A群:3週間を1サイクルとして、本剤+トラスツズマブ+FEC療法(5-FU500mg/m2、エピルビシン100mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2)を3サイクル投与した後、本剤+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注1)を3サイクル投与した。
      B群:3週間を1サイクルとして、FEC療法を3サイクル投与した後、本剤+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注1)を3サイクル投与した。
      C群:3週間を1サイクルとして、本剤+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注1)+カルボプラチンAUC 6mg・min/mL相当量を6サイクル投与した。

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    本薬は、HER2のダイマー形成に必須な領域である細胞外領域のドメインⅡに特異的に結合し、リガンド刺激によるHER2/HER3のダイマー形成を阻害する。その結果として、リガンド刺激によるHER2のリン酸化、その下流に位置するPI3K-Akt及びMAPKの両キナーゼの活性化を阻害することで、細胞の増殖を抑制すると考えられる8) ,9)
    標的細胞としてKPL-4細胞、エフェクター細胞としてヒト末梢血単核球を用いた試験系では、本薬による抗体依存性細胞障害活性が認められた10)

    18.2 抗腫瘍効果

    本薬はHER2を高発現するヒト乳癌由来BT474JB細胞株を皮下移植したマウスに対して、腫瘍増殖抑制作用を示した11) 。また、HER2を高発現するヒト乳癌由来KPL-4細胞株を同所移植したマウスにおいて、トラスツズマブとの併用で腫瘍増殖抑制作用の増強が認められた10)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    ペルツズマブ(遺伝子組換え)
    (Pertuzumab(Genetical Recombination))(JAN)

    分子式

    軽鎖(C1043H1604N272O336S6
    重鎖(C2195H3387N583O672S16

    分子量

    約148,000

    化学構造式

    アミノ酸214個の軽鎖2分子とアミノ酸449個の重鎖2分子からなる糖たん白質

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は遮光して保存すること。

    22. 包装

    14mL×1バイアル

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部

    〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1

    電話:0120-189706
    Fax:0120-189705
    https://www.chugai-pharm.co.jp/

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    中外製薬株式会社

    東京都中央区日本橋室町2-1-1