ゲムシタビン点滴静注液200mg/5mL「サンド」/ゲムシタビン点滴静注液1g/25mL「サンド」


作成又は改訂年月

**2021年9月改訂(第9版)

*2020年3月改訂

日本標準商品分類番号

874224

日本標準商品分類番号等

効能又は効果追加承認年月(最新)
2013年5月

薬効分類名

代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤

承認等

販売名
ゲムシタビン点滴静注液200mg/5mL「サンド」

販売名コード

4224403A1026

承認・許可番号

承認番号
22400AMX01186000
商標名
Gemcitabine Intravenous Infusion 200mg/5mL [SANDOZ]

薬価基準収載年月

2012年12月

販売開始年月

2012年12月

貯法・使用期限等

貯法 

2〜8℃

使用期限

包装に表示

規制区分

劇薬

処方箋医薬品

(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

有効成分

ゲムシタビン塩酸塩

含量(1バイアル中)

228mg(ゲムシタビンとして200mg)

添加物

pH調整剤

性状

色・剤形(又は性状)

無色〜微黄色澄明の液

容量

5mL

pH

2.0〜2.8

浸透圧比(日局生理食塩液に対する比)

約1

販売名
ゲムシタビン点滴静注液1g/25mL「サンド」

販売名コード

4224403A2022

承認・許可番号

承認番号
22400AMX01187000
商標名
Gemcitabine Intravenous Infusion 1g/25mL [SANDOZ]

薬価基準収載年月

2012年12月

販売開始年月

2012年12月

貯法・使用期限等

貯法 

2〜8℃

使用期限

包装に表示

規制区分

劇薬

処方箋医薬品

(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

有効成分

ゲムシタビン塩酸塩

含量(1バイアル中)

1140mg(ゲムシタビンとして1000mg)

添加物

pH調整剤

性状

色・剤形(又は性状)

無色〜微黄色澄明の液

容量

25mL

pH

2.0〜2.8

浸透圧比(日局生理食塩液に対する比)

約1

一般的名称

ゲムシタビン塩酸塩注射液

警告

1.
本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

2.
週1回投与を30分間点滴静注により行うこと。[外国の臨床試験において、週2回以上あるいは1回の点滴を60分以上かけて行うと、副作用が増強した例が報告されている。]

3.
「禁忌」、「慎重投与」の項を参照して適応患者の選択に十分注意すること。

4.
高度な骨髄抑制のある患者には投与しないこと。[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症又は出血を伴い、重篤化する可能性がある。骨髄抑制に起因したと考えられる死亡例が報告されている。]

5.
胸部単純X線写真で明らかで、かつ臨床症状のある間質性肺炎又は肺線維症のある患者には投与しないこと。[間質性肺炎に起因したと考えられる死亡例が報告されている。]

6.
放射線増感作用を期待する胸部への放射線療法との同時併用は避けること。[外国の臨床試験において、ゲムシタビン塩酸塩と胸部への根治的放射線療法との併用により、重篤な食道炎、肺臓炎が発現し、死亡に至った例が報告されている。(「相互作用」の項参照)]

7.
投与に際しては臨床症状を十分に観察し、頻回に臨床検査(血液学的検査、肝機能検査、腎機能検査等)を、また、定期的に胸部X線検査等を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに、投与継続の可否について慎重に検討すること。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
高度な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増悪し、致命的となることがある。]

2.
胸部単純X線写真で明らかで、かつ臨床症状のある間質性肺炎又は肺線維症のある患者[症状が増悪し、致命的となることがある。]

3.
胸部への放射線療法を施行している患者[外国の臨床試験でゲムシタビン塩酸塩と胸部への根治的放射線療法との併用により、重篤な食道炎、肺臓炎が発現し、死亡に至った例が報告されている。(「相互作用」の項参照)]

4.
重症感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある。]

5.
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

6.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性[動物実験(マウス、ウサギ)で催奇形作用及び胎児致死作用が報告されている。]

効能又は効果

非小細胞肺癌、膵癌、胆道癌、尿路上皮癌、手術不能又は再発乳癌、がん化学療法後に増悪した卵巣癌、再発又は難治性の悪性リンパ腫

効能又は効果に関連する使用上の注意

胆道癌の場合
本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

尿路上皮癌の場合
本剤の術前・術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

**手術不能又は再発乳癌の場合
本剤の術前・術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

がん化学療法後に増悪した卵巣癌の場合
本剤の投与を行う場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、白金製剤に対する感受性を考慮して本剤以外の治療法を慎重に検討した上で、本剤の投与を開始すること。

用法及び用量

1. 膵癌、胆道癌、尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した卵巣癌、再発又は難治性の悪性リンパ腫の場合
通常、成人にはゲムシタビンとして1回1000mg/m2を30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

2. 非小細胞肺癌の場合
通常、成人にはゲムシタビンとして1回1000mg/m2を30分かけて点滴静注し、週1回投与を3週連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。シスプラチンと併用する場合は、ゲムシタビンとして1回1250mg/m2を30分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬を1コースとすることもできる。なお、患者の状態により適宜減量する。

3. 手術不能又は再発乳癌の場合
通常、成人にはゲムシタビンとして1回1250mg/m2を30分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

**尿路上皮癌の場合
「臨床成績」の項の内容を十分に理解した上で投与方法を選択すること。

**手術不能又は再発乳癌の場合
本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤は「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、選択すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
骨髄抑制のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)

2.
間質性肺炎又は肺線維症の既往歴又は合併症がある患者[間質性肺炎等の重篤な肺毒性を起こすことがある。]

3.
肝障害(肝転移、肝炎、肝硬変等)、アルコール依存症の既往又は合併のある患者[肝機能の悪化を引き起こすことがある。]

4.
腎障害のある患者[腎機能が低下しているので、副作用があらわれやすくなることがある。]

5.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

6.
心筋梗塞の既往のある患者[心筋梗塞がみられることがある。]

重要な基本的注意

1.
腫瘍の明らかな増大、新病変の出現等、病態の進行が認められた場合には投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。

2.
骨髄抑制、間質性肺炎等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、投与に際しては臨床症状を十分に観察し、頻回に臨床検査(血液学的検査、肝機能検査、腎機能検査等)を、また、定期的に胸部X線検査を行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

(1) 骨髄抑制
本剤の投与にあたっては、白血球数及び血小板数の変動に十分留意し、投与当日の白血球数が2000/μL未満又は血小板数が7万/μL未満であれば、骨髄機能が回復するまで投与を延期すること。また、前治療により、骨髄機能が低下している患者では、骨髄抑制が強くあらわれることがあるので、これらの患者では投与量を適宜減量し、臨床検査値に十分注意すること。本剤を週1回3週連続投与した場合、白血球数及び好中球数の最低値は投与開始平均約2〜3週間後にあらわれ、最低値発現日から約1週間で回復する。

(2) 間質性肺炎等の肺毒性
本剤の投与にあたっては、臨床症状(呼吸状態、咳及び発熱等の有無)を十分に観察し、定期的に胸部X線検査を行うこと。また、必要に応じて胸部CT検査、動脈血酸素分圧(PaO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。間質性肺炎等の肺毒性の発症あるいは急性増悪が疑われた場合には、直ちに本剤による治療を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。

3.
感染症の発現又は増悪に十分注意すること。

4.
過敏症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5.
本剤投与時に傾眠が認められることがあるので、このような症状が発現しないことが確認されるまで、自動車の運転等は行わないように注意すること。

6.
動物実験(マウス、ウサギ)において、生殖毒性(先天性異常、胚胎発育、妊娠経過、周産期発育あるいは生後発育に対する影響等)が報告されているので、生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には生殖器に対する影響を考慮すること。

7.
卵巣癌、悪性リンパ腫に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:ゲムシタビン塩酸塩(卵巣癌)」、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:ゲムシタビン塩酸塩(再発・難治性悪性リンパ腫)」等)を熟読すること。

相互作用

併用禁忌

(併用しないこと)

薬剤名等
胸部放射線照射

臨床症状・措置方法
外国の臨床試験でゲムシタビン(1000mg/m2/日を週1回放射線照射前に投与)と胸部への根治的放射線療法(2Gy/日を週5回)を6週連続して併用した場合に、重篤な食道炎、肺臓炎が発現し、死亡に至った例が報告されている。放射線照射を併用した場合の本剤の至適用量は確立されていないので、放射線増感作用を期待する胸部への放射線療法との同時併用は避けること。

機序・危険因子
基礎試験で本剤は濃度依存的に放射線照射の効果を増強し、本剤による放射線感受性増加が認められている。

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
腹部放射線照射

臨床症状・措置方法
腹部放射線療法(体外照射)と同時併用する場合、重篤となる局所の合併症が発現することがある。なお、術中放射線照射と併用した際の本剤の安全性は確認されていない。

機序・危険因子
基礎試験で本剤は濃度依存的に放射線照射の効果を増強し、本剤による放射線感受性増加が認められている。

2. 薬剤名等
他の抗悪性腫瘍剤
 アルキル化剤
 代謝拮抗剤
 抗生物質
 アルカロイド等

臨床症状・措置方法
骨髄抑制が増強されることがある。

機序・危険因子
両剤とも骨髄抑制を有している。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1. 骨髄抑制
頻度不明 
白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(ヘモグロビン減少、赤血球減少)等があらわれることがあるので、血液学的検査を頻回に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。なお、高度な白血球減少に起因したと考えられる敗血症による死亡例が報告されている。

2. 間質性肺炎
頻度不明 
間質性肺炎があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、間質性肺炎に起因したと考えられる死亡例が報告されている。

3. アナフィラキシー
頻度不明 
呼吸困難、血圧低下、発疹等の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4. 心筋梗塞
頻度不明 
心筋梗塞がみられることがある。

5. うっ血性心不全
頻度不明 
うっ血性心不全があらわれることがある。

6. 肺水腫
頻度不明 
肺水腫があらわれることがある。

7. 気管支痙攣
頻度不明 
気管支痙攣があらわれることがある。

8. 成人呼吸促迫症候群(ARDS)
頻度不明 
成人呼吸促迫症候群(ARDS)があらわれることがある。

9. 腎不全
頻度不明 
腎不全があらわれることがある。

10. 溶血性尿毒症症候群
頻度不明 
溶血性尿毒症症候群があらわれることがあるので、血小板減少、ビリルビン上昇、クレアチニン上昇、BUN上昇、LDH上昇を伴う急速なヘモグロビン減少等の微小血管症性溶血性貧血の兆候が認められた場合には、投与を中止すること。腎不全は投与中止によっても不可逆的であり、透析療法が必要となることもある。

11. 皮膚障害
頻度不明 
重篤な皮膚障害(紅斑、水疱、落屑等)があらわれることがある。

12. 肝機能障害、黄疸
頻度不明 
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等の重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

13. 白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)
頻度不明 
白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)があらわれることがあるので、高血圧、痙攣、頭痛、視覚異常、意識障害等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1. 循環器
頻度不明 
頻脈、血圧上昇、血圧低下、狭心痛、動悸、心室性期外収縮、発作性上室頻拍、心電図異常(ST上昇)

2. 呼吸器
頻度不明 
呼吸困難、高炭酸ガス血症、低酸素血、咳嗽、PIE(肺好酸球浸潤)症候群、喘鳴、喀痰、息切れ

3. 腎臓
頻度不明 
総蛋白低下、電解質異常、アルブミン低下、BUN上昇、蛋白尿、血尿、クレアチニン上昇、乏尿

4. 消化器
頻度不明 
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、便秘、口内炎、胃部不快感、歯肉炎

5. 肝臓
頻度不明 
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇、A/G比低下、γ- GTP上昇、ウロビリン尿

6. 精神神経系
頻度不明 
頭痛、めまい、不眠、知覚異常、嗜眠、しびれ

7. 皮膚
頻度不明 
発疹、脱毛、そう痒感、蕁麻疹

8. 注射部位
頻度不明 
注射部位反応(静脈炎、疼痛、紅斑)

9. 血管障害
頻度不明 
末梢性血管炎、末梢性壊疽

10. その他
頻度不明 
疲労感、発熱、インフルエンザ様症状(倦怠感、無力症、発熱、頭痛、悪寒、筋痛、発汗、鼻炎等)、放射線照射リコール反応、血小板増加、体重減少、尿糖陽性、好酸球増多、関節痛、味覚異常、鼻出血、倦怠感、浮腫、CRP上昇、体重増加、疼痛、ほてり、胸部不快感、眼底出血、体温低下、耳鳴り、眼脂、無力症、顔面浮腫

尿路上皮癌におけるシスプラチンとの併用時の安全性情報
 
外国で実施されたゲムシタビン塩酸塩とシスプラチンとの併用投与による、尿路上皮癌の化学療法初回治療例に対する第III相試験において203例が割り付けられ、これらの症例に認められた有害事象は以下のとおりであった。(表1参照)

その他の副作用の表

表1

項目 グレード3
(%)
 
グレード4
(%)
 
血液毒性     
 貧血 23.5 3.5 
 血小板減少 28.5 28.5 
 好中球減少 41.2 29.9 
非血液毒性     
 粘膜炎 1.0 
 悪心/嘔吐 22.0 
 脱毛 10.5 
 感染 2.0 0.5 
 下痢 3.0 
 肺毒性 2.5 0.5 
 血尿 4.5 
 便秘 1.5 
 出血 2.0 
 意識状態異常
 (State of consciousness)
 
0.5 

注)WHO毒性基準により判定し、いずれかの投与群において2%を超えた事象のみ記載


上記のような副作用が認められた場合には、臨床所見等の重篤度に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

高齢者では腎機能、肝機能等の生理機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、骨髄抑制等の副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠可能な女性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[動物実験(マウス、ウサギ)で催奇形作用及び胎児致死作用が報告されている。]

2.
パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。(「その他の注意」の項参照)

3.
授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立されていない(使用経験がない)。

適用上の注意

1.
30分間で点滴静脈内投与し、皮下、筋肉内には投与しないこと。

2.
冷蔵庫から取り出し室温になってから使用すること。

3.
冷蔵庫から取り出した後は24時間以内に使用すること。バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。

4.
皮膚に薬液が付着した場合は直ちに石けんでよく洗浄し、粘膜に付着した場合は直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。

その他の注意

変異原性試験のうち、マウスリンフォーマ細胞を用いたin vitro遺伝子突然変異試験及びマウスを用いた小核試験において、いずれも陽性の結果が報告されている。

臨床成績

1. 尿路上皮癌

腫瘍縮小効果及び生存期間
外国で実施された局所進行又は遠隔転移を有する尿路上皮癌の化学療法初回治療例(Stage IV)に対して、ゲムシタビン塩酸塩とシスプラチンとの併用投与(GC療法;4週間を1コースとして、ゲムシタビン1000mg/m2を1日目、8日目及び15日目に、シスプラチン70mg/m2を2日目に投与)をM-VAC療法(メトトレキサート、ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩及びシスプラチン併用療法)と比較した第III相試験において、GC群203例、M-VAC群202例が割り付けられ、得られた結果は以下のとおりであった(ジェムザール注射用200mg・1gの添付文書による)。(表2参照)

2. 手術不能又は再発乳癌

腫瘍縮小効果及び生存期間

1)
外国で実施された術前又は術後にアントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬を投与された切除不能、局所再発又は転移性乳癌患者を対象注1)にゲムシタビン塩酸塩とパクリタキセルとの併用投与(GT群:3週を1コースとして、1日目にゲムシタビン1250mg/m2及びパクリタキセル175mg/m2を投与し、8日目にゲムシタビン1250mg/m2を投与)をパクリタキセル単独投与(T群:3週を1コースとして、1日目にパクリタキセル175mg/m2を投与)と比較した第III相試験を実施した。その結果は以下のとおりであった(ジェムザール注射用200mg・1gの添付文書による)。(表3参照)
注1)臨床的にアントラサイクリン系抗悪性腫瘍薬の使用が禁忌で他の1レジメンの化学療法剤による術前・術後補助化学療法後の手術不能又は再発乳癌患者も対象患者に含まれている。

2) **国際共同第III相試験(KEYNOTE-355試験)
転移・再発乳癌に対する全身性の前治療歴のない転移・再発又は局所進行性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の乳癌患者847例(日本人87例を含む)を対象に、ペムブロリズマブ200mg 3週間間隔投与+化学療法(本剤[3週を1コースとし、本剤1,000mg/m2を各コースの1日目、8日目に投与]及びカルボプラチン、パクリタキセル又はnab-パクリタキセル)の併用療法注6)の有効性及び安全性が、プラセボ+化学療法(本剤及びカルボプラチン、パクリタキセル又はnab-パクリタキセル)の併用療法注7)を対照とした二重盲検試験で検討された。両群とも、本剤及びカルボプラチン、パクリタキセル又はnab-パクリタキセルは、担当医師が患者ごとに選択した。なお、画像評価で疾患進行が認められた場合に、疾患進行を示す症状が認められない等の臨床的に安定している患者では、次回以降の画像評価で疾患進行が認められるまでペムブロリズマブの投与を継続することが可能とされた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)とされ、ペムブロリズマブ+化学療法の併用療法はプラセボ+化学療法の併用療法と比較して、PD-L1陽性(CPS注5)≧10)の患者323例(日本人28例を含む)においてPFSを有意に延長した(表4及び図1)1)
PD-L1陽性(CPS≧10)のペムブロリズマブ+本剤及びカルボプラチンが併用投与された患者における安全性解析対象例125例中122例(97.6%)(日本人14例中14例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、貧血75例(60.0%)、悪心64例(51.2%)、好中球減少症63例(50.4%)、好中球数減少44例(35.2%)、疲労42例(33.6%)、血小板数減少41例(32.8%)、血小板減少症40例(32.0%)、白血球減少症35例(28.0%)、ALT増加35例(28.0%)、嘔吐30例(24.0%)、白血球数減少30例(24.0%)及びAST増加27例(21.6%)であった。(〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照)
注5)PD-L1を発現した細胞数(腫瘍細胞、マクロファージ及びリンパ球)を総腫瘍細胞数で除し、100を乗じた値


(表4参照)

注6)ペムブロリズマブ200mg Q3W(各コースの1日目に投与)と以下の化学療法(担当医師が患者ごとに選択)を併用した[本剤1,000mg/m2及びカルボプラチンAUC 2mg・min/mL相当量(1コース21日間、各コースの1、8日目に投与)、パクリタキセル90mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)又はnab-パクリタキセル100mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)]。
注7)プラセボQ3W(各コースの1日目に投与)と以下の化学療法(担当医師が患者ごとに選択)を併用した[本剤1,000mg/m2及びカルボプラチンAUC 2mg・min/mL相当量(1コース21日間、各コースの1、8日目に投与)、パクリタキセル90mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)又はnab-パクリタキセル100mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)]。


 図1)PFSのKaplan-Meier曲線(KEYNOTE-355試験)
    [PD-L1陽性(CPS≧10)の患者]

臨床成績の表

表2

  GC群 M-VAC群 HR(95%CI) p値 
生存期間
中央値 
12.8ヵ月 14.8ヵ月 1.08
(0.84-1.40) 
0.55注1) 
腫瘍増大までの
期間中央値 
7.4ヵ月 7.6ヵ月 1.02
(0.82-1.28) 
0.84注1) 
奏効率
(例数) 
49.4%
(81/164例) 
45.7%
(69/151例) 
− 0.51注2) 

注1)log-rank検定、注2)カイ2乗検定


表3

  GT群 T群 HR(95%CI) p値 
生存期間 18.6ヵ月注2) 15.8ヵ月注2) 0.817
(0.667-1.000) 
0.0489注3) 
無増悪
生存期間 
5.3ヵ月注2) 3.4ヵ月注2) 0.74
(0.62-0.88) 
0.0008注3) 
奏効率 41.4%
(110/266) 
26.2%
(69/263) 
奏効率の差注4):15.1%
(95%CI:7.1-23.2) 
奏効率の差注4):15.1%
(95%CI:7.1-23.2) 

注2)中央値、注3)log-rank検定、注4)奏効率の差:GT群-T群


**表4)有効性成績(KEYNOTE-355試験)
   [PD-L1陽性(CPS≧10)の患者]

   ペムブロリズマブ200mg Q3W
+化学療法注6)
(220例)
 
プラセボ+化学療法注7)
(103例)
 
PFS 中央値[月]
(95%信頼区間)
 
9.7
(7.6, 11.3)
 
5.6
(5.3, 7.5)
 
PFS ハザード比
(95%信頼区間)
P値§
 
0.65
(0.49, 0.86)
0.0012
 
 

†:RECISTガイドライン1.1版に基づく盲検下独立中央判定
‡:層別Cox比例ハザードモデルによるプラセボ+化学療法との比較
§:層別ログランク検定
Q3W:3週間間隔投与
注6)ペムブロリズマブ200mg Q3W(各コースの1日目に投与)と以下の化学療法(担当医師が患者ごとに選択)を併用した[本剤1,000mg/m2及びカルボプラチンAUC 2mg・min/mL相当量(1コース21日間、各コースの1、8日目に投与)、パクリタキセル90mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)又はnab-パクリタキセル100mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)]。
注7)プラセボQ3W(各コースの1日目に投与)と以下の化学療法(担当医師が患者ごとに選択)を併用した[本剤1,000mg/m2及びカルボプラチンAUC 2mg・min/mL相当量(1コース21日間、各コースの1、8日目に投与)、パクリタキセル90mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)又はnab-パクリタキセル100mg/m2(1コース28日間、各コースの1、8、15日目に投与)]。


薬効薬理

1. 抗腫瘍効果
ゲムシタビンは、様々なヒト腫瘍細胞及びマウスの腫瘍細胞に対して殺細胞作用を示し、2)〜9)その作用は濃度及び時間依存的であった。3), 4)また、異種移植ヒト固形腫瘍モデルを用いた試験においても非小細胞肺癌細胞、乳癌細胞及び他の様々な腫瘍細胞に対して抗腫瘍効果を示し、9)〜13)1日1回の投与に比べて、3〜4日に1回の投与により優れた抗腫瘍効果がみられた。9)この異種移植ヒト腫瘍モデルにおいては、従来の抗癌剤には低感受性であることが知られているヒト肺癌細胞(H-74及びCPH SCLC54B)にも有効性がみられた。11), 12)また、ヒト膵癌細胞においても腫瘍増殖抑制効果が認められた。14)

2. 作用機序
ゲムシタビン(dFdC)は細胞内で代謝されて活性型のヌクレオチドである二リン酸化物(dFdCDP)及び三リン酸化物(dFdCTP)となり、これらがDNA合成を阻害することにより殺細胞作用を示す。15), 16)dFdCTPがデオキシシチジン三リン酸(dCTP)と競合しながらDNAポリメラーゼによりDNA鎖に取り込まれた後、細胞死(アポトーシス)を誘発する。17)また、dFdCDPはリボヌクレオチドレダクターゼを阻害することにより、18), 19)細胞内のdCTP濃度を低下させるため、間接的にDNA合成阻害が増強される。

有効成分に関する理化学的知見

構造式

一般名
ゲムシタビン塩酸塩(Gemcitabine Hydrochloride)

略 号
GEM

化学名
(+)-2'-Deoxy-2',2'-difluorocytidine monohydrochloride

分子式
C9H11F2N3O4・HCl

分子量
299.66

性 状
白色の粉末である。
水にやや溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)、ジエチルエーテル、アセトニトリル又は2-プロパノールにほとんど溶けない。

融 点
約250℃(分解)

取扱い上の注意

安定性試験20), 21)
最終包装製品を用いた長期保存試験(5±3℃、3年)の結果、ゲムシタビン点滴静注液200mg/5mL「サンド」及びゲムシタビン点滴静注液1g/25mL「サンド」は、通常の市場流通下(2〜8℃)において3年間安定であることが確認された。

包装

ゲムシタビン点滴静注液200mg/5mL「サンド」:5バイアル

ゲムシタビン点滴静注液1g/25mL「サンド」:1バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
**Cortes J. et al.:Lancet. 2020 ; 396 : 1817-1828

2)
Von Hoff D.D. et al.:Anti-Cancer Drugs. 1992 ; 3 : 143-146

3)
Peters G.J. et al.:Purine and Pyrimidine Metabolism in Man VII, Part A. 1991 : 57-60

4)
Momparler R.L. et al.:Anti-Cancer Drugs. 1991 ; 2 : 49-55

5)
Bhalla K. et al.:Gynecologic Oncology. 1992 ; 45 : 32-39

6)
Weber G. et al.:Biochemical and Biophysical Research Communications. 1992 ; 184(2) : 551-559

7)
Rockwell S. et al.:Oncology Research. 1992 ; 4 : 151-155

8)
Plunkett W. et al.:Cancer Research. 1990 ; 50 : 3675-3680

9)
Hertel L.W. et al.:Cancer Research. 1990 ; 50 : 4417-4422

10)
Braakhuis B.J.M. et al.:Cancer Research. 1991 ; 51 : 211-214

11)
Kristjansen P.E.G. et al.:Annals of Oncology. 1993 ; 4 : 157-160

12)
藤田昌英 他:癌と化学療法. 1994 ; 21(4) : 517-523

13)
Peters G.J. et al.:Seminars in Oncology. 1995 ; 22(4), Suppl II : 72-79

14)
Schultz R.M. et al.:Oncology Research. 1993 ; 5 : 223-228

15)
Plunkett W. et al.:Cancer Research. 1988 ; 48 : 4024-4031

16)
Plunkett W. et al.:Cancer Research. 1991 ; 51 : 6110-6117

17)
Plunkett W. et al.:Seminars in Oncology. 1995 ; 22(4), Suppl II : 19-25

18)
Plunkett W. et al.:Purine and Pyrimidine Metabolism in Man VII, Part A. 1991 : 125-130

19)
Plunkett W. et al.:Molecular Pharmacology. 1990 ; 38 : 567-572

20)
ゲムシタビン点滴静注液200mg/5mL「サンド」の安定性試験に関する資料(サンド株式会社社内資料)

21)
ゲムシタビン点滴静注液1g/25mL「サンド」の安定性試験に関する資料(サンド株式会社社内資料)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

サンド株式会社 カスタマーケアグループ

〒105-6333 東京都港区虎ノ門1-23-1

フリーコール 0120-982-001

FAX 03-6257-3633

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

*製造販売
サンド株式会社

東京都港区虎ノ門1-23-1
URL:https://www.sandoz.jp/