リセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」
作成又は改訂年月
** 2023年2月改訂 (第10版)
* 2023年1月改訂
日本標準商品分類番号
873999
日本標準商品分類番号等
効能又は効果追加承認年月(最新)
2018年11月
薬効分類名
骨粗鬆症治療剤、骨ページェット病治療剤
承認等
販売名
リセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」
販売名コード
3999019F2251
承認・許可番号
承認番号
22400AMX01142
商標名
RISEDRONATE Na Tablets
薬価基準収載年月
2022年6月
販売開始年月
2013年6月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存、密閉容器
使用期限
最終年月を外箱等に記載
(取扱い上の注意参照)
基準名
日本薬局方
リセドロン酸ナトリウム錠
規制区分
劇薬
処方箋医薬品
注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること
組成
1錠中:
有効成分
日局 リセドロン酸ナトリウム水和物 20.09mg
(リセドロン酸ナトリウムとして17.5mg)
添加物
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、三二酸化鉄、カルナウバロウ
性状
**外形
上面
**下面
側面
長径
8.1mm
短径
4.6mm
厚さ
3.2mm
重量
114mg
**識別コード
VTRS
17.5
色調等
淡紅色
フィルムコーティング錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
食道狭窄又はアカラシア(食道弛緩不能症)等の食道通過を遅延させる障害のある患者[本剤の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなる。]
2.
本剤の成分あるいは他のビスフォスフォネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
3.
低カルシウム血症の患者[血清カルシウム値が低下し低カルシウム血症の症状が悪化するおそれがある。]
4.
服用時に立位あるいは坐位を30分以上保てない患者
5.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
6.
高度な腎障害のある患者[クレアチニンクリアランス値が約30mL/分未満の患者では排泄が遅延するおそれがある。]
効能又は効果
骨粗鬆症、骨ページェット病
効能又は効果に関連する使用上の注意
骨粗鬆症の場合
本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の原発性骨粗鬆症の診断基準等を参考に骨粗鬆症と確定診断された患者を対象とすること。
骨ページェット病の場合
本剤の適用にあたっては、日本骨粗鬆症学会の「骨Paget病の診断と治療ガイドライン」
1,2)
等を参考に骨ページェット病と確定診断された患者を対象とすること。
用法及び用量
◯骨粗鬆症の場合
通常、成人にはリセドロン酸ナトリウムとして17.5mgを
1週間に1回、
起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口投与する。
なお、服用後少なくとも30分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。
◯骨ページェット病の場合
通常、成人にはリセドロン酸ナトリウムとして17.5mgを
1日1回、
起床時に十分量(約180mL)の水とともに8週間連日経口投与する。
なお、服用後少なくとも30分は横にならず、水以外の飲食並びに他の薬剤の経口摂取も避けること。
用法及び用量に関連する使用上の注意
投与にあたっては次の点を患者に指導すること。
(1)
水以外の飲料(Ca、Mg等の含量の特に高いミネラルウォーターを含む)や食物あるいは他の薬剤と同時に服用すると、本剤の吸収を妨げることがあるので、起床後、最初の飲食前に服用し、かつ服用後少なくとも30分は水以外の飲食を避ける。
(2)
食道炎や食道潰瘍が報告されているので、立位あるいは坐位で、十分量(約180mL)の水とともに服用し、服用後30分は横たわらない。
(3)
就寝時又は起床前に服用しない。
(4)
口腔咽頭刺激の可能性があるので噛まずに、なめずに服用する。
(5)
食道疾患の症状(嚥下困難又は嚥下痛、胸骨後部の痛み、高度の持続する胸やけ等)があらわれた場合には主治医に連絡する。
骨粗鬆症の場合(次の点を患者に指導すること)
本剤は
週1回服用
する薬剤であり、同一曜日に服用すること。また、本剤の服用を忘れた場合は、翌日に1錠服用し、その後はあらかじめ定めた曜日に服用すること。なお、
1日に2錠服用しない
こと。
骨ページェット病の場合
再治療は少なくとも
2ヵ月間の休薬期間
をおき、生化学所見が正常化しない場合及び症状の進行が明らかな場合にのみ行うこと。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
嚥下困難がある患者又は食道、胃、十二指腸の潰瘍又は食道炎等の上部消化管障害がある患者[食道通過の遅延又は上部消化管粘膜刺激による基礎疾患の悪化をきたすおそれがある。]
2.
*腎障害のある患者[排泄が遅延するおそれがある。また、国内の医療情報データベースを用いた疫学調査において、骨粗鬆症の治療にビスホスホネート系薬剤を使用した腎機能障害患者のうち、特に、高度な腎機能障害患者(eGFRが30mL/分/1.73m
2
未満)で、腎機能が正常の患者と比較して低カルシウム血症(補正血清カルシウム値が8mg/dL未満)のリスクが増加したとの報告がある
3)
。]
重要な基本的注意
1.
患者の食事によるカルシウム、ビタミンDの摂取が不十分な場合は、カルシウム又はビタミンDを補給すること。特に骨ページェット病患者は、骨代謝回転が著しく亢進しているので注意すること。ただし、カルシウム補給剤及びカルシウム、アルミニウム、マグネシウム含有製剤は、本剤の吸収を妨げることがあるので、服用時刻を変えて服用させること。[「相互作用」の項参照]
2.
ビスフォスフォネート系薬剤による治療を受けている患者において、顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、血管新生阻害薬、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。
本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。
また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。
3.
ビスフォスフォネート系薬剤を使用している患者において、外耳道骨壊死が発現したとの報告がある。これらの報告では、耳の感染や外傷に関連して発現した症例も認められることから、外耳炎、耳漏、耳痛等の症状が続く場合には、耳鼻咽喉科を受診するよう指導すること。
4.
ビスフォスフォネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性又は軽微な外力による大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折が発現したとの報告がある。これらの報告では、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に大腿部、鼠径部、前腕部等において前駆痛が認められている報告もあることから、このような症状が認められた場合には、X線検査等を行い、適切な処置を行うこと。また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で非定型骨折が起きた場合には、反対側の部位の症状等を確認し、X線検査を行うなど、慎重に観察すること。X線検査時には骨皮質の肥厚等、特徴的な画像所見がみられており、そのような場合には適切な処置を行うこと。
骨粗鬆症の場合
骨粗鬆症の発症にエストロゲン欠乏、加齢以外の要因が関与していることもあるので、治療に際してはこのような要因を考慮する必要がある。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1.
薬剤名等
水以外の飲料、食物
特に牛乳、乳製品などの高カルシウム含有飲食物
多価陽イオン(カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウム等)含有製剤
制酸剤、ミネラル入りビタミン剤等
臨床症状・措置方法
同時に服用すると本剤の吸収が妨げられることがあるので、起床後、最初の飲食前に本剤を服用し、かつ服用後少なくとも30分は上記の飲食物や薬剤を摂取・服用しないよう、患者を指導すること。
機序・危険因子
カルシウム等と錯体を形成する。
併用注意に関する注意
同時に摂取・服用しないこと
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1.
上部消化管障害
(頻度不明)
食道穿孔、食道狭窄、食道潰瘍、胃潰瘍、食道炎、十二指腸潰瘍等の上部消化管障害が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。[「禁忌」、「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
2.
肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.
顎骨壊死・顎骨骨髄炎
(頻度不明)
顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
4.
外耳道骨壊死
(頻度不明)
外耳道骨壊死があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
5.
大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等の非定型骨折
(頻度不明)
大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部等において非定型骨折を生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]
その他の副作用
以下の副作用が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1.
消化器
(頻度不明)
胃不快感、便秘、上腹部痛、悪心、胃炎、下痢、腹部膨満感、消化不良(胸やけ)、味覚異常、口内炎、口渇、嘔吐、食欲不振、軟便、おくび、舌炎、十二指腸炎、鼓腸、歯肉腫脹
2.
過敏症
(頻度不明)
そう痒症、発疹、紅斑、蕁麻疹、皮膚炎(水疱性を含む)、血管浮腫
3.
肝臓
(頻度不明)
γ-GTP増加、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、血中アルカリホスファターゼ増加、LDH増加
4.
眼
(頻度不明)
霧視、眼痛、ぶどう膜炎
5.
血液
(頻度不明)
貧血、白血球数減少、好中球数減少、リンパ球数増加
6.
精神神経系
(頻度不明)
めまい、頭痛、感覚減退(しびれ)、傾眠、耳鳴
7.
筋・骨格系
(頻度不明)
筋・骨格痛(関節痛、背部痛、骨痛、筋痛、頸部痛等)、血中カルシウム減少
8.
その他
(頻度不明)
尿潜血陽性、倦怠感、BUN増加、血中アルカリホスファターゼ減少、血中リン減少、浮腫(顔面、四肢等)、ほてり、無力症(疲労、脱力等)、動悸、血圧上昇、発熱、尿中β
2
ミクログロブリン増加、脱毛
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[他のビスフォスフォネート系薬剤と同様、生殖試験(ラット)において、低カルシウム血症による分娩障害の結果と考えられる母動物の死亡並びに胎児の骨化遅延等がみられている。]
2.
ビスフォスフォネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されるので、妊娠する可能性のある女性へは、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[全身循環への放出量はビスフォスフォネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスフォスフォネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。]
3.
授乳中の女性に投与することを避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。[母動物(ラット)へ投与後授乳された乳児への移行がわずかに認められている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
1.
徴候・症状
過量投与により血清カルシウムが低下し、低カルシウム血症の症状・徴候があらわれる可能性がある。
2.
処置
吸収を抑えるために、多価陽イオンを含有する制酸剤あるいは牛乳を投与する。また、未吸収薬剤を除去するために胃洗浄を考慮する。必要に応じ、カルシウムの静脈内投与等の処置を行う。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
薬物動態
1.
リセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」
4)
健康成人男子にリセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」と標準製剤のそれぞれ1錠(リセドロン酸ナトリウムとして17.5mg)を、絶食時単回経口投与して血漿中リセドロン酸ナトリウム濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、C
max
)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、判定パラメータの対数値の平均値の差がlog(0.90)〜log(1.11)の範囲内であり、かつ、溶出試験における溶出挙動に類似性が認められたことから、両剤の生物学的同等性が確認された(クロスオーバー法)。
(下表参照)
血漿中濃度並びにAUC、C
max
等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
2.
溶出挙動
5)
リセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」は、日本薬局方医薬品各条に定められたリセドロン酸ナトリウム錠の溶出規格に適合していることが確認されている。
判定パラメータ
AUC
0-24
(ng・hr/mL)
判定パラメータ
C
max
(ng/mL)
参考パラメータ
T
max
(hr)
参考パラメータ
T
1/2
(hr)
リセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」
29.47±19.36
8.13±6.58
1.16±0.73
7.63±2.59
標準製剤
(錠剤、17.5mg)
28.02±13.95
7.82±4.27
1.28±0.82
7.46±2.19
(平均値±標準偏差、n=25)
薬効薬理
破骨細胞による骨吸収を抑制して骨量の減少を抑制する。骨吸収抑制作用により海綿骨骨梁の連続性を維持して骨の質を保つことにより骨強度を維持する。ハイドロキシアパタイトに高い親和性を示し、リン酸カルシウムからのハイドロキシアパタイト結晶の形成過程を抑制して、異所性骨化の進展を阻止する
6)
。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
リセドロン酸ナトリウム水和物(Sodium Risedronate Hydrate)
化学名
Monosodium trihydrogen 1-hydroxy-2-(pyridin-3-yl)ethane-1,1-diyldiphosphonate hemipentahydrate
分子式
C
7
H
10
NNaO
7
P
2
・2
1
/
2
H
2
O
分子量
350.13
構造式
性状
白色の結晶性の粉末である。
水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
薄めた希水酸化ナトリウム試液(1→20)に溶ける。
取扱い上の注意
安定性試験
7)
加速試験(40℃、相対湿度75%RH、6ヵ月)の結果、リセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
包装
骨粗鬆症用包装
リセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」:40錠(PTP、2錠
×
20シート)
骨ページェット病用包装
リセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」:56錠(PTP、7錠×8シート)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Takata, S. et al.:J Bone Miner Metab 24(5):359, 2006
2)
高田 信二郎ほか:Osteoporosis Japan 15(2):246, 2007
3)
*MID-NETを用いた調査結果の概要(MID-NETを用いたビスホスホネート製剤の腎機能障害患者における低カルシウム血症のリスク評価に関するデータベース調査):https://www.pmda.go.jp/files/000249186.pdf
4)
社内資料:生物学的同等性試験(リセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」)
5)
社内資料:溶出試験(リセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」)
6)
第十八改正 日本薬局方解説書 廣川書店:C-6052, 2021
7)
社内資料:安定性試験(加速試験)(リセドロン酸Na錠17.5mg「VTRS」)
文献請求先
「主要文献」に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
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フリーダイヤル 0120-419-043
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
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東京都港区虎ノ門5丁目11番2号
販売元
ヴィアトリス製薬株式会社
東京都港区虎ノ門5丁目11番2号