2022年 4月改訂 ( 第1版 ) |
生物由来製品
処方箋医薬品 注)
注) 注意―医師等の処方箋により使用すること生物由来製品
処方箋医薬品 注)
注) 注意―医師等の処方箋により使用すること生物由来製品
処方箋医薬品 注)
注) 注意―医師等の処方箋により使用すること血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析・血液透析ろ過・血液ろ過)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で、母乳中へ移行することが確認されている5) 。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
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抗凝固剤 |
本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 |
本剤の抗凝固作用と血液凝固因子の生合成阻害作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 |
本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
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本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 |
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
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本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 |
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
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非ステロイド性消炎剤 |
本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 |
本剤の抗凝固作用と血小板機能阻害作用により、出血の危険性が増大する。 |
糖質副腎皮質ホルモン剤 |
本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 |
副腎皮質ホルモン剤の消化器系の副作用により、出血の危険性が増大する可能性がある。 |
デキストラン |
本剤の作用が出血傾向を増強するおそれがある。 |
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
本剤の作用が減弱することがある。 |
機序は不明である。 |
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本剤の抗凝固作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を観察するとともに血液凝固に関する検査値に注意すること。 |
作用機序は不明であるが、スガマデクスナトリウム4mg/kgと抗凝固剤の併用中に活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)又はプロトロンビン時間(PT)の軽度で一過性の延長が認められている。 |
本剤は未分画ヘパリンや他の低分子量ヘパリンと製造工程、分子量の分布が異なり、同一単位(抗第Xa因子活性)でも他のヘパリン類とは必ずしも互換性がないため、投与量の設定の際には本剤の用法・用量に従うこと。
HITはヘパリン-血小板第4因子複合体に対する自己抗体(HIT抗体)の出現による免疫学的機序を介した病態であり、重篤な血栓症(脳梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等)を伴うことがある。HIT発現時に出現するHIT抗体は100日程度で消失~低下するとの報告がある。また、投与終了数週間後に、HITが遅延して発現したとの報告もある。,,
健常成人男子(17例)に本剤20単位/kg、40単位/kg、80単位/kg 注1) を単回静脈内投与して得られた血漿中抗第Xa因子活性は図のとおりであり、用量相関性が認められる6) 。
投与量 |
20U/kg(5例) |
40U/kg(6例) |
80U/kg(6例) |
Cmax(anti-Xa U/mL) T1/2(min) AUC(anti-Xa U・min/mL) CL(mL/min/kg) |
0.39±0.03 84.30±6.00 49.00±3.10 0.41±0.02 |
0.67±0.07 114.94±18.70 116.18±18.97 0.35±0.06 |
1.21±0.17 146.42±7.88 241.92±31.36 0.34±0.04 |
(平均値±標準偏差) U:単位 |
|||
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35Sで標識した本剤を雄ラットに1mg/kgを静脈内投与したとき、投与後5分にほとんどの組織で最高濃度となり、特に腎臓で高い放射能が認められた5) 。
35Sで標識した本剤を雌雄ラットに1mg/kg、雄イヌに1mg/kg静脈内投与したとき、ラットとイヌの血漿、尿中及び組織中の未変化体相当分画は経時的に減少し、それより低分子側の代謝物が増加した。その代謝物は、主として脾臓において分解を受けて生じた硫酸基であると考えられた5) 。
35Sで標識した本剤を雄ラットに1mg/kg、雄イヌに1mg/kg静脈内投与したとき、投与後168時間までに、ラットでは尿中へ76.7%、糞中へ8.5%が排泄され、イヌでは尿中に78.8%、糞中へ3.2%が排泄された。また、ラットにおける24時間までの胆汁中への排泄は、3.9%であった5) 。
血液透析施行中の安定期慢性腎不全患者15例に本剤40~50単位/kg(1時間あたり平均9.95単位/kg、平均4.5時間透析) 注2) を単回静脈内投与したとき、血漿中抗第Xa因子活性は投与後1相性に低下した。また、本剤は主に尿中に排泄されるが、腎機能の低下している患者では尿中に排泄されないため抗第Xa因子活性の血漿中からの消失が遅延し、平均44.7単位/kgを投与したときの消失の半減期は健常人(40単位/kgを投与したとき114.94分)に比し約2倍長い246.53±76.97分であった6) ,7) 。
総症例328例(前期第Ⅱ相試験17例、後期第Ⅱ相試験58例、第Ⅲ相比較試験192例、一般臨床試験28例、長期投与試験33例)での1回投与量と投与期間は、大部分が透析1時間あたり7~13単位/kg、2~4週間(長期投与試験は1年間)であった。
副作用は、後期第Ⅱ相試験で3例(5.2%)4件(胸部圧迫感2例、点状出血1例、両頬のつっぱり1例)、第Ⅲ相比較試験で2例(1.0%)3件(内シャント閉塞1例、頭痛1例、動悸1例)報告され、その他の試験では報告されなかった。臨床検査値異常は、後期第Ⅱ相試験で1例(1.7%)1件(LDH上昇1例)、第Ⅲ相比較試験で5例(2.6%)8件(AST上昇3例、ALT上昇3例、高カリウム血症1例、ヘマトクリット低下1例)であった7)
,8)
,9)
,10)
,11)
,12)
。
総症例44例(前期第Ⅱ相試験16例、一般臨床試験28例)での1回投与量と投与期間は、大部分が血液透析開始時15~20単位/kg、透析中毎時6~8単位/kg、1~2週間であり、副作用は報告されなかった10) ,11) ,13) 。
総症例55例(後期第Ⅱ相試験27例、第Ⅲ相比較試験28例)での1回投与量と投与期間は、大部分が血液透析開始時10~15単位/kg、透析中毎時6~9単位/kg、1~2週間であった。
副作用は報告されなかった。有害事象は、第Ⅲ相比較試験で臨床検査値異常1例(3.6%)4件(AST上昇1例、ALT上昇1例、Al-P上昇1例、LDH上昇1例)であった14)
,15)
。
一般臨床試験18例の1回投与量は大部分が治療1時間あたり7~13単位/kg、投与期間は3週間であり、副作用は報告されなかった16) 。
一般臨床試験19例の1回投与量は大部分が治療開始時15~20単位/kg、治療中毎時6~8単位/kg、投与期間は3週間であり、副作用は報告されなかった16) 。
一般臨床試験15例(総括安全度解析対象15例、有効性解析対象14例)の1回投与量と投与期間は、大部分が治療開始時10~15単位/kg、治療中毎時6~9単位/kg、1~2週間であり、副作用は報告されなかった17) 。
対象 |
投与法 |
有効例/症例数 |
有効率 |
|
血液透析 |
出血性病変又は出血傾向を有しない患者 |
単回投与 |
308/328 |
94% |
持続投与 |
40/44 |
91% |
||
出血性病変又は出血傾向を有する患者 |
持続投与 |
51/55 |
93% |
|
血液透析ろ過 血液ろ過 |
出血性病変又は出血傾向を有しない患者 |
単回投与 |
16/18 |
89% |
持続投与 |
18/19 |
95% |
||
出血性病変又は出血傾向を有する患者 |
持続投与 |
13/14 |
93% |
|
本剤の抗凝固作用はヘパリンナトリウムと同様アンチトロンビンⅢ(ATⅢ)を介する間接作用である。本剤はATⅢの活性型血液凝固第X因子(Xa)、トロンビンとの結合反応を促進するが、ヘパリンナトリウムに比して、よりXaへの選択性が高いことが示唆されている18) 。
イヌ血液透析モデルにおいて本剤を開始時に単回静脈内投与すると同一抗第Xa因子活性のヘパリンナトリウムよりも長時間、血液凝固阻止作用を示す。このとき、血漿中抗第Xa因子活性の半減期はヘパリンナトリウムの1.5倍であり、活性部分トロンボプラスチン時間(APTT)の延長はヘパリンナトリウムに比して軽度である。また、開始時に単回静脈内投与した後、透析施行中持続注入すると著明なAPTTの延長を伴わずにヘパリンナトリウムと同様の血液凝固阻止作用を発揮する19) 。
パルナパリンナトリウム(Parnaparin Sodium)
白色~微黄色の粉末である。
水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
吸湿性である。
健康なブタの腸粘膜から得たヘパリンナトリウムを過酸化水素及び酢酸第二銅を用いて、又は次亜塩素酸ナトリウムを用いて分解して得た低分子ヘパリンナトリウムで質量平均分子量は4,500~6,500である。硫酸エステル化の度合は、二糖類あたり2.0~2.4である。
1) 板橋正文,他.:薬理と治療.1992;20(Suppl.):281-294
2) 板橋正文,他.:薬理と治療.1992;20(Suppl.):295-328
3) 工藤 悟,他.:薬理と治療.1992;20(Suppl.):329-337
4) 板橋正文,他.:薬理と治療.1992;20(Suppl.):339-358
5) 杉山隆之,他.:医薬品研究.1992;23(1):9-32
6) 風間睦美,他.:臨床評価.1990;18(1):71-93
7) 越川昭三,他.:腎と透析.1990;29(5):817-835
8) 越川昭三,他.:薬理と治療.1991;19(9):3683-3710
9) 越川昭三,他.:臨床評価.1991;19(9):491-540
10) 吉本 忍,他.:臨牀透析.1991;7(9):1301-1308
11) 赤垣洋二,他.:腎と透析.1992;32(1):119-128
12) 越川昭三,他.:腎と透析.1992;32(2):319-335
13) 越川昭三,他.:薬理と治療.1991;19(6):2355-2379
14) 越川昭三,他.:薬理と治療.1991;19(9):3711-3733
15) 越川昭三,他.:臨床評価.1991;19(9):541-571
16) 社内資料:一般臨床試験(非出血性)(ローヘパ透析用500単位/mLバイアル10mL:2001年12月14日承認事項一部変更承認、資料概要)
17) 社内資料:一般臨床試験(出血性)(ローヘパ透析用500単位/mLバイアル10mL:2001年12月14日承認事項一部変更承認、資料概要)
18) Sugiyama T, et al.:IYAKUHIN KENKYU. 1993; 24(10):1061-1069
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