ハルトマンD液「フソー」


作成又は改訂年月

* 2021年12月改訂 (第2版)

2021年11月作成

日本標準商品分類番号

873319

日本標準商品分類番号等

再評価結果公表年月(最新)
1978年3月

薬効分類名

5%ブドウ糖加乳酸リンゲル液

承認等

販売名
ハルトマンD液「フソー」

販売名コード

3319537A2071

承認・許可番号

承認番号
21400AMZ00311
商標名
Hartmann's D SOLUTION″FUSO″

薬価基準収載年月

2020年12月

販売開始年月

2020年12月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

容器,外箱に表示

規制区分

処方箋医薬品注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成・性状

1.組成

有効成分 500mL 
塩化ナトリウム
NaCl 
3.00g 
塩化カルシウム水和物
CaCl・2HO 
0.10g 
塩化カリウム
KCl 
0.15g 
乳酸ナトリウム
NaO 
1.55g 
ブドウ糖
12 
25.00g 
添加物 
pH調整剤2成分 適量 

本剤は1袋(500mL)中に上記成分を含む.


電解質濃度(mEq/L)

Na  Ca2+ Cl Lactate 熱量 
131 4  110 28 100kcal/500mL 

2.製剤の性状

pH:4.1〜4.9 
浸透圧比(生理食塩液に対する比):1.8〜2.2 
比重d2020:1.025 

本剤は無色〜微黄色澄明の液で,味はわずかに塩辛い.pH,浸透圧比,比重は上記のとおりである.


禁忌

(次の患者には投与しないこと)

乳酸血症の患者[症状が悪化するおそれがある.]

効能・効果

効能・効果/用法・用量

効能・効果

・循環血液量及び組織間液の減少時における細胞外液の補給・補正
・代謝性アシドーシスの補正
・エネルギーの補給

用法・用量

通常成人,1回500〜1,000mLを点滴静注する.投与速度は通常成人ブドウ糖として1時間当たり0.5g/kg体重以下とする.
なお,年齢,症状,体重により適宜増減する.

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
腎疾患に基づく腎不全のある患者[水・電解質異常を起こす,又は増悪するおそれがある.]

2.
心不全のある患者[水及びナトリウムの負荷により心不全を増悪するおそれがある.]

3.
重篤な肝障害のある患者[水・電解質異常,血中乳酸値の上昇を起こす,又は増悪するおそれがある.]

4.
高張性脱水症の患者[自由水が補給されないので,血清ナトリウム値が上昇するおそれがある.]

5.
閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者[水・電解質異常を起こす,又は増悪するおそれがある.]

6.
糖尿病の患者[血糖値の上昇,水・電解質異常を起こす,又は増悪するおそれがある.]

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない.
副作用が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

その他の副作用

過敏症
頻度不明 
紅斑,蕁麻疹,そう痒感

大量・急速投与
頻度不明 
脳浮腫,肺水腫,末梢の浮腫

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので,投与速度を緩徐にし,減量するなど注意すること.

適用上の注意

1. 調製時:

(1)
本剤はカルシウムを含有するため,クエン酸加血液と混合すると凝血を起こすおそれがあるので注意すること.

(2)
リン酸イオン及び炭酸イオンと沈殿を生じるので,リン酸又は炭酸を含む製剤と配合しないこと.

2. 投与前:

(1)
投与に際しては,感染に対する配慮をすること.(患者の皮膚や器具消毒)

(2)
寒冷期には体温程度に温めて使用すること.

(3)
開封後直ちに使用し,残液は決して使用しないこと.

3. 投与時:
ゆっくり静脈内に投与すること.

薬効薬理

1. 細胞外液の補給1)〜4)
乳酸リンゲル液は細胞外液と電解質組成が近似していることから,各種の侵襲時及びショック時にみられる機能的細胞外液を補い,循環血液量を安定させショックを防止する.

2. 代謝性アシドーシスの補正2)
乳酸ナトリウムは体内で代謝されてHCOとなり,体内のHと結合して代謝性アシドーシスを補正する.

3. 熱源の補給5)
ブドウ糖を5w/v%含有し積極的な熱量補給による肝グリコーゲンの消費抑制と,抗ケトン作用,たん白の動員抑制が期待できる.

取扱い上の注意

1.
内容液に混濁など異常が認められた場合は使用しないこと.

2.
注射針はゴム栓の○印にまっすぐ刺すこと.

3.
容器の目盛は目安として使用すること.

4.
通気針は不要である.

5.
連結管による混合投与の場合は,Y字型連結にして使用すること.

6.
ゴム栓部のカバーシールが万一はがれている場合は使用しないこと.

*安定性試験
最終包装製品を用いた加速試験(40℃,相対湿度75%,6ヵ月)の結果,各試験項目は規格の範囲内であり,通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された6)

包装

500mL×20袋(FC)

FC(フレキシブルコンテナー):輸液用のポリエチレン製ソフトバッグ

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
藤田達士 他:臨床と研究,45,142(1968)

2)
山村秀夫:綜合臨床,16,1210(1968)

3)
田中茂稔:呼吸と循環,15,479(1967)

4)
Shires,T.et al.:Arch.Surg., 88, 688(1964)

5)
谷村 弘:産科と婦人科,41,817(1974)

6)
扶桑薬品工業株式会社(安定性試験)社内資料

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 学術室

〒536-8523 大阪市城東区森之宮二丁目3番30号

TEL 06-6964-2763

FAX 06-6964-2706
(9:00〜17:30/土日祝日を除く)

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
扶桑薬品工業株式会社

大阪市城東区森之宮二丁目3番11号