イノラス配合経腸用液


作成又は改訂年月

2019年3月作成(第1版)

日本標準商品分類番号

87 3259

薬効分類名

たん白アミノ酸製剤

承認等

販売名
イノラス配合経腸用液

販売名コード

3259120S1021

承認・許可番号

承認番号
23100AMX00279
商標名
ENORAS Liquid for Enteral Use

薬価基準収載年月

2019年5月

販売開始年月

2019年6月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

製造後12ヵ月(パウチ等に表示)

性状

本剤は、微褐白色〜褐白色の乳液で、わずかに特有の香り(ヨーグルト様、若しくはりんご様)があり、味はわずかに甘い。

比重 d2020 約1.1

pH 約6.1

浸透圧 約670mOsm/L

粘度 約17mPa・s

1. 配合組成
本剤は187.5mL(300kcal)中に、下記の成分・分量を含有する。本剤の1mL当たりの熱量は1.6kcalである。

配合成分 1パウチ 187.5mL(300kcal)中 
濃縮乳たん白質 10.744g 
カゼインナトリウム 3.576g 
トリカプリリン 1.521g 
コーン油 4.871g 
シソ油 1.395g 
魚油 0.684g 
部分加水分解デンプン 40.31g 
イヌリン 3.231g 
クエン酸ナトリウム水和物 884.4mg 
クエン酸カリウム 237.0mg 
乳酸カルシウム水和物 287.1mg 
塩化カルシウム水和物 5620.3μg 
塩化マグネシウム 942.4mg 
リン酸二カリウム 916.5mg 
グルコン酸第一鉄 33.99mg 
硫酸亜鉛水和物 12.174mg 
硫酸マンガン(II)五水和物 5.813mg 
硫酸銅 1112.6μg 
ヨウ化カリウム 37.58μg 
セレン酸ナトリウム 24.19μg 
塩化クロム六水和物 61.24μg 
モリブデン酸ナトリウム二水和物 8.72μg 
ビタミンA油(1g中20万IU含有) 4.718mg 
コレカルシフェロール 5.01μg 
トコフェロール酢酸エステル 7.605mg 
メナテトレノン 24.99μg 
フルスルチアミン塩酸塩 601.7μg 
リボフラビンリン酸エステルナトリウム 597.8μg 
ピリドキシン塩酸塩 569.8μg 
シアノコバラミン 1.500μg 
L-アスコルビン酸2-グルコシド 127.9mg 
ニコチン酸アミド 5.01mg 
パントテン酸カルシウム 2175μg 
葉酸 75.0μg 
ビオチン 16.69μg 
L-カルニチン 50.1mg 
コリン塩化物 245.72mg 

添加物として以下を含有する。

添加物 187.5mL(300kcal)中 
乳化剤:グリセリンコハク酸脂肪酸エステル 753.8mg 
乳化剤:グリセリン脂肪酸エステル 234.4mg 
乳化剤:グリセリン脂肪酸エステル混合物 166.1mg 
懸濁剤:結晶セルロース・カルメロースナトリウム 87.2mg 
懸濁剤:精製カラギナン 18.75mg 
甘味剤:スクラロース 2813μg 
安定剤:炭酸カリウム 750μg 
香料 微量 

*:プロピレングリコール、バニリンを含む。


2. 栄養成分組成
本剤は187.5mL(300kcal)中に、下記の栄養成分を含有する。

栄養成分 1パウチ 187.5mL(300kcal)中 
たん白質 12.00g 
脂肪 9.66g 
糖質 39.79g 
イヌリン 3.00g 
ナトリウム 270.0mg 
カリウム 551mg 
カルシウム 266.6mg 
マグネシウム 123.4mg 
リン 333.4mg 
塩素 416mg 
鉄 3666μg 
亜鉛 3999μg 
マンガン 1331μg 
銅 300μg 
ヨウ素 43.1μg 
セレン 16.9μg 
クロム 13.1μg 
モリブデン 9.9μg 
レチノールパルミチン酸エステル 283.1μgRE 
コレカルシフェロール 5.01μg 
トコフェロール酢酸エステル 7479μg 
メナテトレノン 24.99μg 
フルスルチアミン
(チアミン相当量) 
551μg
(466.3μg) 
リボフラビン 534μg 
ピリドキシン 469μg 
シアノコバラミン 1.500μg 
アスコルビン酸2-グルコシド
(アスコルビン酸相当量) 
127.9mg
(66.6mg) 
ニコチン酸アミド 5.01mg 
パントテン酸 2001μg 
葉酸 80.1μg 
ビオチン 16.69μg 
カルニチン 50.1mg 
コリン 183.4mg 
内含量  
トリカプリリン 1521mg 
リノール酸 2666mg 
α-リノレン酸 816mg 
ドコサヘキサエン酸 145.1mg 

参考:

 187.5mL(300kcal)中 
食塩相当量 0.69g 
窒素量 1.88g 
水分 約75% 

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.
牛乳たん白アレルギーを有する患者[本剤は牛乳由来のたん白質が含まれているため、ショック、アナフィラキシーを引き起こすことがある。]

3.
イレウスのある患者[消化管の通過障害がある。]

4.
腸管の機能が残存していない患者[水、電解質、栄養素などが吸収されない。]

5.
高度の肝・腎障害のある患者[肝性昏睡、高窒素血症などを起こすおそれがある。]

6.
重症糖尿病などの糖代謝異常のある患者[高血糖、高ケトン血症などを起こすおそれがある。]

7.
先天性アミノ酸代謝異常の患者[アシドーシス、嘔吐、意識障害などのアミノ酸代謝異常の症状が発現するおそれがある。]

効能又は効果

一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。

効能又は効果に関連する使用上の注意

経口食により十分な栄養摂取が可能となった場合には、速やかに経口食にきりかえること。

用法及び用量

通常、成人標準量として1日562.5〜937.5mL(900〜1,500kcal)を経管又は経口投与する。経管投与の投与速度は50〜400mL/時間とし、持続的又は1日数回に分けて投与する。経口投与は1日1回又は数回に分けて投与する。なお、年齢、体重、症状により投与量、投与速度を適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
本剤は、経腸栄養剤であるため、静脈内へは投与しないこと。

2.
本剤の投与初期には低速度から投与を開始すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
短腸症候群の患者[下痢の増悪をきたすおそれがある。]

2.
急性膵炎の患者[膵炎が増悪するおそれがある。]

3.
水分の補給に注意を要する下記患者[下記の患者では水分バランスを失いやすい。]

(1)
意識不明の患者

(2)
口渇を訴えることのできない患者

(3)
高熱を伴う患者

(4)
重篤な下痢など著しい脱水症状の患者

4.
甲状腺機能低下症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]

重要な基本的注意

1.
本剤を術後に投与する場合、胃、腸管の運動機能が回復し、水分の摂取が可能になったことを確認すること。

2.
ビタミン、電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので、必要に応じて補給すること。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 
ワルファリン ワルファリンの作用が減弱することがある。 メナテトレノン(ビタミンK2)がワルファリンの作用に拮抗するため(本剤はメナテトレノンを24.99μg/187.5mL(300kcal)含有する)。 

副作用

副作用等発現状況の概要

第III相比較試験(検証的試験)の安全性評価対象107例のうち副作用発現例数は11例(10.3%)、副作用発現件数は11件であった。その内訳は消化器系の副作用が下痢5件(4.7%)、軟便1件(0.9%)、便秘1件(0.9%)であり、その他は血中ナトリウム減少1件(0.9%)、血中ブドウ糖増加1件(0.9%)、血中トリグリセリド増加1件(0.9%)、白血球数増加1件(0.9%)であった。(承認時)

重大な副作用(類薬)

ショック、アナフィラキシー(頻度不明):
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

種類/頻度 0.1〜5%未満 頻度不明注3) 
消化器注1) 下痢、軟便、便秘 腹部膨満感、腹痛、悪心、嘔吐、肝機能検査値の異常 
その他注2)  皮疹、蕁麻疹、発熱、頭痛 

注1)観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、過剰投与のおそれがあるので、減量するか、投与速度又は水で濃度を下げるか、又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
注2)皮疹、蕁麻疹があらわれた場合は投与を中止すること。
注3)類薬(ラコールNF配合経腸用液)でみられる副作用


臨床検査値の異常変動

種類/頻度 0.1〜5%未満 頻度不明注) 
血液 ナトリウム低下、血糖値の上昇、中性脂肪の上昇、白血球数の増加 AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、γ-GTP、LAP、尿素窒素、カリウム、クレアチニン、カルシウム、クロールの上昇、クロール、カルシウム、総コレステロール、遊離脂肪酸、総ビリルビン、尿酸、総たん白、アルブミンの低下、血糖値の低下、血小板数の増加、赤血球数の減少、血色素量、ヘマトクリット値の低下 
尿  たん白定性、ウロビリノーゲン定性、ケトン体定性、尿糖定性の陽性、ナトリウム、クロール、カルシウム、カリウムの低下と上昇、pHの上昇 

注)類薬(ラコールNF配合経腸用液)でみられる副作用


高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与量、投与速度に注意して投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

外国において、妊娠前3ヶ月から妊娠初期3ヶ月までにビタミンAを10,000IU/日以上摂取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定されたとする疫学調査結果1)があるので、妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する婦人に投与する場合は用法・用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5,000IU/日未満に留めるなど必要な注意を行うこと。(本剤937.5mL/1,500kcal中にビタミンA4,718IU(1,415.5μgRE)を含有する。)

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

適用上の注意

1. 投与に際して

(1)
投与初期には、低速度から投与を開始し、特に観察を十分に行うこと。下痢などの副作用が認められた場合には、速度を下げて症状の改善を待つ、若しくは減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

(2)
万一容器等の破損により、製剤に異常が認められた場合には使用しないこと。

2. 投与方法

(1)
分割投与の開始時又は持続的投与の数時間ごとに、胃内容物の残存を確認すること。

(2)
経管投与においては、分割投与の終了ごと、あるいは持続的投与の数時間ごとに少量の水でチューブをフラッシングすること。

(3)
使用時に配合成分由来の沈殿物又は浮遊物(結晶性のリン酸水素カルシウムや脂肪など)がみられることがあるため、開封直前によく振って分散させてから使用すること。

(4)
本剤を加温する場合は高温(70℃以上)を避け、未開封のまま湯煎にて行うこと。

3. 保存等

(1)
凍結保存や室温を上回る温度下での保存は避けること。

(2)
開封後は、微生物汚染及び直射日光を避け、できるだけ早めに使い切ること。やむを得ず保管する場合は、冷蔵庫に保管し、24時間以内に使い切ること。

4. その他
可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含むポリ塩化ビニル製の栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用した場合、 DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用することが望ましい。

臨床成績

経腸栄養による栄養管理を必要とする患者を対象とした多施設共同無作為化非盲検並行群間比較試験(検証的試験)を実施した2)。投与期間は移行期3日、維持期7日、維持期終了翌日の合計11日間とした。本剤群50例、対照薬(ラコールNF配合経腸用液)群50例で検討した。本剤群の維持期の1回平均投与速度は260.1±92.3mL/時間(最低108mL/時間、最高464mL/時間)であった。主要評価項目であるRapid Turnover Proteinは両群で同様に推移し、対照薬と同様の栄養管理が可能と認められた。

薬効薬理

胃瘻カテーテルを留置したラットを用い、対照薬(ラコールNF 配合経腸用液)と栄養効果を比較検討した結果、剖検日体重、臓器重量(肝臓、腎臓、脾臓、脂肪組織)、屠体重量、血液生化学指標(総蛋白、アルブミン、トリグリセリド、総コレステロール)に差は認められなかったことから、同等の栄養効果を有すると考えられた3)

包装

イノラス配合経腸用液
      187.5mL×24パウチ

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Rothman K. J. et al. New Engl J Med. 1995;333(21):1369-1373.

2)
社内資料(経腸栄養患者を対象とした臨床試験)

3)
社内資料(薬理試験)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター

〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2

TEL:0120-719-814

FAX:03-5296-8400

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

販売提携
大塚製薬株式会社

東京都千代田区神田司町2-9

販売提携
株式会社大塚製薬工場

徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115

製造販売元
イーエヌ大塚製薬株式会社

岩手県花巻市二枚橋第4地割3-5