アリナミンF5注/アリナミンF10注

作成又は改訂年月

2023年 3月改訂 ( 第1版 )

日本標準商品分類番号

873122

承認等

アリナミンF5注

販売名コード

YJコード

3122401A1049

販売名英語表記

ALINAMIN-F INJECTION

販売名ひらがな

ありなみんえふ5ちゅう

承認番号等

承認番号

21300AMZ00615

販売開始年月

1962年 7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

21箇月

アリナミンF10注

販売名コード

YJコード

3122401A2045

販売名英語表記

ALINAMIN-F INJECTION

販売名ひらがな

ありなみんえふ10ちゅう

承認番号等

承認番号

21300AMZ00616

販売開始年月

1962年 7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

21箇月

一般的名称

フルスルチアミン塩酸塩注射液

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

アリナミンF5注

有効成分1アンプル(1mL)中:フルスルチアミン塩酸塩  5.458mg
(フルスルチアミンとして  5mg)
添加剤1アンプル(1mL)中:ブドウ糖(200mg)、pH調節剤

アリナミンF10注

有効成分1アンプル(2mL)中:フルスルチアミン塩酸塩  10.916mg
(フルスルチアミンとして  10mg)
添加剤1アンプル(2mL)中:ブドウ糖(400mg)、pH調節剤

3.2 製剤の性状

アリナミンF5注

pH3.0~4.3
浸透圧比約4(生理食塩液に対する比)
色・剤形無色澄明の液
※本剤1mLを正確に量り、水を加えて正確に5mLとした液

アリナミンF10注

pH3.0~4.3
浸透圧比約4(生理食塩液に対する比)
色・剤形無色澄明の液
※本剤1mLを正確に量り、水を加えて正確に5mLとした液

4. 効能又は効果

  • ビタミンB1欠乏症の予防及び治療
  • ビタミンB1の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦、はげしい肉体労働時等)
  • ウェルニッケ脳症
  • 脚気衝心
  • 下記疾患のうちビタミンB1の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
    • ・神経痛
      ・筋肉痛、関節痛
      ・末梢神経炎、末梢神経麻痺
      ・心筋代謝障害
      ・便秘等の胃腸運動機能障害
      ・術後腸管麻痺

ビタミンB1欠乏症の予防及び治療、ビタミンB1の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給、ウェルニッケ脳症、脚気衝心以外の効能・効果に対して、効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきでない。

6. 用法及び用量

通常、成人には1日量1管(フルスルチアミンとして5mg又は10mg)を静脈内に注射する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(頻度不明)

    血圧低下、胸内苦悶、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症

発疹、そう痒感

消化器

悪心、嘔吐、舌炎、下痢

その他

頭痛、頻尿

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意

  1. 14.1.1 静脈内注射により、血管痛を起こすことがあるので、注射速度はできるだけ遅くすること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

本剤は高い血中ビタミンB1濃度を持続する1) (健康人)。

16.3 分布

本剤はリポイド易溶性で組織に対する親和性が強く、血球等によく移行する。また、体内貯留性がよい2) ,3) (健康人)。

16.4 代謝

本剤は細胞内で速やかに非酵素的にビタミンB1に復元した後エステル化され、多量の結合型B1(コカルボキシラーゼ)を生成する4) (健康人)。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

ビタミンB1に比べ細胞内によく取り込まれ、多量のコカルボキシラーゼを生成して、諸種代謝活性をたかめる。また、腸管内アウエルバッハ神経叢内の腸運動亢進ニューロンへ作用し、腸管の蠕動運動を亢進させる5)

18.2 神経機能障害改善作用

ビタミンB1は神経組織の形態保持上重要であり、また、神経インパルス伝導に際してビタミンB1が遊離消費され6) 、神経細胞内のコカルボキシラーゼは糖代謝に対する依存性が大きい神経細胞のエネルギー産生に関与していること7) 等が示されている。
本剤は神経組織へ移行するとともに、神経細胞の増殖促進8) in vitro)、神経再生促進9) ,10) (ウサギ)、骨格筋活動電位の増加11) (ラット)等の作用が認められており、ビタミンB1の欠乏又は代謝障害と関連する神経機能障害を改善する。

18.3 心筋代謝障害改善作用

本剤はビタミンB1に比べて心筋細胞へのとりこみがよく、心筋内ではほとんどがコカルボキシラーゼとして存在すること12) (ラット)、麻酔イヌで心筋代謝障害改善作用が認められていること13) より、心筋内でコカルボキシラーゼとなって、心筋代謝障害を改善すると考えられている。

18.4 腸管蠕動運動亢進作用

本剤は腸管蠕動運動亢進作用を示す14) (イヌ)が、この作用は腸管内アウエルバッハ神経叢内に存在すると考えられる腸運動亢進ノイロンへの作用によるとされている15) (イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット)。なお、ビタミンB1ではこの亢進作用はほとんど認められていない14) (イヌ)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

フルスルチアミン塩酸塩(Fursultiamine Hydrochloride)

化学名

N-(4-Amino-2-methylpyrimidin-5-ylmethyl)-N-{(1Z)-4-hydroxy-1-methyl-2-[(2RS)-tetrahydrofuran-2-ylmethyldisulfanyl]but-1-en-1-yl}formamide monohydrochloride

分子式

C17H26N4O3S2・HCl

分子量

435.00

性状

白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又は僅かに特異なにおいがあり、味は苦い。水、メタノール又はエタノール(95)に溶けやすい。結晶多形が認められる。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

  • 〈アリナミンF5注〉

    1mL×50アンプル

  • 〈アリナミンF10注〉

    2mL×50アンプル

24. 文献請求先及び問い合わせ先

武田テバ薬品株式会社 武田テバDIセンター

〒453-0801 名古屋市中村区太閤一丁目24番11号

TEL 0120-923-093
受付時間 9:00~17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

武田テバ薬品株式会社

大阪市中央区道修町四丁目1番1号

26.2 販売

武田薬品工業株式会社

大阪市中央区道修町四丁目1番1号