ウテメリン錠5mg

作成又は改訂年月

**2022年 1月改訂 ( 第3版 )
2021年 3月改訂 ( 第2版 )

日本標準商品分類番号

87259

薬効分類名

切迫流・早産治療剤

承認等

ウテメリン錠5mg

販売名コード

YJコード

2590004F1192

販売名英語表記

UTEMERIN Tablets 5mg

販売名ひらがな

うてめりんじょう5mg

承認番号等

承認番号

21600AMZ00265000

販売開始年月

1986年 8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

日本薬局方リトドリン塩酸塩錠

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 強度の子宮出血、子癇、前期破水例のうち子宮内感染を合併する症例、常位胎盤早期剥離、子宮内胎児死亡、その他妊娠の継続が危険と判断される患者[妊娠継続が危険と判断される。]
  2. 2.2 重篤な甲状腺機能亢進症の患者[症状が増悪するおそれがある。]
  3. 2.3 重篤な高血圧症の患者[過度の昇圧が起こるおそれがある。]
  4. 2.4 重篤な心疾患の患者[心拍数増加等により症状が増悪するおそれがある。]
  5. 2.5 重篤な糖尿病の患者[過度の血糖上昇が起こるおそれがある。また、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることもある。],
  6. 2.6 重篤な肺高血圧症の患者[肺水腫が起こるおそれがある。]
  7. 2.7 妊娠16週未満の妊婦
  8. 2.8 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ウテメリン錠5mg

有効成分1錠中 日局リトドリン塩酸塩  5mg
添加剤乳糖水和物、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、タルク、ステアリン酸カルシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、シリコーン樹脂

3.2 製剤の性状

ウテメリン錠5mg

剤形フィルムコート錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径7.2mm
厚さ3.8mm
質量0.13g
識別コード

4. 効能又は効果

切迫流・早産

6. 用法及び用量

通常、1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1日3回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤投与中、血糖値の急激な上昇や糖尿病の悪化から、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることがある。投与前から口渇、多飲、多尿、頻尿等の糖尿病症状の有無や血糖値、尿糖、尿ケトン体等の観察を十分に行うこと。,,
  2. 8.2 1日用量30mgを越えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
  3. 8.3 切迫流産患者にはあらかじめ安静療法を試みた後に本剤を投与するとともに、症状の消失がみられた場合は漫然と継続投与しないこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 甲状腺機能亢進症の患者(重篤な甲状腺機能亢進症の患者を除く)

    症状が増悪するおそれがある。

  2. 9.1.2 高血圧症の患者(重篤な高血圧症の患者を除く)

    過度の昇圧が起こるおそれがある。

  3. 9.1.3 心疾患の患者(重篤な心疾患の患者を除く)

    心拍数増加等により症状が増悪するおそれがある。

  4. 9.1.4 糖尿病の患者(重篤な糖尿病の患者を除く)、糖尿病の家族歴、高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者

    過度の血糖上昇があらわれることがある。また、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることもある。,

  5. 9.1.5 肺高血圧症の患者(重篤な肺高血圧症の患者を除く)

    肺水腫が起こるおそれがある。

  6. 9.1.6 筋緊張性(強直性)ジストロフィー等の筋疾患又はその既往歴のある患者

    横紋筋融解症があらわれることがある。

  7. 9.1.7 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者(重篤な過敏症の既往歴のある患者を除く)

9.5 妊婦

  1. 9.5.1 妊娠16週未満の妊婦

    投与しないこと。本剤の臨床適用は切迫流・早産であるが、妊娠16週未満の症例に関する安全性及び有効性は確立していない。臨床試験において妊娠16週未満の症例数は少ない。

9.6 授乳婦

出産直前に本剤を投与した場合には、母乳栄養の有益性を考慮し、出産直後の授乳を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    β刺激剤

    作用が増強されることがある。

    相加的に作用が増強される。

    β遮断剤

    作用が減弱されることがある。

    β受容体において競合的に拮抗する。

    カリウム減少性利尿剤

    過度の血清カリウム低下が起こるおそれがある。

    相加的にカリウム低下が増強される。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 横紋筋融解症(頻度不明)

      筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。

    2. 11.1.2 汎血球減少(頻度不明)
    3. 11.1.3 血清カリウム値の低下(頻度不明)

    4. 11.1.4 高血糖、糖尿病性ケトアシドーシス(頻度不明)

      血糖値の急激な上昇や糖尿病の悪化から、糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることがある。糖尿病性ケトアシドーシスに至ると母体と胎児の生命を脅かすことがある。,,

    5. 11.1.5 新生児腸閉塞(頻度不明)

    11.2 その他の副作用

    5%以上

    0.1~5%未満

    頻度不明

    循環器

    動悸・頻脈

    顔面潮紅

    不整脈(心室性期外収縮等)

    肝臓

    AST、ALTの上昇等

    血液

    血小板減少

    精神神経系

    ふらつき

    振戦、しびれ

    消化器

    嘔気

    腹痛

    過敏症

    発疹、紅斑

    **その他

    唾液腺腫脹、高アミラーゼ血症(唾液腺型アミラーゼ増加)

    胎児・

    新生児

    胎児頻脈、胎児不整脈、新生児頻脈、新生児低血糖症

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    *本薬の注射剤において、肺水腫、心不全、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、ショック、不整脈、肝機能障害、黄疸、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、胸水、母体の腸閉塞、胎児及び新生児における心不全、可逆的な新生児心室中隔壁の肥大、新生児低血糖、新生児高カリウム血症があらわれたとの報告がある。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    本剤10mgを健康成人5例に単回投与した際1) の薬物動態パラメータは下表のとおりであった1)

    健康成人に10mg単回投与時の薬物動態パラメータ

    Tmax

    (hr)

    Cmax

    (ng/mL)

    AUC

    (ng・hr/mL)

    T 1/2

    (hr)

    1.0

    9.9

    29.85

    0.20及び1.36

    16.5 排泄

    本剤10mgを健康成人に単回投与した際1) 、投与後48時間までに投与量の85.5%が尿中に排泄され、そのほとんどは投与後12時間以内に排泄された1)

    1) 本剤の承認されている用法及び用量は「通常、1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1日3回食後経口投与する。なお、症状により適宜増減する。」である。

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    • 〈切迫早産〉
      1. 17.1.1 国内第III相二重盲検比較試験

        切迫早産患者291例(本剤群98例、酢酸メドロキシプロゲステロン群98例、プラセボ群95例)を対象とし、本剤1日15mgを2週間経口投与した。その結果、有用以上の有用率は、本剤群65.9%(60/91)、プラセボ群31.0%(27/87)であり、本剤はプラセボに比して有意に優ることが確認された。副作用発現割合は、本剤群で11.2%(11/98例)であった。主な副作用は、心悸亢進であった2) ,3)

    • 〈切迫流産〉
      1. 17.1.2 国内二重盲検比較試験

        切迫流産患者244例(本剤群122例、ピペリドレート塩酸塩群122例)を対象とし、本剤1日15mgを7日間経口投与した。その結果、有用以上の有用率は、本剤群で66%であった。副作用発現割合は、本剤群で5.7%(7/122例)であった。主な副作用は、心悸亢進であった4) ,5)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    薬理学的な分析より、リトドリン塩酸塩はβ受容体に対する選択的な刺激効果に基づきc-AMP含量を増加させ、Ca++の貯蔵部位への取り込みを促進して子宮運動抑制をきたすと考えられるとともに、膜の過分極、膜抵抗減少及びスパイク電位発生抑制をきたし、子宮収縮抑制作用を発揮する6) ,7)  (in vitro)。

    18.2 生体位子宮運動抑制作用

    妊娠後期のラット、ウサギ、ヒツジ及びアカゲザルの自発性子宮運動ならびにPGF、オキシトシンなどの薬物誘発子宮運動亢進反応をリトドリン塩酸塩は用量依存的に抑制した8) ,9) ,10) ,11)

    18.3 摘出子宮運動抑制作用

    妊娠ラット摘出子宮筋の自発運動ならびにアセチルコリン、オキシトシン、PGF、KCl及び電気刺激による誘発子宮収縮をリトドリン塩酸塩は濃度依存的に著明に抑制した8)  (in vitro)。

    18.4 子宮筋への選択性

    ラット摘出妊娠子宮筋及びモルモット摘出右心房標本を用いた実験で、リトドリン塩酸塩はイソプレナリン塩酸塩、イソクスプリン塩酸塩に比し優れた子宮筋への選択性を示した6)  (in vitro)。

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    リトドリン塩酸塩(Ritodrine Hydrochloride)(JAN)

    化学名

    (1RS, 2SR)-1-(4-Hydroxyphenyl)-2-{[2-(4-hydroxyphenyl)ethyl]amino}propan-1-ol monohydrochloride

    分子式

    C17H21NO3・HCl

    分子量

    323.81

    性状

    本品は白色の結晶性の粉末である。本品は水、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすい。本品は0.01mol/L塩酸試液に溶ける。本品の水溶液(1→10)は旋光性を示さない。本品は光により徐々に淡黄色となる。

    化学構造式

    融点

    約196℃(分解)

    20. 取扱い上の注意

    外箱開封後は遮光して保存すること。

    22. 包装

    100錠[10錠(PTP)×10]

    500錠[10錠(PTP)×50]

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    キッセイ薬品工業株式会社 くすり相談センター

    〒112-0002 東京都文京区小石川3丁目1番3号

    フリーダイヤル:0120-007-622

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    キッセイ薬品工業株式会社

    松本市芳野19番48号