ローコール錠10mg/ ローコール錠20mg/ ローコール錠30mg
作成又は改訂年月
** 2022年1月改訂 (第18版)
* 2021年10月改訂
日本標準商品分類番号
872189
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
2008年12月
国際誕生年月
1993年8月
薬効分類名
HMG-CoA還元酵素阻害剤
承認等
販売名
ローコール錠10mg
販売名コード
2189012F1020
承認・許可番号
承認番号
21500AMZ00035000
商標名
LOCHOL Tablets
薬価基準収載年月
2003年6月
販売開始年月
2003年6月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
開封後は湿気を避けて保存のこと
使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること
規制区分
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)
組成
成分・含量
1錠中フルバスタチンナトリウム 10.53mg(フルバスタチンとして10mg)
添加物
炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、セルロース、カルメロースカルシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、三二酸化鉄
性状
性状
淡黄色のフィルムコート錠
**
外形
**
識別コード
SJ 175
大きさ(約)
直径:5.7mm 厚み:2.4mm 質量:0.066g
販売名
ローコール錠20mg
販売名コード
2189012F2026
承認・許可番号
承認番号
21500AMZ00036000
商標名
LOCHOL Tablets
薬価基準収載年月
2003年6月
販売開始年月
2003年6月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
開封後は湿気を避けて保存のこと
使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること
規制区分
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)
組成
成分・含量
1錠中フルバスタチンナトリウム 21.06mg(フルバスタチンとして20mg)
添加物
炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、セルロース、カルメロースカルシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、三二酸化鉄
性状
性状
淡黄色のフィルムコート錠
**
外形
**
識別コード
SJ 176
大きさ(約)
直径:6.7mm 厚み:3.4mm 質量:0.129g
販売名
ローコール錠30mg
販売名コード
2189012F3022
承認・許可番号
承認番号
21500AMZ00037000
商標名
LOCHOL Tablets
薬価基準収載年月
2003年6月
販売開始年月
2003年6月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
開封後は湿気を避けて保存のこと
使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること
規制区分
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)
組成
成分・含量
1錠中フルバスタチンナトリウム 31.59mg(フルバスタチンとして30mg)
添加物
炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、セルロース、カルメロースカルシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、三二酸化鉄
性状
性状
淡黄色のフィルムコート錠
**
外形
**
識別コード
SJ 177
大きさ(約)
直径:7.7mm 厚み:3.8mm 質量:0.192g
一般的名称
フルバスタチンナトリウム錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
重篤な肝障害のある患者〔本剤は主に肝臓において作用し、また代謝されるので肝障害を悪化させるおそれがある。〕
3.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能又は効果
高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症
用法及び用量
フルバスタチンとして、通常、成人には1日1回夕食後20mg〜30mgを経口投与する。
なお、投与は20mgより開始し、年齢・症状により適宜増減するが、重症の場合は1日60mgまで増量できる。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
アルコール中毒者、肝障害又はその既往歴のある患者〔本剤は主に肝臓において作用し、また代謝されるので肝障害を悪化させるおそれがある。また、アルコール中毒者は、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。〕
2.
腎障害又はその既往歴のある患者〔HMG-CoA還元酵素阻害剤投与時にみられる横紋筋融解症の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能悪化があらわれることがある。〕
3.
次に掲げる患者又は状態〔横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。〕
(1)
フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
(2)
甲状腺機能低下症の患者
(3)
遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者
(4)
薬剤性の筋障害の既往歴のある患者
(5)
感染症
(6)
外傷後、日の浅い患者
(7)
重症な代謝、内分泌障害及び電解質異常
(8)
コントロール困難なてんかんのある患者
4.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
2.
あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法、運動療法等の非薬物療法を行い、十分な効果が認められない場合にのみ投与すること。また、非薬物療法は本剤投与中も継続すること。更に高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分に考慮すること。
3.
投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
4.
腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者に、本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用すること。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
5.
肝機能異常があらわれることがあるので、原則として投与開始後12週以内に肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うことが望ましい。また、増量後も同様に行うことが望ましい。
6.
近位筋脱力、CK(CPK)高値、炎症を伴わない筋線維の壊死、抗HMG-CoA還元酵素(HMGCR)抗体陽性等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある。(「副作用 重大な副作用」の項参照)
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1.
薬剤名等
フィブラート系薬剤(ベザフィブラート等)
臨床症状・措置方法
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれるおそれがある。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
機序・危険因子
共に横紋筋融解症の報告がある。
危険因子:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者
2.
薬剤名等
免疫抑制剤(シクロスポリン等)
ニコチン酸
エリスロマイシン
臨床症状・措置方法
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれるおそれがある。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
機序・危険因子
危険因子:腎障害患者
3.
薬剤名等
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)
臨床症状・措置方法
抗凝血作用が増強することがある。
機序・危険因子
機序は解明されていない。
4.
薬剤名等
陰イオン交換樹脂剤(コレスチラミン等)
臨床症状・措置方法
コレスチラミンとの併用により本剤の血中濃度が低下したとの報告があるのでコレスチラミン投与後、少なくとも3時間経過後に本剤を投与することが望ましい。
なお、他の陰イオン交換樹脂剤についても本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
機序・危険因子
本剤が陰イオン交換樹脂に吸着され、消化管内からの吸収量が低下するためと考えられる。
5.
薬剤名等
ベザフィブラート
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することがある。
機序・危険因子
本剤の肝代謝が阻害され、初回通過効果が低下したものと考えられる。
6.
薬剤名等
シメチジン
ラニチジン
オメプラゾール
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することがある。
機序・危険因子
これらの薬剤による肝代謝酵素阻害作用及び胃内pHの変化による影響が考えられる。
7.
薬剤名等
フルコナゾール
ホスフルコナゾール
エトラビリン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇することがある。
機序・危険因子
本剤は主にCYP2C9で代謝されるため、これらの薬剤のCYP2C9阻害作用により本剤の代謝が阻害される。
8.
薬剤名等
リファンピシン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下することがある。
機序・危険因子
リファンピシンの肝薬物代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
9.
薬剤名等
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
ジゴキシンのAUCに変化は認められなかったが、最高血中濃度が上昇したとの報告があるので、観察を十分に行うこと。
機序・危険因子
機序は解明されていない。
副作用
承認時までの調査1,487例中、何らかの副作用(自他覚的副作用又は臨床検査値異常)が報告されたのは186例(12.5%)であった。主な自他覚的副作用は胃不快感8件(0.5%)、発疹7件(0.5%)、胸やけ6件(0.4%)、腹痛6件(0.4%)等であった。また、主な臨床検査値異常はγ-GTP上昇58件(3.9%)、ALT(GPT)上昇55件(3.7%)、ALP上昇37件(2.5%)、AST(GOT)上昇35件(2.4%)、CK(CPK)上昇18件(1.2%)等であった。
市販後の使用成績調査4,903例中、何らかの副作用(自他覚的副作用又は臨床検査値異常)が報告されたのは556例(11.3%)であった。主な自他覚的副作用は肝機能障害49件(1.0%)、腹痛17件(0.3%)、胃不快感16件(0.3%)、嘔気16件(0.3%)、発疹16件(0.3%)等であった。また、主な臨床検査値異常はγ-GTP上昇122件(2.5%)、ALT(GPT)上昇83件(1.7%)、CK(CPK)上昇76件(1.6%)、AST(GOT)上昇71件(1.4%)等であった。
(カプセル剤の承認時まで及び再審査終了時までの集計)
重大な副作用
1.
横紋筋融解症、ミオパチー
(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、筋炎を含むミオパチーがあらわれることがあるので、広範な筋肉痛、脱力感や著明なCK(CPK)の上昇があらわれた場合には投与を中止すること。
2.
免疫介在性壊死性ミオパチー
(頻度不明)
免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.
肝機能障害
(頻度不明)
肝炎、黄疸等の肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.
過敏症状
(頻度不明)
ループス様症候群、血管炎、血管浮腫、アナフィラキシー反応等の過敏症状があらわれることがあるので、このような場合は投与を中止すること。
5.
間質性肺炎
(頻度不明)
間質性肺炎があらわれることがあるので、長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1.
皮膚
(頻度不明)
脱毛、光線過敏
2.
皮膚
(0.1%〜5%未満)
発疹、そう痒感
3.
皮膚
(0.1%未満)
蕁麻疹、湿疹
4.
消化器
(頻度不明)
膵炎
5.
消化器
(0.1%〜5%未満)
胃不快感、胸やけ、腹痛、嘔気、便秘、下痢、食欲不振、腹部膨満感
6.
消化器
(0.1%未満)
嘔吐、口内炎、口渇
7.
肝臓
(0.1%〜5%未満)
AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、LDH、γ-GTP、LAPの上昇
8.
肝臓
(0.1%未満)
コリンエステラーゼ上昇
9.
腎臓
(0.1%〜5%未満)
BUN、血清クレアチニンの上昇
10.
腎臓
(0.1%未満)
頻尿
11.
筋肉
(0.1%〜5%未満)
CK(CPK)上昇、筋肉痛
12.
筋肉
(0.1%未満)
脱力感
13.
精神神経系
(0.1%〜5%未満)
めまい、頭痛
14.
精神神経系
(0.1%未満)
睡眠障害、知覚異常(しびれ等)
15.
血液
(0.1%〜5%未満)
白血球減少
16.
血液
(0.1%未満)
貧血、血小板減少、好酸球増多
17.
その他
(頻度不明)
ほてり、勃起不全
18.
その他
(0.1%〜5%未満)
けん怠感、血清カリウム上昇、尿酸上昇
19.
その他
(0.1%未満)
関節痛、発熱、動悸、味覚異常、浮腫、胸内苦悶感
上記のような副作用があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
1.
高齢者では生理機能が低下していることがあるので、副作用が発現した場合には副作用の程度と有効性を勘案し、減量するなどの適切な処置を行うこと。
2.
高齢者では横紋筋融解症があらわれやすいとの報告があるので慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験(ラット)での周産期投与試験(3mg/kg以上)において分娩前又は分娩後の一時期に母動物の死亡が報告されている。〕
2.
授乳婦には投与しないこと。〔動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
1.
動物実験(イヌ)で長期大量(24mg/kg以上を6ヵ月間、16mg/kgを2年間)経口投与により白内障が認められたとの報告がある。
2.
海外において、本剤を含むHMG-CoA還元酵素阻害剤投与中の患者では、糖尿病発症のリスクが高かったとの報告がある。
薬物動態
1.
血中濃度
健康成人にフルバスタチンとして30mgを錠剤又はカプセル剤で空腹時に単回経口投与した場合の血漿中濃度の推移は次のとおりである。
また、薬物動態パラメータから両剤の生物学的同等性が確認された。
1)
錠剤、カプセル剤単回経口投与後の薬物動態パラメータ
錠剤
Tmax(h):0.83
Cmax(ng/mL):266.8
AUC
0−8
(ng・h/mL):258.3
T
1/2
(h):1.32
カプセル剤
Tmax(h):0.76
Cmax(ng/mL):235.6
AUC
0−8
(ng・h/mL):251.5
T
1/2
(h):1.22
フルバスタチン30mg(錠剤又はカプセル剤)を1回経口投与後の血漿中濃度の推移(平均値±標準偏差、n=24)
なお、健康成人にフルバスタチンとして10mgをクロスオーバー法で空腹時及び食後30分に単回経口投与したところ、本剤の消化管からの吸収速度は食事により影響を受け遅延するが、バイオアベイラビリティは変化しないものと考えられた。
2)
2.
代謝
3)
フルバスタチンはヒト肝ミクロソームにより水酸化体及び脱イソプロピル化体へと代謝され、水酸化及び脱イソプロピル化には主としてCYP2C9が関与している。
3.
排泄
健康成人に
3
H-フルバスタチンナトリウム10mgを空腹時単回経口投与した際の尿中及び糞中排泄率は、投与放射能量の5%及び92%であった(120時間値)。
4)
(外国人のデータ)
また、健康成人にフルバスタチンとして10、20、40、60mgを空腹時に単回経口投与した際の未変化体の尿中排泄は、投与後12時間までにほぼ終了し、投与後24時間までの排泄率は投与量の0.02%以下であった。
2)
4.
反復投与時の蓄積性
2)
健康成人にフルバスタチンとして20、40mgを空腹時又は食後に1日1回、7日間経口投与したとき、血漿中の未変化体濃度の投与回数に伴う上昇は認められなかった。また、初回及び最終投与後の薬物動態パラメータはほぼ同等であり、蓄積性は認められなかった。
臨床成績
1.
臨床成績
家族性高コレステロール血症患者を含む高コレステロール血症患者を対象としたオープン試験(本剤20〜40mg、1日夕食後1回の12週間投与)における有効率は、82.1%(243/296)であった。血清総コレステロール値及びLDL-コレステロール値の著明な低下、HDL-コレステロール値の上昇及び150mg/dL以上の高値のトリグリセリド値に対しても低下作用が認められた。
5)
更に上記試験に引き続き最長52週まで投与した結果、本剤の効果は投与期間中を通して維持され、その有効率は90.6%(192/212)であった。
6)
また、上記疾患を対象としたプラセボ又は既存薬との二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められた。
2.
高齢者における検討
高齢高コレステロール血症患者に本剤15〜30mg/日16週間投与を行った結果、その有効率は84.9%(62/73)であった。
7)
3.
その他
8〜13)
胆汁脂質、眼、血中ステロイドホルモン及び糖代謝に及ぼす影響について検討した結果、悪影響を及ぼさなかった。また、糖尿病、高血圧又は狭心症合併例においても総コレステロールを有意に低下させ、合併症にも悪影響を及ぼすことはなかった。
薬効薬理
フルバスタチンナトリウムは、コレステロール生合成系の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を特異的にかつ競合的に阻害し、主に肝におけるコレステロール合成を抑制する。この結果、肝のLDL受容体活性が増強し、血中からのLDLの取り込みが増加し、血中LDL濃度が低下する。この作用は、総コレステロール、LDLコレステロールの低下として観察される。
(1)
HMG-CoA還元酵素阻害作用
フルバスタチンナトリウムはHMG-CoA還元酵素を特異的にかつ競合的に阻害した(ラット肝培養細胞、ラット肝ミクロゾーム画分)。
(2)
コレステロール合成阻害作用
フルバスタチンナトリウムの経口投与により、コレステロール合成の主要臓器である肝臓でコレステロール合成阻害が認められた(ラット)。
14)
(3)
肝臓におけるLDL受容体活性に及ぼす影響
フルバスタチンナトリウムは、肝LDL受容体活性を増強した(HepG
2
細胞
15)
、高脂食負荷ハムスター、WHHLウサギ
16)
)。また、同受容体の蛋白量(HepG
2
細胞
15)
)、mRNA量(WHHLウサギ
16)
)の増加が認められ、本剤によるLDL受容体数の増加が示唆された。
(4)
血清コレステロール低下作用
フルバスタチンナトリウムの経口投与により、血清総コレステロール及びLDLコレステロールが有意かつ用量依存的に低下した(高脂食負荷ハムスター、WHHLウサギ
17)
、イヌ、サル)。
HepG
2
細胞
ヒト由来肝癌細胞株
WHHLウサギ
ヒト家族性高コレステロール血症のモデル動物
有効成分に関する理化学的知見
構造式
一般名
フルバスタチンナトリウム(Fluvastatin Sodium)
化学名
(±)-(3
RS
,5
SR
,6
E
)-Sodium-7-[3-(4-fluorophenyl)-1-(1-methylethyl)-1
H
-indol-2-yl]-3,5-dihydroxy-6-heptenoate
分子式
C
24
H
25
FNNaO
4
分子量
433.45
性状
淡黄色〜淡黄褐色の粉末で、においはない。メタノールに極めて溶けやすく、水又はエタノール(95)にやや溶けやすく、アセトニトリル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
分配係数
55.0(1-オクタノール/pH7.0緩衝液)
包装
ローコール錠10mg:100錠(PTP)、500錠(PTP)
ローコール錠20mg:100錠(PTP)、500錠(PTP・バラ)、700錠(PTP)、1,000錠(PTP)
ローコール錠30mg:100錠(PTP)、500錠(PTP)、700錠(PTP)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:フルバスタチン30mgの錠剤とカプセル剤の生物学的同等性試験 〔LOCU00039〕
2)
増田直記ほか:臨床医薬 11(suppl.1),65,1995 〔LOCJ00028〕
3)
Fischer,V.et al.:Drug Metab.Dispo.27(3),410,1999 〔LOCM00541〕
4)
Tse,F.L.S.et al.:J.Clin.Pharmacol.32(7),630,1992 〔LOCM00021〕
5)
寺本民生ほか:臨床医薬 11(suppl.1),181,1995 〔LOCJ00033〕
6)
寺本民生ほか:臨床医薬 11(suppl.1),235,1995 〔LOCJ00035〕
7)
橋本俊雄ほか:臨床医薬 11(suppl.2),29,1995 〔LOCJ00044〕
8)
梶山梧朗ほか:臨床医薬 11(suppl.1),267,1995 〔LOCJ00036〕
9)
山本田力也ほか:臨床医薬 11(3),651,1995 〔LOCJ00041〕
10)
井藤英喜ほか:臨床医薬 11(suppl.2),45,1995 〔LOCJ00045〕
11)
小堀祥三ほか:臨床医薬 11(suppl.2),95,1995 〔LOCJ00047〕
12)
外山淳治ほか:臨床医薬 11(suppl.2),153,1995 〔LOCJ00050〕
13)
杉本恒明ほか:臨床医薬 11(suppl.2),171,1995 〔LOCJ00051〕
14)
Yamamoto,A.et al.:Experientia 51(3),223,1995 〔LOCM00116〕
15)
Hayashi,K.et al.:Biochim.Biophys.Acta 1167(2),223,1993 〔LOCM00030〕
16)
Kurokawa,J.et al.:Biochim.Biophys.Acta 1259(1),99,1995 〔LOCM00163〕
17)
Shiomi,M.et al.:Arzneim.-Forsch.Drug Res.44(10),1154,1994 〔LOCM00077〕
文献請求先
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サンファーマ株式会社 くすり相談センター
受付時間:9時〜17時30分
(土、日、祝日、その他当社の休業日を除く)
TEL:0120-22-6880
ホームページ:https://jp.sunpharma.com/
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売
サンファーマ株式会社
東京都港区芝公園1-7-6