ニトロールRカプセル20mg


作成又は改訂年月

** 2014年7月改訂 (第11版)

* 2013年11月改訂

日本標準商品分類番号

872171

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
1986年12月

再評価結果公表年月(最新)
1998年3月

薬効分類名

長時間作用型硝酸イソソルビド製剤

承認等

販売名
ニトロールRカプセル20mg

販売名コード

2171011N1050

承認・許可番号

承認番号
15700AMY00074000
商標名
NitorolR

薬価基準収載年月

1982年8月

販売開始年月

1982年8月

貯法・使用期限等

*貯  法

室温保存
PTP包装はアルミ袋開封後、バラ包装は開栓後湿気を避けて保存すること。

使用期限

外箱又はラベルに表示の使用期限内に使用すること。

規制区分

処方箋医薬品

注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

本剤は、1カプセル中に硝酸イソソルビド20mgを含有する上下とも白色の硬カプセル剤である。
添加物としてエチルセルロース、精製セラック、精製白糖、ゼラチン、タルク、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ラウリル硫酸ナトリウムを含有する。

性状

剤形

硬カプセル

識別コード

NR20

外形

全長

14.0mm

質量

209mg

号数

4号

性状

カプセル
上半分:白色
下半分:白色
内容物
白色〜淡黄色の徐放性の粒

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者
〔血管拡張作用によりさらに血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。〕

2.
閉塞隅角緑内障の患者
〔眼圧を上昇させるおそれがある。〕

3.
頭部外傷又は脳出血のある患者
〔頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。〕

4.
高度な貧血のある患者
〔血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。〕

5.
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

6.
**ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者
〔併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。「相互作用」の項参照〕

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患

効能又は効果に関連する使用上の注意

本剤は狭心症の発作寛解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。

用法及び用量

通常成人は、1回1カプセル(硝酸イソソルビドとして20mg)を1日2回、経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
低血圧の患者
〔血管拡張作用により、さらに血圧を低下させるおそれがある。〕

2.
原発性肺高血圧症の患者
〔心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。〕

3.
肥大型閉塞性心筋症の患者
〔心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。〕

4.
肝障害のある患者
〔高い血中濃度が持続するおそれがあるので、減量するなどして使用すること。〕

5.
高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕

重要な基本的注意

1.
本剤の投与に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切りかえること。

2.
過度の血圧低下が起こった場合には、本剤の投与を中止し下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。

3.
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること
また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。

4.
起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。

5.
本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがある。このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。また、これらの副作用のために注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

6.
**本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。

相互作用

併用禁忌

(併用しないこと)

1.

薬剤名等
**ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
 シルデナフィルクエン酸塩
 (バイアグラ、レバチオ
 バルデナフィル塩酸塩水和物
 (レビトラ)
 タダラフィル
 (シアリス、アドシルカ、ザルティア

臨床症状・措置方法
併用により、降圧作用を増強することがある。

機序・危険因子
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

2.

薬剤名等
**グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
 リオシグアト(アデムパス)

臨床症状・措置方法
併用により、降圧作用を増強することがある。

機序・危険因子
本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
アルコール

臨床症状・措置方法
血圧低下等が増強されるおそれがある。過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。

機序・危険因子
血管拡張作用が増強される。

2. 薬剤名等
利尿剤

臨床症状・措置方法
血圧低下等が増強されるおそれがある。過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。

機序・危険因子
血圧低下作用を増強させる。

3. 薬剤名等
血管拡張剤
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤

臨床症状・措置方法
頭痛、血圧低下等の副作用が増強されるおそれがある。過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。

機序・危険因子
血管拡張作用が増強される。

副作用

副作用等発現状況の概要

総症例10,098例中、463例(4.59%)の副作用が報告されている。(再審査終了時)

循環器
0.1〜5%未満 
めまい・ふらつき、熱感、潮紅、動悸

循環器
0.1%未満 
浮腫、血圧低下

精神神経系
0.1〜5%未満 
頭痛、頭重

精神神経系
0.1%未満 
全身けん怠感、耳鳴

精神神経系
頻度不明 
脱力感、不快感

消化器
0.1〜5%未満 
悪心・嘔吐、胃部不快感・上腹部痛

消化器
0.1%未満 
食欲不振

肝臓
0.1%未満 
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等

過敏症注)
0.1%未満 
発疹

注)このような場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕

2.
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。
〔動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。〕

小児等への投与

小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

適用上の注意

1. 服用時
本剤をかみくだいて服用すると、一過性の血中濃度の上昇に伴って頭痛が発生しやすくなるので、本剤はかまずに服用すること。

2. 薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

その他の注意

1.
本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し耐薬性を生じ、作用が減弱することがある。
なお、類似化合物(ニトログリセリン)の経皮吸収型製剤での労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある。

2.
硝酸イソソルビド製剤の投与によって、メトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。

薬物動態

1. 血中濃度
健康成人男子18名に本剤1カプセル(硝酸イソソルビドとして20mg)を単回経口投与した際、投与1時間〜6時間にわたって安定した血漿中濃度(約2.0ng/mL)を示し、投与12時間後も0.4ng/mLと血漿中濃度の持続が認められた。
一方、硝酸イソソルビド錠1錠(硝酸イソソルビドとして5mg)を単回経口投与した際、25.6分で最高血漿中濃度(5.8ng/mL)を示し、6時間後には0.07ng/mLに減少した。
本剤は、従来の硝酸イソソルビド錠に比較して0.4ng/mL以上の血漿中濃度が約4倍長く持続した。


ニトロールRカプセル20mg及び硝酸イソソルビド錠5mg
単回経口投与後の血漿中硝酸イソソルビド濃度

2. 血中濃度と臨床効果の関係
狭心症、心筋梗塞患者5名に本剤1カプセル(20mg)を単回経口投与した際、投与1時間後の血漿中濃度は1.9ng/mLであり、冠動脈造影では平均19%の冠動脈径の拡大が認められた。
投与後1〜8時間の平均血漿中濃度は2.36ng/mLに維持され、投与8時間後でも2.0ng/mLと高値を示した。また投与6時間後及び8時間後の肺動脈拡張期圧は有意な低下(P<0.05)を示した。1)

薬物動態の表

ニトロールRカプセル20mg単回経口投与時の薬物動態パラメータ

Cmax
(ng/mL) 
tmax
(hr) 
AUC240
(ng・hr/mL) 
2.7±0.14 3.5±0.50 21.0±1.63 

(Mean±S.E., n=18)


臨床成績

臨床効果

(1)
本剤は、二重盲検試験及び一般臨床試験において、虚血性心疾患(労作性狭心症、労作兼安静時狭心症、安静時狭心症、心筋梗塞など)に1回1カプセルを1日2回経口投与したところ63.1%(321/509例)の有効率を示した。2) 3) 4) 5) 6) 7)

(2)
狭心症患者を対象にした二重盲検試験及び一般臨床試験で本剤の効果を検討したところ、投与後2週間で発作回数が約12と有意な減少を認めた。
また、頓用硝酸剤の消費量においても、12から13と有意な減少を認めた。2) 3) 6) 7)

薬効薬理

1. 前負荷、後負荷の軽減作用
麻酔イヌによる実験で、本薬は静脈系容量血管を拡張することにより、静脈還流の減少、肺動脈楔入圧及び左室拡張終期圧の低下(前負荷の軽減)をもたらす。同時に末梢動脈を拡張して、総末梢血管抵抗を減少(後負荷の軽減)させる。これらの作用により、心筋の酸素需要を軽減させる。8) 9)

2. 冠血管拡張作用
麻酔イヌによる実験で、本薬は比較的太い冠動脈(conductive vessel)を拡張し、冠血管抵抗を減少させるとともに側副血行路も拡張し、冠血流量の増加は軽微であるが、虚血部心筋、特に内膜下層心筋への血流供給の再配分をうながして、心筋の酸素供給を増加することが認められている。10)

3. cGMP産生作用
KClであらかじめ、収縮させた子ウシの摘出冠動脈に本薬を添加すると、冠動脈の弛緩作用に比例してcGMPの産生が増加する。11)

有効成分に関する理化学的知見

一 般 名
硝酸イソソルビド(Isosorbide Dinitrate)

化 学 名
1, 4:3, 6‐Dianhydro‐D‐glucitol dinitrate

分 子 式
C6H8N2O8

分 子 量
236.14

構 造 式

物理化学的性状
硝酸イソソルビドは白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに硝酸ようのにおいがある。
本品はN,N‐ジメチルホルムアミド又はアセトンに極めて溶けやすく、クロロホルム又はトルエンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
本品は急速に熱するか又は衝撃を与えると爆発する。

包装

ニトロールRカプセル20mg:100カプセル(PTP)

ニトロールRカプセル20mg:140カプセル(PTP14C×10)

ニトロールRカプセル20mg:500カプセル(バラ)

ニトロールRカプセル20mg:700カプセル(PTP14C×50)

ニトロールRカプセル20mg:1,000カプセル(PTP)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
井上 清ら:医学と薬学, 9, 247 (1983) NR‐0372

2)
前田如矢ら:臨牀と研究, 59, 255 (1982) NR‐0366

3)
阿部 裕ら:臨牀と研究, 59, 1622 (1982) NR‐0375

4)
柏木政伸ら:新薬と臨牀, 29, 1687 (1980) NR‐0115

5)
長村好章ら:診療と新薬, 17, 2119 (1980) NR‐0117

6)
中野 赳ら:新薬と臨牀, 34, 1441 (1985) NR‐0592

7)
古川一郎ら:臨牀と研究, 63, 2047 (1986) NR‐0727

8)
平川千里ら:最新医学, 29, 170 (1974) NR‐0036

9)
Wendt, R.L., : J. Pharmacol. Exp. Ther., 180, 732 (1972) NR‐0020

10)
高山幸男ら:脈管学, 21, 351 (1981) NR‐0347

11)
Matlib, M.A., et al. : Am. Heart J., 110, 204 (1985) NR‐0728

文献請求先

文献請求先・製品情報お問い合わせ先
エーザイ株式会社 hhcホットライン

電話番号
0120-419-497

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
エーザイ株式会社

東京都文京区小石川4‐6‐10