カルベジロール錠1.25mg「DSEP」/カルベジロール錠2.5mg「DSEP」/カルベジロール錠10mg「DSEP」/カルベジロール錠20mg「DSEP」


作成又は改訂年月

*2021年9月改訂(第2版)

2021年8月作成

日本標準商品分類番号

872149

薬効分類名

カルベジロール錠1.25mg 慢性心不全治療剤
カルベジロール錠2.5mg 慢性心不全治療剤、頻脈性心房細動治療剤
カルベジロール錠10mg 持続性 高血圧・狭心症治療剤、慢性心不全治療剤、頻脈性心房細動治療剤
カルベジロール錠20mg 持続性 高血圧・狭心症治療剤、頻脈性心房細動治療剤

承認等

販売名
カルベジロール錠1.25mg「DSEP」

販売名コード

21490A3F3129

承認・許可番号

承認番号
30300AMX00350
商標名
CARVEDILOL TABLETS 「DSEP」

薬価収載

薬価基準未収載

販売開始

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること。

基準名

日本薬局方

カルベジロール錠

規制区分

処方箋医薬品

※注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1錠中に次の成分を含有

有効成分

カルベジロール(日局) 1.25mg

添加物

乳糖水和物、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、タルク、プロピレングリコール、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ

性状

剤形

フィルムコーティング錠(楕円形・割線入)

黄色

外形

大きさ(mm)

10.1(長径)
5.1(短径)

厚さ(mm)

3.1

重さ(mg)

135

識別コード

cvl
ep

販売名
カルベジロール錠2.5mg「DSEP」

販売名コード

21490A3F4125

承認・許可番号

承認番号
30300AMX00353
商標名
CARVEDILOL TABLETS 「DSEP」

薬価収載

薬価基準未収載

販売開始

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること。

基準名

日本薬局方

カルベジロール錠

規制区分

処方箋医薬品

※注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1錠中に次の成分を含有

有効成分

カルベジロール(日局) 2.5mg

添加物

乳糖水和物、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、タルク、プロピレングリコール、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素、カルナウバロウ

性状

剤形

フィルムコーティング錠(楕円形・割線入)

白色〜微黄白色

外形

大きさ(mm)

10.1(長径)
5.1(短径)

厚さ(mm)

3.1

重さ(mg)

135

識別コード

cvl
EP

販売名
カルベジロール錠10mg「DSEP」

販売名コード

21490A3F1061

承認・許可番号

承認番号
30300AMX00351
商標名
CARVEDILOL TABLETS 「DSEP」

薬価収載

薬価基準未収載

販売開始

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること。

基準名

日本薬局方

カルベジロール錠

規制区分

処方箋医薬品

※注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1錠中に次の成分を含有

有効成分

カルベジロール(日局) 10mg

添加物

乳糖水和物、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、タルク、プロピレングリコール、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ

性状

剤形

フィルムコーティング錠(割線入)

黄色

外形

大きさ(mm)

8.1(直径)

厚さ(mm)

3.3

重さ(mg)

154

識別コード

CVL
ep

販売名
カルベジロール錠20mg「DSEP」

販売名コード

21490A3F2068

承認・許可番号

承認番号
30300AMX00352
商標名
CARVEDILOL TABLETS 「DSEP」

薬価収載

薬価基準未収載

販売開始

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること。

基準名

日本薬局方

カルベジロール錠

規制区分

処方箋医薬品

※注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1錠中に次の成分を含有

有効成分

カルベジロール(日局) 20mg

添加物

乳糖水和物、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、タルク、プロピレングリコール、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素、カルナウバロウ

性状

剤形

フィルムコーティング錠(割線入)

白色〜微黄白色

外形

大きさ(mm)

8.6(直径)

厚さ(mm)

3.3

重さ(mg)

169

識別コード

CVL
EP

警告

慢性心不全患者に使用する場合には、慢性心不全治療の経験が十分にある医師のもとで使用すること。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[気管支筋を収縮させることがあるので喘息症状の誘発、悪化を起こすおそれがある。]

2.
糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[心筋収縮力の抑制が増強されるおそれがある。]

3.
高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロックのある患者[症状が悪化するおそれがある。]

4.
心原性ショックの患者[循環不全症が悪化するおそれがある。]

5.
強心薬又は血管拡張薬を静脈内投与する必要のある心不全患者[心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある。]

6.
非代償性の心不全患者[心収縮力抑制作用により、心不全が悪化するおそれがある。]

7.
肺高血圧による右心不全のある患者[心拍出量が抑制され症状が悪化するおそれがある。]

8.
未治療の褐色細胞腫の患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)

9.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

10.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

○本態性高血圧症(軽症〜中等症)

カルベジロールとして、通常、成人1回10〜20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

○腎実質性高血圧症

カルベジロールとして、通常、成人1回10〜20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

○狭心症

カルベジロールとして、通常、成人1回20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

○次の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者
 虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全

カルベジロールとして、通常、成人1回1.25mg、1日2回食後経口投与から開始する。1回1.25mg、1日2回の用量に忍容性がある場合には、1週間以上の間隔で忍容性をみながら段階的に増量し、忍容性がない場合は減量する。用量の増減は必ず段階的に行い、1回投与量は1.25mg、2.5mg、5mg又は10mgのいずれかとし、いずれの用量においても、1日2回食後経口投与とする。通常、維持量として1回2.5〜10mgを1日2回食後経口投与する。
なお、年齢、症状により、開始用量はさらに低用量としてもよい。また、患者の本剤に対する反応性により、維持量は適宜増減する。

○頻脈性心房細動

カルベジロールとして、通常、成人1回5mgを1日1回経口投与から開始し、効果が不十分な場合には10mgを1日1回、20mgを1日1回へ段階的に増量する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最大投与量は20mgを1日1回までとする。

〈参考〉

効能・効果 錠1.25mg 錠2.5mg 錠10mg 錠20mg 
本態性高血圧症
(軽症〜中等症) 
− − ○ ○ 
腎実質性高血圧症 − − ○ ○ 
狭心症 − − ○ ○ 
虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全 ○ ○ ○ − 
頻脈性心房細動 − ○ ○ ○ 

○:効能あり −:効能なし


用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
褐色細胞腫の患者では、単独投与により急激に血圧が上昇するおそれがあるので、α遮断薬で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断薬を併用すること。

2.
慢性心不全を合併する本態性高血圧症、腎実質性高血圧症、狭心症又は頻脈性心房細動の患者では、慢性心不全の用法・用量に従うこと。

3.
慢性心不全の場合

(1)
慢性心不全患者に投与する場合には、必ず1回1.25mg又はさらに低用量の、1日2回投与から開始し、忍容性及び治療上の有効性を基に個々の患者に応じて維持量を設定すること。

(2)
本剤の投与初期及び増量時は、心不全の悪化、浮腫、体重増加、めまい、低血圧、徐脈、血糖値の変動、及び腎機能の悪化が起こりやすいので、観察を十分に行い、忍容性を確認すること。

(3)
本剤の投与初期又は増量時における心不全や体液貯留の悪化(浮腫、体重増加等)を防ぐため、本剤の投与前に体液貯留の治療を十分に行うこと。心不全や体液貯留の悪化(浮腫、体重増加等)がみられ、利尿薬増量で改善がみられない場合には本剤を減量又は中止すること。低血圧、めまいなどの症状がみられ、アンジオテンシン変換酵素阻害薬や利尿薬の減量により改善しない場合には本剤を減量すること。高度な徐脈を来たした場合には、本剤を減量すること。また、これら症状が安定化するまで本剤を増量しないこと。

(4)
本剤を中止する場合には、急に投与を中止せず、原則として段階的に半量ずつ、2.5mg又は1.25mg、1日2回まで1〜2週間かけて減量し中止すること。

(5)
2週間以上休薬した後、投与を再開する場合には、「用法・用量」の項に従って、低用量から開始し、段階的に増量すること。

4.
頻脈性心房細動を合併する本態性高血圧症、腎実質性高血圧症又は狭心症の患者に投与する場合には、頻脈性心房細動の用法・用量は1日1回5mg投与から開始することに留意した上で、各疾患の指標となる血圧や心拍数、症状等に応じ、開始用量を設定すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、絶食状態、栄養状態が不良の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつその症状をマスクしやすいので血糖値に注意すること。]

2.
糖尿病を合併した慢性心不全患者[血糖値が変動するおそれがある。]

3.
重篤な肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用すること(「薬物動態」の項参照)。また、肝機能が悪化するおそれがある。]

4.
重篤な腎機能障害のある患者[血中濃度の上昇が報告されている(「薬物動態」の項参照)。また、特に慢性心不全の患者では腎機能が悪化するおそれがある。]

5.
房室ブロック(I度)のある患者[房室伝導時間が延長し、症状が悪化するおそれがある。]

6.
徐脈のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

7.
末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)[末梢血管の拡張を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]

8.
過度に血圧の低い患者[血圧をさらに低下させるおそれがある。]

9.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
投与が長期にわたる場合は、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。また、徐脈となったとき及び低血圧を起こした場合には、ショックに至る例も報告されているので、観察を十分に行い本剤を減量又は中止すること(本項の(2)参照)。必要に応じアトロピン硫酸塩、ドブタミン塩酸塩、イソプレナリン塩酸塩、アドレナリン等を使用すること。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。

2.
狭心症などの虚血性心疾患を有する患者において、本剤の投与を急に中止した場合、狭心症発作の頻発・悪化、まれに心筋梗塞及び短時間に過度の突然の血圧上昇を起こす可能性があるので、中止を要する場合は原則として1〜2週間かけて段階的に減量し、観察を十分に行うこと。虚血性心疾患以外の患者についても同様の注意をすること(特に高齢者)。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう説明すること。

3.
手術前48時間は投与しないことが望ましい。

4.
甲状腺中毒症の患者では急に投与を中止すると、症状を悪化させることがあるので中止を要する場合は原則として1〜2週間かけて段階的に減量し、観察を十分に行うこと。

5.
めまい・ふらつきがあらわれることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期や増量時)には、自動車の運転等危険を伴う機械の作業をしないように注意させること。

6.
心不全を合併する頻脈性心房細動患者では本剤投与により心不全を悪化させる可能性があるので、臨床症状に注意し、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を行う等、観察を十分に行うこと。

7.
慢性心不全の場合

(1)
重症慢性心不全患者に対する本剤の投与は特に慎重な管理を要するので、本剤の投与初期及び増量時は入院下で行うこと。

(2)
左室収縮機能障害の原因解明に努めること。可逆的な左室収縮機能障害については、原因除去あるいは他の治療も考慮すること。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等 
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
 レセルピン 等

臨床症状・措置方法
交感神経系に対し、過剰の抑制をきたすことがある。
用量を調節する。

機序・危険因子
相互に交感神経抑制作用を増強すると考えられている。

2. 薬剤名等 
血糖降下薬

臨床症状・措置方法
血糖降下作用が増強されることがある。

機序・危険因子
非選択性β遮断薬はカテコールアミンと競合的に拮抗することにより、肝臓での糖新生を抑制すると考えられている。

3. 薬剤名等 
カルシウム拮抗薬
 ベラパミル塩酸塩 等

臨床症状・措置方法
相互に作用が増強され、心不全や低血圧を引き起こすことがある。

機序・危険因子
相互に心収縮力・刺激伝導系の抑制作用、血圧低下作用を増強すると考えられている。

4. 薬剤名等 
ヒドララジン塩酸塩

臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子
ヒドララジン塩酸塩により、本剤の肝初回通過効果が減少し、血中濃度が上昇する可能性がある。

5. 薬剤名等 
クロニジン塩酸塩

臨床症状・措置方法
クロニジン塩酸塩中止後のリバウンド現象を増強する可能性がある。
クロニジン塩酸塩から本剤へ変更する場合、クロニジン塩酸塩を中止した数日後から本剤を投与する。また、本剤中止後数日間はクロニジン塩酸塩を中止しない。

機序・危険因子
クロニジン塩酸塩中止により末梢でのノルアドレナリン遊離が増加するが、β遮断薬併用の場合、ノルアドレナリンの作用のうち、α刺激作用が優位になり、急激な血圧上昇を起こすと考えられている。

6. 薬剤名等 
クラスI抗不整脈薬
 ジソピラミド、プロカインアミド塩酸塩 等

臨床症状・措置方法
過度の心機能抑制作用があらわれることがある。
用量を調節する。

機序・危険因子
相互に心機能抑制作用を増強すると考えられている。

7. 薬剤名等 
アミオダロン塩酸塩

臨床症状・措置方法
心刺激伝導抑制障害(徐脈、心停止等)があらわれるおそれがある。定期的な心電図モニターを実施する。

機序・危険因子
アミオダロン塩酸塩により、本剤の肝初回通過効果が減少し、血中濃度が上昇する可能性がある。

8. 薬剤名等 
シクロスポリン

臨床症状・措置方法
シクロスポリンの血中濃度が上昇するおそれがある。
用量を調節する。

機序・危険因子
機序不明

9. 薬剤名等 
リファンピシン

臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱されるおそれがある。

機序・危険因子
リファンピシンにより、薬物代謝酵素P450(主にCYP3A4)が誘導され、本剤の代謝が亢進し、血中濃度が低下すると考えられている。

10. 薬剤名等 
シメチジン

臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子
これらの薬剤により、薬物代謝酵素P450が阻害され、本剤の代謝が抑制される結果、血中濃度が上昇すると考えられている。

11. 薬剤名等 
選択的セロトニン再取り込み阻害剤
 パロキセチン塩酸塩 等

臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子
これらの薬剤により、薬物代謝酵素P450が阻害され、本剤の代謝が抑制される結果、血中濃度が上昇すると考えられている。

12. 薬剤名等 
ジギタリス製剤
 ジゴキシン 等

臨床症状・措置方法
心刺激伝導抑制障害(徐脈、房室ブロック等)があらわれるおそれがある。ジギタリスの濃度が上昇し、中毒症状が発現する可能性もある。
用量を調節する。

機序・危険因子
相互に刺激伝導抑制作用を増強する可能性がある。
また、ジギタリスの生物学的利用率が上昇し、血中濃度が上昇すると考えられている。

13. 薬剤名等 
利尿降圧剤

臨床症状・措置方法
降圧作用が増強することがある。
併用する場合は用量に注意する。

機序・危険因子
相加的に降圧作用を増強させる。

14. 薬剤名等 
交感神経刺激剤
 アドレナリン 等

臨床症状・措置方法
血圧上昇があらわれることがある。

機序・危険因子
本剤のβ遮断作用により、α刺激作用が優位になると考えられている。

15. 薬剤名等 
非ステロイド性消炎鎮痛剤

臨床症状・措置方法
本剤の降圧作用が減弱するおそれがある。

機序・危険因子
非ステロイド性消炎鎮痛剤は、血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成・遊離を阻害する。

副作用

副作用等発現状況の概要

〈本態性高血圧症、腎実質性高血圧症、狭心症〉
承認前の調査1,329例中報告された副作用は6.2%(82例)で、主な副作用はめまい1.6%(21件)、全身倦怠感0.8%(10件)、眠気0.8%(10件)、頭痛0.6%(8件)等の精神神経系症状、徐脈0.6%(8件)等の循環器症状、発疹0.7%(9件)等の過敏症状、喘息様症状0.2%(2件)等の呼吸器症状等であった。〔承認時〕
承認後における使用成績調査(6年間)5,243例中報告された副作用は4.7%(246例)で、主な副作用はめまい0.8%(44件)、頭痛0.4%(20件)等の精神神経系症状、徐脈0.6%(31件)、低血圧0.5%(27件)等の循環器症状、悪心0.2%(11件)等の消化器症状等であった。〔再審査終了時〕

〈慢性心不全〉

国内データ
承認前の調査259例中報告された副作用は40.2%(104例)で、主な副作用はめまい8.9%(23件)等の精神神経系症状、心不全の悪化9.3%(24件)、動悸2.7%(7件)、徐脈2.7%(7件)、血圧低下1.9%(5件)等の循環器症状、糖尿病悪化2.3%(6件)等の代謝系症状及び全身倦怠感1.9%(5件)等のその他の症状等であった。また、主な臨床検査値の異常変動は血糖値上昇20.5%(36/176)、尿糖10.7%(18/169)、総コレステロール上昇7.0%(13/187)、CK(CPK)上昇6.2%(11/178)、クレアチニン上昇4.7%(9/192)等であった(プラセボとの比較試験でプラセボ群より高頻度でみられた項目について記載)。〔承認時〕
承認後における使用成績調査(4年間)1,732例中報告された副作用は11.1%(192例)で、主な副作用は心不全の悪化3.5%(60件)、血圧低下0.9%(15件)、徐脈0.6%(10件)等の循環器症状、めまい1.2%(21件)等の精神神経系症状、糖尿病悪化0.5%(8件)等の代謝系症状等であった。〔再審査終了時〕

海外データ(FDA申請時データ):
海外で実施された主に軽症〜中等症を対象とした第II相試験及び第III相試験において、本剤6.25〜100mg/日を投与された1,869例中報告された副作用は54.9%(1,027例)で、主な副作用はめまい21.1%(394件)、頭痛4.4%(82件)等の精神神経系症状、心不全9.3%(174件)、低血圧7.0%(130件)、徐脈6.3%(117件)等の循環器症状、血糖値上昇2.1%(39件)、体重増加3.3%(62件)等の代謝系症状、呼吸困難12.0%(225件)等の呼吸器症状、嘔気4.0%(74件)、下痢3.3%(61件)等の消化器症状、疲労16.2%(302件)、無力症4.4%(82件)等のその他の症状等であった。また、海外で実施された重症を対象とした第III相試験において、本剤6.25〜50mg/日を投与された1,156例中報告された副作用は44.1%(510例)で、主な副作用は無力症5.5%(64件)等の一般的全身症状、低血圧9.3%(107件)、徐脈8.3%(96件)、うっ血性心不全4.2%(49件)、失神3.7%(43件)等の循環器症状、めまい16.4%(190件)、頭痛2.1%(24件)等の精神神経系症状、呼吸困難3.6%(42件)等の呼吸器症状等であった。

〈頻脈性心房細動〉

持続性又は永続性心房細動患者を対象とした第III相試験において127例中報告された副作用は7.9%(10例)で、主な副作用は慢性心不全1.6%(2件)、LDH上昇1.6%(2件)、及びγ-GTP上昇1.6%(2件)であった。〔承認時〕

重大な副作用

1. 下記の重大な循環器系の副作用があらわれることがあるので、心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行い、このような症状があらわれた場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
頻度不明注) 
ア)高度な徐脈
イ)ショック
ウ)完全房室ブロック
エ)心不全
オ)心停止

2. 肝機能障害、黄疸
頻度不明注) 
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3. 急性腎不全
頻度不明注) 
急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
頻度不明注) 
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5. アナフィラキシー
頻度不明注) 
アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

注)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。

その他の副作用

1)本態性高血圧症、腎実質性高血圧症、狭心症、頻脈性心房細動

1. 過敏症
0.1〜5%未満 
発疹等

2. 過敏症
0.1%未満 
そう痒感等

3. 循環器
0.1〜5%未満 
徐脈、低血圧

4. 循環器
0.1%未満 
動悸、頻脈、心房細動、期外収縮、脚ブロック、血圧上昇、心胸比増大、顔面潮紅、四肢冷感

5. 循環器
頻度不明注) 
房室ブロック、狭心症

6. 呼吸器
0.1〜5%未満 
喘息様症状、咳嗽

7. 呼吸器
0.1%未満 
呼吸困難、息切れ、鼻閉

8. 精神神経系
0.1〜5%未満 
めまい、眠気、頭痛

9. 精神神経系
0.1%未満 
失神、不眠、抑うつ、注意力低下、異常感覚(四肢のしびれ感等)

10. *精神神経系
頻度不明注) 
幻覚

11. 消化器
0.1〜5%未満 
悪心、胃部不快感

12. 消化器
0.1%未満 
嘔吐、便秘、下痢、食欲不振、腹痛

13. 代謝 
0.1〜5%未満 
血糖値上昇、尿酸上昇、CK(CPK)上昇、総コレステロール上昇、ALP上昇、LDH上昇

14. 代謝 
0.1%未満 
低血糖、尿糖、トリグリセリド上昇、カリウム上昇

15. 代謝 
頻度不明注) 
糖尿病悪化、カリウム低下、ナトリウム低下

16. 肝臓 
0.1〜5%未満 
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等

17. 腎臓・泌尿器
0.1〜5%未満 
腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)

18. 腎臓・泌尿器
0.1%未満 
尿失禁、頻尿、蛋白尿

19. 血液 
0.1%未満 
貧血、白血球減少

20. 血液 
頻度不明注) 
血小板減少

21.   
0.1%未満 
霧視

22.   
頻度不明注) 
涙液分泌減少

23. その他
0.1〜5%未満 
浮腫、脱力感、倦怠感

24. その他
0.1%未満 
勃起不全、耳鳴、疲労感、胸痛、疼痛、発汗、口渇

2)慢性心不全

1. 過敏症
0.1〜5%未満 
そう痒感等

2. 過敏症
0.1%未満 
発疹

3. 循環器
0.1〜5%未満 
徐脈、動悸、頻脈、心房細動、期外収縮、房室ブロック、脚ブロック、低血圧、血圧上昇、四肢冷感

4. 循環器
頻度不明注) 
心胸比増大、狭心症、顔面潮紅

5. 呼吸器
0.1〜5%未満 
喘息様症状、呼吸困難

6. 呼吸器
0.1%未満 
息切れ、咳嗽

7. 呼吸器
頻度不明注) 
鼻閉

8. 精神神経系
0.1〜5%未満 
めまい、不眠、頭痛

9. 精神神経系
0.1%未満 
眠気、注意力低下

10. *精神神経系
頻度不明注) 
失神、抑うつ、異常感覚(四肢のしびれ感等)、幻覚

11. 消化器
0.1〜5%未満 
悪心、胃部不快感

12. 消化器
0.1%未満 
便秘、下痢、食欲不振、腹痛

13. 消化器
頻度不明注) 
嘔吐

14. 代謝 
0.1〜5%未満 
血糖値上昇、尿糖、LDH上昇、総コレステロール上昇、CK(CPK)上昇、糖尿病悪化、ALP上昇、尿酸上昇、カリウム上昇、ナトリウム低下、カリウム低下

15. 代謝 
頻度不明注) 
低血糖、トリグリセリド上昇

16. 肝臓 
0.1〜5%未満 
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等

17. 腎臓・泌尿器
0.1〜5%未満 
腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)、蛋白尿

18. 腎臓・泌尿器
頻度不明注) 
尿失禁、頻尿

19. 血液 
0.1〜5%未満 
貧血、血小板減少

20. 血液 
0.1%未満 
白血球減少

21.   
頻度不明注) 
霧視、涙液分泌減少

22. その他
0.1〜5%未満 
浮腫、倦怠感、疲労感、胸痛

23. その他
0.1%未満 
耳鳴

24. その他
頻度不明注) 
脱力感、勃起不全、疼痛、発汗、口渇

上記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

発現頻度は承認時までの臨床試験及び使用成績調査の結果を合わせて算出した。

注)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。

高齢者への投与

本剤は主として肝臓で代謝される薬剤であり、重篤な肝機能障害患者で血中濃度の上昇が認められている。高齢者では肝機能が低下していることが多いため血中濃度が上昇するおそれがあり、また過度な降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)ことから、高齢者に使用する場合は低用量から投与を開始するなど、患者の状態を十分観察しながら慎重に投与することが望ましい。
特に高齢の重症慢性心不全患者では、本剤の副作用が生じやすいので注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、ラットにおける妊娠前及び妊娠初期投与試験において、臨床用量の約900倍(300mg/kg)で黄体数の減少及び骨格異常(13肋骨の短小)の増加が報告されている。]

2.
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。]

小児等への投与

小児等に対する安全性及び有効性は確立していない。[低出生体重児、新生児には使用経験がない。乳児、幼児及び小児には使用経験が少ない。]重症心不全を有する幼児及び小児において、本剤の投与により重篤な低血糖症状があらわれ、死亡に至った例も報告されている。

過量投与

症状:
過量投与により、重症低血圧、徐脈、心不全、心原性ショック、心停止に至るおそれがある。また、呼吸器障害、気管支痙攣、嘔吐、意識障害、全身の痙攣発作をきたすおそれがある。

処置:
過量投与の場合は、本剤を中止し、必要に応じて胃洗浄等により薬剤の除去を行うとともに、次のような処置を行う。なお、本剤は血液透析により除去されにくい。

(1)
過度の徐脈:アトロピン硫酸塩、イソプレナリン塩酸塩等の投与や心臓ペーシングを適用する。

(2)
心不全、低血圧:強心薬、昇圧薬、輸液等の投与や補助循環を適用する。

(3)
気管支痙攣:β2刺激薬又はアミノフィリンを静注する。

(4)
痙攣発作:ジアゼパムを徐々に静注する。

適用上の注意

薬剤交付時:

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

薬物動態

1. 吸収1)

参考(海外データ)
健康成人にカルベジロール12.5mg静脈内投与(1時間注入)、25mg及び50mgの経口投与を1〜2週間間隔で行い血漿中未変化体濃度を測定した結果、絶対生物学的利用率は22〜24%であった。

2. 血中濃度

(1) 血漿中濃度の推移
健康成人にカルベジロールを5、10、20mg単回経口投与した場合、Cmaxはそれぞれ13.5±2.3、22.6±4.7、53.1±14.7ng/mLであり、投与量にほぼ比例して上昇した2)。また、連続経口投与においても蓄積性は認められなかった。なお、効果発現時間は、投与後約1時間と報告されている3)
カルベジロール単回経口投与時の血漿中濃度推移

表1参照

(2) 血清蛋白結合率
14C-カルベジロールのヒト血清蛋白に対するin vitroでの結合性を50〜1,000ng/mLの濃度範囲で平衡透析法を用い検討した。個人差は少なく、濃度依存性もなく94.2〜96.1%の血清蛋白結合率が認められた。

(3) 患者での体内動態

1) 本態性高血圧症患者
本態性高血圧症患者にカルベジロール10mgを食後経口投与した場合、投与2時間後の血漿中濃度は25.1±8.0ng/mLであった。健康成人にカルベジロール10mgを食後経口投与した場合の投与2時間後の血漿中濃度(21.8±5.6ng/mL)と同程度であり、本態性高血圧症患者における血漿中濃度の推移は健康成人と類似していた。

2) 狭心症患者
狭心症患者にカルベジロール10mgを食後経口投与した場合、投与2時間後の血漿中濃度は18.8±4.1ng/mLであった。健康成人にカルベジロール10mgを食後経口投与した場合の投与2時間後の血漿中濃度(21.8±5.6ng/mL)と同程度であり、狭心症患者における血漿中濃度の推移は健康成人と類似していた。

3) 慢性心不全患者
軽症〜中等症の慢性心不全患者にカルベジロールを1回2.5、5、10mg、1日2回連続食後経口投与し、約1週間後のCmaxはそれぞれ10.1±1.7、25.0±5.0、52.8±10.4ng/mLであり、投与量にほぼ比例して上昇した。また、1回10mg、1日2回連続食後経口投与し、約1週間後の薬物動態パラメータは以下のとおりであり、健康成人に比して慢性心不全ではCmaxが約2倍、AUCが約4倍に上昇する傾向が認められた。
表2参照

3. 分布

参考(動物実験)
14C-カルベジロールをラットに経口投与した場合、組織内放射能濃度は多くの組織で投与後1〜3時間で最高濃度に達した。投与後1時間では消化管、肝、肺、腎、副腎の順に高く、脳、生殖器では低値であった。

4. 代謝

参考(海外データ)
14C-カルベジロール50mgを健康成人に経口投与した場合、主要代謝物は未変化体のグルクロン酸抱合体[血漿中存在率22%(投与後1.5時間)、尿中存在率32.4%(投与後12時間までの蓄積尿)]であった。

薬物の肝酸化型代謝に関与するチトクロームP450分子種4)
カルベジロールの代謝に関与するチトクロームP450の主な分子種はCYP2D6及びCYP2C9であり、次いでCYP3A4、CYP1A2、CYP2E1が関与する。

5. 排泄2)
健康成人に本剤20mgを単回経口投与した場合、投与後48時間までの尿中未変化体排泄率は投与量の約0.2%、糞中未変化体排泄率は約22.7%であった。

6. 肝機能障害患者及び腎機能障害患者での体内動態
本剤は肝代謝胆汁排泄型であるため肝硬変患者では全身クリアランスが健康成人の64%に低下し、Cmaxは4.4倍に上昇した。一方、血清クレアチニン値が6mg/dL以下の腎機能障害患者では、Cmaxの上昇はみられず、連続投与においても健康成人と同様、蓄積性は認められなかったが5)、血清クレアチニン値が6mg/dL以上の腎機能障害患者では、健康成人に比べCmaxが上昇する傾向が認められた。

7. 透析患者での体内動態6)
透析患者では健康成人に比してTmaxがやや遅延したが、Cmaxには差がなかった。

表1 単回経口投与におけるカルベジロールの薬物動態パラメータ

投与量 5mg 10mg 20mg 
Tmax(hr) 0.6±0.1 0.8±0.3 0.9±0.1 
Cmax(ng/mL) 13.5±2.3 22.6±4.7 53.1±14.7 
t1/2(hr) 1.95±0.39 3.60±1.82 7.72±2.23 
AUC(ng・hr/mL) 36.3±8.4 57.3±15.8 239.1±64.9 

mean±SE


表2 慢性心不全患者におけるカルベジロールの薬物動態パラメータ

投与量
(被験者) 
Tmax
(hr) 
Cmax
(ng/mL) 
t1/2
(hr) 
AUC
(ng・hr/mL) 
10mg1日2回連続投与
(健康成人) 
2.4±0.4 22.9±4.5 3.25±0.67 81.3±9.6 
10mg1日2回連続投与
(軽症〜中等症慢性心不全患者) 
2.6±0.4 52.8±10.4 4.36±0.41 297.1±64.9 

mean±SE


臨床成績

1. 本態性高血圧症3,7,8,9)
本態性高血圧症に対する有効率(下降以上)は、70.9%(502例/708例)であった。また、二重盲検比較試験で本剤の有用性が確認されている。
長期投与試験において耐性を生じることなく、安定した降圧効果が認められている。

2. 腎実質性高血圧症10)
腎実質性高血圧症に対する有効率(下降以上)は、68.2%(45例/66例)であった。
長期投与試験において耐性を生じることなく、安定した降圧効果が認められている。

3. 狭心症11,12)
狭心症に対する有効率(中等度改善以上)は、71.1%(118例/166例)であった。また、二重盲検比較試験で本剤の有用性が確認されている。
長期投与試験において耐性を生じることなく、安定した抗狭心症効果が認められている。

4. 慢性心不全
慢性心不全(軽症〜中等症)に対する有効率(中等度改善以上)は、47.3%(79例/167例)であった。また、プラセボを対照とした二重盲検比較試験において、左室駆出率の用量依存的な改善(観察期からの変化:プラセボ群+6.6%、5mg/日群+8.7%、20mg/日群+13.2%)、ならびに心血管系の理由による入院率の用量依存的な低下(入院率:プラセボ群24.5%、5mg/日群4.3%、20mg/日群3.9%)が認められた13)。慢性心不全(軽症〜中等症)を対象とし、海外で実施されたプラセボ対照大規模二重盲検比較試験において、死亡率の有意な低下(死亡率:プラセボ群7.8%、カルベジロール群3.0%)が認められた14)。慢性心不全(重症)を対象とし、海外で実施されたプラセボ対照大規模二重盲検試験において、死亡率の有意な低下(死亡率:プラセボ群16.8%、カルベジロール群11.2%)が認められた15)

5. 頻脈性心房細動
持続性又は永続性心房細動に対する心拍数減少効果を、ホルター心電図の24時間平均心拍数を指標とした二重盲検比較試験において5mg固定群、10mg漸増群、又は20mg漸増群で比較した(5mg1日1回投与から開始し、2週ごとに増量の要否を判断し、5mg維持、あるいは10mg又は20mg1日1回投与まで段階的に増量し6週まで投与)。
5mg/日投与(2週時)により投与前値からの有意な心拍数減少が認められた[6.6拍/分(算術平均値)、t検定:P<0.0001]。4週時には5mg固定群(5mg/日)で6.3拍/分(最小二乗平均値、以下同様)、漸増群(5〜10mg/日投与)で8.6拍/分の心拍数減少が、6週時には5mg固定群で7.7拍/分、20mg漸増群(5〜20mg/日投与)で10.7拍/分の心拍数減少が認められ、漸増時の心拍数減少効果がより大きかった。
また、6週時には用量依存的な心拍数減少効果の増大傾向(5mg固定群で7.6拍/分、10mg漸増群で8.9拍/分、20mg漸増群で10.6拍/分)がみられた16)

薬効薬理

カルベジロールは、β受容体遮断作用に加え、α1受容体遮断作用を主とした血管拡張作用をも有し、総末梢血管抵抗及び主要臓器の血管抵抗を維持、減少させる。

(1) 交感神経β受容体遮断作用
無麻酔犬におけるイソプレナリン頻脈に対して持続的な非選択的β受容体遮断作用を示した。また、狭心症患者で運動負荷時の心拍数増加を単回投与後24時間においても抑制した。

(2) 降圧作用
高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラット17)において速やかで持続的な降圧作用を示した。本態性高血圧症患者に1日1回投与した場合、血圧日内変動に影響を与えず、24時間にわたって安定した降圧作用を示した7)

(3) 血管拡張作用
各種実験において血管拡張作用が認められ、作用機序にはα1受容体遮断作用が主に関与していると考えられている18)。健康成人においてもα及びβ受容体遮断作用を示し、その作用比はおよそ1:8である19)

(4) 血行動態改善作用
高血圧自然発症ラットにおいて、脳、心、腎などの主要臓器血流を維持し、良好な循環動態を示した。本態性高血圧症患者では、総頸動脈血流量、四肢動脈血流量の増加、また狭心症患者20)では、左室拡張末期容積の減少及び安静時の左室駆出分画の増加が認められた。

(5) 腎機能への影響
腎障害合併高血圧モデルにおいて降圧作用、腎血流量増加作用を示し21)、血清クレアチニン上昇・尿蛋白増加の抑制を示した17)。麻酔犬を用いた実験により、腎輸入細動脈を選択的に拡張し、腎血流量を増加し、糸球体濾過量を維持することが明らかにされている22)

(6) 抗狭心症作用
イヌ及び健康成人でイソプレナリン負荷、あるいは運動負荷による心拍数の増加を抑制し、心筋酸素消費量を減少させた。また、狭心症患者で、長時間心電図上、心拍数の減少及びST下降、とくに無症候性ST下降の抑制を示し23)、また運動負荷による血圧上昇、心拍数の増加及びST変化の抑制が認められている。

(7) 虚血心筋保護作用
ラット摘出虚血再灌流心においてATP、ATP/ADP比、エネルギーチャージ[(ATP+1/2ADP)/(ATP+ADP+AMP)]の減少を有意に抑制した。また、ブタ、イヌ虚血再灌流心ではその梗塞サイズをプロプラノロールに比し有意に減少した24)

(8) 抗心不全作用
冠動脈結紮心不全モデルラットにおいて、本剤投与群(結紮の翌日より投与)は溶媒投与群に比べ左室機能(左室駆出率、左室拡張末期圧)の改善を示した。Dahl食塩感受性ラットにおいて、本剤投与群(心不全発症前より投与)は溶媒投与群に比べ左室機能(左室拡張末期圧)及び生存率の改善を示した。また、冠動脈塞栓心不全モデルイヌにおいて、本剤投与群は無投与群に比べ左室機能(左室駆出率)の改善ならびに左室リモデリングの進展抑制(左室収縮末期容積及び左室拡張末期容積の縮小)を示した25)

(9) その他の薬理作用
ラット、ウサギにおいて膜安定化作用が認められた。また、内因性交感神経刺激作用は認められなかった。
さらにラット脳ホモジネートにおいて脂質過酸化抑制作用が認められた26)

有効成分に関する理化学的知見

1. 一般名
カルベジロール(Carvedilol)

2. 化学名
(2RS)-1-(9H-Carbazol-4-yloxy)-3-{[2-(2-methoxyphenoxy)ethyl]amino}propan-2-ol

3. 分子式
C24H26N2O4

4. 分子量
406.47

5. 構造式

6. 性状
白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。

7. 融点
114〜119℃

8. 分配係数
n-オクタノール-水(pH7.1);184.2

取扱い上の注意

安定性試験

最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、3年)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、カルベジロール錠1.25mg「DSEP」、カルベジロール錠2.5mg「DSEP」、カルベジロール錠10mg「DSEP」及びカルベジロール錠20mg「DSEP」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された27)

包装

カルベジロール錠1.25mg「DSEP」 
 (PTP)100錠

カルベジロール錠2.5mg「DSEP」
 (プラスチックボトル)500錠
 (PTP)100錠 420錠(14錠×30) 500錠

カルベジロール錠10mg「DSEP」
 (プラスチックボトル)500錠
 (PTP)100錠 420錠(14錠×30) 500錠

カルベジロール錠20mg「DSEP」 
 (PTP)100錠

主要文献及び文献請求先

主要文献

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Mollendorff EV, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 1987; 33(5):511-513

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Yue TL, et al.:J Pharmacol Exp Ther. 1992;263(1):92-98

27)
社内資料:安定性に関する資料

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

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〒103-8426 東京都中央区日本橋本町3-5-1

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