ラジレス錠150mg


作成又は改訂年月

**2018年1月改訂(第11版 承継に伴う変更)

*2016年4月改訂

日本標準商品分類番号

872149

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
2007年3月

薬効分類名

直接的レニン阻害剤

承認等

販売名
ラジレス錠150mg

販売名コード

2149047F1028

承認・許可番号

承認番号
22100AMX01824000
商標名
Rasilez Tablets 150mg

薬価基準収載年月

2009年9月

販売開始年月

2009年10月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存(【取扱い上の注意】の項参照)

使用期限

包装に表示の使用期限内に使用すること
使用期限内であっても、開封後はなるべく速やかに使用すること

規制区分

処方箋医薬品

注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量

1錠中アリスキレンフマル酸塩165.75mg(アリスキレンとして150mg)

添加物

ポビドン、クロスポビドン、セルロース、無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、三二酸化鉄、酸化鉄

性状

性状

うすい赤色のフィルムコーティング錠

外形

識別コード

NVR IL

大きさ 直径

(約)11.2mm

大きさ 厚さ

(約)4.1mm

大きさ 質量

(約)0.357g

一般的名称

アリスキレンフマル酸塩錠

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

3.
イトラコナゾール、シクロスポリンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)

4.
アンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体拮抗剤を投与中の糖尿病患者(ただし、アンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与を含む他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。〕(「重要な基本的注意」1.、3.及び5.、「相互作用」の項参照)

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

高血圧症

用法及び用量

通常、成人にはアリスキレンとして150mgを1日1回経口投与する。
なお、効果不十分な場合は、300mgまで増量することができる。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
本剤の投与に際しては患者ごとの背景を十分に考慮し、本剤適用の可否を慎重に判断すること。(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「相互作用」の項参照)

2.
本剤服用時期は患者ごとに食後又は食前(空腹時)のいずれかに規定し、原則として毎日同じ条件で服用するよう指導すること。なお、本剤は、食前(空腹時)投与で食後投与に比べ血中濃度が高くなること等を踏まえ、食後投与での開始を考慮すること。本剤服用時期を変更する場合には症状の変化に特に注意すること。(【薬物動態】の項参照)

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
両側性もしくは片側性の腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者(「重要な基本的注意」2.の項参照)

2.
高カリウム血症の患者(「重要な基本的注意」4.及び5.の項参照)

3.
腎機能障害のある患者(「重要な基本的注意」3.の項参照)

4.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
体液量又は塩分が明らかに減少している患者(例えば、血液透析中の患者、高用量の利尿剤の投与を受けている患者、厳重な減塩療法中の患者)、レニン-アンジオテンシン系阻害剤を併用している患者においては、症候性の低血圧を起こすおそれがある。症候性低血圧が生じた場合には適切な処置を行うこと。

2.
両側性もしくは片側性の腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること。

3.
腎機能障害のある患者においては、血清カリウム値及び血清クレアチニン値が上昇するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体拮抗剤との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。

4.
高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること。

5.
レニン-アンジオテンシン系阻害剤併用時、腎機能障害患者、糖尿病患者、高齢者等では血清カリウム値が高くなりやすく、高カリウム血症が発現又は増悪するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。

6.
降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

7.
本剤はバイオアベイラビリティ(生物学的利用率)が低く個体間及び個体内変動が大きいため、種々の要因により臨床用量で推定される血中濃度を上回る可能性がある。(「相互作用」、【薬物動態】の項参照)

相互作用

併用禁忌

(併用しないこと)

薬剤名等
イトラコナゾール(イトリゾール等)

臨床症状・措置方法
併用により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用投与(空腹時)により本剤のCmaxが約5.8倍、AUCが約6.5倍に上昇した。1)

機序・危険因子
本剤のP糖蛋白(Pgp)を介した排出がこれらの薬剤により抑制されると考えられる。

薬剤名等
シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル等)

臨床症状・措置方法
併用により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用投与(空腹時)により本剤のCmaxが約2.5倍、AUCが約5倍に上昇した。2)

機序・危険因子
本剤のP糖蛋白(Pgp)を介した排出がこれらの薬剤により抑制されると考えられる。

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等
フロセミド

臨床症状・措置方法
フロセミドの効果が減弱されるおそれがあるので、観察を十分に行うこと。併用投与(空腹時)によりフロセミドのCmaxが49%、AUCが28%低下した。3)

機序・危険因子
機序は不明である。

薬剤名等
ベラパミル

臨床症状・措置方法
併用により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用投与(空腹時)により本剤のCmax及びAUCがそれぞれ約2倍に上昇した。4)

機序・危険因子
本剤のPgpを介した排出がこれらの薬剤により抑制されると考えられる。

薬剤名等
アトルバスタチン

臨床症状・措置方法
併用により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用投与(空腹時)により本剤のCmax及びAUCがそれぞれ約1.5倍に上昇した。5)

機序・危険因子
本剤のPgpを介した排出がこれらの薬剤により抑制されると考えられる。

薬剤名等
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン、トリアムテレン等
カリウム補給製剤
塩化カリウム等
抗アルドステロン剤
エプレレノン等

臨床症状・措置方法
血清カリウム値が上昇するおそれがあるので血清カリウム値に注意すること。

機序・危険因子
本剤のアルドステロン分泌抑制によりカリウム貯留作用が増強する可能性がある。
危険因子:腎機能障害、糖尿病

薬剤名等
レニン-アンジオテンシン系阻害剤
アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤

臨床症状・措置方法
血清カリウム値が上昇するおそれがあるので血清カリウム値に注意すること。

機序・危険因子
本剤を含むレニン-アンジオテンシン系に作用する薬剤のアルドステロン分泌抑制によりカリウム貯留作用が増強する可能性がある。

薬剤名等
レニン-アンジオテンシン系阻害剤
アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤

臨床症状・措置方法
腎機能を悪化させるおそれがあるので腎機能に注意すること。

機序・危険因子
本剤を含むレニン-アンジオテンシン系に作用する薬剤により、糸球体濾過圧が低下し、腎機能を悪化させる可能性がある。

薬剤名等
レニン-アンジオテンシン系阻害剤
アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤

臨床症状・措置方法
低血圧を起こすおそれがあるので血圧に注意すること。

機序・危険因子
併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

薬剤名等
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX-2選択的阻害剤
インドメタシン等

臨床症状・措置方法
本剤の降圧作用が減弱することがある。

機序・危険因子
NSAIDs・COX-2選択的阻害剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、本剤の降圧作用が減弱することがある。

薬剤名等
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)・COX-2選択的阻害剤
インドメタシン等

臨床症状・措置方法
腎機能を悪化させるおそれがある。

機序・危険因子
NSAIDs・COX-2選択的阻害剤の腎プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
危険因子:高齢者

薬剤名等
バソプレシン受容体拮抗剤
トルバプタン

臨床症状・措置方法
血清カリウム値が上昇するおそれがあるので血清カリウム値に注意すること。

機序・危険因子
バソプレシン受容体拮抗剤の水利尿作用により循環血漿量の減少を来し、相対的に血清カリウム濃度が上昇する可能性がある。

副作用

副作用等発現状況の概要

国内で実施された高血圧患者に対する臨床試験において、副作用が報告されたのは869例中225例(25.9%)であり、そのうち自他覚的副作用は139例(16.0%)、臨床検査値異常は113例(13.0%)であった。主な自他覚的副作用は頭痛11例(1.3%)、高尿酸血症11例(1.3%)、下痢9例(1.0%)等であった。また、主な臨床検査値異常は、ALT(GPT)増加21例(2.4%)、γ-GTP増加14例(1.6%)、血中トリグリセリド増加12例(1.4%)等であった。(承認時までの集計)

重大な副作用

1. 血管浮腫(頻度不明)注)
呼吸困難、嚥下困難及び顔面、口唇、咽頭、舌、四肢の腫脹等が症状としてあらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

2. アナフィラキシー(頻度不明)注)
アナフィラキシー(喘鳴、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3. 高カリウム血症(1%未満)
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。

4. 腎機能障害(1%未満)
重篤な腎機能障害があらわれることがあり、慢性腎不全が増悪した例も報告されているので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

注)承認時までの国内臨床試験で認められなかった副作用

その他の副作用

血液及びリンパ系障害
1%未満 
貧血

*代謝及び栄養障害
頻度不明 
低ナトリウム血症

代謝及び栄養障害
1%以上 
血中トリグリセリド増加、血中尿酸増加

神経系障害
1%以上 
頭痛

神経系障害
1%未満 
めまい

血管障害
1%未満 
低血圧

胃腸障害
1%以上 
下痢

胃腸障害
1%未満 
嘔吐、悪心

肝胆道系障害
1%以上 
肝機能異常、ALT(GPT)増加、γ-GTP増加

皮膚及び皮下組織障害
頻度不明 
そう痒症、紅斑

皮膚及び皮下組織障害
1%未満 
発疹

腎及び尿路障害
頻度不明 
BUN増加

腎及び尿路障害
1%以上 
血中クレアチニン増加、尿中血陽性、尿中蛋白陽性

その他
1%以上 
CK(CPK)増加

その他
1%未満 
血中カリウム増加、末梢性浮腫

高齢者への投与

1.
高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)ので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

2.
高齢者の薬物動態試験で、本剤の血漿中濃度が非高齢者に比べて高くなることが認められている。(【薬物動態】の項参照)

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。[妊婦への投与に関する情報は得られていない。アンジオテンシンII受容体拮抗剤並びにアンジオテンシン変換酵素阻害剤で、妊娠中期〜末期に投与された患者に胎児・新生児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全、羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、脳、頭蓋顔面の奇形、肺の発育形成不全等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたアンジオテンシン変換酵素阻害剤におけるレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある。]

2.
授乳中の婦人への投与を避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行するとの報告がある。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

過量投与

徴候・症状:
過量投与に関するデータは少ないが、過量投与時にみられる主な症状は本剤の降圧作用による低血圧であると考えられる。

処置:
症候性低血圧が生じた場合には、適切な処置を行うこと。なお、本剤は血液透析では少量しか除去されない。

適用上の注意

薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

薬物動態

1. 血中濃度

(1)
健康成人男子に本剤150及び300mgを単回経口投与(空腹時)したとき、アリスキレンは速やかに吸収され、血漿中薬物濃度は投与後1.5時間(中央値)で最高濃度に到達した。
また、Cmax及びAUCは300mg投与まで投与量の増加にほぼ比例して増大し、平均消失半減期は約33.5〜37.0時間であった。6)

(2)
健康成人男子に本剤300mgを1日1回7日間反復経口投与(空腹時)したとき、投与5〜7日後に定常状態に達し、単回投与と比べ約2倍の累積が認められた。7)

(3)
健康成人男子に本剤150mgを食後に1日1回7日間反復経口投与したときのCmax及びAUCは、空腹時投与に比べ、それぞれ75%及び55%低下した。また、食後投与ではTmaxは延長した。8)

(4)
本剤の絶対バイオアベイラビリティ(生物学的利用率)は約2〜3%であった。健康成人(空腹時)の個体内変動の変動係数(CV%)はCmaxで53%、AUCで34%であり、個体間変動のCV%はCmaxで76%、AUCで54%であった。9),10)(外国人のデータ)
 
(「薬物動態の表1」の項参照)

健康成人男子に本剤を単回経口投与したときの平均血漿中薬物濃度推移(空腹時)(平均値±標準偏差、n=6)
 
(「薬物動態の表2」の項参照)

健康成人男子に本剤150mgを1日1回7日間反復経口投与したときの平均血漿中薬物濃度推移(空腹時及び食後)(平均値±標準偏差)

2. 分布11)
ヒトにおける本剤の血漿蛋白結合率は約50%であった。In vitro試験では10〜500ng/mLの濃度で、濃度依存性は認められなかった。

3. 代謝・排泄12),13)
健康成人にアリスキレンの14C標識体300mgを単回経口投与(空腹時)したとき、血漿中には主として未変化体が存在した。投与後168時間までに、投与量の約0.6%(未変化体は投与量の約0.4%)が尿中に、約91%(未変化体は投与量の約78%)が糞中に排泄された。アリスキレンを経口投与したとき、ほとんど体内で代謝を受けないが、代謝には主にCYP3A4が関与した。(外国人のデータ)

4. 薬物間相互作用(P糖蛋白(Pgp)阻害作用を有する薬剤との薬物間相互作用)

(1) イトラコナゾール1)
健康成人にイトラコナゾール100mgと本剤150mgを併用投与(空腹時)したとき、アリスキレンのCmaxは約5.8倍、AUCは約6.5倍に増加した。(外国人のデータ)

(2) シクロスポリン2)
健康成人にシクロスポリン200又は600mgと本剤75mgを併用投与(空腹時)したとき、アリスキレンのCmaxは約2.5倍、AUCは約5倍に増加した。(外国人のデータ)

(3) ベラパミル4)
健康成人にベラパミル240mgと本剤300mgを併用投与(空腹時)したとき、アリスキレンのCmax及びAUCは約2倍に増加した。一方、ベラパミル及びその代謝物のAUCは約10〜25%減少した。(外国人のデータ)

(4) アトルバスタチン5)
健康成人にアトルバスタチン80mgと本剤300mgを併用投与(空腹時)したとき、アリスキレンのCmax及びAUCは約1.5倍に増加したが、アトルバスタチン及びその代謝物の薬物動態に大きな変化はみられなかった。(外国人のデータ)

(5) ケトコナゾール(経口剤は国内未発売)5)
健康成人にケトコナゾール200mgと本剤300mgを併用投与(空腹時)したとき、アリスキレンのCmax及びAUCは約1.8倍に増加した。(外国人のデータ)

5. 患者背景の影響

(1) 腎機能障害患者での試験14)
腎機能障害患者(軽症〜重症)に本剤300mgを経口投与(空腹時)したとき、アリスキレンの暴露量(Cmax及びAUC)は、単回投与及び定常状態において、健康成人の約0.8〜2.3倍であり、暴露量と腎機能障害の重症度との関連はみられなかった。
血液透析を受けている末期腎不全患者に本剤300mgを経口投与したときのCmax及びAUCは、健康成人のそれぞれ約1.2倍及び約1.6倍であった。(外国人のデータ)

(2) 肝機能障害患者での試験15)
肝機能障害患者(軽症〜重症)に本剤300mgを経口投与(空腹時)したとき、軽症、中等症及び重症肝機能障害患者との間に薬物動態パラメータの差は認められなかった。また、健康成人と比較して薬物動態パラメータに差は認められなかった。(外国人のデータ)

(3) 高齢者での試験16)
65歳以上の高齢者に本剤300mgを単回経口投与(空腹時)したとき、アリスキレンの暴露量(Cmax及びAUC)は、非高齢者(18〜45歳)の約1.3〜1.6倍であった。高齢者において暴露量が増加する傾向が認められたものの、非高齢者と比べて有効性及び安全性に差はみられなかった。(外国人のデータ)

6. 薬力学的効果17)
軽症から中等症本態性高血圧患者に本剤150又は300mgを経口投与(食後)したとき、血漿レニン活性(PRA)は低下した。

薬物動態の表

1.

健康成人男子に本剤を単回経口投与したときの薬物動態パラメータ(空腹時)

投与量 Cmax
(ng/mL) 
Tmax
(h) 
AUC0-24h
(ng・h/mL) 
T1/2(h) 
150mg 83.7±71.4 1.5(0.5〜6) 388±236 37.0±7.2 
300mg 150±67 1.5(0.5〜6) 696±369 33.5±5.1 

n=6、平均±標準偏差、※:中央値(範囲)


2.

健康成人男子に本剤150mgを1日1回7日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータ(空腹時及び食後)

投与条件 Cmax
(ng/mL) 
Tmax
(h) 
AUC0-t
(ng・h/mL) 
空腹時 122±86.1 0.4(0.4〜4) 1,100±469 
食後 37.0±46.6 1.0(0.5〜6) 509±316 

空腹時n=33、食後n=34、平均±標準偏差、※:中央値(範囲)


臨床成績

1. 病態別血圧変化量
国内で実施された臨床試験における臨床効果の概要は次のとおりである。
軽症から中等症本態性高血圧患者を対象とした二重盲検比較試験で、本剤の有効性が確認された。なお、軽症から中等症本態性高血圧患者を対象とした用量設定試験で、最大降圧効果の80〜90%は投与開始2週間後に得られ、投与開始4〜6週間で最大降圧効果に達した。
(「臨床成績の表」の項参照)

2. 長期投与試験22)
軽症から中等症本態性高血圧患者に、本剤を1日1回52週間経口投与(食前)した際、本剤単独療法、利尿剤もしくはカルシウム拮抗剤又はその両方の併用療法のいずれにおいても150〜300mgで耐薬性を認めることなく、安定した降圧効果が得られた。

3. 血圧日内変動(降圧効果の持続性)23)
軽症から中等症本態性高血圧患者を対象に本剤を8週間投与し(食前/食後不問)、自由行動下血圧測定(ABPM)による24時間血圧日内変動を検討した結果、本剤は1日1回投与において、24時間の安定した降圧効果を示すことが確認された。本剤150〜300mgのトラフ/ピーク比(T/P比)は0.64〜0.98であった。(外国人のデータ)

4. 休薬期における血圧推移18)
軽症から中等症本態性高血圧患者を対象に本剤を8週間投与後1週間休薬し、血圧推移を検討した結果、休薬期における急激な血圧の上昇は認められず、また血圧の回復も緩徐であった。1週間休薬後の血圧が、投与開始前の血圧値より低値であった被験者の割合は、本剤150mgで77.1%、300mgで82.9%であった。

臨床成績の表

本剤のベースラインに対するトラフ時平均坐位血圧の変化(最終投与時)

疾患名 投与
期間 
食前/
食後 
投与量
(1日1回) 
症例数 トラフ時平均坐位血圧の変化量注)
(単位:mmHg) 
トラフ時平均坐位血圧の変化量注)
(単位:mmHg) 
     収縮期 拡張期 
軽症から中等症本態性高血圧18)
(用量設定試験) 
8週間 食前 300mg/日
150mg/日
プラセボ 
113
112
115 
−14.09(1.18)
−8.72(1.18)
−2.85(1.17) 
−10.72(0.75)
−7.75(0.76)
−3.26(0.75) 
軽症から中等症本態性高血圧19)
(検証試験) 
8週間 不問 150mg/日
プラセボ 
302
156 
−10.4(0.72)
−2.0(0.99) 
−8.9(0.49)
−3.0(0.69) 
腎機能障害を伴う高血圧20) 8週間 不問 75〜300mg/日 40 −13.9±16.6 −11.6±9.7 
重症高血圧21) 8週間 不問 150〜300mg/日 39 −20.6±11.97 −12.9±10.43 

注)用量設定試験、検証試験:ベースライン値を共変量とし共分散分析モデルに基づいて求めた最小二乗平均値(標準誤差)、その他の試験:平均値±標準偏差


薬効薬理

アリスキレンは、直接的レニン阻害剤であり、レニン-アンジオテンシン系(RAS)サイクルの起点となるレニンを強力かつ選択的に阻害することにより、アンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンIへの変換を遮断し、PRA、アンジオテンシンI及びアンジオテンシンIIの濃度を低下させ、持続的な降圧効果を発揮する。

(1) ヒトレニン選択的阻害作用24),25)
アリスキレンは、ヒト遺伝子組換えレニンを強力に阻害したが(IC50値;0.6nM)、ヒトアスパラギン酸プロテイナーゼ及びHIV-1プロテイナーゼに対する阻害作用は、IC50値として5,000nM以上であった。ヒト以外の動物種のレニンに対する阻害作用(IC50値)は、マーモセット(2nM)とマウス(4.5nM)において比較的強力であった。

(2) 降圧作用

1) ヒトレニン及びヒトアンジオテンシノーゲン遺伝子を導入したダブルトランスジェニックラット(dTGR)における降圧作用26)
アリスキレンの降圧効果は速やかに発揮され、かつ用量依存的であった。また、10日間連続して反復経口投与したときの降圧作用は、減弱又は増強等の変動なしに安定して発揮された。

2) 重度低ナトリウム処置マーモセットにおける降圧作用27)
アリスキレンの降圧効果は速やかに発揮され、かつ用量依存的であった。血漿中レニン活性は、アリスキレン投与後ほぼ完全に阻害され、その持続時間は用量に依存して延長した。

3) 自然発症高血圧ラット(SHR)における降圧作用27)
アリスキレンを2週間連続皮下投与したとき、用量依存的な降圧作用が認められた。

4) 併用効果27)
SHRにアリスキレンとともにバルサルタン、もしくはベナゼプリルを併用投与したとき、降圧作用の増強が認められた。

有効成分に関する理化学的知見

構造式

一般名
アリスキレンフマル酸塩(Aliskiren Fumarate)

化学名
Bis[(2S,4S,5S,7S)-5-amino-N-(2-carbamoyl-2-methy lpropyl)-4-hydroxy-2-(1-methylethyl)-7-[4-methoxy-3-(3-methoxypropoxy)benzyl]-8-methylnonanamide]monofumarate

分子式
2C30H53N3O6・C4H4O4

分子量
1,219.59

性状
白色〜微黄白色の粉末である。水に溶けやすく、メタノール及びエタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルに極めて溶けにくい。

取扱い上の注意

1.
本剤は吸湿性が高いため、アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。

2.
PTPシートから取り出して調剤しないこと(服用時にPTPから取り出すよう指示すること)。

3.
本剤を分割、粉砕しないこと。

包装

**ラジレス錠150mg 100錠(PTP)140錠(PTP)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Tapaninen, T. et al.:J. Clin. Pharmacol. 51(3), 359, 2011〔RASF00064〕

2)
Rebello, S. et al.:J. Clin. Pharmacol. 51(11), 1549, 2011〔RASF00111〕

3)
Vaidyanathan, S. et al.:Cardiovasc. Ther. 26(4), 238, 2008〔RASM00252〕

4)
Rebello, S. et al.:J. Clin. Pharmacol. 51(2), 218, 2011〔RASF00063〕

5)
Vaidyanathan, S. et al.:J. Clin. Pharmacol. 48(11), 1323, 2008〔RASM00239〕

6)
社内資料:日本人健康成人男子を対象とした単回経口投与試験〔RASU00002〕

7)
Vaidyanathan, S. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol. 62(6), 690, 2006〔RASM00051〕

8)
社内資料:日本人健康成人男子における食事の影響〔RASU00003〕

9)
社内資料:外国人健康成人男子における絶対バイオアベイラビリティ〔RASU00004〕

10)
社内資料:生物学的同等性〔RASU00005〕

11)
社内資料:In vitroにおける血球移行及び蛋白結合〔RASU00006〕

12)
Waldmeier, F. et al.:Drug. Metab. Dispos. 35(8), 1418, 2007〔RASM00105〕

13)
Vaidyanathan, S. et al.:Clin. Pharmacokinet. 47(8), 515, 2008〔RASM00209〕

14)
Vaidyanathan, S. et al.:Clin. Pharmacokinet. 46(8), 661, 2007〔RASM00110〕

15)
Vaidyanathan, S. et al.:J. Clin. Pharmacol. 47(2), 192, 2007〔RASM00058〕

16)
Vaidyanathan, S. et al.:J. Clin. Pharmacol. 47(4), 453, 2007〔RASM00077〕

17)
社内資料:高血圧患者における薬物動態及び薬力学〔RASU00007〕

18)
Kushiro, T. et al.:Hypertens. Res. 29(12), 997, 2006〔RASJ00010〕

19)
社内資料:二重盲検法による軽症から中等症の高血圧患者に対する有効性及び安全性〔RASU00008〕

20)
Ito, S. et al.:Hypertens. Res. 33(1), 62, 2010〔RASJ00026〕

21)
社内資料:重症高血圧患者に対する安全性及び有効性〔RASU00010〕

22)
Kushiro, T. et al.:Hypertens. Res. 32(3), 169, 2009〔RASJ00013〕

23)
Oh, B. H. et al.:J. Am. Coll. Cardiol. 49(11), 1157, 2007〔RASM00076〕

24)
Wood, J. M. et al.:Biochem. Biophys. Res. Commun. 308(4), 698, 2003〔RASM00014〕

25)
社内資料:レニンに対する阻害作用〔RASU00011〕

26)
社内資料:ダブルトランスジェニックラットにおける降圧作用〔RASU00012〕

27)
Wood, J. M. et al.:J. Hypertens. 23(2), 417, 2005〔RASM00002〕

**文献請求先・製品情報お問い合わせ先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
 
株式会社オーファンパシフィックDIセンター

〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1

TEL 0120-889-009
受付時間 9:00〜17:30(土・日・祝日・年末年始を除く)

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

**製造販売
株式会社オーファンパシフィック

〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1