ニューロタン錠25mg/ニューロタン錠50mg/ニューロタン錠100mg

作成又は改訂年月

2021年 6月改訂 ( 第2版 )
2020年 9月改訂 ( 第1版 )

日本標準商品分類番号

872149

薬効分類名

A–Ⅱアンタゴニスト

承認等

ニューロタン錠25mg

販売名コード

YJコード

2149039F1031

販売名英語表記

NU-LOTAN Tablets 25mg

販売名ひらがな

にゅーろたん

承認番号等

承認番号

22100AMX00387000

販売開始年月

1998年 8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

ロサルタンカリウム錠

ニューロタン錠50mg

販売名コード

YJコード

2149039F2038

販売名英語表記

NU-LOTAN Tablets 50mg

販売名ひらがな

にゅーろたん

承認番号等

承認番号

22100AMX00388000

販売開始年月

1998年 8月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

ロサルタンカリウム錠

ニューロタン錠100mg

販売名コード

YJコード

2149039F3026

販売名英語表記

NU-LOTAN Tablets 100mg

販売名ひらがな

にゅーろたん

承認番号等

承認番号

22100AMX00232000

販売開始年月

2009年 3月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

ロサルタンカリウム錠

一般的名称

ロサルタンカリウム

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  3. 2.3 重篤な肝障害のある患者
  4. 2.4 アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)

3. 組成・性状

3.1 組成

ニューロタン錠25mg

有効成分日本薬局方 ロサルタンカリウム  25mg
添加剤乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、カルナウバロウ

ニューロタン錠50mg

有効成分日本薬局方 ロサルタンカリウム  50mg
添加剤乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、カルナウバロウ

ニューロタン錠100mg

有効成分日本薬局方 ロサルタンカリウム  100mg
添加剤乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、カルナウバロウ

3.2 製剤の性状

ニューロタン錠25mg

剤形円形・フィルムコーティング錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径5.7mm
厚さ2.8mm
識別コード
951

ニューロタン錠50mg

剤形円形・フィルムコーティング錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ直径7.6mm
厚さ3.3mm
識別コード
952

ニューロタン錠100mg

剤形ティアドロップ形・フィルムコーティング錠
色調白色
外形表面
裏面
側面
大きさ長径11.0mm
短径7.5mm
厚さ4.4mm
識別コード960

4. 効能又は効果

  • 高血圧症
  • 高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症〉

    高血圧及び蛋白尿(尿中アルブミン/クレアチニン比300mg/g以上)を合併しない患者における本剤の有効性及び安全性は確認されていない。

6. 用法及び用量

  • 〈高血圧症〉

    通常、成人にはロサルタンカリウムとして25~50mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日100mgまで増量できる。

  • 〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症〉

    通常、成人にはロサルタンカリウムとして50mgを1日1回経口投与する。なお、血圧値をみながら1日100mgまで増量できる。ただし、過度の血圧低下を起こすおそれのある患者等では25mgから投与を開始する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症〉

    本剤を投与後、血清クレアチニン値が前回の検査値と比較して30%(あるいは1mg/dL)以上増加した場合、及び糸球体ろ過値、1/血清クレアチニン値の勾配等で評価した腎機能障害の進展速度が加速された場合は、減量あるいは投与中止を考慮すること。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 一過性の血圧低下(ショック症状、意識消失、呼吸困難等を伴う)を起こすおそれがあるので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血圧のモニタリングを実施すること。
    2. 8.2 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
    3. 8.3 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン・アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こすおそれがある。
    4. 8.4 本剤を含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中にまれに肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  • 〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症〉
    1. 8.5 貧血があらわれやすいので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
    2. 8.6 血清カリウム上昇及び血清クレアチニン上昇があらわれやすいので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血清カリウム値及び血清クレアチニン値のモニタリングを実施すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。

  2. 9.1.2 高カリウム血症の患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。
    また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。

  3. 9.1.3 脳血管障害のある患者

    過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させるおそれがある。

  4. 9.1.4 厳重な減塩療法中の患者

    本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと。一過性の血圧低下を起こすおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重篤な腎機能障害(血清クレアチニン2.5mg/dL以上)のある患者

    投与量を減らすなど慎重に投与すること。高カリウム血症があらわれやすい。また、腎機能の悪化が起きるおそれがある。

  2. 9.2.2 血液透析中の患者

    本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと。一過性の血圧低下を起こすおそれがある。,

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

    投与しないこと。,

  2. 9.3.2 肝機能障害又はその既往のある患者(ただし、重篤な肝障害のある患者を除く)

    外国において、健康成人と比較して軽・中等度のアルコール性肝硬変患者ではロサルタンの消失速度が遅延し、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約5倍及び約2倍に上昇することが報告されている。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期に本剤を含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、多臓器不全、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の奇形、頭蓋顔面の奇形、肺の発育不全等があらわれたとの報告がある。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。ラットの周産期及び授乳期に10~100mg/kg/日投与した試験において、100mg/kg/日で産児死亡の軽度の増加が認められた。また、各投与群で産児の低体重が認められ、本試験の無毒性量は追加試験の成績から5mg/kg/日であった1) ,2)

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1 一般に生理機能が低下しているので、患者の状態に注意すること。
  2. 9.8.2 低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
  3. 9.8.3 高齢者での体内薬物動態試験で、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度が非高齢者に比べて高かった。

10. 相互作用

  • 本剤は、主に薬物代謝酵素チトクロームP450 2C9(CYP2C9)により活性代謝物であるカルボン酸体に代謝される。

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

アリスキレン

  • ラジレス

(糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)

非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。

レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

カリウム保持性利尿剤:

  • スピロノラクトン
  • トリアムテレン等

カリウム補給剤:

  • 塩化カリウム

アンジオテンシン変換酵素阻害剤

トリメトプリム含有製剤:

  • スルファメトキサゾール・トリメトプリム

血清カリウム上昇、高カリウム血症を起こすおそれがある。

カリウム貯留作用が増強するおそれがある。腎機能障害のある患者には特に注意すること。
また、本剤とアンジオテンシン変換酵素阻害剤及びカリウム保持性利尿剤の3剤併用の場合には特に注意すること。

利尿降圧剤:

  • フロセミド
  • トリクロルメチアジド等

一過性の血圧低下を起こすおそれがある。本剤の投与を低用量から開始し、増量する場合は徐々に行うこと。

利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。

アリスキレン

腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。

レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

アンジオテンシン変換酵素阻害剤

急性腎障害、高カリウム血症のリスクが増加するとの報告がある。また、低血圧を起こすおそれがある。

レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

非ステロイド性消炎鎮痛剤:

  • インドメタシン等

降圧作用が減弱されるおそれがある。

プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。

非ステロイド性消炎鎮痛剤:

  • インドメタシン等

腎機能が悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。

プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。

リチウム:

  • 炭酸リチウム

リチウム中毒が報告されている。血中リチウム濃度に注意すること。

本剤のナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)

    不快感、口内異常感、発汗、蕁麻疹、呼吸困難、全身潮紅、浮腫等があらわれることがある。

  2. 11.1.2 血管浮腫(頻度不明)

    顔面、口唇、咽頭、舌等の腫脹があらわれることがある。

  3. 11.1.3 急性肝炎又は劇症肝炎(いずれも頻度不明)
  4. 11.1.4 腎不全(頻度不明)
  5. 11.1.5 ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)

    冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。,,

  6. 11.1.6 横紋筋融解症(頻度不明)

    筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

  7. 11.1.7 高カリウム血症(頻度不明)
  8. 11.1.8 不整脈(頻度不明)

    心室性期外収縮、心房細動等の不整脈があらわれることがある。

  9. 11.1.9 汎血球減少、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
  10. 11.1.10 低血糖(頻度不明)

    脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。糖尿病治療中の患者であらわれやすい。

  11. 11.1.11 低ナトリウム血症(頻度不明)

    倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

頻度不明

精神神経系

頭痛、めまい、不眠、浮遊感

耳鳴、眠気

循環器系

低血圧、起立性低血圧、胸痛

調律障害(頻脈等)、動悸

消化器

口角炎、嘔吐・嘔気、胃不快感、胃潰瘍

口内炎、下痢、口渇

肝臓

肝機能障害(AST上昇、ALT上昇、LDH上昇等)

黄疸

腎臓

BUN上昇、クレアチニン上昇

皮膚

発疹、そう痒

蕁麻疹、多形紅斑、光線過敏、紅皮症、紅斑

血液

赤血球減少、ヘマトクリット低下、好酸球増多

貧血

その他

ほてり、倦怠感、無力症/疲労、浮腫、筋肉痛、総コレステロール上昇、CK上昇、血中尿酸値上昇

咳嗽、発熱、味覚障害、しびれ感、眼症状(かすみ、異和感等)、関節痛、筋痙攣、女性化乳房、勃起不全

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    健康成人にロサルタンカリウム25及び50mgを空腹時に1回経口投与した場合、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度はそれぞれ投与約1時間及び約3時間でピークに達し、半減期は約2時間及び約4時間であり、カルボン酸体のAUC(血漿中濃度曲線下面積)はロサルタンの約7倍であった3)

  2. 16.1.2 反復投与

    健康成人にロサルタンカリウム100mgを1日1回7日間連続経口投与した場合の血漿中濃度から、ロサルタン及びカルボン酸体の蓄積性は認められなかった4)

16.2 吸収

健康成人にロサルタンカリウム100mgを食後及び空腹時に1回経口投与した場合、吸収速度は食後投与で低下したが、吸収量の減少は僅かであった3)

16.4 代謝

健康成人にロサルタンカリウム25、50、100又は200mg注)を1回経口投与した場合、速やかに吸収され、主に肝臓において主代謝物であるカルボン酸体(イミダゾール環の5-ヒドロキシメチル基の酸化物)に変換される3)

16.5 排泄

健康成人にロサルタンカリウム25、50、100又は200mg注)を1回経口投与した場合、投与後30時間までのロサルタン及びカルボン酸体の尿中排泄率は各投与量のそれぞれ3.2~4.1%及び6.1~7.9%であった3)
健康成人に14C標識ロサルタンカリウムを1回経口投与したとき、放射能の尿中及び糞中総排泄率はそれぞれ約35及び58%であった(外国人データ)。

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎障害患者

    腎障害を伴う高血圧症患者に、ロサルタンカリウム50mgを食後1回経口投与した場合、血清クレアチニン値の高い群ほどロサルタン並びにカルボン酸体の最高血漿中濃度(Cmax)及びAUCは大きな値を示した。血清クレアチニン値3.0mg/dL以上の群では1.5mg/dL未満の群に比較してロサルタンのCmax及びAUCは2.4及び2.2倍に、カルボン酸体では1.6及び2.0倍の値を示した5)

  2. 16.6.2 透析患者

    高血圧症を伴う透析患者に、ロサルタンカリウム50mgを空腹時に1回経口投与した場合、ロサルタンのCmax及びAUCはいずれも増加し、健康成人男子及び高血圧症患者と比較してロサルタンのCmax及びAUCはそれぞれ約2及び3~4倍の値を示した6)
    透析患者にロサルタンを投与したとき、ロサルタン及びカルボン酸体は透析により血漿中から除去されないことが報告されている(外国人データ)。

  3. 16.6.3 高齢者

    健康高齢者及び健康非高齢者に、ロサルタンカリウム50mgを空腹時に1回経口投与した場合、ロサルタンの吸収速度及び血漿中からの消失に差はみられなかったが、高齢者ではロサルタンのCmax及びAUCは非高齢者の約2倍を示した。一方、高齢者におけるカルボン酸体の平均Cmax及びAUCは、非高齢者に比べてそれぞれ約25及び27%の軽度な増加であった。

注)本剤の承認された1回用量は25~100mgである。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  • 〈高血圧症〉
    1. 17.1.1 国内臨床試験

      国内で実施された二重盲検比較試験を含む臨床試験において、降圧効果判定採用576例の臨床効果の概要は次のとおりである。

      疾患名

      例数

      下降以上の例数(有効率)

      軽・中等症本態性高血圧症

      509

      355(69.7%)

      重症高血圧症

      34

      21(61.8%)

      腎障害を伴う高血圧症

      26

      17(65.4%)

      その他

      7

      6(85.7%)

      576

      399(69.3%)

      なお、65歳以上の高齢者における降圧効果については、高齢者の有効率が69.6%(125例中87例)であり、非高齢者群(451例中312例、69.2%)と同様であった。
      また、軽・中等症本態性高血圧症患者を対象とした二重盲検比較試験において、降圧効果に関するエナラプリルマレイン酸塩との同等性が検証され、本剤の有用性が認められている。咳の発現率は、エナラプリルマレイン酸塩の13.5%(19件)に対し、本剤では解析対象例に咳の発現は認められなかった7)

    2. 17.1.2 国内長期投与試験

      第Ⅱ相後期試験で下降と判定され、1年以上の長期投与を行った61例中51例(83.6%)で降圧効果が維持された。

    3. 17.1.3 海外第Ⅲ相試験

      アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤による咳の既往を有する患者を対象とした二重盲検比較試験で、リシノプリル投与群の咳の再発現率(71.7%)は、ヒドロクロロチアジド投与群(34.1%)及びロサルタン投与群(29.2%)より有意に高く、ロサルタン投与群はヒドロクロロチアジド投与群と同程度であった8)

  • 〈高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症〉
    1. 17.1.4 国際共同第Ⅲ相試験

      国際共同試験として実施された二重盲検比較試験(RENAAL試験)において1,513例(日本人96例を含む)が評価された。本試験の主要エンドポイントは、血清クレアチニン値倍増、末期腎不全(透析あるいは腎移植の必要性)及び死亡の複合エンドポイントであった。本剤(327例)は、プラセボ(359例)に比べて、主複合エンドポイントに到達するリスクを16.1%軽減(p=0.022)させた。さらに、本剤治療群において、血清クレアチニン値倍増で25.3%(p=0.006)、末期腎不全で28.6%(p=0.002)、末期腎不全又は死亡で19.9%(p=0.009)、血清クレアチニン値倍増又は末期腎不全で21.0%(p=0.010)のリスク軽減が認められた。エンドポイント構成要素である全原因による死亡率については、両治療群間で有意な差はみられなかった。本試験の二次エンドポイントは、尿蛋白の変化量、腎症の悪化率、心血管系疾患の罹病率及び死亡率の複合(心不全による入院、心筋梗塞、血行再建術、脳卒中、不安定狭心症による入院又は心血管系疾患による死亡)であった。本剤を平均3.4年以上投与された群において、尿蛋白量が平均で34.3%低下(p<0.001)した。また、本剤は、血清クレアチニン値の逆数の傾きにより評価される腎機能低下率を13.9%(p=0.003)低下させた(低下率の中央値18.5%、p=0.01)。一方、心血管系疾患の罹病率及び死亡率の複合エンドポイントでは、本剤治療群(247例)とプラセボ群(268例)との間に有意な差はみられなかったが、これは本試験がこのような効果に対する検出力を持ち合わせていなかったためである。なお、本試験における本剤の忍容性は良好であり、副作用による中止例の割合はプラセボ群と同等であった9)
      副作用は751例(日本人44例を含む)中129例(17.2%)に認められた。主な副作用は、めまい34例(4.5%)、高カリウム血症28例(3.7%)、低血圧19例(2.5%)、無力症/疲労12例(1.6%)であった。また、臨床検査値の異常変動は、111例(14.8%)に認められた。主な臨床検査値の異常変動は、血清カリウム上昇89例(11.9%)、クレアチニン上昇30例(4.0%)、BUN上昇10例(1.3%)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

ロサルタンカリウムは経口投与後速やかに吸収され、その一部が主代謝物であるカルボン酸体に変換される。ロサルタン及びカルボン酸体は、いずれも生理的昇圧物質であるアンジオテンシンⅡ(A-Ⅱ)に対して、その受容体において特異的に拮抗し、降圧効果を発揮する。

18.2 アンジオテンシン受容体拮抗作用

  1. 18.2.1 A-Ⅱ受容体にはサブタイプが知られており、ロサルタン及びカルボン酸体は、AT1受容体と選択的に結合し、A-Ⅱの生理作用を阻害するが、アゴニスト作用は示さない10) ,11) ,12) 。ブラジキニン分解酵素であるACE(キニナーゼⅡ)には直接の影響を及ぼさない13)
  2. 18.2.2 実験動物(ラット、サル等)に対する外因性A-Ⅱ昇圧反応を抑制する11) ,12)

18.3 降圧作用

ロサルタンカリウム及びカルボン酸体は高血圧自然発症ラット14) ,15) 、腎性高血圧ラット14) ,16) 、高血圧自然発症イヌ17) 、脳卒中易発症高血圧自然発症ラット18) 等の高血圧モデル動物において、血圧を下降させ、連続経口投与中安定した降圧効果を示す。また、血圧の下降に伴う心拍数の増加を認めず、投与中止に伴う血圧のリバウンド現象は生じない14)

18.4 腎保護作用

ロサルタンは腎の輸出細動脈を選択的に拡張させ、糸球体内圧を低下させることにより糸球体への過剰負荷を改善する19) 。また、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラット(インスリン依存性糖尿病モデル)20) 、自然発症インスリン非依存性糖尿病マウス21) 、5/6腎切除ラット22) 等、糖尿病及び非糖尿病性の腎障害モデル動物において尿中蛋白排泄量の増加並びに腎組織障害を抑制する。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ロサルタンカリウム(Losartan Potassium)

化学名

Monopotassium 5-{[4'-(2-butyl-4-chloro-5-hydroxymethyl-1H-imidazol-1-yl)methyl]biphenyl-2-yl}-1H-tetrazol-1-ide

分子式

C22H22ClKN6O

分子量

461.00

性状

白色の結晶性の粉末である。
水に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすい。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

開封後は湿気を避けて保存すること。

22. 包装

  • ニューロタン錠25mg
    • 100錠[10錠(PTP)×10]
      500錠[10錠(PTP)×50]
      700錠[14錠(PTP)×50]
      500錠[瓶、乾燥剤入り]
  • ニューロタン錠50mg
    • 100錠[10錠(PTP)×10]
      500錠[10錠(PTP)×50]
      700錠[14錠(PTP)×50]
      1000錠[10錠(PTP)×100]
      500錠[瓶、乾燥剤入り]
  • ニューロタン錠100mg
    • 100錠[10錠(PTP)×10]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

*オルガノン株式会社 カスタマーサポートセンター

東京都港区南青山1-24-3

フリーダイヤル 0120-095-213

26. 製造販売業者等

26.1 *製造販売元

オルガノン株式会社

東京都港区南青山1-24-3