**ベクロメタゾン点鼻液50μg「サワイ」


作成又は改訂年月

**2014年12月改訂(第12版)

*2012年4月改訂

日本標準商品分類番号

871329

薬効分類名

吸入式鼻過敏症治療剤

承認等

販売名
**ベクロメタゾン点鼻液50μg「サワイ」

販売名コード

1329702R3195

承認・許可番号

**承認番号
22600AMX00851000
商標名
BECLOMETASONE

薬価基準収載年月

2014年12月

販売開始年月

1998年7月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

外箱等に表示

注意

「取扱い上の注意」の項参照

規制区分

処方箋医薬品

注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

ベクロメタゾン点鼻液50μg「サワイ」は、1g中に日局ベクロメタゾンプロピオン酸エステル1mgを含有する定量噴霧式懸濁剤である。
添加物として、カルメロースNa、クエン酸、グリセリン、結晶セルロース、プロピレングリコール、ベンザルコニウム塩化物、ポリソルベート80を含有する。
なお、1回噴霧中には日局ベクロメタゾンプロピオン酸エステル50μgを含む。

組成及び性状の表

剤形 性状 
点鼻剤 白色の不透明な懸濁液
内容物は約8.5gである 

一般的名称

ベクロメタゾンプロピオン酸エステル点鼻液

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者〔症状を増悪するおそれがある。〕

2.
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

原則禁忌

(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)

結核性疾患の患者〔症状を増悪するおそれがある。〕

効能又は効果

アレルギー性鼻炎・血管運動性鼻炎

用法及び用量

こう鼻後十分の呼吸を行わせ、吸気の際に本剤を1側鼻孔より1回噴霧し、この際他側の鼻孔は指で閉鎖する。次いで他側鼻孔に同様の操作を行う。
成人は、通常1回上記1操作の吸入(ベクロメタゾンプロピオン酸エステルとして100μg)を、1日4回鼻腔内に噴霧吸入する。小児は、通常1回上記1操作の吸入(ベクロメタゾンプロピオン酸エステルとして100μg)を、1日2回鼻腔内に噴霧吸入する。なお、年齢・体重・症状により適宜増減するが、1日の最大投与量は、成人では16吸入、小児では8吸入を限度とする。また、症状の緩解がみられた場合は、その後の経過を観察しながら減量する。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
感染症の患者〔症状を増悪するおそれがある。〕

2.
反復性鼻出血の患者〔出血を増悪するおそれがある。〕

3.
高血圧の患者〔血圧上昇を起こすおそれがある。〕

4.
糖尿病の患者〔症状を増悪するおそれがある。〕

重要な基本的注意

1.
喘息発作重積状態又は喘息の急激な悪化状態のときには原則として本剤は使用しないこと。

2.
重症な肥厚性鼻炎や鼻茸の患者では、本剤の鼻腔内での作用を確実にするため、これらの症状がある程度減少するよう他の療法を併用するとよい。

3.
本剤の投与期間中に鼻症状の悪化がみられた場合には、抗ヒスタミン剤あるいは、全身性ステロイド剤を短期間併用し、症状の軽減に併せて併用薬剤を徐々に減量すること。

4.
本剤には持続効果が認められるので、特に通年性の患者において長期に使用する場合は、症状の改善状態が持続するようであれば、本剤の減量又は休薬につとめること。

5.
全身性ステロイド剤の減量は本剤の吸入開始後症状の安定をみて徐々に行う。減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準ずる。

6.
長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者では副腎皮質機能不全が考えられるので、全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。

7.
全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、気管支喘息、ときに湿疹、蕁麻疹、眩暈、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎等の症状が発現・増悪することがある(このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと)。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

(頻度不明) 

:外国において、眼圧亢進、緑内障が報告されている。このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明 
過敏症注1) 紅斑、そう痒、浮腫、蕁麻疹等の発疹 
鼻腔 鼻症状(刺激感、そう痒感、乾燥感、不快感)注2)、くしゃみ発作、鼻出血注2)、感染注2)、異臭感、嗅覚障害 
口腔並びに呼吸器 咽喉頭症状(刺激感、異物感)、感染注2) 
消化器 悪心、嘔吐、下痢、食欲不振 
循環器 高血圧 
精神神経系 頭痛、めまい 
その他 鼻中隔穿孔注3)、気管支喘息の発現・増悪 

上記のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。

注1)投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

注2)吸入回数を減少させるか、吸入を中止すること。

注3)鼻内噴霧用コルチコステロイド剤使用後に、鼻中隔穿孔が認められたとの報告がある。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔本剤は動物実験(ラット)で催奇形作用が報告されている。〕

小児等への投与

1.
本剤はステロイド剤であることを考慮し、非ステロイド系薬剤によって諸症状の緩解が得られない場合に使用すること。

2.
長期、大量使用により発育障害を来すおそれがある。使用にあたっては、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。

3.
低出生体重児、新生児、乳児又は5才以下の幼児に対する安全性は確立していないので、慎重に投与すること。

過量投与

過量投与により、下垂体・副腎皮質系機能抑制があらわれることがある。この抑制が長期にわたった場合、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある。このような場合には、全身性ステロイド療法を中止する手順で本剤を徐々に減量すること。

その他の注意

レセルピン系製剤、α-メチルドパ製剤等の降圧剤には、副作用として鼻閉がみられることがある。このような降圧剤服用中のアレルギー性鼻炎又は血管運動性鼻炎の患者に、本剤を投与すると、鼻閉症状に対する本剤の効果が隠蔽されるおそれがあるので、臨床的観察を十分に行いながら投与すること。

薬効薬理

1.
ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの局所消炎作用はベタメタゾンよりも強く、消炎、抗アレルギー作用等を示す。
鼻腔内投与した場合、鼻腔粘膜に吸収された後速やかに不活性体に代謝されるため、副腎皮質ホルモンの重篤な副作用である下垂体・副腎皮質系機能の抑制作用は比較的弱い。

2.
モルモット鼻アレルギーモデルにおいて鼻腔抵抗の上昇抑制及びラット鼻灌流モデルにおいて色素の漏出抑制を比較したところ、本剤は対照品(1mg/gベクロメタゾンプロピオン酸エステル吸入剤)と有意な差はみられなかった。1)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル
(Beclometasone Dipropionate)

化学名
9-Chloro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 17,21-dipropanoate

分子式
C28H37ClO7

分子量
521.04

融点
約208℃(分解)

構造式

性状
ベクロメタゾンプロピオン酸エステルは白色〜微黄色の粉末である。メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)又は1,4-ジオキサンにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。

取扱い上の注意

1.
取扱い上の注意

(1)
患者には「鼻用定量噴霧器の使用方法」を記載した添付の携帯袋を渡し、使用方法を指導すること。

(2)
季節性の疾患に対しては、好発期を考えて、その直前から始めるのが理想的で、抗原との接触がなくなるまで続けることが望ましい。

(3)
吸入前に容器をよく振ること(ただし強く振りすぎないこと)。

(4)
初回使用時には空打ちをしっかり行うこと。

(5)
噴霧口を針やピンなどで突かないこと。

2.
安定性試験
ポリエチレン容器に充てんしたものを用いた長期保存試験(室温、3年間)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。2)

包装

1瓶(8.5g)×10

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
沢井製薬(株)社内資料[薬効薬理に関する資料]

2)
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]

文献請求先

〔主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい〕

沢井製薬株式会社 医薬品情報センター

〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30

TEL:0120-381-999

FAX:06-6394-7355

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

*製造販売元
沢井製薬株式会社

大阪市淀川区宮原5丁目2-30