ドルモロール配合点眼液「わかもと」


作成又は改訂年月

** 2021年6月改訂 (第5版)

* 2018年12月改訂

日本標準商品分類番号

871319

薬効分類名

炭酸脱水酵素阻害剤/β−遮断剤配合剤 緑内障・高眼圧症治療剤

承認等

販売名
ドルモロール配合点眼液「わかもと」

販売名コード

1319819Q1054

承認・許可番号

承認番号
23000AMX00306
商標名
DORMOLOL COMBINATION OPHTHALMIC SOLUTION 「WAKAMOTO」

薬価基準収載年月

2018年6月

販売開始年月

2018年6月

貯法・使用期限等

貯法

遮光、気密容器、室温保存

使用期間

3年

使用期限

外箱、容器に記載あり

基準名

**日本薬局方

ドルゾラミド塩酸塩・チモロールマレイン酸塩点眼液

規制区分

処方箋医薬品注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量(1mL中)

ドルゾラミド塩酸塩11.13mg(ドルゾラミドとして10mg)、チモロールマレイン酸塩6.83mg(チモロールとして5mg)を含有

添加物

ヒドロキシエチルセルロース、D-マンニトール、クエン酸ナトリウム水和物、濃ベンザルコニウム塩化物液50、pH調節剤を含有

性状

性状・剤形

無色澄明のわずかに粘稠性のある水性点眼剤
(無菌製剤)

pH

5.5〜5.8

浸透圧比

0.95〜1.25(生理食塩液に対する比)

一般的名称

ドルゾラミド塩酸塩

チモロールマレイン酸塩

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
気管支喘息、又はその既往歴のある患者、気管支痙攣、重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者[β-受容体遮断による気管支平滑筋収縮作用により、喘息発作の誘発・増悪がみられるおそれがある。]

2.
コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(IIIII度)、心原性ショックのある患者[β-受容体遮断による陰性変時・変力作用により、これらの症状を増悪させるおそれがある。]

3.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4.
重篤な腎障害のある患者[ドルゾラミド塩酸塩及びその代謝物は主に腎より排泄されるため、体内に蓄積が起こるおそれがある。]

効能又は効果

次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分な場合:緑内障、高眼圧症

効能又は効果に関連する使用上の注意

単剤での治療を優先すること。

用法及び用量

1回1滴、1日2回点眼する。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
肺高血圧による右心不全のある患者[β-受容体遮断による陰性変時・変力作用により、症状を増悪させるおそれがある。]

2.
うっ血性心不全のある患者[β-受容体遮断による陰性変時・変力作用により、症状を増悪させるおそれがある。]

3.
糖尿病性ケトアシドーシス及び代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。]

4.
コントロール不十分な糖尿病のある患者[低血糖症状をマスクすることがあるので血糖値に注意すること。]

5.
肝機能障害のある患者[使用経験がない。]

6.
眼内手術の既往等のある患者[角膜内皮細胞数の減少により角膜浮腫の発現が増加する可能性がある。]

重要な基本的注意

1.
本剤は1mL中にドルゾラミドとして10mgとチモロールとして5mgを含む配合点眼液であり、ドルゾラミド塩酸塩とチモロールマレイン酸塩双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。

2.
全身的に吸収され、β-遮断剤又はスルホンアミド系薬剤の全身投与時と同様の副作用があらわれることがあるので、注意すること。特に、重篤な副作用もしくは過敏症状があらわれた場合には投与を中止すること。

3.
縮瞳剤からチモロールマレイン酸塩製剤に切り替えた場合、縮瞳作用の消失に伴い、屈折調整を必要とすることがあることから、本剤投与の際も注意すること。

4.
急性閉塞隅角緑内障に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外に手術療法などを考慮すること。

相互作用

本剤の配合成分であるドルゾラミドは、主としてCYP2C9、2C19及び3A4によって代謝される1)。一方の配合成分であるチモロールは、主としてCYP2D6によって代謝される2)

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等
*オミデネパグ イソプロピル

臨床症状・措置方法
チモロールマレイン酸塩との併用例で結膜充血等の眼炎症性副作用の発現頻度の上昇が認められた。

機序・危険因子
機序不明

薬剤名等
アドレナリン、ジピベフリン塩酸塩

臨床症状・措置方法
散瞳作用が助長されたとの報告がある。

機序・危険因子
機序不明

薬剤名等
カテコールアミン枯渇剤(レセルピン等)

臨床症状・措置方法
交感神経系に対し、過剰の抑制を来すことがあり、低血圧、徐脈を生じ、眩暈、失神、起立性低血圧を起こすことがある。

機序・危険因子
カテコールアミンの枯渇を起こす薬剤は、β-受容体遮断作用を相加的に増強する可能性がある。

薬剤名等
β遮断剤(全身投与)(アテノロール、プロプラノロール塩酸塩、メトプロロール酒石酸塩等)

臨床症状・措置方法
眼圧下降あるいはβ-遮断剤の全身的な作用が増強されることがある。

機序・危険因子
作用が相加的にあらわれることがある。

薬剤名等
カルシウム拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等)

臨床症状・措置方法
房室伝導障害、左室不全、低血圧を起こすおそれがある。

機序・危険因子
相互に作用が増強される。

薬剤名等
ジギタリス製剤(ジゴキシン、ジギトキシン)

臨床症状・措置方法
心刺激伝導障害(徐脈、房室ブロック等)があらわれるおそれがあるので、心機能に注意する。

機序・危険因子
相加的に作用(心刺激伝導抑制作用)を増強させる。

薬剤名等
CYP2D6阻害作用を有する薬剤(キニジン硫酸塩水和物、選択的セロトニン再取り込み阻害剤等)

臨床症状・措置方法
β-受容体遮断作用(例えば心拍数減少、徐脈)の増強が報告されている。

機序・危険因子
これらの薬剤は本剤の成分であるチモロールの薬物代謝酵素チトクロムP450(CYP2D6)を阻害し、チモロールの血中濃度が上昇する可能性がある。

薬剤名等
炭酸脱水酵素阻害剤(全身投与)(アセタゾラミド)

臨床症状・措置方法
炭酸脱水酵素阻害剤の全身的な作用に対して相加的な作用を示す可能性がある。

機序・危険因子
作用が相加的にあらわれる可能性がある。

薬剤名等
アスピリン(大量)

臨床症状・措置方法
本剤を大量のアスピリンと併用すると、双方又は一方の薬剤の副作用が増強される可能性がある。

機序・危険因子
経口炭酸脱水酵素阻害剤では次のようなことが報告されている。アスピリンは炭酸脱水酵素阻害剤の血漿蛋白結合と腎からの排泄を抑制し、炭酸脱水酵素阻害剤は血液のpHを低下させ、サリチル酸の血漿から組織への移行を高める可能性がある。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。(再審査対象外)

重大な副作用

1. 眼類天疱瘡(頻度不明)
結膜充血、角膜上皮障害、乾性角結膜炎、結膜萎縮、睫毛内反、眼瞼眼球癒着等が発現することがある。

2. 気管支痙攣、呼吸困難、呼吸不全(頻度不明)
3. 心ブロック、うっ血性心不全、脳虚血、心停止、脳血管障害(頻度不明)
4. 全身性エリテマトーデス(頻度不明)
5. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)

重大な副作用の注意

上記のような副作用があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明 
眼刺激症状(しみる・灼熱感・異物感・流涙・疼痛・そう痒感等)、角膜炎、結膜充血、点眼直後にみられる眼のかすみ、角膜知覚低下、複視、霧視・視力低下等の視力障害、角膜びらん・角膜上皮障害等の角膜障害、眼瞼炎(アレルギー性眼瞼炎を含む)、眼乾燥感、眼痛、眼瞼下垂、眼脂、羞明、結膜浮腫、眼瞼発赤、眼瞼浮腫、白色の結膜下沈着物、結膜炎(アレルギー性結膜炎を含む)、べとつき感

眼(無水晶体眼又は眼底に病変のある患者等に長期連用した場合)
頻度不明 
眼底黄斑部に浮腫、混濁(定期的に視力測定、眼底検査を行うなど観察を十分に行うこと)

循環器
頻度不明 
失神、浮腫、レイノー現象、四肢冷感、動悸、徐脈等の不整脈、低血圧

精神神経系
頻度不明 
頭痛、抑うつ、重症筋無力症の増悪、悪夢、感覚異常、浮動性めまい、不眠

消化器
頻度不明 
下痢、消化不良、悪心、口渇、腹痛

その他
頻度不明 
脱力感、耳鳴、不快、胸部圧迫感、発疹、倦怠感、咳、苦味、四肢のしびれ、筋肉痛、味覚異常

その他の副作用の注意

上記のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。なお、本剤の成分であるドルゾラミド塩酸塩の動物実験(ウサギ、経口)において、母動物に代謝性アシドーシスを生じる用量を投与したとき、胎児の中軸骨格奇形が報告されている。]

2.
本剤投与中は授乳を中止させること。[ヒト母乳中へ移行することがある。]

(参考)
本剤の成分であるチモロールマレイン酸塩において、器官形成期のラットに500mg/kg/dayを経口投与した試験で骨化遅延が、マウスに1,000mg/kg/day、ウサギに200mg/kg/dayを経口投与した試験で死亡胎児数の増加が認められている。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

適用上の注意

1. 投与経路
点眼用にのみ使用すること。

2. 薬剤交付時
次のことを患者へ指導すること。

(1)
原則として結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼と共に涙嚢部を圧迫すること。

(2)
点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。

(3)
点眼のとき、液が眼瞼皮膚等についた場合には、すぐふき取ること。

(4)
他の点眼剤と併用する場合には、5分間以上の間隔をあけて投与すること。

(5)
本剤投与により高度の流涙を伴う眼刺激症状が発現した場合には、薬剤が洗い流され、所期の効果が得られないことがある。

(6)
必ず添付の投薬袋に入れて保存すること。

薬物動態

生物学的同等性試験
ドルモロール配合点眼液「わかもと」は、標準製剤の分析結果に基づき添加剤の種類及び含量(濃度)が標準製剤と同一となるよう処方設計を行ったものであり、pH、粘度、浸透圧などの物理化学的性質が近似することから、生物学的に同等とみなされた。

薬効薬理

1. ドルゾラミド塩酸塩
炭酸脱水酵素阻害薬であり、眼房水の産生にかかわるII型炭酸脱水酵素を特異的に阻害する3)

2. チモロールマレイン酸塩
アドレナリンβ受容体の非選択的遮断薬。身体各所でβ受容体刺激効果を抑制する4)。眼圧下降作用の主たる機序は、β受容体遮断作用により、眼房水の産生抑制によるものであると考えられている5)

有効成分に関する理化学的知見

1. ドルゾラミド塩酸塩

一般名
ドルゾラミド塩酸塩(Dorzolamide Hydrochloride)

化学名
(4S,6S)-4-Ethylamino-6-methyl-5,6-dihydro-4H-thieno[2,3-b]thiopyran-2-sulfonamide 7,7-dioxide monohydrochloride

構造式

分子式
C10H16N2O4S3・HCl

分子量
360.90

性状
本品は白色の結晶性の粉末である。
本品は水にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。本品は薄めたアンモニア水(28)(13→400)に溶ける。
旋光度 〔α〕404.725:-16.0〜-17.5°(脱水物に換算したもの0.25g、水、25mL、100mm)。
本品は結晶多形が認められる。

2. チモロールマレイン酸塩

一般名
チモロールマレイン酸塩(Timolol Maleate)

化学名
(2S)-1-[(1,1-Dimethylethyl)amino]-3-(4-morpholin-4-yl-1,2,5-thiadiazol-3-yloxy)propan-2-ol monomaleate

構造式

分子式
C13H24N4O3S・C4H4O4

分子量
432.49

性状
本品は白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。
本品は酢酸(100)に溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けやすい。本品は0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
融点:約197℃(分解)

取扱い上の注意

安定性試験
加速試験(40±1℃、相対湿度75±5%、6ヵ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された6)

包装

ドルモロール配合点眼液「わかもと」:5mL×5本、5mL×10本

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Wong, B. K. et al.:ISSX Proceedings, 8:140, 1995

2)
Lennard, M. S. et al.:Br. J. Clin. Pharmacol.,27(4):429, 1989

3)
第十七改正日本薬局方解説書(廣川書店),C-3545(2016)

4)
第十七改正日本薬局方解説書(廣川書店),C-3131(2016)

5)
高瀬正彌:眼科臨床医報, 77(2), 157(1983)

6)
ドルモロール配合点眼液「わかもと」の研究報告〔安定性試験〕(社内資料)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
わかもと製薬株式会社 メディカルインフォメーション

〒103-8330 東京都中央区日本橋本町二丁目2番2号

TEL 03-3279-0379

FAX 03-3279-1272

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
わかもと製薬株式会社

東京都中央区日本橋本町二丁目2番2号