タリムス点眼液0.1%


作成又は改訂年月

** 2018年7月改訂 (第8版)

* 2018年3月改訂

日本標準商品分類番号

871319

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
1993年4月

薬効分類名

春季カタル治療剤

承認等

タリムス点眼液0.1%

販売名コード

1319755Q1028

承認・許可番号

承認番号
22000AMX00017
商標名
TALYMUS OPHTHALMIC SUSPENSION 0.1%

薬価基準収載年月

2008年4月

販売開始年月

2008年5月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存

使用期限

製造後3年(使用期限内であっても、開栓後は速やかに使用すること。)

規制区分

劇薬

処方箋医薬品注)

注)注意─医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量(1mL中)

タクロリムス水和物1.02mg(タクロリムスとして1mg)

添加物

ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ベンザルコニウム塩化物、塩化ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム、リン酸、水酸化ナトリウム

性状

剤形

水性懸濁点眼剤

白色

pH

4.3〜5.5

浸透圧比

生理食塩液に対する比:0.9〜1.1

その他

無菌製剤

一般的名称

タクロリムス水和物懸濁点眼液

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.
眼感染症のある患者
[免疫抑制により感染症が悪化する可能性がある]

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

春季カタル(抗アレルギー剤が効果不十分な場合)

効能又は効果に関連する使用上の注意

眼瞼結膜巨大乳頭の増殖が認められ、抗アレルギー剤により十分な効果が得られないと判断した場合に使用すること。

用法及び用量

用時よく振り混ぜたのち、通常、1回1滴を1日2回点眼する。

使用上の注意

重要な基本的注意

1.
本剤の使用は、春季カタルの治療法に精通している医師のもとで行うこと。

2.
本剤投与により感染症が発現又は増悪するおそれがあり、他の免疫抑制作用を有する薬剤との併用時には、その可能性が更に高まるおそれがあるので十分注意すること。

3.
使用後、眼部熱感、眼刺激等が高頻度に認められるので、その旨を患者に説明すること。

4.
本剤を長期にわたり投与する場合には観察を十分に行い、漫然と投与しないこと。また、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5.
緑内障患者に投与する場合は、眼圧が上昇することがあるため、本剤投与中は定期的に眼圧検査を実施すること。

副作用

副作用等発現状況の概要

承認時での総症例86例中、副作用は55例(64.0%)に認められた。主な副作用は眼の異常感(眼部熱感、眼の異物感、眼の違和感)38例(44.2%)、眼刺激18例(20.9%)、流涙増加10例(11.6%)であった(承認時)。

その他の副作用

その他の副作用の表

  5%以上 0.1〜5%未満 頻度不明 
過敏症注)     接触性皮膚炎 
注) (40%以上)
眼の異常感(眼部熱感、眼の異物感、眼の違和感)
(20〜40%未満)
眼刺激
(10〜20%未満)
流涙増加 
眼精疲労、眼乾燥、眼脂、眼痛、眼充血、羞明、点状角膜炎 眼そう痒症、眼部不快感、上眼瞼重圧感、眼瞼そう痒症、眼瞼浮腫、眼瞼炎、霰粒腫、瞼板腺炎、結膜充血、結膜浮腫、結膜炎、結膜びらん、結膜沈着物、角膜びらん、角膜潰瘍、角膜混濁、前房のフレア、前房内細胞、閃輝性融解、霧視、視力低下、緑内障増悪、眼圧上昇 
呼吸器注)   咽喉刺激感、咽喉頭疼痛、咽頭感覚鈍麻 鼻部不快感 
感染症注)   ヘルペス性角膜炎、眼瞼ヘルペス 膿痂疹、麦粒腫、細菌性結膜炎、単純ヘルペスウイルス結膜炎、流行性角結膜炎、細菌性角膜炎 
その他注)   熱感[顔面]、好中球減少、単球増加 手指のしびれ感、AST(GOT)増加、γ-GTP増加、LDH増加、白血球数増加、白血球数減少、好中球増加、リンパ球減少、血中尿酸増加 

0.1%濃度製剤(本剤)の1日2回投与における成績に基づいて記載した。ただし、「頻度不明」には最長5年間の長期投与試験を含むそれ以外の用法での試験(0.01%濃度製剤及び0.03%濃度製剤による試験、1日2回を超える投与がなされた試験)及び使用成績調査で認められた副作用を記載した。
注)副作用が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。


高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
**妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ウサギ、経口投与)で催奇形作用、胎児毒性が認められたとの報告がある1)。ヒト(経口投与)で胎盤を通過することが報告されている2)。]

2.
授乳中の婦人には授乳を避けさせること。[母乳中へ移行する可能性がある。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児では安全性は確立していない(使用経験がない)。

適用上の注意

1. 投与経路
点眼用にのみ使用すること。

2. 投与時

(1)
点眼後1〜5分間閉瞼しながら涙嚢部を圧迫するよう指導すること。

(2)
点眼したときに液が眼瞼皮膚等についた場合は、すぐにふき取るよう指導すること。

(3)
点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。

(4)
他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分間以上の間隔をあけて点眼すること。

(5)
ベンザルコニウム塩化物がソフトコンタクトレンズに吸着することがあるので、コンタクトレンズを装着している場合は、点眼前に一旦レンズをはずし、十分な間隔をあけてから再度装着すること。

3. 薬剤交付時
患者に渡す際は、容器本体のフィルム(キャップ部分は含まない)を取り除かないよう指導すること[遮光性のあるフィルムにより、製品の品質を保持しているため]。

薬物動態

血中濃度

(1)
健康成人男子7例の片眼に本剤を1滴単回点眼したとき、全例でタクロリムスが検出され、Cmaxは0.086〜0.23ng/mL、tmaxは1又は3時間であった。
表1. 単回点眼時の全血中濃度

(2)
健康成人男子7例の両眼に本剤を1回1滴、4時間間隔で1日4回、10日間反復点眼したとき、全血中濃度から算出した薬物速度論的パラメータは表2のとおりであった。AUC及びCmaxが、第7日と第10日で大差ないことより第7日までに定常状態に達していたと考えられた。
表2. 反復点眼時の薬物動態パラメータ

†:各時期の第1回点眼後の時間。第1回点眼後13、9、11時間は、それぞれ第4回点眼後1時間、第3回点眼後1時間、第3回点眼後3時間に相当。
‡:第1日、第7日及び第10日のAUCはそれぞれAUC0-23h、AUC-1-23h、AUC-1-24h
※本剤の承認された用法・用量については、【用法・用量】の項を参照すること。

(3)
春季カタル患者に本剤を1回1滴、1日2回、4週間点眼したときの血中濃度は以下のとおりであった。

(4)
春季カタル患者に本剤を1回1滴、1日2回、約12週間(70〜97日間)点眼したときの血中濃度は以下のとおりであった(製造販売後臨床試験)。

(参考)

血中濃度〈成人腎移植患者〉3)
成人腎移植患者9例にタクロリムスカプセル0.16mg/kgを経口投与したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった。

血中濃度〈小児肝移植患者〉4)
小児肝移植患者(平均年齢5.3歳)においては、成人に比べ体重換算で2.7〜4.4倍の経口投与量で同程度の血中濃度が得られた(外国人でのカプセル投与時のデータ)。

血中濃度〈成人腎移植患者〉5)
成人腎移植患者9例にタクロリムスカプセル及び顆粒を同用量投与したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった。

注)血中トラフ濃度が20ng/mLを超える期間が長い場合、副作用が発現しやすくなる。

血中濃度〈ウサギ〉
ウサギの片眼に本剤を単回点眼したときの全血中AUC0-24hと静脈内投与時AUC0-24hとの比較より算出した点眼時の血中移行率は11.1%であった。

眼組織内移行〈ウサギ〉
ウサギの片眼にタクロリムス点眼剤0.1%(本剤)、0.3%又は1.0%を1滴単回点眼したとき、眼組織内タクロリムス濃度は投与量の増加とともに上昇する傾向を示し、結膜及び角膜に高度に分布した。ウサギの片眼にタクロリムス点眼剤0.3%を1回1滴、3時間間隔で1日4回、14日間反復点眼したときの眼組織内濃度は水晶体以外の組織では7日目までにほぼ定常状態に達した。水晶体については別に実施した6ヵ月間反復点眼試験において3ヵ月目までにほぼ定常状態に達した。

臨床成績

抗アレルギー点眼液が効果不十分な春季カタル患者(6歳以上)を対象に実施したプラセボ対照二重盲検群間比較試験において、プラセボ群に比し有意な臨床所見合計スコアの改善が認められた6)
†:眼瞼結膜充血、眼瞼結膜腫脹、眼瞼結膜濾胞、眼瞼結膜乳頭、眼瞼結膜巨大乳頭、眼球結膜充血、眼球結膜浮腫、輪部トランタス斑、輪部腫脹及び角膜上皮の重症度スコアの総和
図 臨床所見合計スコアの変化量

薬効薬理

1. 薬理作用7)

(1) ラット実験的アレルギー性結膜炎モデルに対する効果
タクロリムスの点眼は、卵白アルブミン誘発遅発型(I型)アレルギー性結膜炎モデルにおいて、結膜の好酸球及びT細胞の増加を抑制した。

(2) ウサギ実験的アレルギー性結膜炎モデルに対する効果
タクロリムスの点眼は、ツベルクリン誘発遅延型(IV型)アレルギー性結膜炎モデルにおいて、結膜の充血及び浮腫の発症を抑制した。

2. 作用機序
タクロリムスはカルシニューリン阻害作用8)により、in vitroにおけるヒト末梢血由来単核球からのサイトカイン(IL-2,IL-4,IL-5,IFN-γ)産生を抑制することが確認されている(IC50値:0.02〜0.11ng/mL)9)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
タクロリムス水和物
(Tacrolimus Hydrate)〔JAN〕

化学名
(3S, 4R, 5S, 8R, 9E, 12S, 14S, 15R, 16S, 18R, 19R, 26aS )-5, 19-Dihydroxy-3-{(1E )-2-[(1R, 3R, 4R )-4-hydroxy-3-methoxycyclohexyl]-1-methylethenyl}-14, 16-dimethoxy-4, 10, 12, 18-tetramethyl-8-(prop-2-en-1-yl)-15, 19-epoxy-5, 6, 8, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 24, 25, 26, 26a-hexadecahydro-3H -pyrido[2, 1-c ][1, 4]oxaazacyclotricosine-1, 7, 20, 21(4H, 23H )-tetrone monohydrate

構造式

分子式
C44H69NO12・H2O

分子量
822.03

性状
タクロリムス水和物は白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール又はエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、N, N -ジメチルホルムアミド又はエタノール(95)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。

包装

5mL×1

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
**Saegusa, T. et al.:基礎と臨床 26, 969, 1992

2)
**Zheng S et al.:Br J Clin Pharmacol. 76, 988, 2013

3)
石橋道男:移植, 29, 294, 1994.

4)
McDiarmid, S. V. et al.:Transplantation, 55, 1328, 1993.

5)
高原史郎:今日の移植, 12, 537, 1999.

6)
Ohashi, Y. et al.:J. Ocul. Pharmacol. Ther., 26, 165, 2010.

7)
Sengoku, T. et al.:Clin. Exp. Allergy, 33, 1555, 2003.

8)
Bram, R. J. et al.:Mol. Cell. Biol., 13, 4760, 1993.

9)
Sakuma, S. et al.:Int. Immunopharmacol., 1, 1219, 2001.

文献請求先

〈文献請求先・製品情報お問合せ先〉
千寿製薬株式会社 カスタマーサポート室

*〒541-0048 大阪市中央区瓦町三丁目1番9号

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受付時間 9:00〜17:30(土、日、祝日を除く)

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製造販売元
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*大阪市中央区瓦町三丁目1番9号

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