2021年 6月改訂 ( 第1版 ) |
日本薬局方
トリヘキシフェニジル塩酸塩錠
処方箋医薬品 注)
注) 注意―医師等の処方箋により使用すること処方箋医薬品 注)
注) 注意―医師等の処方箋により使用すること抗パーキンソン病薬はフェノチアジン系薬剤、レセルピン誘導体等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によってはこのような症状を増悪顕性化させることがある。
本剤の投与は、少量から開始し、観察を十分に行い慎重に維持量まで増量すること。また、他剤から本剤に切り替える場合には、他剤を徐々に減量しながら本剤を増量するのが原則である。
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
抗コリン作用により症状を増悪させるおそれがある。
抗コリン作用により症状を増悪させるおそれがある。
抗コリン作用により症状を増悪させるおそれがある。
抗コリン作用により発汗抑制が起こりやすい。
抗コリン作用により症状を増悪させるおそれがある。
精神神経系の副作用が起こりやすい。
悪性症候群が起こりやすい。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
せん妄、不安等の精神症状及び抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘等があらわれやすい。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|---|---|
抗コリン作用を有する薬剤(フェノチアジン系薬剤、三環系抗うつ剤等) |
腸管麻痺(食欲不振、悪心、嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがある。 |
相互に抗コリン作用が増強されるためと考えられている。 |
中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤、三環系抗うつ剤、モノアミン酸化酵素阻害剤等) |
本剤の作用が増強されることがある。 |
相互に中枢神経抑制作用が増強されるためと考えられている。 |
他の抗パーキンソン病薬 |
精神神経系の副作用が増強されることがある。 |
作用機序は明らかでない。 |
抗精神病薬、抗うつ薬及びドパミン作動系抗パーキンソン病薬との併用において、本剤及び併用薬の減量又は中止により、発熱、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇があらわれることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下があらわれることがある。
長期投与により閉塞隅角緑内障があらわれることがある。
頻度不明 |
|
---|---|
精神神経系 |
興奮、神経過敏、気分高揚、多幸症、見当識障害、眠気、運動失調、眩暈、頭痛、倦怠感 |
消化器 |
悪心、嘔吐、食欲不振、口渇、便秘 |
泌尿器 |
排尿困難、尿閉 |
過敏症 |
発疹 |
循環器 |
心悸亢進 |
眼 |
調節障害、散瞳 |
トリヘキシフェニジル塩酸塩を投与したパーキンソニズム患者において振戦、筋強剛、無動等の神経症状に対し改善が認められている。副作用は口渇が31.0%(9/29例)で最も多く、ついで食思不振24.1%(7/29例)、リビドー亢進24.1%(7/29例)が多かった6) 。
トリヘキシフェニジル塩酸塩(Trihexyphenidyl Hydrochloride)
(1RS)-1-Cyclohexyl-1-phenyl-3-(piperidin-1-yl)propan-1-ol monohydrochloride
C20H31NO・HCl
337.93
本品は白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。本品はエタノール(95)にやや溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けにくく、水に溶けにくく、無水酢酸に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約250℃(分解)
1) Bolin,R.R.:J Nerv Ment Dis.1960;131(3):256-259
2) Hussain,M.Z.:Can Med Assoc J.1971;104(5):420-421
3) Stephens,D.A.:Br J Psychiatry.1967;113(495):213-218
4) 社内資料:アーテン錠の血清中濃度[L70010001707]
5) Nation,R.L.:Xenobiotica.1978;8(3):165-169
6) 井上 尚英.:Intern Med.1972;30(5):907-915
7) Nose,T.et al.:Eur J Pharmacol.1970;10(1):83-86
8) Cunningham,R.W.et al.:J Pharmacol Exp Ther.1949;96(2):151-165
ファイザー株式会社 製品情報センター
〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7
学術情報ダイヤル 0120-664-467
FAX 03-3379-3053
ファイザー株式会社
東京都渋谷区代々木3-22-7