アルプラゾラム錠0.4mg「トーワ」/アルプラゾラム錠0.8mg「トーワ」


作成又は改訂年月

※※2023年3月改訂(第17版、相互作用の項)

※2020年10月改訂(第16版)

日本標準商品分類番号

871124

日本標準商品分類番号等

再評価結果公表年月(最新)
2003年2月(アルプラゾラム錠0.4mg「トーワ」)
−(アルプラゾラム錠0.8mg「トーワ」)

薬効分類名

マイナートランキライザー

承認等

販売名
アルプラゾラム錠0.4mg「トーワ」

販売名コード

YJコード
1124023F1100

承認・許可番号

承認番号
22000AMX00725
欧文商標名
ALPRAZOLAM TABLETS 0.4mg “TOWA”

薬価基準収載年月

2008年6月

販売開始年月

1996年7月

使用期限等

貯法:

室温保存

使用期限:

外箱、ラベルに記載

規制区分

向精神薬

処方せん医薬品

注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

1錠中の有効成分

日局 アルプラゾラム…0.4mg

添加物

乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg

性状

白色の素錠

識別コード/本体

Tw103

識別コード/包装

Tw103

外形/表

外形/裏

外形/側面

錠径(mm)

6.5

厚さ(mm)

2.5

質量(mg)

110

販売名
アルプラゾラム錠0.8mg「トーワ」

販売名コード

YJコード
1124023F2050

承認・許可番号

承認番号
22200AMX00631
欧文商標名
ALPRAZOLAM TABLETS 0.8mg “TOWA”

薬価基準収載年月

2010年11月

販売開始年月

2010年11月

使用期限等

貯法:

室温保存、気密容器

使用期限:

外箱、ラベルに記載

規制区分

向精神薬

処方せん医薬品

注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

1錠中の有効成分

日局 アルプラゾラム…0.8mg

添加物

乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg

性状

白色の割線入り素錠

識別コード/本体

Tw149

識別コード/包装

Tw149

外形/表

外形/裏

外形/側面

錠径(mm)

7.0

厚さ(mm)

2.7

質量(mg)

135

一般的名称

アルプラゾラム錠

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.
急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

3.
重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]

4.
HIVプロテアーゼ阻害剤(インジナビル等)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

効能・効果

心身症(胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、自律神経失調症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ・睡眠障害

用法・用量

通常、成人にはアルプラゾラムとして1日1.2mgを3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。増量する場合には、最高用量を1日2.4mgとして漸次増量し、3〜4回に分けて経口投与する。

高齢者では、1回0.4mgの1日1〜2回投与から開始し、増量する場合でも1日1.2mgを超えないものとする。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
心障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

2.
肝障害のある患者[肝臓で代謝されるため、クリアランスが低下するおそれがある。]

3.
腎障害のある患者[排泄が遅延するおそれがある。]

4.
脳に器質的障害のある患者[作用が強くあらわれる。]

5.
小児(「小児等への投与」の項参照)

6.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

7.
衰弱患者[作用が強くあらわれる。]

8.
中等度呼吸障害又は重篤な呼吸障害(呼吸不全)のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

重要な基本的注意

1.
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

2.
連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。(「重大な副作用」の項参照)

相互作用

相互作用の概略

本剤は肝薬物代謝酵素チトクロームP450 3Aで代謝される。

併用禁忌

(併用しないこと)

1.

薬剤名等
HIVプロテアーゼ阻害剤
 インジナビル
※ (国内未発売)
 等

臨床症状・措置方法
過度の鎮静や呼吸抑制等が起こる可能性がある。

機序・危険因子
チトクロームP450に対する競合的阻害により、本剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測されている。

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等
中枢神経抑制剤
 フェノチアジン誘導体
 バルビツール酸誘導体
 等
モノアミン酸化酵素阻害剤

臨床症状・措置方法
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。

機序・危険因子
相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。

2. 薬剤名等
アルコール(飲酒)

臨床症状・措置方法
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。

機序・危険因子
相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。

3. 薬剤名等
※※リトナビル含有製剤

臨床症状・措置方法
※※リトナビルとの併用により、本剤のAUC、クリアランス、半減期がそれぞれ2.5倍、0.41倍、2.2倍になり、中枢神経抑制作用が増強するとの報告がある。

機序・危険因子
本剤の肝臓での代謝が阻害されることが考えられている。

4. 薬剤名等
イトラコナゾール

臨床症状・措置方法
本剤のAUC、クリアランス、半減期がそれぞれ2.8倍、0.41倍、2.7倍になり、中枢神経抑制作用が増強するとの報告がある。

機序・危険因子
イトラコナゾールが本剤の肝薬物代謝酵素であるチトクロームP450 3A4を阻害することが考えられている。

5. 薬剤名等
※ポサコナゾール

臨床症状・措置方法
※鎮静の延長や呼吸抑制のおそれがあるため、ポサコナゾールとの併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き避けること。併用する場合には、本剤の用量を調節すること。

機序・危険因子
※ポサコナゾールが本剤の肝薬物代謝酵素であるチトクロームP450 3A4を阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇すると予測される。

6. 薬剤名等
フルボキサミンマレイン酸塩

臨床症状・措置方法
本剤のAUC、クリアランス、最高血中濃度がそれぞれ2.0倍、0.51倍、1.9倍になり、中枢神経抑制作用が増強するとの報告がある。

機序・危険因子
本剤の肝臓での代謝が阻害されることが考えられている。

7. 薬剤名等
シメチジン

臨床症状・措置方法
本剤の最高血中濃度、クリアランス、半減期がそれぞれ1.9倍、0.58倍、1.2倍になるとの報告があるので、本剤を減量するか、又は他の抗潰瘍剤を用いるなど注意すること。

機序・危険因子
本剤の肝臓での代謝が阻害されることが考えられる。

8. 薬剤名等
イミプラミン
デシプラミン

臨床症状・措置方法
上記の薬剤の血中濃度が1.2〜1.3倍に上昇することが報告されている。

機序・危険因子
本剤により上記の薬剤の肝臓での代謝が阻害されることが考えられる。

9. 薬剤名等
カルバマゼピン

臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が0.5倍以下に低下し、原疾患の悪化が認められた例が報告されている。

機序・危険因子
本剤の肝臓での代謝が促進することが考えられる。

10. 薬剤名等
ジゴキシン

臨床症状・措置方法
本剤との併用においてジゴキシンの血中濃度が上昇するとの報告がある。特に高齢者では注意すること。

機序・危険因子
機序不明

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用(頻度不明)

1.
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行うこと。

2.
刺激興奮、錯乱等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3.
慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

4.
そう痒、蕁麻疹、顔面潮紅・腫脹、息切れ等のアナフィラキシーがあらわれたとの報告があるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

5.
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1. 精神神経系
頻度不明 
眠気、めまい・ふらつき、頭痛、不眠、眼症状(霧視、複視)、構音障害、焦躁感、神経過敏、健忘、尿失禁、振戦

2. 肝臓
頻度不明 
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇

3. 循環器
頻度不明 
血圧低下、動悸

4. 消化器
頻度不明 
口渇、悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部不快感、便秘、下痢

5. 過敏症注2)
頻度不明 
発疹、そう痒、光線過敏性反応

6. 骨格筋
頻度不明 
脱力感・けん怠感、筋弛緩等の筋緊張低下症状

7. その他
頻度不明 
発汗

注2)このような場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

高齢者へ投与する場合には、少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。[運動失調等の副作用が発現しやすい。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中に他のベンゾジアゼピン系化合物(ジアゼパム)の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告があり、また、本剤を動物(ラット、ウサギ)に大量投与したとき、骨格異常、胎児の死亡、出産児の発育遅延の増加が報告されている。]

2.
妊娠後期の女性には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。]

3.
分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系化合物で報告されている。

4.
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが、他のベンゾジアゼピン系化合物(ジアゼパム)で報告されており、また、黄疸を増強する可能性がある。]

小児等への投与

小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない)

過量投与

症状:本剤の過量投与により、傾眠、錯乱、協調運動障害、反射減退及び昏睡等があらわれることがある。

処置:呼吸、脈拍、血圧の監視を行うとともに、胃洗浄、輸液、気道の確保等の適切な処置を行うこと。また、本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。

適用上の注意

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

薬物動態

1. 生物学的同等性試験

(1) アルプラゾラム錠0.4mg「トーワ」
アルプラゾラム錠0.4mg「トーワ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(アルプラゾラムとして0.8mg)健康成人男子(n=14)に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された(昭和55年5月30日 薬審第718号に基づく)1)

 

 

(Mean±S.D., n=14)

 

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

 

(2) アルプラゾラム錠0.8mg「トーワ」
アルプラゾラム錠0.8mg「トーワ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(アルプラゾラムとして0.8mg)健康成人男子(n=20)に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)

 

 

(Mean±S.D., n=20)

 

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

 

2. 溶出挙動
アルプラゾラム錠0.4mg「トーワ」及びアルプラゾラム錠0.8mg「トーワ」は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたアルプラゾラム錠の溶出規格にそれぞれ適合していることが確認されている3)4)

薬効薬理

ベンゾジアゼピン系薬物としての共通の作用機序により鎮静、抗不安、催眠、などの作用を現す。すなわち、GABAA受容体のサブユニットに存在するベンゾジアゼピン結合部位に結合することにより、抑制性伝達物質GABAの受容体親和性を高め、Clチャネル開口作用を増強して神経機能抑制作用を促進する5)

有効成分に関する理化学的知見

構造式:

一般名:アルプラゾラム(Alprazolam)

化学名:8-Chloro-1-methyl-6-phenyl-4H-[1,2,4]triazolo[4,3-a][1,4]benzodiazepine

分子式:C17H13ClN4

分子量:308.76

性 状:白色の結晶又は結晶性の粉末である。クロロホルムに溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、無水酢酸にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。希硝酸に溶ける。

融 点:228〜232℃

取扱い上の注意

安定性試験

最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、アルプラゾラム錠0.4mg「トーワ」及びアルプラゾラム錠0.8mg「トーワ」は通常の市場流通下においてそれぞれ3年間安定であることが推測された6)7)

包装

アルプラゾラム錠0.4mg「トーワ」:100錠、1000錠(PTP) 1000錠(バラ)

アルプラゾラム錠0.8mg「トーワ」:100錠(PTP)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
東和薬品株式会社 社内資料:生物学的同等性試験(錠0.4mg)

2)
東和薬品株式会社 社内資料:生物学的同等性試験(錠0.8mg)

3)
東和薬品株式会社 社内資料:溶出試験(錠0.4mg)

4)
東和薬品株式会社 社内資料:溶出試験(錠0.8mg)

5)
第十六改正日本薬局方解説書,C-350,2011

6)
東和薬品株式会社 社内資料:安定性試験(錠0.4mg)

7)
東和薬品株式会社 社内資料:安定性試験(錠0.8mg)

※文献請求先・製品情報お問い合わせ先

東和薬品株式会社 学術部DIセンター

〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号

0120-108-932 FAX 06-7177-7379

https://med.towayakuhin.co.jp/medical/

長期投与医薬品に関する情報

本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、1回30日分投薬を上限とされております。

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
東和薬品株式会社

大阪府門真市新橋町2番11号