機械器具等 12 理学診療用器具

弾性ストッキング

弾性ストッキングT


作成又は改訂年月

**2016年6月(第3版)(新記載要領に基づく改訂)

*2014年6月(第2版)

承認・届出等

販売名

弾性ストッキングT

添付文書管理コード

13B1X00015000014_A_01

届出番号

13B1X00015000014

承認・認証年月等

平成23年9月

一般的名称

一般的名称
31724000
弾性ストッキング

警告

適用対象(患者)
次の患者には慎重に適用すること

1.
急性期の深部静脈血栓症の患者
[肺血栓塞栓症を発症する恐れがある]

2.
動脈血行障害、うっ血性心不全の患者、下肢に炎症性疾患、化膿性疾患、急性創傷のある患者
[圧迫により症状を悪化させる恐れがある]

3.
急性循環不全等、末梢循環が不安定な患者
[血流量低下により壊死が起こる可能性がある]

4.
糖尿病患者
[血行障害や神経障害が発症する恐れがある]

5.
下肢表在静脈の血栓性静脈炎の患者
[症状を悪化させ、肺血栓塞栓症を発症する恐れがある]

6.
皮膚の感染症、開放創、皮膚炎、潰瘍がある患者
[皮膚圧迫により、症状を悪化させる恐れがある]

7.
患肢に知覚・神経障害がある患者
[合併症の早期発見が遅れる可能性がある]

8.
ストッキング素材に対する過敏症がある患者
[ポリエステル、ポリウレタン及びナイロンの皮膚アレルギーを誘発する恐れがある]

使用方法

1.
サイズ表を確認し、正しいサイズの製品を着用すること
[正しいサイズ及び圧迫力の選定が出来ないと、各部位に過剰及び過小な着圧がかかることになり、本品の効果が発揮されない恐れがある]

2.
重ね履きを行う場合は、医師がその必要性を判断して行うこと
[適切な圧迫力が得られない可能性がある]

禁忌・禁止

適用対象(患者)
次の患者には適用しないこと

1.
重度の動脈血行障害及びうっ血性心不全、皮膚移植後、壊死・壊疽、重度の浮腫、皮膚の化膿性疾患のある患者
[症状を悪化させる恐れがある]
2.
極度の脚変形を有する患者
[標準的な体型に基づく製品設計をしている為、過剰及び過小な圧迫力がかかる可能性がある]
3.
足首周径が15 cm未満、或いは27 cmを超える患者
[過剰及び過小な圧迫力が足首にかかる可能性がある]
4.
着用に関して患者の協力が得られないと思われる場合
[正しい着用指示が出来ない恐れがある]
5.
医師が本品を使用することが適切でないと判断した場合
[使用上の有益性が危険性を上回る場合にのみ適用すること]

使用方法
併用禁忌
以下の薬剤とは併用しないこと(【使用上の注意】相互作用の項参照)
・軟膏等の薬品
・油脂類

形状・構造及び原理等**

本品は、種々の加工法により成型された円柱状(又は筒様)をした形状である。装着部に編み上げた糸の弾力により同心性の圧迫力を加えるとともに、末梢部から中枢に向かって圧迫力が漸減する構造(設計)となっている。
なお、本品には、ハイソックスタイプのオープントウ、ガセットトウ及びストッキングタイプの3種類がある。
■ 素材:ポリエステル、ポリウレタン、ナイロン

**■ 製品スペック

カタログ番号 タイプ 足首太さ ふくらはぎ
(参考値) 
大腿太さ
(参考値) 
サイズ表示色 
DT-H-SS 膝下
(オープントウ)
(ハイソックス)

(H) 
15〜19
(cm)
【SS】 
24〜30
(cm) 
 シルバーグレー 
DT-H-S 17〜21
(cm)
【S】 
28〜34
(cm) 
パープル 
DT-H-M 19〜23
(cm)
【M】 
32〜38
(cm) 
オレンジ 
DT-H-L 21〜25
(cm)
【L】 
36〜42
(cm) 
ピンク 
DT-H-LL 23〜27
(cm)
【LL】 
40〜46
(cm) 
ブラウン 
HS-H-SS 膝下
(ガセットトウ)
(ハイソックス)

(H) 
15〜19
(cm)
【SS】 
24〜30
(cm) 
 シルバーグレー 
HS-H-S 17〜21
(cm)
【S】 
28〜34
(cm) 
パープル 
HS-H-M 19〜23
(cm)
【M】 
32〜38
(cm) 
オレンジ 
HS-H-L 21〜25
(cm)
【L】 
36〜42
(cm) 
ピンク 
HS-H-LL 23〜27
(cm)
【LL】 
40〜46
(cm) 
ブラウン 
DT-S-SS 股下
(ストッキング)
(S) 
15〜19
(cm)
【SS】 
24〜30
(cm) 
38〜45
(cm) 
シルバーグレー 
DT-S-S 17〜21
(cm)
【S】 
28〜34
(cm) 
42〜49
(cm) 
パープル 
DT-S-M 19〜23
(cm)
【M】 
32〜38
(cm) 
48〜55
(cm) 
オレンジ 
DT-S-L 21〜25
(cm)
【L】 
36〜42
(cm) 
54〜61
(cm) 
ピンク 
DT-S-LL 23〜27
(cm)
【LL】 
40〜46
(cm) 
60〜67
(cm) 
ブラウン 

使用目的又は効果**

本品は、下肢の静脈血、リンパ液のうっ滞を軽減又は予防する等、静脈還流の促進を目的に使用される医療用の弾性ストッキングである。末梢部から中枢に向かい漸減的に圧力を加える機能を有する。

部位 足首 ふくらはぎ 大腿 
着用者適用周囲長 15〜27 cm 24〜46 cm 38〜67 cm 
圧迫力 19〜28 hPa
(15〜21 mmHg) 
14〜26 hPa
(11〜19 mmHg) 
9〜20 hPa
(7〜15 mmHg) 

使用方法等**

1.
装着前(サイズ選定)

(1)
ハイソックスタイプかストッキングタイプを選択する。
(2)
**オープントウかガセットトウを選択する。
(3)
足首の太さ(最も細い部分)を測定し、サイズ表にて足首太さサイズ(SS, S, M, L, LL)を決定する。


2.
装着時

(1)
本品に片手を入れ、かかと部分を掴んで先端を残して裏返す。(甲部分が隠れた状態)


(2)
つま先・かかと・足首の順にゆっくりと本品を履く。


(3)
十分伸ばしながら少しずつたくし上げる。その際、ねじれやかたよりが無いことを確認する。


(4)
全体的にシワが無く、かかとが正しい位置にあるかどうかを確認し、長さを修正する。


3.
装着後(装着中)の確認

(1)
つま先から皮膚障害や血流障害が無いことを適宜確認する。
(2)
かかとが正しい位置にあるかどうかを適宜確認し、必要に応じて修正を行う。
(3)
たるみやシワがないことを確認し、必要に応じて適宜修正を行う。
(4)
**ガセットトウはつま先が出ていないか確認する。

使用方法に関連する使用上の注意

 チェック事項 危険因子詳細 
ストッキングのずり落ち、上端の丸まりがないか 血行障害、水疱、皮膚炎、皮膚発赤、びらんの原因となる。 
ずり落ち防止に、ゴムひも等を使用していないか ゴムひも等で局所的に強く圧迫すると、血行障害の原因となる。 
ストッキングにシワやよじれができていないか シワやよじれが出来ると、皮膚に食い込み発赤や疼痛の原因となる。また圧迫力が不均一となり、段階的圧迫力にならなくなってしまう。シワは、特に膝の裏や足首関節の前面部に出来やすい。常時シワが出来ていると、皮膚に食い込む可能性がある。足の位置を変えたり、綿包帯等でクッションを置くこと。 
つま先に締め付け感はないか 足や指が締め付けられると、浮腫、水疱、皮膚損傷の原因となる。 
皮膚の色の観察 つま先から、皮膚の色、浮腫の有無を観察し、深部静脈血栓症の早期発見に心がける。皮膚がチアノーゼ、蒼白を呈する時には、動脈血行障害を疑うこと。知覚鈍麻、運動障害を伴うこともある。 
皮膚の発赤、びらん、水疱、発疹の有無の観察 皮膚の損傷は、ストッキングがズレやすいストッキングの上端、下端部や、足関節・膝関節部に出来やすい。痩せている患者では軟部組織の少ない下腿前面(スネ)に生じることがある。 
患者に痛み、不快感がないか 痛み、しびれ、かゆみ等の症状が有れば、その原因を知ることが大切であり、必要で有ればストッキングを脱がせ、観察すること。絶えず患者の訴えに注意すること。 

使用上の注意

使用注意(次の患者には慎重に適用すること)

1.
術後等患者の意識レベルが低い場合及び患者との意思疎通が困難な場合には、患者の状態をよく観察して使用すること。
2.
下腿潰瘍、下肢硬化療法術後等に使用する場合には、患部または刺入部等が直接本品に接触しないよう処置すること。
[患部、刺入部等の清潔・安静を保つため。なお、患部等にガーゼ等を当てた状態で本品を使用した場合、患部又はその周囲にはその他より高い圧迫がかかる可能性があるので注意すること。]
3.
ギプス、外傷等による長時間の下肢可動不能状態の患者には慎重に使用すること。
[患者は潜在的に静脈血栓が存在している可能性があるため。]
4.
本品の使用により、脚に疼痛、しびれ、皮膚や爪の変色、装着部位の皮膚温の低下、かゆみ、湿疹、かぶれ等の異常及びその他装着前に感じなかった不快感、違和感が生じた場合は、直ちに使用を中止すること。
[動脈及び静脈の血行障害又は総腓骨神経麻痺等の神経障害等を発症する可能性があるため。]

重要な基本的注意

1.
本品は弾性ストッキングに精通した者が、必ず着用者に使用方法を説明し、正しい装着手順で使用を開始すること。
2.
適正な圧迫圧を得るため、装着する下肢の規定部位を必ず計測して正しいサイズを着用すること。またサイズ適用外の場合には使用しないこと。
3.
装着するときは少しずつ引き上げること。強く引っ張り上げると破損(伝線、ほつれ、破れ等)することがある。
4.
腫脹の軽減等により装着中に各部位の周径が変わった場合は、適切なサイズに変更すること。
5.
本品を折り返して使用しないこと。
[血行障害や神経障害を引き起こす恐れがある。]
6.
圧迫力の過不足を防ぐため、たるみやシワのないように着用すること。また本品が装着中にたるんだり、シワが寄ったり、ずれ落ちたり、誤った位置に装着されている際は必ず手順の始めから正しく装着しなおすこと。
[適正な圧迫力が得られずまた血行障害や神経障害及び圧迫性潰瘍を引き起こすおそれがある。]
7.
患部の状態により片足に本品を装着する場合、非装着側の静脈還流の状態にも注意すること。
8.
本品をはさみで切るなどの加工、修理を行わないこと。
9.
軟膏などの薬品や油脂、溶剤等が付着すると繊維が劣化またはそのおそれがあるので付着しないようにすること。
10.
本品は個人用の製品であり、他人への使い回しはしないこと。
11.
本品に破損(伝線、ほつれ、破れ等)がないことを確認してから装着すること。破損がある場合は適正な圧迫力が得られないため使用しないこと。
12.
本品は繊維製品のため、次のような場合には破損(伝線、ほつれ、破れ等)及びその恐れがあるので注意すること。

(1)
爪が伸びていたり、反っていたりする足への着用
(2)
肌荒れした手や伸びた指の爪での取り扱い
(3)
鋭利なものへの接触

相互作用(他の医薬品・医療機器等との併用に関すること)

併用禁忌(これらの薬剤とは併用しないこと)

薬剤の名称等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 
・軟膏等の薬品
・油脂類 
フィルムドレッシングを貼付するなど、皮膚に直接接触しないようにすること。 ストッキング繊維を劣化させる恐れがある。 


併用注意(併用に注意すること)

医療機器の名称等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 
間歇的空気圧迫装置
弾性包帯
テーピング 
本品を正しく装着してから当該装置を使用すると共に、適宜患者の状態を確認すること。 過度の圧迫や擦れが加わると、血行障害や皮膚炎症の恐れがある。 

不具合

その他の不具合

 不具合 原因 
不具合 破れ・ほつれ 装着時・装着中に、足の爪が伸びていたり、反っていたりすると伝線の原因となる恐れがある。 
変色 開封した状態で長時間紫外線の照射を受けたり、高湿度の場所に長時間保管されると、変色の原因となる恐れがある。 

有害事象

その他の有害事象(細部については、医師各位の臨床経験に基づき、注意及び適切な治療を行うこと)

 有害事象 原因 
全身性有害事象 動脈血行障害
(変色、痛み、しびれ、知覚・運動障害、皮膚の冷感) 
本品使用による脚への直接的圧迫によって惹起される。静脈圧が圧迫により上昇する事で、動脈系循環圧が上昇する。過度の加圧状態で長時間臥床すると、心負荷が増大する恐れがある。 
静脈還流障害
(浮腫、皮膚の変色、痛み、しびれ) 
本品使用による脚への直接的圧迫により、静脈血管径が縮小することや、静脈弁への過度の負担が発生して、還流障害が発生する恐れがある。 
神経障害
(神経障害腓骨神経麻痺等) 
循環障害発生、過剰圧迫による原因で発症することがある。 


 有害事象 原因 
局所的有害事象 着用部位の有害事象 皮膚炎 圧迫やストッキング素材であるポリエステル、ポリウレタン及びナイロンのアレルギーにより皮膚炎が起こることがある。 
皮膚の潰瘍
(発赤、びらん、水疱、褥瘡、かゆみ等) 
1.過度の長時間圧迫
2.正しいストッキングを装着出来ていない場合
3.脱着後 
ゴム部の炎症 長時間着用による血行障害、及び皮膚炎が発生する恐れがある。 

保管方法及び有効期間等**

保管方法**

高温多湿を避け、室温で暗所に保管すること。

有効期間**

本品の包装に記載されている使用期限までに使用すること。[自己認証による]

保守・点検に係る事項

1.
洗濯をする場合、熱湯、塩素系漂白剤、消毒剤、アイロン、乾燥機、ドライクリーニングの使用は、繊維を劣化させる恐れがあるので、使用しないこと。
2.
ぬるま湯に洗剤を溶かし手洗いすること。
3.
直射日光を避け、陰干しにすること。

主要文献及び文献請求先*

主要文献

平井正文、岩井武尚:新弾性ストッキング・コンダクター、へるす出版、2010

文献請求先*

問い合わせ先
東レ・メディカル株式会社
医療用具事業部門 マーケティング室

住所*
東京都中央区日本橋本町2-4-1

電話番号*
TEL:03-6262-3822

製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称等

氏名又は名称(製造販売業の種別)

東レ・メディカル株式会社

第一種医療機器製造販売業

住所等*

*東京都中央区日本橋本町2-4-1

電話番号*

*03-6262-3833