癌胎児性抗原キット

(遺伝子組換え技術使用)

フレックスカートリッジ CEA V


作成・改訂年月

**2013年4月改訂(第3版)

*2012年10月改訂(第2版)

薬効分類名

体外診断用医薬品

一般的注意事項

この添付文書をよく読んでから使用ください。

承認・届出等

販売名

フレックスカートリッジ CEA V

商品コード(JAN)(品番)
4987177708679

識別記号
K6453

添付文書管理コード

22100AMX02278000_A_01

製造販売承認番号

22100AMX02278000

製造販売承認年月

平成21年10月

一般的名称

一般的名称
30288000
癌胎児性抗原キット

全般的な注意

・本品は体外診断用医薬品ですので、それ以外の目的に使用しないでください。

・本品の測定結果は、患者の治療歴、臨床症状その他関連する他の検査結果等を考慮して総合的に判断ください。

・添付文書に記載されている以外の使用方法については保証しません。

・使用する機器の添付文書及び取扱説明書をよく読んでから使用ください。

形状・構造等(キットの構成)


a. 試薬封入部をウェルと呼び、カートリッジの幅の広い方より1から順番に番号付けしています。
b. 試薬には安定化剤、緩衝剤及び保存剤が含まれています。

使用目的

血清又は血漿中の癌胎児性抗原(CEA)の測定

測定原理

本品は、ホモジニアスサンドイッチ化学発光免疫測定法により血清又は血漿中の癌胎児性抗原(CEA)を測定する試薬です。
本品には、2つの合成粒子試薬とビオチン化抗CEAマウスモノクロナール抗体フラグメントが含まれます。1つ目の粒子試薬(抗CEAマウスモノクローナル抗体吸着オレフィン、ユウロピウム錯体含有ポリスチレン粒子。以下、ケミビーズ)は、抗CEAマウスモノクロナール抗体でコーティングされ、化学発光色素を含有します。2つ目の粒子試薬(ストレプトアビジン吸着フタロシアニン含有ポリスチレン粒子。以下、センシビーズ)は、ストレプトアビジンでコーティングされ、感光色素を含有します。
検体は、ビオチン化抗体とケミビーズと共にインキュベーションされ、粒子/CEA/ビオチン化抗体を形成します。センシビーズが添加されビオチンと結合し、2つのビーズによる免疫複合体を形成します。複合体に680nmの光を照射すると、センシビーズから一重項酸素が発生し、ケミビーズへと拡散し化学発光が起こります。シグナルは612nmで測定され、検体中のCEA濃度と比例します1,2
以上の測定はLOCI(Luminescent Oxygen Channeling Immunoassay)という技術に基づきます。

操作上の注意

*1.
測定試料の性質、採取法

・血清又は血漿(ヘパリンリチウム、ヘパリンナトリウム)を使用ください。

・アジ化化合物によって安定化した検体及びコントロールは使用しないでください。

・血清及び血漿は、推奨方法で採血ください3。検体採取に用いる器具の使用および操作については、使用説明書に従ってください。

・検体は4℃で7日間安定です4。また、凍結(−20℃以下)で4ヶ月間長期保存が可能です。

・検体から浮遊物を除去ください。乳び又は融解後に混濁した検体は、遠心分離(約15,000×g/10分間)を行ってから測定ください。

・保存検体は室温に戻して使用し、繰り返しての凍結及び融解を避けてください。

・検体の保存条件は参考としてください。各施設でバリデーションに基づき検体保存手順を設定している場合は、それに従ってください。


2.
妨害物質・妨害薬剤

本法への妨害物質の影響についてはCLSI/NCCLS EP7-A2に従って評価しました5。誤差はコントロール検体(妨害物質なし)とテスト検体(妨害物質あり)の測定結果の差を%で示しています。誤差が10%を超える場合は妨害物質の影響があると考えられます。

*分析結果は、この誤差を元に修正しないでください。

血清又は血漿中に以下の物質が存在しても、記載の濃度までは本法を妨害しません。CEA濃度1.3〜541ng/mLにおける、これらの物質による系統誤差は10%未満です。

交差反応性
血清及び血漿中のCEA関連抗原について本法との交差反応性を評価しました。CEA濃度5ng/mLにおいて、以下の抗原濃度による本法への妨害は10%未満です。


3.
その他
本品はディメンション ビスタ シリーズの専用試薬です。

用法・用量

1.
試薬の調製法
試薬はすべて液状のため調製する必要はありません。そのまま使用ください。

*2.
必要な器具・器材・試料等

・ディスクリート方式臨床化学自動分析装置ディメンション ビスタ シリーズ

・LOCI5標準液V(品目コード:KC600)又はLOCI6標準液V(品目コード:KC604)

その他の必要な器具・器材等についてはディメンション ビスタ オペレーターガイドを参照ください。


3.
測定法

(1)
本品をディメンション ビスタ シリーズの所定位置に装填します。

(2)
第一試薬(20μL)、第二試薬(20μL)、検体(2μL)及び第三試薬(100μL)が反応ベッセルに分注混和され、37.0℃で10分間反応が行われます。

(3)
反応液に波長680nmの光を照射することで化学発光を誘発し、この発光を波長612nmで測定します。

(4)
上記(2)〜(3)と同様に操作して測定された標準液(別売)の発光強度から作成された標準曲線を用いて検体中のCEA濃度(ng/mL)を求めます。


4.
較正(キャリブレーション)
一般的な較正手順はディメンション ビスタ オペレーターガイドに記載されています。本法の較正を行う場合、以下を考慮の上実施ください。

較正物質     :LOCI 5標準液Vを使用ください。
較正物質濃度   :レベル1(標準液A):0、レベル2(標準液B):5、レベ
          ル3(標準液C):100、レベル4(標準液D):500、レ
          ベル5(標準液E):1050(ng/mL)
          注意)当社標準液を使用の際は、該当製品の添付文書に
             記載されている数値を使用ください。
測定回数     :5濃度3重測定
較正頻度     :30日ごとに必ず較正を行ってください。較正の検証結
          果が許容範囲内である場合には、較正実施期間を延ば
          すことができます。
較正が必要な場合 :・試薬カートリッジのロットを変更する場合
          ・点検又は修理後の精度管理の結果により必要と思わ
           れる場合
          ・各施設における精度管理方法に基づき必要とされる
           場合
          ・行政により求められた場合


5.
精度管理
精度管理の頻度については、行政当局の規制や許可条件に従ってください。
既知濃度の精度管理物質を少なくとも1日1回、2濃度測定ください。測定結果が、許容範囲外の場合は、各施設の手順に従い対処ください。
5重測定時の最大許容標準偏差は以下のとおりです。標準偏差が以下に示す値を超える場合は、何らかの異常の可能性があります。

測定結果の判定法

1.
基準範囲

 非喫煙者 :0.0〜3.0ng/mL
 喫煙者  :0.0〜5.0ng/mL

基準範囲はノンパラメトリック法により算出され、健常成人群(n=347、非喫煙者198名、喫煙者149名)での測定結果は以下のとおりでした。

*結腸直腸癌74検体はベースライン検体ではなく、連続測定用患者検体の第一検体です。

各施設でディメンション ビスタ シリーズによる基準範囲を設定ください。

・CEAのモニタリング
男女75名の結腸直腸癌患者から連続検体を入手し、このうち試験対象患者基準に適合しない1名を統計解析から除外しました。74名の患者から得られた最低3ポイントの連続検体(検体総計:291例)を用いて評価しました。

基準変化値(reference change value:RCV)を用いてCEA値の変動を評価しました6。各測定法(本法と対照法)におけるRCVは、報告されているCEAの生理的変動および施設内変動を考慮して算出しました7。本法におけるRCVは36.2%、対照法におけるRCVは36.7%と算出されました。

CEA濃度と病態の変化を診断ごとに解析しました。各患者は、その臨床情報(医学画像、診察及び他の臨床的調査)に基づき、主治医によって活性/進行性、反応性、安定性、又は疾病の証拠なし(NED)のいずれかに分類されました。病態の変化を連続して評価するために全74組の患者検体(217例)がRCVによって評価されました。各病態における291例の測定値の分布は以下のとおりです。

病態別のCEA値

本法と対照法における診断ごとの臨床性能を下表に示しました。この評価では、病態を“進行性”、反応性、安定性、NEDをまとめた“非進行性”の2つに分類し、この分類にて感度と特異性を決定しました。

本法における病態別RCV

対照法における病態別RCV

診断ごとの評価は、各患者の連続検体における相関構造を考慮に入れて収集されました8。感度と特異性の合計が1を超えるときに有効と判断します。95%信頼区間(95%CI)はノンパラメトリックブートストラップ法を用いて求めました。本法におけるブートストラップ95%CIは、感度と特異性の合計として1.2416〜1.5227であり、対照法のブートストラップ95%CI(感度と特異性の合計)は、1.2180〜1.4771でした9。よって、いずれの測定法も有効であると確認されました。
2種の測定法間における同等性を検証するため、さらに全検体が各RCVによって解析されました。この結果を下表に示します。

本法と対照法との比較(例数)


2.
判定上の注意

・ワンステップのサンドイッチ免疫測定法では、抗原過剰状態で抗原抗体反応が妨害されるためフック現象を起こしやすく、偽低値を示す場合があります10。本法は225,000ng/mLまでフック現象を認めません。

・患者検体中に異好抗体が存在すると、免疫反応に正又は負の誤差を与えることがあります。そのため、本法は検体中の異好抗体の影響を最小限にする工夫がされています11,12。しかし、すべての患者検体からこの影響を取り除くことはできませんので、測定結果が臨床症状や患者の治療歴と矛盾する場合は、注意して診断ください。

・測定結果は、患者の病歴や他の検査結果、適切な情報などに基づき、総合的な臨床症状を考慮して解釈ください。非腫瘍性疾患においてもCEA値が上昇する可能性があります。よって、本法は癌の診断やスクリーニングには適しません。

・検体中のCEA濃度は試薬及び測定法の違いにより値が異なります。測定値はその測定法を含めて報告し、測定法を変更した場合はその旨を報告ください。異なる測定法にて得られた値を一緒に用いないでください。特に測定値のモニタリングを行っている場合には注意し、途中で測定法を変更する場合は患者のベースライン値を確認ください。


3.
測定限界

・結  果 :1000ng/mLを超えた場合には検体を希釈ください。

・希釈方法 :精製水を用いて測定範囲内に結果が収まるように最大10倍まで
       希釈ください。検体属性入力時に希釈係数を入力ください。次
       いで再測定ください。結果は希釈係数で補正されます。

・自動希釈法:自動希釈に必要な検体量は、血清/血漿で20μLです(希釈係数=
       10)。詳細はディメンション ビスタ オペレーターガイドを参照
       ください。

・結果が0.2ng/mL未満の場合、“0.2ng/mL未満”と報告されます。


4.
エラーメッセージ
機器のプロセスエラーやステータス情報、及び測定結果エラーが、フラッグとコメントで表示されます。表示されたフラッグ及びコメントの詳細はディメンション ビスタ オペレーターガイドを参照ください。メッセージの内容が解決されるまで結果出力用紙を破棄せず、各施設の手順に従い処理し、測定結果は報告しないでください。

臨床的意義

1965年に結腸癌組織から抽出された癌胎児性抗原(CEA)は、胎児の消化管組織でも産生される多様性の細胞表面糖タンパク質(分子量:150〜300kDa、糖質45〜55%)であり、免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーに属します13,14。CEAの多様性に起因して、診断カットオフ値が各測定法によって異なりますから、測定値のモニタリングなどにおいて同一患者の検体を連続測定する場合は、同一の測定法を用いなければなりません15
CEAは正常成人血清中にも低濃度で存在します。喫煙者、良性肝疾患(肝炎、肝硬変)、良性の胃及び腸疾患(ポリープ症、潰瘍性大腸炎)、良性乳腺疾患、肺感染、肺気腫及び腎不全においても、血清CEA値の上昇が見られます。大腸癌、直腸癌、肺癌、乳癌、肝癌、膵臓癌、胃癌、及び卵巣癌においては、血清CEA値の異常な上昇が見られます16。癌患者における血清中CEA値の動態モニタリングは、結腸直腸癌における病状経過の指標として特に優れています17

世界的に、大腸癌及び直腸癌は男性に発生しやすい癌の第3位であり、女性に発生しやすい癌の第4位です。高い疾病率と死亡率ですが、早期に発見された際にもっとも治癒可能な癌でもあります。大腸癌と診断された患者におけるCEA値の上昇は25%に満たないため、CEA測定は癌のスクリーニングには適しません。大腸癌の外科的切除後における治療効果のモニタリングや再発/転移の病状把握に大変有用です18,19。血清CEA値の再上昇が最初に確認されてから、その測定値の動態を2年間連続してモニタリングすることが推奨されています20

性能

1.
性能

(1)
感度     CEA濃度0ng/mLと約1000ng/mLの標準液を測定する
       ときの発光強度の差を、0ng/mL濃度の発光強度で除した値
       は2385以上です。
       *試験に用いる高濃度標準液の目標設定濃度です。

(2)
正確性    濃度既知管理用検体を測定するとき、その測定値は表示値の
       ±10%の範囲です。

(3)
同時再現性  同一濃度の管理用検体を各々複数回同時に測定するとき、そ
       の変動係数(CV)は10%以下です。

(4)
測定範囲   0.2〜1000.0ng/mL
       これは、検体を直接測定した時の濃度範囲です。希釈や通常
       操作にない前処理はしていません。


2.
精密性21,c


c. 精密性の検討はCLSI/NCCLS EP5-A2に従って実施しました。各測定試料は2検体を用いて1日2回20日間測定を行いました。


3.
相関性22,d


d. 相関性の検討はCLSI/NCCLS EP9-A2に従って実施しました。回帰直線は最小二乗法より算出しました。
e. 相関性試験における141例の濃度範囲は、0.8〜974ng/mLでした。

血清と血漿間の相関性

f. 相関試験に用いた検体のCEA濃度範囲は、1.2〜992.6ng/mLでした。


4.
回収率

添加回収試験
ベースラインCEA値(3.4ng/mL)のヒトプール血清に既知量のCEA(約5、15、75、500ng/mL)を添加しました。この検体のCEA濃度を測定し、下式にて添加回収率を求めたときの回収率は94.0〜100.4%の範囲であり、平均回収率は97.1%でした。

希釈回収試験
CEA値が157.5〜751.5ng/mLである5つの血清検体を精製水で1:2、1:3、1:4、1:5、1:10に希釈してCEA濃度を測定し、その回収率を求めました。回収率は98〜109%の範囲であり、平均回収率は102.9%でした。


5.
検出限界
本法の検出限界(LoD)は、0.2ng/mLです。この値はCLSIガイドラインEP17-A23に従って決定し、ブランク4検体(0濃度)と低濃度4検体の15回測定において偽陽性(α)の割合が5%未満かつ偽陰性(β)の割合が5%未満として評価しました。ブランク上限(LoB)は、0.12ng/mLです。

6.
較正用の基準物質(標準物質)
社内標準品

使用上又は取扱い上の注意

取扱い上(危険防止)の注意

・試料(検体)はHIV、HBV、HCV等の感染の恐れがあるものとして取り扱ってください。検査実施にあたっては感染の危険を避けるため使い捨て手袋を着用し、また口によるピペッティングを行わないでください。

・サンプルカップ及び使用済みキュベットは体液成分が含まれているため、直接触れたり口に含んだりしないように十分に注意ください。

・試薬には5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンと2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オンが3:1の割合で含まれています。試薬に触れると刺激を与えますので、皮膚に触れないようにして、適切な手袋などを着用ください。試薬が誤って目や口に入った場合は、大量の水で十分に洗い流すなどの応急処置を行い、必要があれば医師の手当てを受けてください。

*使用上の注意

・本品は凍結を避け、貯蔵方法に従い保存ください。

・使用期限を過ぎた試薬は使用しないでください。

・装置に試薬カートリッジを装填しシールが未開封の状態では30日間安定です。一度開封された状態では7日間安定です。

・試薬の注ぎ足しは行わないでください。

・廃棄上の注意:− 試料(検体)中にはHIV、HBV、HCV等の感染性のもの
          が存在する場合がありますので、廃液、使用済み器具な
          どは適当な消毒処理あるいは滅菌処理を行ってください。
        − 残った試薬や検体を廃棄する場合には、医療廃棄物に関
          する規定に従って、医療廃棄物又は産業廃棄物等区別し
          て処理ください。
        − 試薬類や廃液などが飛散した場合には、拭き取りと消毒
          を行ってください。

貯蔵方法・有効期間

貯蔵方法 2〜8℃
有効期間 12ヶ月(使用期限は外箱に表示)

包装単位

120テスト(60テスト/カートリッジ×2)

主要文献

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製造販売元

シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社

第二種医薬品製造販売業

**東京都品川区大崎1-11-1
ゲートシティ大崎ウエストタワー

*問い合わせ先

シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社
カスタマーケアセンター

TEL:03-3493-8400