2009年12月全面改訂(第1版)
薬効分類名
体外診断用医薬品
一般的注意事項
この添付文書をよく読んでから使用してください.
承認・届出等
販売名
抗D両液性抗体・ネオ「コクサイ」
添付文書管理コード
20100EZZ00146000_A_01
製造販売承認番号
20100EZZ00146000
承認・認証年月等
平成1年9月
一般的名称
一般的名称
全般的な注意
1.
本品は体外診断用医薬品です.これ以外の目的には使用しないでください.
2.
診断の際には,他の関連する検査結果や臨床症状等に基づいて総合的に判断してください.
3.
添付文書以外の使用方法については保証をいたしかねます.
4.
測定に使用する機器の添付文書および取扱説明書をよく読んでから使用してください.
形状・構造等(キットの構成)
本品は次の単試薬です.
抗D両液性抗体・ネオ「コクサイ」
IgMタイプ及びIgGタイプ抗Dモノクローナル抗体(ヒト-マウスヘテロハイブリドーマ由来)
使用目的
測定原理
凝集法
(特徴)
(1)
強い凝集力を示すIgMモノクローナル抗体に間接抗グロブリン試験用としてIgGモノクローナル抗体を混合しています.
(2)
生理食塩液浮遊血球を用いることが出来ます.
操作上の注意
1.
測定試料の性質・採取法
(1)
新鮮な凝固血液又は抗凝固剤を加えて採取した血液を用います.細菌汚染された血液は汎血球凝集反応を示すことがあるので用いないでください.
2.
妨害物質
(1)
透析患者の血清又は十分に凝固していない血清に被検血球を浮遊させた場合,判定時にフィブリン塊が生じることがありますので注意して判定してください.
(2)
連銭因子(高蛋白,デキストラン等)および寒冷凝集素等の自己抗体などにより偽陽性反応が生じることがあります.これらによる誤判定を防止するために,各検体毎に陰性コントロールとしてRhコントロール・ネオを用いて検体と並行して試験を行います.陰性コントロールが陽性になった場合は判定を保留してください.
3.
その他
(1)
本品はある種のPartial Dとは陰性反応を示します.
用法・用量(操作方法)
本キットをご使用になる前に,必ず使用上または取扱い上の注意をお読みください.
載せガラス法または試験管法のいずれかの方法で試験します.
試薬の調製方法
(載せガラス法)
生理食塩液,自己血清(血漿)または6〜8w/v%ウシアルブミン液を用いて40〜50%の被検血球浮遊液を調製します.
(試験管法)
生理食塩液,自己血清(血漿)または6〜8w/v%ウシアルブミン液を用いて被検血球の2〜5%浮遊液を調製します.
(間接抗グロブリン試験法)
(1)
ヒト赤血球はまれにD(Rh0)因子の変種またはDu因子を有していることがあり,その血球は抗D血液型判定用抗体との反応が非常に弱いことが知られています.上記の載せガラス法,または試験管法で明瞭な凝集が認められなかった検体については本試験を実施し,真のD(Rh0)陰性であるかどうかを確認します.
(2)
被検血球を生理食塩液で1回洗浄した後,生理食塩液にて2%血球浮遊液とします.
必要な器具・器材・試料等
測定(操作)法
(載せガラス法)
(1)
載せガラスの中央に抗D両液性抗体・ネオ「コクサイ」を1滴滴下します.
(2)
上記試薬の調製方法で調製した血球浮遊液を2滴滴下し,攪拌棒で抗体と血球浮遊液をよく混合します.
(3)
載せガラスを常温または40〜45℃に温めた観察箱の上に置き,前後に揺り動かしながら2分以内に肉眼で凝集の有無を確認します.
(4)
凝集反応が認められないか,陽性と紛らわしい凝集を示した場合は間接抗グロブリン試験を行います.
(試験管法)
(1)
清潔な試験管に抗D両液性抗体・ネオ「コクサイ」を1滴滴下します.
(2)
この試験管に上記試薬の調製方法で調製した2〜5%浮遊液を1滴加えます.
(3)
よく混合した後,両試験管を3,000rpm30秒間または,1,000rpm2分間遠心します.
(4)
遠心後,試験管を軽く振って血球沈渣を管底からはがして再浮遊させ,肉眼で凝集の有無を確認します.
(5)
凝集反応が認められないか,陽性と紛らわしい凝集を示した場合は間接抗グロブリン試験を行います.
(間接抗グロブリン試験法)
(1)
清潔な試験管に抗D両液性抗体・ネオ「コクサイ」を1滴滴下し,上記試薬の調製方法で調製した2〜5%浮遊液を1滴加えます.
(2)
よく混合した後,37℃恒温槽中で30〜60分間加温します.
(3)
恒温槽から試験管を出し,7〜8分目まで生理食塩液を加えて血球を浮遊させた後,3,000rpm1分間遠心沈殿します.上清を捨て試験管を強く振り血球を管底から浮遊させ,再び生理食塩液を加え同じことを合計3回繰り返します.
(4)
3回目の遠心沈殿後,上清を出来る限り取り除き血球沈層だけを管底に残します.
(5)
3回洗浄した血球沈層に抗ヒトグロブリン抗体1滴を加えよく混合してから,1,000rpmで1分間遠心します.
(6)
試験管を軽く振り,肉眼で凝集の有無を観察します.
測定結果の判定法
1.
載せガラス法または試験管法において明らかな凝集が認められた場合は,D(Rh0)陽性と判定します.
2.
載せガラス法または試験管法において凝集反応が認められないか,陽性と紛らわしい凝集を示した場合は間接抗グロブリン試験を行います.間接抗グロブリン試験法が陽性の場合はDu,陰性の場合はD(Rh0)陰性と判定します.
性能
血液型判定用抗体基準(抗D血液型判定用抗体)によります.
使用上又は取扱い上の注意
取扱い上の注意
1.
本品にはアジ化ナトリウムが含まれていますが,法的には毒物として取り扱われません.誤って目や口に入ったり,皮膚に付着した場合は水で十分に洗い流す等の応急措置を行い,必要があれば医師の手当等を受けてください.
使用上の注意
1.
各検体毎に陰性コントロールとしてRhコントロール・ネオを立て検体と並行して検査します.この陰性コントロールが凝集を示さないことを確認して判定を行います.また,陰性コントロールが凝集を示す場合は判定を保留します.
2.
貧血患者の場合は載せガラスで全血を用いると血球濃度が低いため反応が弱くなるので,正しく40〜50%血球浮遊液を調製して,検査を行ってください.
3.
載せガラス法では,2分以内に判定してください.時間を超過すると血清成分の濃縮が起こり偽陽性反応を生ずることがあります.紙上判定では,乾燥の途中で連銭形成を起こすことがありますので,乾燥してからは判定しないでください.
4.
至適の遠心条件は各遠心機毎に異なりますので,検査室であらかじめ至適の遠心条件を決めておいてください.過剰遠心や遠心不足により偽陽性や偽陰性が生じることがあります.
5.
試験に用いる器材は必ず清潔なものを用いてください.汚染されたものを用いると偽陽性反応や偽陰性反応の原因となります.
6.
検査に用いる器材,試薬および検体は常温(15〜25℃)に戻してから使用してください.
7.
本品は開封後出来る限り速やかに使用し,細菌汚染や濃縮が生じないように注意してください.使用しないときは凍結をさけて10℃以下で保存してください.誤って凍結した時や高温の場所に放置した時は使用しないでください.本品が著しく濁っている場合は使用しないでください.
廃棄上の注意
1.
アジ化ナトリウムは鉛・銅などの金属と反応して爆発性の化合物を生成する危険性がありますので,本品の廃棄の際には大量の水とともに流してください.
貯蔵方法、有効期間
貯蔵方法
有効期間
自家試験合格の日より2年.
包装単位
品 番 | 製 商 品 名 | 包 装 |
11490 | 抗D両液性抗体・ネオ「コクサイ」 | 10mL |
主要文献
主要文献
1.
Koskimes,S. Scand.J.Immunol.,11;73-77,1980.
2.
Boylston,A.W.,Scand.J.Immunol.,12;355-358,1980.
3.
宇野正恒・他.Proc.Jap.Soc.Immunol.,13;416-417,1983.
4.
Melamed,M.D.,Journal of Immunological Methods,104;245-251,1987.
5.
中嶋八良・他.臨床検査機器・試薬,XII:247-259,1989.
6.
十字猛夫・他.臨床検査機器・試薬,XII:237-246,1989.
製造販売業者の氏名又は名称及び住所
氏名又は名称(製造販売業の種別)
シスメックス株式会社
第二種医薬品製造販売業
住所等
神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5番1号 〒651-0073
電話番号
(078)265-0500(代)
その他の安全性情報
備考
【問合せ先】
主要文献の内容,その他ご質問等は,下記にお問い合わせください.
氏名又は名称
シスメックス株式会社 CSセンター
住所等
〒651-2241 神戸市西区室谷1丁目3番地の2
電話番号
0120-413-034
【血液型判定用抗体基準】
[抗D血液型判定用抗体(食塩液・アルブミン液抗体)]