コレステロールキット

シンクロンシステム コレステロール試薬


作成・改訂年月

*2011年12月改訂(第2版)

2010年12月作成(第1版)

薬効分類名

体外診断用医薬品

一般的注意事項

ご使用に際しては、本添付文書をよくお読みください。

承認・届出等

販売名

シンクロンシステム コレステロール試薬

添付文書管理コード

13A2X00150000055_A_01

製造販売届出番号

13A2X00150000055

承認・認証年月等

平成22年12月

一般的名称

一般的名称
30159000
コレステロールキット

警告

(記載なし)

重要な基本的注意

(記載なし)

全般的な注意

1.
本品は体外診断用であり、それ以外の目的に使用しないでください。

2.
診断は他の関連する検査結果や臨床症状等に基づいて総合的に判断してください。

3.
添付文書等に記載した内容以外の方法で使用した場合は、保証の対象とはなりません。

4.
本品は、シンクロン(Synchron)CX、Synchron LX 20、Synchron LX i 725、システムとユニセル(UniCel)DxCシステム用の試薬です。ご使用にあたっては、システム取扱説明書をよく読んでから使用してください。

5.
本品には、保存剤としてアジ化ナトリウムが含まれております。誤って目や口に入ったり、皮膚に付着した場合には水で十分に洗い流すなどの応急処置を行い、必要であれば医師の手当てを受けてください。また、アジ化ナトリウムは鉛管、銅管と反応して爆発性の高い金属アジドを生成することがあるので、廃棄の際は大量の水と共に洗い流してください。

形状・構造等(キットの構成)

1.
構成試薬
コレステロールオキシダーゼ試薬

成分
コレステロールオキシダーゼ
パーオキシダーゼ


2.
構成試薬
コレステロールエステラーゼ試薬

成分
コレステロールエステラーゼ
4-アミノアンチピリン
フェノール

使用目的

血清または血漿中の総コレステロールの測定

測定原理

コレステロール(CHOL)試薬は、エンドポイント法によるコレステロール濃度の測定に用います。1,2,3 反応中、コレステロールエステラーゼ(CE)によりコレステロールエステルが遊離コレステロールと脂肪酸に加水分解されます。遊離コレステロールは、コレステロールオキシダーゼ(CO)によりコレステン-3-ワンと過酸化水素に酸化されます。パーオキシダーゼは、過酸化水素が4-アミノアンチピリン(4-AAP)及びフェノールと反応して有色のキノンイミン化合物を生成するのを触媒します。

システムは、検体と試薬を適した容量比で自動的にキュベットに分注します。検体と試薬の比は、1:100です。システムは520nmにおける吸光度の変化をモニタします。この吸光度の変化が検体中のコレステロール濃度に比例するため、この吸光度から、コレステロール濃度が算出されます。

操作上の注意

1.
検体は、通常の検査で採取する方法で行ってください。4 採取直後の血清または血漿を検体として使用してください。全血または尿は検体として使用しないでください。

2.
採血管は常時密封して立てて保存します。血清または血漿は採血後2時間以内に血球成分から分離します。5

3.
分離した血清または血漿は、室温で8時間以上放置しないでください。測定が8時間以内に完了しない場合には、2〜8℃で保存します。測定が48時間以内に完了しない場合、または分離した検体を48時間以上保存する場合は、-20〜-15℃で凍結します。凍結検体の融解は1回限りです。凍結融解を繰り返すと検体中の分析物が劣化するおそれがあります。5

4.
0.5mLのサンプルカップを使用する際の検体の最適量は0.3mLです。採血管検体の必要最小量については、採血管チャートテンプレートを参照してください。

5.
抗凝固剤の試験結果
血漿検体を用いて健常人の検体を試験した結果、本法では以下の抗凝固剤が使用できます。

表1 使用可能な抗凝固剤

抗凝固剤 試験濃度 偏り(mg/dL) 
へパリンアンモニウム 29単位/mL NSI 
ヘパリンリチウム 29単位/mL NSI 
ヘパリンナトリウム 29単位/mL NSI 

NSI=有意な干渉物質なし(±10.0g/dLまたは6%以内)


抗凝固剤に関しては取扱説明書(ケミストリーインフォメーションマニュアル)をご参照ください。

6.
干渉物質の影響

表2 干渉物質

物質 由来 試験濃度 干渉作用 
ヘモグロビン 赤血球溶血物 (4+) 500mg/dL NSI※※ 
ビリルビン ウシ(非抱合型) 30mg/dL 400mg/dLのとき
−25mg/dL以下 
高脂血症 Intralipid (4+) 500mg/dL NSI 
アスコルビン酸 NA※※※ 3mg/dL NSI 
アルブミン ヒト 7.7g/dL 240mg/dLのとき
−12mg/dL以下 
尿素 NA 500mg/dL NSI 

この欄の(+)または(-)の符号は、正または負の干渉を示します。
※※NSI=有意な干渉作用なし (±10.0mg/dLまたは6%以内)
※※※NA=該当なし

(1)
酢酸、洗剤、または界面活性剤を含む検体またはコントロール物質は試薬中の酵素を抑制することがありますので使用しないでください。

(2)
薬物、疾病、及び分析前の変動によるその他の干渉作用については、主要文献(11,12,13)を参照してください。

用法・用量(操作方法)

【試薬】

(1)
試薬の調製
調製は不要です。

(2)
試薬の貯法及び安定性
本試薬は、未開封のまま2〜8℃で保存した場合、カートリッジのラベルに記載された有効期限まで安定です。開封後2〜8℃で保存した場合、有効期限内であれば30日間安定です。


【キャリブレ−ション】

(1)
測定に使用するキャリブレータ
製品番号 442600  シンクロンマルチキャリブレータ

(2)
キャリブレータの調製
調製は不要です。

(3)
キャリブレータの貯法及び安定性
未開封のキャリブレータはラベルに記載の有効期限まで-20〜-15℃で保存します。開封後、キャリブレータを密封して2〜8℃で保存した場合、有効期限内であれば20日間安定です。

(4)
キャリブレーションについて

1)
コントロールまたは患者検体を測定する前に、システムのメモリに有効なキャリブレーションが記憶されている必要があります。

2)
通常の操作条件で本試薬カートリッジは14日ごと、及びシステム取扱説明書に記載されているような特定の部品交換やメンテナンスを行った際にもキャリブレーションが必要です。本測定は90日間隔でwithin-lotキャリブレーションを行います。この機能については、システム取扱説明書を参照してください。


【操作方法】

(1)
システム取扱説明書に記載されているように試薬をシステムにロードします。

(2)
試薬をロードした後、キャリブレーションを行います。キャリブレーション手順の詳細に関しては、システム取扱説明書を参照してください。

(3)
システム取扱説明書に記載されているように検体及びコントロールをプログラムします。


【測定条件】

表3 ユニセルDxCシステム パラメータ

項目コード CHOL 
測定方法 酵素法 
測定原理 エンドポイント2 
サンプル量 血清/血漿:3μL
ORDAC:2μL 
試薬容量
(検査1回あたり) 
カートリッジA:290μL
カートリッジC:10μL 
測定時間 反応開始:320秒
反応停止:352秒 

測定結果の判定法

米国コレステロール教育プログラム(National Cholesterol Education Program)による、心臓血管系リスクの基準となるコレステロール値は次のとおりです。

200mg/dL未満:低リスク
201〜239mg/dL:ボーダーライン リスク
240mg/dL以上:高リスク


各検査室では母集団に基づき独自の基準値を設定してください。
検査室ごとの基準値の設定については主要文献(8,9,10)を参照してください。
年令及び性別に基づく基準値については主要文献(7)を参照してください。

臨床的意義

コレステロールの測定は、アテローム性冠状動脈硬化症の診断と治療、脂質とリポ蛋白に関連する代謝機能不全の診断に用います。血清中の総コレステロール濃度は、年齢、性別、食生活、運動、肝疾患、及びその他の代謝機能不全を含む多くの要因によって異なります。

性能

【感 度】

ア)生理食塩水を測定した場合の表示値は、10mg/dL以下である。

イ)700〜800mg/dLの管理用試料を測定した場合の表示値は、設定濃度の±10%の範囲内である。


【特異性】
正常値範囲の既知濃度の管理用試料を測定するとき、表示値は既知濃度の±10%以内にある。

【再現性】
同一検体を3回同時に測定するとき、再現性は1標準偏差(1SD)が5.0mg/dL以内、あるいは平均値の±3%以内のいずれか大きい方である。

【測定範囲】

*表4 測定範囲

検体の種類 範 囲(mg/dL) 
血清または血漿 5〜750 
血清または血漿 ORDAC 600〜1,000 


測定範囲の上限を超える濃度の検体については、生理食塩水で希釈し再測定してください。測定値を計算して報告値を求めてください。

【相関性試験】
血清または血漿(39〜723mg/dLの範囲内):

Y(シンクロンLXシステム) = 0.975X + 3.94
N = 77
相関係数(r) = 1.000


相関性試験の実施に関するガイドラインについては主要文献(14)を参照してください。

【標準物質】
NIST 911

使用上又は取扱い上の注意

使用上の注意

1.
システムでのご使用にあたっては、システム取扱説明書をよくお読みください。

2.
本品は凍結させないでください。凍結された試薬は使用できません。また、試薬同士を混ぜないでください。

3.
検体、キャリブレータ、コントロールはHIV、HBV、HCV等の感染のおそれがあるものとして取り扱ってください。検査にあたっては感染の危険を避けるため、使い捨て手袋やゴーグルを着用し、また口によるピペッティングを行わないでください。6

4.
有効期限を過ぎた試薬は使用しないでください。

5.
試薬及び器具等を廃棄する場合には、廃棄物の規定に従って処理してください。

6.
精度管理のため、少なくとも2濃度以上のコントロールを1日1回測定してください。

貯蔵方法、有効期間

貯 法

2〜8℃

有効期間

12ヶ月
(使用期限:外装に記載してあります)

包装単位

コレステロール試薬(300テスト) 2カートリッジ

主要文献

主要文献

1.
Allain, C. C., et al., Clin. Chem., 20:470 (1974).

2.
Roeschlau, P., Bernt, E., Gruber, W., Z. Klin. Chem. Klin. Biochem., 12:226 (1974).

3.
Trinder, P., Ann. Clin. Biochem., 6:24 (1969).

4.
Tietz, N. W., "Specimen Collection and Processing; Sources of Biological Variation", Textbook of Clinical Chemistry, 2nd Edition, W. B. Saunders, Philadelphia, PA(1994).

5.
National Committee for Clinical Laboratory Standards, Procedures for the Handling and Processing of Blood Specimens, Approved Guideline, NCCLS publication H18-A, Villanova, PA (1990).

6.
CDC-NIH manual, Biosafety in Microbiological and Biomedical Laboratories, U.S. Government Printing Office, Washington, D.C.(1984).

7.
Tietz, N. W., Clinical Guide to Laboratory Tests, 3rd Edition, W. B. Saunders, Philadelphia, PA (1995).

8.
National Committee for Clinical Laboratory Standards, How to Define, Determine, and Utilize Reference Intervals in the Clinical Laboratory, Approved Guideline, NCCLS publication C28-A, Villanova, PA(1995).

9.
Tietz, N. W., ed., Fundamentals of Clinical Chemistry, 3rd Edition, W. B. Saunders, Philadelphia, PA(1987).

10.
Henry, J. B., Clinical Diagnosis and Management by Laboratory Methods, 18th Edition, W. B. Saunders Company, Philadelphia, PA(1991).

11.
Young, D. S., Effects of Drugs on Clinical Laboratory Tests, 4th Edition, AACC Press, Washington, D. C. (1995).

12.
Friedman, R. B., Young, D. S., Effects of Disease on Clinical Laboratory Tests, 3rd Edition, AACC Press, Washington, D.C.(1997).

13.
Young, D. S., Effects of Preanalytical Variables on Clinical Laboratory Tests, 2nd Edition, AACC Press, Washington, D. C. (1997).

14.
National Committee for Clinical Laboratory Standards, Method Comparison and Bias Estimation Using Patient Samples, Approved Guideline, NCCLS publication EP9-A, Villanova, PA (1995).

製造販売業者の氏名又は名称及び住所

氏名又は名称(製造販売業の種別)

ベックマン・コールター株式会社

第二種医薬品製造販売業

住所等

〒135-0063 東京都江東区有明三丁目5番7号 TOC有明ウエストタワー

電話番号

03-5530-8500

問い合わせ先

氏名又は名称
ベックマン・コールター株式会社

住所等
〒135-0063 東京都江東区有明三丁目5番7号 TOC有明ウエストタワー

電話番号
0120-566-730