医薬品・医療用具等安全性情報 No.191
目次
- 一般用かぜ薬による間質性肺炎について
- 重要な副作用等に関する情報
- 塩化ナトリウム・塩化カリウム・塩化マグネシウム・塩化カルシウム・炭酸水素ナトリウム
- 塩酸アマンタジン
- ザフィルルカスト
- サラゾスルファピリジン
- ナテグリニド
- 使用上の注意の改訂について(その147)
酒石酸ゾルピデム他(11件)
- この医薬品・医療用具等安全性情報は,厚生労働省において収集された副作用情報をもとに,医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために,医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成15年(2003年)7月
厚生労働省医薬食品局
緊:緊急安全性情報の配布 使:使用上の注意の改訂 症:症例の紹介
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1.一般用かぜ薬による間質性肺炎について
成分名
販売名(会社名) |
成分名 |
販売名 |
アスピリン,アスピリンアルミニウム,アセトアミノフェン,エテンザミド,サザピリン,サリチルアミド,ラクチルフェネチジン,イブプロフェン又はイソプロピルアンチピリン等を含有するかぜの諸症状の緩和を効能又は効果とする一般用医薬品 |
パブロンゴールド錠,パブロンゴールド〈微粒〉,パブロンS,パブロンA,パブロンS錠,パブロンA錠,パブロンSカプセル,パブロンSゴールド微粒,パブロンSゴールド錠(大正製薬)
エスタックイブ,エスタックEVE錠,エスタックイブ顆粒(エスエス製薬)
ユアドック・アイ,メディフォース・アイ,ダンイブ(日本薬品工業)
イベック総合感冒薬(錠),ルッケル総合感冒薬(錠),ジルナール総合感冒薬(錠)(科研製薬)
ルッケル総合感冒薬(カプセル)(資生堂)
ユアIB(錠),ロートIB(錠)(ロート製薬)
改源(堺化学工業)
ストナプラス2顆粒,ストナプラス2(佐藤製薬)
新ルルエース,新ルル−A錠,新ルルA錠,新ルルAゴールド(三共)
総合感冒薬「クニヒロ」(皇漢堂製薬)
コンタック総合感冒薬キャプレット,コンタック総合感冒薬(カプセル)(住友製薬)
新ジキニン顆粒(全薬工業)
カイゲン感冒カプセルα,カイゲン感冒カプセル「プラス」,カイゲンゴールドカプセル,カゼゴールドエース(第一薬品工業)
ベンザブロック錠,ベンザブロック,ベンザブロックIP,ベンザブロックIP錠(武田薬品工業)
新ジキナエース,ハヤナエース(富士薬品)
他
|
| 薬効分類等 |
かぜ薬(一般用医薬品) |
| 効能効果 |
かぜの諸症状(鼻水,鼻づまり,くしゃみ,のどの痛み,せき,たん,悪寒,発熱,頭痛,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和
※鼻水,鼻づまり,くしゃみ,せき,たんについては,有効成分の配合内容により効能効果に含まれる場合と含まれない場合がある。 |
(1)経緯
一般用医薬品のかぜ薬(以下「一般用かぜ薬」という。)は,かぜの諸症状(鼻水,鼻づまり,くしゃみ,のどの痛み,せき,たん,悪寒,発熱,頭痛,関節の痛み,筋肉の痛み)の緩和を効能・効果として有効成分の種類及び含量が一定の範囲内で異なる種々の製品が承認されている。今般,このような一般用かぜ薬を製造している企業より,当該企業の製造する製品について,間質性肺炎と疑われる副作用症例が報告されたことを踏まえ,専門家と協議しつつ,他の一般用かぜ薬における同様の副作用症例の報告についても検討した結果,16種類の製品群(有効成分の種類及び含量が同一のものを1製品群とする。)において,死亡例はないものの計26症例が当該医薬品との因果関係を否定できない間質性肺炎の症例であると考えられた。なお,これら16製品群の計42品目の一般用かぜ薬は,年間約5100万箱(平成14年度実績)販売されている。
厚生労働省としては,
(1)これらの一般用かぜ薬は,消費者が薬局等において購入して使用するものであること
(2)間質性肺炎については,重篤な副作用であること
(3)間質性肺炎の空せき,発熱等の初期症状は,本医薬品の効能であるかぜの諸症状と区別が難しいこともあり,症状が悪化した場合にも注意が必要なこと
を踏まえ,これら16種類の製品群の計42品目の一般用かぜ薬について,使用上の注意を改訂するとともに,本件について,薬局等に速やかに,情報提供するよう関係企業に対し,平成15年5月30日に指示を行った。
さらに,この16種類の製品群の一般用かぜ薬に対する使用上の注意の改訂等の対応後,これらの一般用かぜ薬と同様の成分及び薬効を有する一般用かぜ薬についても,これまでに間質性肺炎の報告はないものの,同様の使用上の注意事項の変更を行うことが適当であると考えられたことから,アスピリン,アスピリンアルミニウム,アセトアミノフェン,エテンザミド,サザピリン,サリチルアミド,ラクチルフェネチジン,イブプロフェン又はイソプロピルアンチピリン等を含有し,かぜの諸症状の緩和を効能又は効果とする一般用かぜ薬全般についても,同年6月11日に同様の使用上の注意の改訂の指示を行った。
(2)症例の紹介
報告された間質性肺炎の発症症例のうち3例を表1に紹介する。
表1 症例の概要
| NO. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
| 1 |
男
50代 |
感冒 (なし) |
3包
3〜4週間 |
| 薬剤性肺炎 |
| 投与開始日 |
: |
発熱(軽熱),頭痛出現。本剤内服開始。頭痛時にアスピリン・ダイアルミネートを頓用。 |
| 投与1〜2週間後 |
: |
頭痛は消失したものの,高熱,倦怠感,乾性咳嗽が出現。本剤を内服し続けたが,症状は増悪。 |
投与3〜4週間後 (投与中止日) |
: |
A院受診。胸部異常陰影を指摘され,同日B病院へ紹介入院。胸部X-P及び胸部CTで右上葉にconsolidationとその周囲の浸潤影を認めた。また白血球が11600/mm3(好中球79%,リンパ球15%,単球5%,好酸球1%),CRPが17.9mg/dL(6+)と高値であった。薬剤性肺炎の可能性を考えて,入院時に本剤を中止した。 |
| 中止3日後 |
: |
解熱傾向。CRP14.3mg/dL(5+),胸部X-Pは改善せず。末梢血リンパ球を用いDLST施行。 |
| 中止4日後 |
: |
気管支鏡施行。細菌性肺炎を示唆するような膿性痰を認めず。TBLBで器質化肺炎像を認める。同日よりメチルプレドニゾロン125mgを3日間投与。 |
| 中止6日後 |
: |
気管支鏡再検。BALF中にリンパ球増多。細菌培養検査結果は陰性。 |
| 中止7日後 |
: |
メチルプレドニゾロン500mgを3日間投与。 |
| 中止10日後 |
: |
症状著明改善。CRP陰性化。胸部X-Pでは浸潤影は完全に消失。しかし,consolidationは残存し,内部が空洞化。DLST陽性(376%)。 |
| 中止13日後 |
: |
再度発熱。湿性咳嗽,膿性痰出現。プレドニゾロン30mg開始。 |
| 中止18日後 |
: |
症状改善せず,C病院に転入院。 |
| 中止20日後 |
: |
メチルプレドニゾロン500mgを3日間投与。解熱がみられたが一時的で,胸部陰影は改善せず,内部の空洞は拡大していった。 |
| 中止30日後 |
: |
気管支鏡。brushingの培養でBacteroidesを検出。 |
| 中止41日後 |
: |
薬剤性肺炎の病巣内に細菌感染を来したことによる肺膿瘍と考え,メロペネム三水和物1000mgの投与を開始し,奏効した。 |
| 中止56日後 |
: |
メロペネム三水和物をファロペネムナトリウム600mgに変更。 |
| 中止66日後 |
: |
CRP陰性化。胸部X-Pでは右肺に薄壁空洞のみ残存。 |
| 中止68日後 |
: |
軽快退院。 |
|
企業報告 |
| 併用薬:アスピリン・ダイアルミネート |
| NO. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
| 2 |
男
60代 |
感冒 (高脂血症,緑内障) |
9錠(頓服)
投与期間不明 |
| BOOP |
| |
|
軽度の咽頭痛があり,時折本剤を服用していた。 |
| 発 現 日 |
: |
感冒様症状が増悪したため,近医を受診。胸部X線にて両下肺に浸潤影を認めたため,抗生剤による治療を開始。 |
| 発現20日目 |
: |
抗生剤の投与にもかかわらず症状に改善なく,画像所見上悪化が認められた。 |
| 発現62日目 |
: |
他院を紹介受診。 |
| 発現69日目 |
: |
精査加療を目的として呼吸器内科へ入院。 |
| 発現76日目 |
: |
経気管支肺生検にて,Masson体を伴った肺胞炎が認められた。生検結果及び画像所見からBOOPとの確定診断を得たが,フィブリン析出や好酸球,好中球を認め,特発性よりはむしろ続発性のものが疑われた。また,本剤のDLST結果は陽性であった。 |
| 発現83日目 |
: |
ステロイドパルス療法開始。 |
| 発現86日目 |
: |
ステロイドを経口投与に変更。その後画像所見は改善。炎症反応も陰性化。 |
| 発現108日目 |
: |
退院。外来での治療を継続。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
| |
発現69日目 |
発現77日目 |
発現83日目 |
発現90日目 |
発現97日目 |
発現104日目 |
| 白血球数(/mm3) |
9400 |
11700 |
9700 |
9100 |
10800 |
10800 |
| 赤血球数(×104/mm3) |
395 |
382 |
377 |
404 |
433 |
421 |
| ヘモグロビン(g/dL) |
12.2 |
11.5 |
11.4 |
12.2 |
13.5 |
13.2 |
| ヘマトクリット(%) |
36.3 |
34.7 |
34.6 |
37.4 |
40.4 |
39.6 |
| 血小板数(×104/mm3) |
30.1 |
30.2 |
28.1 |
28.0 |
21.2 |
15.6 |
| 好中球(%) |
― |
80.3 |
74.8 |
67.7 |
67.1 |
70.1 |
| 好酸球(%) |
― |
3.7 |
5.4 |
0.9 |
0.5 |
0.8 |
| 好塩基球(%) |
― |
0.2 |
0.7 |
0.2 |
0.4 |
0.3 |
| 単球(%) |
― |
4.5 |
3.2 |
4.9 |
5.6 |
4.1 |
| リンパ球(%) |
― |
11.2 |
15.0 |
26.3 |
26.4 |
24.7 |
| CRP(mg/dL) |
3.8 |
12.6 |
4.6 |
0.2 |
<0.1 |
0.1 |
| 総蛋白(g/dL) |
7.7 |
7.2 |
7.3 |
― |
― |
― |
| アルブミン(g/dL) |
3.3 |
― |
3.2 |
2.9 |
3.4 |
3.5 |
| BUN(mg/dL) |
17 |
16 |
16 |
20 |
22 |
17 |
| 血清クレアチニン(mg/dL) |
0.90 |
0.92 |
0.80 |
0.87 |
0.95 |
0.82 |
| 血清尿酸(mg/dL) |
8.1 |
7.2 |
― |
― |
― |
― |
| 総ビリルビン(mg/dL) |
0.43 |
0.57 |
0.27 |
0.37 |
0.46 |
0.51 |
| 直接ビリルビン(mg/dL) |
0.04 |
― |
― |
― |
― |
― |
| Al-P(IU/L) |
181 |
― |
― |
― |
― |
― |
| AST(S-GOT)(IU/L) |
17 |
15 |
23 |
12 |
12 |
12 |
| ALT(S-GPT)(IU/L) |
16 |
12 |
37 |
14 |
15 |
16 |
| LDH(IU/L) |
317 |
251 |
268 |
224 |
235 |
244 |
| コリンエステラーゼ(IU/L) |
303 |
― |
― |
― |
― |
― |
| γ-GTP(IU/L) |
30 |
― |
― |
― |
― |
― |
| アミラーゼ(U/L) |
150 |
― |
― |
― |
― |
― |
| Na(mEq/L) |
140 |
139 |
142 |
141 |
140 |
140 |
| K(mEq/L) |
3.9 |
3.7 |
3.7 |
3.6 |
3.6 |
3.8 |
| Cl(mEq/L) |
105 |
101 |
107 |
104 |
103 |
105 |
| Ca(mg/dL) |
8.9 |
9.0 |
― |
― |
― |
― |
| P(mg/dL) |
3.0 |
2.9 |
― |
― |
― |
― |
| 血糖(空腹時)(mg/dL) |
83 |
― |
152 |
83 |
80 |
78 |
| 総コレステロール(mg/dL) |
222 |
― |
― |
― |
222 |
― |
| 中性脂肪(mg/dL) |
128 |
― |
― |
― |
128 |
― |
|
| 併用薬:フルバスタチンナトリウム |
| NO. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
| 3 |
男
60代 |
感冒 (なし) |
2錠
1日 |
| 薬剤性肺障害,発疹 |
投 与 日 (投与中止日) |
: |
朝,悪寒があったため一般用かぜ薬を3錠服用。13時,本剤を2錠服用。夕,一般用解熱鎮痛剤2錠を服用後,全身に発疹が出現。 |
| 中止2日後 |
: |
近医を受診し,薬疹の疑いで入院。 |
| 中止3日後 |
: |
ジクロフェナクナトリウム(25mg錠)服用開始。 |
| 中止5日後 |
: |
ジクロフェナクナトリウム服用中止。(中止3〜5日後で計100mg服用) |
| 中止6日後 |
: |
発疹は増加を続け,さらに胸部症状が出現。 |
| 中止7日後 |
: |
他院へ転院。入院時,白血球数18800/mm3,CRP18.9mg/dL,LDH315IU/Lで細菌性肺炎が疑われたためメロペネム三水和物を投与。同時に血液ガス分析をした結果,低酸素血症あり。(pH7.54,Pco236mmHg,Po255.5mmHg,HCO3-24.7mmol/L)夜間,呼吸困難を訴えたため酸素投与。 |
| 中止8日後 |
: |
胸部CT撮影結果等から,薬剤性肺障害と診断。メロペネム三水和物投薬中止。 |
| 中止16日後 |
: |
入院後9病日より炎症反応再燃。胸部X-Pで肺に陰影が出現。再び発疹出現。 その後,無治療で経過し,軽快した。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
| |
中止7日後 |
中止9日後 |
中止13日後 |
中止30日後 |
| 赤血球数(×104/mm3) |
405 |
368 |
393 |
384 |
| ヘモグロビン量(g/dL) |
12.6 |
11.9 |
11.7 |
11.4 |
| ヘマトクリット値(%) |
36.9 |
36.5 |
36.3 |
35.5 |
| 白血球数(/mm3) |
18800 |
8100 |
14000 |
5500 |
| 好酸球(%) |
2.0 |
0 |
0 |
1.1 |
| 好中球(%) |
78.4 |
70.4 |
89.8 |
65.9 |
| 好塩基球(%) |
0 |
4.0 |
1.0 |
1.0 |
| リンパ球(%) |
8.0 |
13.0 |
5.0 |
27.3 |
| 単球(%) |
2.0 |
4.0 |
1.0 |
9.0 |
| 血小板数(×104/mm3) |
29.3 |
26.0 |
29.0 |
29.5 |
| AST(GOT)(IU/L) |
25 |
― |
― |
― |
| ALT(GPT)(IU/L) |
24 |
― |
― |
― |
| Al-P(IU/L) |
223 |
― |
― |
― |
| LDH(IU/L) |
315 |
― |
― |
― |
| γ-GTP(IU/L) |
61 |
― |
― |
― |
| 総ビリルビン(mg/dL) |
0.5 |
― |
― |
― |
| BUN(mg/dL) |
29 |
― |
― |
― |
| 血清クレアチニン(mg/dL) |
0.93 |
― |
― |
― |
| 尿蛋白 |
(1+) |
(−) |
― |
― |
| 尿糖 |
(−) |
(−) |
― |
― |
| 尿沈渣 |
赤血球 |
1-5/数視野 |
0-4/数視野 |
― |
― |
| 白血球 |
0-4/各視野 |
0-4/数視野 |
― |
― |
| 円柱 |
ガラス |
― |
― |
― |
| 血清Na(mEq/L) |
135 |
― |
― |
― |
| 血清K(mEq/L) |
5.0 |
― |
― |
― |
| 最高体温(℃) |
39.2 |
― |
― |
― |
| 血圧(mmHg) |
82/56 |
― |
― |
― |
| 脈拍数(回数分) |
110 |
― |
― |
― |
血液ガス分析
| |
中止7日後 |
| pH |
7.54 |
| Pco2(mmHg) |
36 |
| Po2(mmHg) |
55.5 |
| HCO3−(mmol/L) |
24.7 |
|
| 併用薬:一般用かぜ薬,一般用解熱鎮痛剤,ジクロフェナクナトリウム,メロペネム三水和物 |
(3)安全対策
これまでも,添付文書において,5〜6回服用しても症状が良くならない場合は,直ちに服用を中止し,医師又は薬剤師に相談するなどの注意がなされてきたが,これらの注意に加えて,まれに,間質性肺炎(空せき(たんを伴わないせき)を伴い,息切れ,呼吸困難,発熱等があらわれる。)の重篤な症状が起きることがあるので,その場合は直ちに医師の診療を受けることが重要である。
また,これらの間質性肺炎の症状は,かぜの諸症状と区別が難しいこともあり,空せき,発熱等の症状が悪化した場合にも,服用を中止するとともに,医師の診療を受けることが重要である。
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
〈アスピリン,アスピリンアルミニウム,アセトアミノフェン,エテンザミド,サザピリン,サリチルアミド,ラクチルフェネチジン,イブプロフェン又はイソプロピルアンチピリン等を含有するかぜの諸症状の緩和を効能又は効果とする一般用医薬品〉
[相談すること]
- 次の場合は,直ちに服用を中止し,この文書を持って医師又は薬剤師に相談すること
服用後,次の症状があらわれた場合
まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。
その場合は直ちに医師の診療を受けること。
-
間質性肺炎:空せき(たんを伴わないせき)を伴い,息切れ,呼吸困難,発熱等があらわれる。(これらの症状は,かぜの諸症状と区別が難しいこともあり,空せき,発熱等の症状が悪化した場合にも,服用を中止するとともに,医師の診療を受けること。)
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2.重要な副作用等に関する情報
医薬品・医療用具等安全性情報 No.166の『「医薬品・医療用具等安全性情報」の月刊化について』でお知らせしましたように,前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.190)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について,改訂内容,参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
【1】 塩化ナトリウム・塩化カリウム・塩化マグネシウム・塩化カルシウム・炭酸水素ナトリウム
| 販売名(会社名) |
ミオテクター(小林製薬工業) |
| 薬効分類等 |
他に分類されない治療を主目的としない医薬品 |
| 効能効果 |
低体温体外循環下,大動脈を遮断し実施される心臓外科手術における,心停止及び心筋保護 |
| 《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
| [相互作用(併用注意)] |
カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン,カンレノ酸カリウム,トリアムテレン等),カリウム製剤 |
| [副作用(重大な副作用)] |
心室細動,心室頻拍,心室性期外収縮,完全房室ブロック:大動脈遮断解除後に心室細動,心室頻拍,心室性期外収縮,完全房室ブロックがあらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には除細動装置,ペースメーカーを使用するなど適切な処置を行うこと。
高カリウム血症:重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。 |
| 〈参 考〉 |
企業報告 |
症例の概要
| NO. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
| 1 |
男
60代 |
冠動脈狭窄症に対する心臓手術の心停止及び心筋保護
(糖尿病,閉塞性動脈硬化症,脳梗塞後遺症,慢性腎不全) |
900mL
1日間 |
| 高カリウム血症 |
| 投 与 日 |
: |
冠動脈狭窄症(2枝)に対し,本剤を初回単独使用。2回目及び3回目はL-アスパラギン酸カリウムを用いたcold blood cardioplegia(冷却血液加心筋保護法)(ともに液温5℃)で,冠動脈バイパス術(バイパス本数:2本)を施行(大動脈遮断時間:94分)。 |
| 体外循環中 |
: |
血清K値が6.4mEq/Lまで上昇。 |
| 大動脈遮断解除時 |
: |
心停止の危険性があるため,補助循環を続けつつGI(グルコース+インスリン)療法を行い,さらにフロセミド10mgを4回静注投与。 |
| 手術終了時 |
: |
術前からあったST-T,wide QRSの心電図異常に加え,上室性頻拍発生。 |
大動脈遮断解除 1時間後 |
: |
血清K値は5.8mEq/Lまで低下し,体外循環を離脱。 |
大動脈遮断解除 2時間後 |
: |
血清K値は5.1mEq/Lまで低下。 |
| 終了2日後 |
: |
上室性頻拍消失。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
| |
投与直前 |
(投与時) 体外循環中 |
終了 1時間後 |
終了 2時間後 |
終了 1日後 |
終了 3日後 |
終了 6日後 |
終了 13日後 |
| K(mEq/L) |
5.0 |
6.4 |
5.8 |
5.1 |
4.9 |
4.4 |
3.3 |
4.5 |
| BUN(mg/dL) |
33 |
― |
― |
― |
32 |
32 |
44 |
48 |
| クレアチニン(mg/dL) |
2.0 |
― |
― |
― |
2.3 |
2.3 |
2.3 |
2.6 |
|
| 併用薬:L-アスパラギン酸カリウム,塩化カリウム,塩化カルシウム,グルコン酸カルシウム,炭酸水素ナトリウム,塩酸ドパミン,塩酸ドブタミン,ニトログリセリン,硝酸イソソルビド,アルプロスタジル,塩酸リドカイン,フロセミド,D-マンニトール,生理食塩液,リンゲル液,ブドウ糖,ヒトインスリン,ヘパリンナトリウム,硝酸プロタミン,クエン酸フェンタニル,プロポフォール,トラネキサム酸,カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム,ヘモコアグラーゼ,加熱人血漿たん白,人赤血球濃厚液,硫酸アミカシン,フロモキセフナトリウム,ジゴキシン,ファモチジン,塩酸チクロピジン,塩酸チアプリド,塩酸フェニレフリン |
【2】 塩酸アマンタジン
| 販売名(会社名) |
アテネジン細粒,同50,同100(鶴原製薬) アマゾロン細粒,同錠50,同錠100(沢井製薬) グランザート細粒10%(シー・エイチ・オー新薬) シキタン,同100(全星薬品工業) シンメトレル細粒,同錠50mg,同錠100mg(日本チバガイギー) |
トーファルミン細粒,同錠50,同錠100(東洋ファルマー)
ボイダン,同散,同D(イセイ)
ルシトン細粒,同錠(辰巳化学)
ロティファミン錠100(大洋薬品工業) |
|
| 薬効分類等 |
抗パーキンソン剤 |
| 効能効果 |
(1)パーキンソン症候群 (2)脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善(ルシトン,ロティファミンを除く)
(3)A型インフルエンザウイルス感染症(シンメトレルのみ) |
| 《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
| [副作用(重大な副作用)] |
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 |
| 〈参 考〉 |
企業報告 |
症例の概要
| NO. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
| 1 |
男
10歳 未満 |
インフルエンザ,急性肺炎
(熱性痙攣) |
50mg
3日間 |
| 中毒性表皮壊死融解症 |
| 投与7日前 |
: |
発熱,熱性痙攣で近医受診。 |
| 投与5日前 |
: |
発熱継続,咳嗽激しく急性肺炎で紹介入院。インフルエンザ陽性。ピペラシリンナトリウム,塩酸プロカテロール,カルボシステイン,塩化リゾチーム,テオフィリン投与開始。 |
| 投与開始日 |
: |
本剤50mg,セフメタゾールナトリウムの投与を開始した。 |
投与3日目 (投与中止日) |
: |
解熱した。足に発疹出現。本剤の投与を中止。 |
| 中止1日後 |
: |
発疹は淡紅色で,足から体幹へ拡大した。 |
| 中止2日後 |
: |
発疹は全身に暗紅色となり,中毒疹と診断された。顔面,四肢に小水疱,発熱がみられた。全薬剤投与中止。 |
| 中止3日後 |
: |
体幹まで水疱拡大,結膜炎,口唇病変出現,スティーブンス・ジョンソン症候群と診断。皮疹は頭部を除く全身に小豆大融合局面形成した紅斑,水疱を認めた。粘膜疹は口腔,陰部にも認め,結膜充血あり,ニコルスキー現象陽性。腹部皮膚生検により表皮下水疱,表皮壊死像を認めた。 |
| 中止4日後 |
: |
中毒性表皮壊死症の診断でステロイドパルス療法,新鮮凍結血漿,γグロブリンが開始された。皮膚科で塩酸テトラサイクリン軟膏を全身に外用し,連日処置を行った。眼科にて角膜びらんを指摘された。 |
| 中止5日後 |
: |
水疱の拡大は止まったが,びらん面は体表面積の約90%に及んだ。 紅斑は持続,表皮化は外用剤を数種変更しても遅延した。 |
| 中止28日後 |
: |
肝機能障害出現。 |
| 中止29日後 |
: |
ナファモスタット,乾燥濃縮人アンチトロンビンIII及び輸血を開始。 腎機能障害出現。 |
| 中止33日後 |
: |
易出血性,血疱を認めた。腹部,上腕の紅斑部より再度皮膚生検を施行。表皮再生は認めなかった。突然呼吸停止,蘇生術に反応せず死亡。 剖検:なし。 |
〈DLST結果〉
- 本剤,ピペラシリンナトリウム,セフメタゾールナトリウム,カルボシステイン,塩化リゾチーム,塩酸プロカテロール,テオフィリン,いずれも陰性。
|
|
企業報告 |
臨床検査値
| |
投与5日前 |
中止4日後 |
中止10日後 |
中止25日後 |
中止33日後 |
| 赤血球数(×104/mm3) |
403 |
443 |
376 |
309 |
197 |
| ヘモグロビン(g/dL) |
10.2 |
12.0 |
10.3 |
8.0 |
5.5 |
| 白血球数(/mm3) |
4900 |
3600 |
6800 |
12600 |
47700 |
| 好中球(%) |
11.5 |
67 |
60 |
61 |
― |
| 好酸球(%) |
0 |
0 |
0 |
0 |
― |
| 好塩基球(%) |
0.5 |
0 |
0 |
0 |
― |
| 単球(%) |
2.0 |
5 |
3 |
3 |
― |
| リンパ球(%) |
86.0 |
28 |
36 |
36 |
― |
| 血小板数(×104/mm3) |
11.2 |
27.0 |
31.8 |
0.9 |
2.9 |
| AST(GOT)(IU/L) |
55 |
47 |
20 |
460 |
185 |
| ALT(GPT)(IU/L) |
32 |
21 |
8 |
270 |
102 |
| Al-P(IU/L) |
― |
486 |
586 |
300 |
523 |
| LDH(IU/L) |
674 |
― |
― |
647 |
879 |
| 総ビリルビン(mg/dL) |
― |
0.3 |
― |
2.5 |
3.4 |
| BUN(mg/dL) |
6.1 |
5 |
7 |
20 |
24 |
| クレアチニン(mg/dL) |
0.4 |
0.3 |
0.3 |
1.0 |
0.8 |
| K(mEq/L) |
4.1 |
― |
3.9 |
4.2 |
3.7 |
| Na(mEq/L) |
142 |
― |
― |
― |
― |
| 尿量(mL/24h) |
― |
1021 |
1020 |
794 |
― |
| pH |
― |
7.421 |
7.499 |
7.206 |
7.361 |
| 総蛋白(g/dL) |
― |
5.4 |
5.3 |
3.9 |
5.0 |
| CRP(mg/dL) |
― |
0.2 |
1.5 |
5.2 |
― |
|
| 併用薬:ピペラシリンナトリウム,セフメタゾールナトリウム,カルボシステイン,塩化リゾチーム,アセトアミノフェン,塩酸プロカテロール,テオフィリン
|
| NO. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
| 2 |
男
10歳 未満 |
インフルエンザ,上気道炎,細菌感染疑い |
80mg
3日間 |
| スティーブンス・ジョンソン症候群 |
| 投与1日前 |
: |
夜間,39℃台の発熱,感冒症状を認めた。 |
| 投与開始日 |
: |
近医受診。上気道炎,インフルエンザ疑いで本剤,クラリスロマイシン,非ピリン系感冒剤を投与。 |
| 投与2日目 |
: |
顔面,体幹に紅斑出現。 |
投与3日目 (投与中止日) |
: |
すべての薬剤の投与を中止。 |
| 中止1日後 |
: |
紅斑が拡大したため,当院入院。入院後,セフトリアキソンナトリウム点滴静注。塩酸シプロヘプタジン,カルボシステイン,臭化水素酸フェノテロールの内服を開始。 |
| 中止3日後 |
: |
全身発赤,浮腫,水疱形成,表皮剥離,粘膜充血が出現。びらん面に対し,ポビドンヨード消毒,吉草酸ベタメタゾン軟膏,硫酸ゲンタマイシン軟膏,ジメチルイソプロピルアズレン軟膏を塗布。 |
| 中止5日後 |
: |
セフトリアキソンナトリウム投与中止。 |
| 中止6日後 |
: |
全身発赤軽減し,表皮剥離が進行。粘膜充血は軽快。 |
| 中止12日後 |
: |
皮膚所見は改善し(色素沈着は残存),退院。 |
〈DLST結果〉
- 本剤,クラリスロマイシンは陰性,セフトリアキソンナトリウムは陽性。
|
|
企業報告 |
臨床検査値
| |
中止2日後 |
中止5日後 |
中止12日後 |
| 赤血球数(×104/mm3) |
497 |
441 |
461 |
| ヘモグロビン(g/dL) |
13.5 |
11.9 |
12.9 |
| 白血球数(/mm3) |
2910 |
2440 |
4710 |
| 好中球(%) |
84.5 |
49.5 |
24.0 |
| 好酸球(%) |
0 |
0 |
5.0 |
| 好塩基球(%) |
0 |
0.5 |
1.0 |
| 単球(%) |
0.5 |
3.0 |
7.0 |
| リンパ球(%) |
13.5 |
43.5 |
59.0 |
| 血小板数(×104/mm3) |
14.1 |
21.4 |
67.3 |
| AST(GOT)(IU/L) |
89 |
360 |
64 |
| ALT(GPT)(IU/L) |
39 |
198 |
144 |
| 総ビリルビン(mg/dL) |
0.56 |
0.21 |
0.35 |
| CRP(mg/dL) |
5.1 |
0.7 |
0.4以下 |
| 総蛋白(g/dL) |
6.1 |
5.3 |
7.1 |
| アルブミン(g/dL) |
3.1 |
3.1 |
4.3 |
| LDH(IU/L) |
910 |
847 |
284 |
|
| 併用薬:クラリスロマイシン,セフトリアキソンナトリウム,カルボシステイン,非ピリン系感冒剤,塩酸シプロヘプタジン,臭化水素酸フェノテロール
|
| NO. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
| 3 |
男
60代 |
パーキンソン症候群 (アルツハイマー病,十二指腸潰瘍) |
200mg
4日間 |
| 皮膚粘膜眼症候群 |
| 投与約5ヵ月前 |
: |
嘔気,嘔吐で受診。無表情,無動,小刻み歩行,すくみ足,鉛管現象等を認める。知能低下あり。胃カメラで十二指腸潰瘍と診断し,抗潰瘍療法施行,全身状態改善傾向。 |
| 投与開始日 |
: |
本剤200mgの投与を開始。 |
投与4日目 (投与中止日) |
: |
顔面,前胸部,両前腕,両下腿,陰部に発赤疹出現。発赤あり。 グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤を静注。本剤投与中止。 |
| 中止1日後 |
: |
皮疹増強,プレドニゾロン20mg投与。CRP:7.5mg/dL,AST(GOT):12IU/L,ALT(GPT):16IU/L,体温:37〜37.5℃。 |
| 中止2日後 |
: |
結膜充血認めるも眼科的に所見なく,予防的にステロイド点眼。 |
| 中止3日後 |
: |
口唇部の発赤は痂皮形成。 |
| 中止4日後 |
: |
手掌,背部,肩部の皮疹は水疱形成。 |
| 中止7日後 |
: |
下肢から大腿に直径1〜2cm大の円形発赤疹が多数出現,癒合傾向。 |
| 中止9日後 |
: |
口唇部粘膜は軽快,痛み改善。以後,徐々に発赤は退色傾向。そう痒感(−)。 |
| 中止32日後 |
: |
AST(GOT):107IU/L,ALT(GPT):132IU/L,γ-GTP:67IU/Lと上昇。 |
| 中止77日後 |
: |
前胸部,大腿から下腿に茶褐色の皮疹残存。その後回復。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
| |
投与 2日前 |
中止 1日後 |
中止 4日後 |
中止 7日後 |
中止 14日後 |
中止 32日後 |
中止 43日後 |
中止 56日後 |
| 総蛋白(g/dL) |
7.1 |
6.5 |
5.8 |
― |
5.9 |
5.9 |
5.3 |
5.6 |
| AST(GOT)(IU/L) |
16 |
12 |
16 |
22 |
20 |
107 |
49 |
23 |
| ALT(GPT)(IU/L) |
24 |
16 |
26 |
49 |
37 |
132 |
79 |
39 |
| Al-P(IU/L) |
105 |
111 |
118 |
― |
143 |
237 |
181 |
131 |
| γ-GTP(IU/L) |
5 |
15 |
19 |
― |
28 |
67 |
44 |
36 |
| LDH(IU/L) |
309 |
313 |
256 |
― |
280 |
355 |
308 |
314 |
| CRP(mg/dL) |
0 |
7.5 |
12.8 |
6.6 |
4.5 |
2.4 |
1.0 |
0.1 |
|
| 併用薬:塩酸ロキサチジンアセタート,ジサイクロミン・水酸化アルミニウム配合剤,膵臓性消化酵素配合剤,アズレンスルホン酸ナトリウム・L-グルタミン |
【3】 ザフィルルカスト
| 販売名(会社名) |
アコレート錠20mg,同錠40mg(アストラゼネカ)
|
| 薬効分類等 |
その他のアレルギー用薬 |
| 効能効果 |
気管支喘息 |
| 《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
| [重要な基本的注意] |
本剤投与により,劇症肝炎を含む重篤な肝機能障害があらわれることがあるので,定期的な肝機能検査を実施するなど,観察を十分に行うこと。また,投与にあたっては患者に当該副作用について十分な説明を行うとともに,症状がみられた場合には本剤の服用を中止し速やかに診察を受けるよう指導すること。 |
| [副作用(重大な副作用)] |
劇症肝炎,肝機能障害,黄疸:劇症肝炎等の重篤な肝炎,肝機能障害,黄疸があらわれることがあり,肝不全や死亡に至ったとの報告もあるので,定期的な肝機能検査を実施するなど,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
好酸球性肺炎:好酸球性肺炎があらわれることがあるので,発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増加等の症状があらわれた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。 |
| 〈参 考〉 |
企業報告 |
症例の概要
| NO. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
| 1 |
男
40代 |
気管支喘息
(十二指腸潰瘍,逆流性食道炎,胃炎) |
40mg
120日間 |
| 劇症肝炎 |
| 投与開始日 |
: |
気管支喘息に対して本剤投与開始。 |
| 投与約90日目 |
: |
腹痛,嘔気が出現。 |
投与120日目 (投与中止日) |
: |
嘔吐,腹痛,上腹部圧痛と黄疸を認め,本剤投与中止。 |
| 中止1日後 |
: |
重症肝炎と診断。潰瘍に対してファモチジン錠,アルギン酸ナトリウムを処方し,肝炎に対しては薬剤性も考えられたため,本剤を含め,ツロブテロール,クエン酸モサプリドを以後処方せず。グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤の投与開始。 |
| 中止4日後 |
: |
手指の振戦,嘔気再発。テオフィリン中止。意識レベル変化なし。A,B,C型肝炎ウイルス陰性,抗核抗体陰性。 |
| 中止5日後 |
: |
コハク酸プレドニゾロンナトリウム40mg使用(3日間)。 |
| 中止11日後 |
: |
総ビリルビンが30mg/dL以上となり,PT24.6秒,APTT53.9秒と出血傾向を呈した。コハク酸プレドニゾロンナトリウム40mg投与再開し,新鮮凍結血漿の輸血実施。 |
| 中止13日後 |
: |
意識レベル低下。肝性脳症II度と診断。肝不全用アミノ酸製剤500mL点滴開始。 |
| 中止14日後 |
: |
意識レベルはやや回復。 |
| 中止15日後 |
: |
AST(GOT),ALT(GPT),LDH等は著明に低下。血小板8.3万,PT40秒と出血傾向が進行した。 |
| 中止16日後 |
: |
未明から血圧低下,大量吐血。気管内挿管し,救命を試みるも永眠。死因:劇症肝炎による肝不全。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
| |
中止 1日後 |
中止 4日後 |
中止 5日後 |
中止 7日後 |
中止 11日後 |
中止 15日後 |
| 血小板数(×104/mm3) |
22.7 |
21.8 |
20.6 |
20.3 |
13.3 |
8.3 |
| PT(秒) |
― |
18.3 |
20.1 |
― |
24.6 |
40.0 |
| APTT(秒) |
― |
43.8 |
49.8 |
― |
53.9 |
59.8 |
| 総蛋白(g/dL) |
6.2 |
― |
― |
― |
― |
― |
| AST(GOT)(IU/L) |
1683 |
1866 |
1771 |
1433 |
1101 |
645 |
| ALT(GPT)(IU/L) |
2546 |
2463 |
2182 |
1810 |
1448 |
957 |
| LDH(IU/L) |
1039 |
996 |
875 |
845 |
946 |
986 |
| Al-P(IU/L) |
504 |
568 |
505 |
598 |
― |
474 |
| γ-GTP(IU/L) |
565 |
481 |
409 |
345 |
― |
140 |
| 総ビリルビン(mg/dL) |
7.3 |
16.3 |
17.9 |
20.4 |
31.2 |
31.6 |
| 直接ビリルビン(mg/dL) |
6.1 |
14.7 |
16.1 |
18.7 |
28.9 |
28.1 |
| CRP(mg/dL) |
1.3 |
1.3 |
― |
― |
1.1 |
― |
| 血中アンモニア(μg/dL) |
― |
146 |
137 |
― |
103 |
157 |
| ヘパプラスチンテスト(%) |
― |
36 |
― |
28 |
18 |
10 |
|
| 併用薬:ツロブテロール,クエン酸モサプリド,塩酸プロカテロール,テオフィリン,テプレノン |
| (医薬品・医療用具等安全性情報No.174より再掲載) |
| NO. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
| 2 |
女
70代 |
気管支喘息
(糖尿病,高脂血症) |
40mg
129日間 |
| 劇症肝炎 |
| 7年前から肝機能検査値異常。5年前にCTにて脂肪肝を確認。5年前より気管支喘息にて加療中。アルコール歴無し。喫煙歴無し。 |
| 投与開始16日前 |
: |
喘息発作にて入院。 |
| 投与開始日 |
: |
プランルカスト水和物より本剤に変更され投与開始。 |
| 投与11日目 |
: |
退院。 |
| 投与106日目 |
: |
定期外来にて血糖319と高値であったが,全身倦怠感,黄疸等は認めず。 |
| 投与122日目頃 |
: |
嘔気,全身倦怠感,食欲不振が出現。 |
投与129日目 (投与中止日) |
: |
朝より嘔気,嘔吐出現し来院。本剤投与中止。 黄疸のため入院精査。腹部エコーにて胆のう内結石を認めたが,閉塞性パターンは認めず。禁食,内服中止,グリチルリチン・グリシン・L-システイン配合剤にて加療開始。 |
| 中止2日後 |
: |
右季肋部の圧痛あり。エコーにて胆のう軽度腫大認めたが,閉塞性パターン認めず。 |
| 中止6日後 |
: |
IgM HA抗体(−),IgM HBc抗体(−),HCV(−),総ビリルビン上昇。黄疸精査の為転院。 転院先にて,総ビリルビン21.7mg/dL,AST(GOT)581IU/L,ALT(GPT)483IU/L,PT25.7%,アンモニア高値。HBs抗原,IgM HBc抗体,IgM HA抗体,IgM CMV抗体,IgM EBV抗体,HCV-RNA定性,抗核抗体,抗平滑筋抗体,抗ミトコンドリア抗体全て陰性。γ-グロブリン正常。 グリチルリチン・グリシン・L-システイン配合剤,ウルソデスオキシコール酸投与開始。意識は清明。 |
| 中止7日後 |
: |
プレドニゾロン30mg投与開始。CT検査,超音波検査にて肝萎縮の所見を認めた。 |
| 中止9日後 |
: |
血漿交換と持続濾過透析開始。 |
| (中止46日後までの間,血漿交換13回,持続濾過透析11回施行) |
| 中止10日後 |
: |
肝性脳症II度。 |
| 中止31日後 |
: |
総ビリルビン26.6mg/dL,PT14.3%,肝性脳症I度。肝シンチグラフィ:LHL15 0.56。肝の萎縮あり。 |
| 中止38日後 |
: |
タール便(+)。 |
| 中止39日後 |
: |
上部内視鏡施行するも,明らかな出血源なし。輸血施行。 |
| 中止40日後 |
: |
CT上,肝萎縮著明。輸血施行。アルブミン点滴(中止42日後まで)。 |
| 中止45日後 |
: |
意識レベル悪化(Japan Coma ScaleII-10)。 |
| 中止46日後 |
: |
意識レベル悪化(Japan Coma ScaleIII-200)。 |
| 中止50日後 |
: |
死亡(剖検実施せず)。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
| |
開始15日前 |
投与中止日 |
中止2日後 |
中止6日後 |
中止12日後 |
中止16日後 |
| PT(%) |
― |
― |
― |
25.7 |
37.4 |
― |
| AST(GOT)(IU/L) |
35 |
1265 |
552 |
581 |
83 |
93 |
| ALT(GPT)(IU/L) |
12 |
1283 |
684 |
483 |
105 |
110 |
| LDH(IU/L) |
144 |
― |
― |
549 |
419 |
― |
| Al-P(IU/L) |
229 |
897 |
608 |
509 |
― |
― |
| γ-GTP(IU/L) |
16 |
436 |
― |
202 |
― |
― |
| 総ビリルビン(mg/dL) |
― |
10.9 |
12.7 |
21.7 |
14.0 |
16.7 |
| 直接ビリルビン(mg/dL) |
― |
― |
8.2 |
14.0 |
8.6 |
― |
| CRP(mg/dL) |
<0.6 |
1.7 |
― |
0.5 |
― |
― |
| 血中アンモニア(μg/dL) |
― |
― |
― |
137 |
― |
62 |
|
| 併用薬:テオフィリン,肝臓加水分解物製剤,塩酸ツロブテロール,ボグリボース,グリメピリド |
| (医薬品・医療用具等安全性情報No.184より再掲載) |
| NO. |
患者 |
1日投与量
投与期間 |
副作用 |
備考 |
性・
年齢 |
使用理由
(合併症) |
経過及び処置 |
| 3 |
女
80代 |
気管支喘息
(糖尿病,高脂血症) |
80mg
44日間 |
| 好酸球性肺炎,好酸球増多 |
| 肺気腫+喘息で治療抵抗性(喫煙歴:20本/日×60年)。 |
| 投与約4年前 |
: |
経口プレドニゾロン処方。年ごとに症状悪化傾向で,プレドニゾロン外来にて高用量処方するも発作コントロールつかず。 |
| 投与15日前 |
: |
入院。 |
| 投与開始日 |
: |
難治性喘息にてステロイド投与していたが反応乏しく,この日より経口剤としてプランルカスト水和物から本剤80mgに変更。 |
| 投与13日目 |
: |
ステロイド点滴投与は漸減し終了。以後,経口プレドニゾロン30mgを1週間で漸減し,5mg(外来での維持量)に戻した。以後,喘鳴は残るものの症状は比較的落ち着いていた。 |
| 投与28日目 |
: |
微熱(37℃)。頭痛出現,CRP1.9mg/dL,炎症乏しく経過観察。 |
| 投与33日目 |
: |
症状続きCRP7.8mg/dL上昇。好酸球1.5%やや上昇。感染を疑い,メロペネム三水和物点滴投与開始。 |
| 投与34日目 |
: |
胸部レントゲン上も右上葉に淡い浸潤影。 |
| 投与37日目 |
: |
この段階で好酸球性肺炎他,真菌,リンパ管症等を疑い,各種抗生剤投与。 |
| 投与40日目 |
: |
発熱,頭痛続く。好酸球6.7%。CT上,両側の肺野濃度上昇+右上葉野の圧密化。 |
| 投与42日目 |
: |
髄液検査施行するも,真菌(−),髄膜炎(−),また,喘息発作も増悪傾向。かつ,好酸球9.9%より,好酸球性肺炎が強く疑われた。 |
投与44日目 (投与中止日) |
: |
好酸球11.8%。原因について検討し,本剤投与中止。 |
| 中止1日後 |
: |
解熱。頭痛の消失を得る。 |
| 中止5日後 |
: |
好酸球も1.9%まで低下。X線上,影が残存するため,プレドニゾロン40mg投与開始。 |
| 中止6日後 |
: |
プレドニゾロン40mg投与。 |
| 中止7日後 |
: |
プレドニゾロン40mg投与。 |
| 中止8〜10日後 |
: |
プレドニゾロン30mg投与。 |
| 中止11〜12日後 |
: |
プレドニゾロン20mg投与。 |
| 中止13〜14日後 |
: |
プレドニゾロン10mg投与。 |
| 中止14日後 |
: |
胸部X線上,影はほぼ消失していた。 |
|
企業報告 |
臨床検査値
| |
投与 15日前 |
投与 開始日 |
投与 15日目 |
投与 19日目 |
投与 28日目 |
投与 33日目 |
投与 35日目 |
投与 37日目 |
投与 40日目 |
投与 42日目 |
投与 44日目 (投与中止日) |
中止 5日後 |
中止 12日後 |
| 白血球数(/mm3) |
― |
10310 |
4200 |
3230 |
5440 |
6890 |
7230 |
6910 |
8310 |
8170 |
7230 |
6950 |
7880 |
| 好中球(%) |
― |
96.5 |
79.6 |
62.5 |
46.5 |
53.5 |
51.9 |
60.1 |
57.2 |
56.7 |
50.9 |
81.7 |
65.9 |
| 好酸球(%) |
― |
0.1 |
0.4 |
0.3 |
0.9 |
1.5 |
3.1 |
4.2 |
6.7 |
9.9 |
11.8 |
1.9 |
1.6 |
| 好塩基球(%) |
― |
0.0 |
0.2 |
0.9 |
1.0 |
1.1 |
0.9 |
0.9 |
0.5 |
0.6 |
0.6 |
0.6 |
0.4 |
| 単球(%) |
― |
1.5 |
1.3 |
3.9 |
5.1 |
7.9 |
7.7 |
6.2 |
7.2 |
6.8 |
6.9 |
0.4 |
4.6 |
| リンパ球(%) |
― |
1.8 |
18.4 |
32.5 |
46.6 |
36.0 |
36.4 |
28.6 |
28.4 |
26.0 |
29.8 |
15.5 |
27.6 |
| 赤血球数(×104/mm3) |
― |
441 |
429 |
399 |
336 |
330 |
307 |
296 |
298 |
296 |
295 |
328 |
327 |
| ヘモグロビン(g/dL) |
― |
13.6 |
13.7 |
12.6 |
10.6 |
10.3 |
9.4 |
9.0 |
9.1 |
9.2 |
8.8 |
9.9 |
10.0 |
| ヘマトクリット(%) |
― |
42.1 |
39.6 |
39.2 |
31.8 |
31.2 |
28.3 |
27.3 |
27.1 |
27.4 |
26.9 |
30.5 |
31.0 |
| 血小板数(×104/mm3) |
― |
13.5 |
6.9 |
8.3 |
21.5 |
29.5 |
33.2 |
32.3 |
33.0 |
29.6 |
30.5 |
28.9 |
22.4 |
| LDH(IU/L) |
214 |
143 |
353 |
408 |
354 |
316 |
290 |
297 |
294 |
273 |
278 |
283 |
― |
| 血糖(mg/dL) |
188 |
360 |
― |
― |
188 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
| CRP(mg/dL) |
0.0 |
0.0 |
0.2 |
2.1 |
1.9 |
7.8 |
7.1 |
9.0 |
9.0 |
9.7 |
9.0 |
2.5 |
― |
| 尿蛋白 |
(−) |
― |
― |
(−) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
| 尿糖 |
(−) |
― |
― |
(3+) ステロイド の為 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
| 尿潜血 |
(−) |
― |
― |
(±) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
| 尿ウロビリノーゲン |
(±) |
― |
― |
(±) |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
|
| 併用薬:塩酸プロカテロール,テプレノン,トリアゾラム,クラリスロマイシン,プレドニゾロン,プロピオン酸ベクロメタゾン,ファモチジン |
【4】 サラゾスルファピリジン
| 販売名(会社名) |
アザルフィジンEN錠,同EN錠250mg,サラゾピリン錠,同坐剤(ファルマシア)
アザスルファン腸溶錠500mg(長生堂製薬)
エミナピリン錠,ソアレジン錠250mg(大洋薬品工業)
サフィルジンEN錠500(シオノケミカル)
スラマ錠(太田製薬)
ラノフェン錠(大正薬品工業)
|
| 薬効分類等 |
サルファ剤 |
| 効能効果 |
(アザルフィジンEN錠250mg,同EN錠,アザスルファン腸溶錠500mg,サフィルジンEN錠500,ソアレジン錠250mgの場合)
慢性関節リウマチ
(サラゾピリン錠,エミナピリン錠,スラマ錠,ラノフェン錠の場合)
潰瘍性大腸炎,限局性腸炎,非特異性大腸炎
(サラゾピリン坐剤)
潰瘍性大腸炎 |
| 《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》 |
| [副作用(重大な副作用)] |
再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,血小板減少,貧血(溶血性貧血,巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等),播種性血管内凝固症候群(DIC):再生不良性貧血,汎血球減少症,無顆粒球症,血小板減少,貧血(溶血性貧血,巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等),播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 間質性肺炎,薬剤性肺炎,PIE症候群,線維性肺胞炎:間質性肺炎,薬剤性肺炎,PIE症候群,線維性肺胞炎があらわれることがあるので,発熱,咳嗽,喀痰,呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し,速やかに胸部X線検査,血液検査等を実施し,適切な処置を行うこと。 急性腎不全,ネフローゼ症候群,間 |