事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 皮下用ポート及びカテーテル
販売名 DewX
製造販売業者名 テルモ
購入年
事例の具体的な内容 胸部X線画像を確認したところ,カテーテル離断が判明した。迅速な対応が必要であることを患者に説明し,放射線科医師にカテーテル回収を依頼した。同日カテーテル回収を行うことになり,患者本人とご両親の3人に改めてカテーテル離断と回収が必要であることを説明した。3時間30分後,放射線科医師による手術開始,離断したカテーテルを回収した。翌日,バイタルサイン,体調問題なく,両側大腿静脈穿刺部の異常がないことを確認し安静解除となる。CVポートより施行予定であった化学療法を末梢ルートに変更し,化学療法を施行した。
事例が発生した背景・要因 これまでにも同様のポート離断のあったテルモ社製で,他院で挿入されたものであった。約2年前から,胸部X線検査を施行しておらず,今回の入院時のX線検査で離断が判明した。ポート造設後から約10kgの体重増加があり,ポート本体の背面の皮下組織の増大によりポート刺入部の角度が変化し,離断に至った可能性も否定はできない。
実施した、若しくは考えられる改善策 ポート留置中の患者は,外来でのフォロー中にX線検査を施行し,ポートの異常がないかを確認する。過度な体重の変動をきたさないように患者に指導する。鎖骨下ポートではなく,上腕ポートを選択する。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。 また、PMDA医療安全情報No.57「皮下用ポート及びカテーテルの取扱い時の注意について」を作成・配信し、注意喚起も実施している。 なお、当該事例におけるCVポートカテーテルの留置期間は不明であった。