事例報告内容
【記述項目】
一般的名称 長期的使用注入用植込みポート
販売名 Access System Powerport 8Fr
製造販売業者名 Bard
購入年
事例の具体的な内容 S状結腸癌、肝転移・肺転移に対し内科にて化学療法中。約1ヵ月前、外科にて埋込型CVポートを右前胸部に造設。造設時、透視下にてカテーテル位置を確認しヘパリン生食を10ccフラッシュして手技を終了した。内科にてポート針留置後、抗癌剤投与開始し滴下良好で問題なく終了しヘパロックとなった。造設5日目ポート針抜針し、退院。造設から1ヵ月後、外来化学療法センターにて抗癌剤投与予定であったが、CVポート穿刺時へパ生注入で疼痛あり、逆血確認出来ず穿刺針穴よりへパ生の漏出を認めたため、ポートを使用せず化学療法実施。終了後、胸部撮影し帰宅。翌日画像を確認するとCVカテーテルがポートから数cmの位置で断裂し先端側が心臓内に逸脱していることを確認したため、来院いただき即日入院のうえ除去術を施行。この間、自覚症状なく異物除去後も問題なく経過し退院された。
事例が発生した背景・要因 CVカテーテル断裂の原因として、CVポート自体の欠陥、CVポート造設時の手技的bな要因、造設後の経過におけるピンチオフなどが考えられる。
実施した、若しくは考えられる改善策 ・これまで以上にCVポート造設時には鉗子類によるカテーテルの把持や縫合針による損傷の内容細心の注意を図る。 ・皮下用ポート及びカテーテルの断裂が起こり得る認識とその聴講についての知識を共有し、徴候を認めた場合、輸液投与を中止し胸部撮影を行うなど迅速に対応する。 ・皮下用ポート埋込の説明時にカテーテル断裂の可能性およびその聴講について説明する。 ・本事例で使用した製品の使用は中止し、新しい製品への変更を検討中である。

事例検討結果
事例検討結果 当該事例については企業から薬機法に基づく不具合報告が提出されており、調査の結果、カテーテルの断裂の原因は、カテーテル挿入後の縫合等の際に、針がカテーテルに接触していた可能性が考えられ、患者の体動等 の影響も伴って、断裂に至ったものと推察されるとのこと。 なお、当該事例については、これまで同様事象が集積されていることから、平成23年5月25日付薬食安発0525第1号・薬食機発0525第1号連名通知「皮下用ポート及びカテーテルに係る添付文書の改訂指示等について」が発出されており、当該製品の添付文書においてもカテーテルの断裂について注意する旨を記載し、医療機関へ情報提供を行うよう指示されている。