事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 ドネペジル塩酸塩
販売名 アリセプトD錠3mg
剤型
規格単位(含有量、濃度) 3mg
製造販売業者名 エーザイ株式会社
事例の具体的な内容 看護師はアリセプト錠を含む12錠の朝の内服薬をPTPシートから取り出して配薬カップに入れて、配薬し、目前内服を確認した。その後、透析を行っていたところ、胸背部痛の訴えがあり、精査したが原因は分からず、経過観察となった。5日後、強い腹痛を訴え、患者よりPTPシートごと薬剤を服用したかもしれないとの訴えがあり。造影CT検査を実施したところ、小腸穿孔が強く疑われた。緊急手術にて小腸穿孔を認め、小腸内より1錠に切り離されたアリセプトD錠3mgのPTP包装シートが、錠剤が入ったままの状態で発見された。
事例が発生した背景・要因 当院では、薬剤の管理は自己管理もしくは看護師管理とし、PTPシート誤飲対策として、自己管理の患者がPTPシート切り離して管理することを禁止している。看護師管理の場合は1回服用ごとにPTPシートを切り離してあらかじめ準備しておき、内服タイミング毎にベッドサイドに持って行き、PTPシートから取り出している。今回の事故では本院で処方した薬剤が小腸内から発見されたため、PTPシートのまま配薬したと推測されるが、誤って内服した日は特定できなかった。配薬に関わった看護師にヒアリングを行ったが、PTPシートのまま配薬をした記憶のある看護師はいなかった。配薬カップは院内にある透明のカップではなく、患者が自宅で使用しているカップ(患者が配薬カップと認識しやすいよう赤のビニールテープが巻かれている)を使用しており、カップの中身の視認性が悪かった可能性が考えられる。
実施した、若しくは考えられる改善策 院内で調査委員会を開催し、PTPシートを病室内に持ち込まない対策を取ることとした。看護師管理の患者の処方は、出来る限り一包化する、一包化できない薬剤を配薬する際は、病室にPTPシートを持ち込まないよう、スタッフステーションでPTPシートから配薬カップに取り出して病室に持っていくこととした。

事例検討結果
事例検討結果 平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。 また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼している。