事例報告内容
【記述項目】
《関連した薬剤》
一般名 ブロチゾラム
販売名 販売名不明(一般名:ブロチゾラム)
剤型
規格単位(含有量、濃度) 不明
製造販売業者名 不明
事例の具体的な内容 1.準夜勤務看護師は、21:00患者に、ブロチゾラム1錠をPTPシートごと、一包化されたニバジール1錠を薬杯に入れ患者に与薬した。 2.深夜勤務看護師は、準夜勤務帯に与薬したブロチゾラム1錠の殻が確認できていないと申し送られ、朝方、患者に殻の所在を確認した。 3.患者は、「喉のあたりがちくちくするのよ。」と発言あり、PTPシートの殻も確認できなかった。 4.担当医師に報告をし、X線、CT撮影を行った結果、食道に異物らしきものが残存している画像を確認した。 5.内視鏡を施行し、食道部位にPTPシートを発見し除去した。 6.患者より喉の違和感消失したとの発言あり。
事例が発生した背景・要因 1.患者は、薬杯に与薬された薬剤をPTPシートより錠剤を取り出したと思い込み、PTPシートごとプロチゾラムを内服した。 2.看護師は、1回1錠ごと切り離した薬剤をPTPシートごと薬杯に与薬することで、患者が誤ってPTPシートごと飲み込む危険性を予測できなかった。 3.患者は、認知力低下もなく、今まで、薬剤を1錠ずつ切り取ってPTPシートごと与薬していたが、自身でPTPシートより薬を取り出し内服することができていたため、PTPシートごと誤飲することはないと過信していた。
実施した、若しくは考えられる改善策 1.看護師管理の内服薬は、原則、PTPシートから薬を取り出して与薬する。 2.薬杯のように、患者が直接口に運ぶ事ができるような形状の物を使用する場合は、PTPシートごと与薬しない。 3.自己管理能力アセスメントシートにそって、「□PTPシートを開封して口に運ぶことができるか」「□嚥下に問題は無いか」を評価し看護記録に残す。 4.包装形状の異なる状態(一包化の袋から出した薬とPTPシートの錠剤)の違う物を一緒に配薬しない。 5.入院中の患者はできるだけ一包化で処方する。 6.PTPシートで薬を管理する患者には、PTPシートごと誤飲する危険性について指導し内服時の注意を促す。 7.内服を自己管理している患者も、誤飲の危険性を再評価する。 8.患者が内服している時は、他のことに気をとられるような声かけ、対応は控える。

事例検討結果
事例検討結果 平成22年9月15日付医政総発0915第2号・薬食総発0915第5号・薬食安発0915第1号連名通知「PTP包装シート誤飲防止対策について(医療機関及び薬局への注意喚起及び周知徹底依頼)」により、医療機関等に注意喚起等しているところである。 また、平成22年9月15日付薬食安発0915第3号「PTP包装シート誤飲防止対策について」により、製造販売業者に対しても、PTP包装シートの改良、改善の研究開発の継続を依頼している。 しかし、その後も繰り返し発生している事例があることから、医薬品・医療機器等安全性情報No.333、No.340で再周知を行っているところである。