乾燥弱毒生麻しんワクチン「タケダ」


作成又は改訂年月

**2018年7月改訂(第19版)

 *2016年10月改訂

日本標準商品分類番号

876313

日本標準商品分類番号等

薬効分類名

ウィルスワクチン類

承認等

販売名
乾燥弱毒生麻しんワクチン「タケダ」

販売名コード

631340DD1036

承認・許可番号

承認番号
(57E)1030
商標名
DRIED LIVE ATTENUATED MEASLES VACCINE
(SCHWARZ FF-8 STRAIN)

薬価基準収載年月

適用外

販売開始年月

1983年10月

貯法・使用期限等

貯 法

遮光して、5℃以下に保存(【取扱い上の注意】参照)

有効期間

検定合格日から1年(最終有効年月日は外箱等に表示)

基準名

日本薬局方

乾燥弱毒生麻しんワクチン

生物学的製剤基準

乾燥弱毒生麻しんワクチン

規制区分

生物由来製品

劇薬

処方箋医薬品注)

注)処方箋医薬品:注意−医師等の処方箋により使用すること

製法の概要及び組成・性状

製法の概要

本剤は、弱毒生麻しんウイルス(シュワルツFF-8株)を伝染性の疾患に感染していないニワトリ胚初代培養細胞で増殖させ、得たウイルス液を精製し、安定剤を加え分注した後、凍結乾燥したものである。本剤は製造工程でウシの血清、乳由来成分(ラクトアルブミン水解物)、ブタの膵臓由来成分(トリプシン)を使用している。

組成

本剤は添付の溶剤(日本薬局方 注射用水)0.7mLで溶解した時、0.5mL当たり次の成分を含有する。

有効成分

弱毒生麻しんウィルス(シュワルツFF-8株) 5,000 CCID50以上

安定剤

乳糖水和物 25mg
L-グルタミン酸カリウム 0.24mg
リン酸水素ナトリウム水和物 0.3125mg
リン酸二水素カリウム 0.13mg
D-ソルビトール 7.5mg

抗生物質

カナマイシン硫酸塩 2.5μg(力価)以下

着色剤

フェノールレッド 0.005mg

*希釈剤

TCM-199 適量

*pH調節剤

適量

*乳糖水和物:ウシの乳抽出物

抗生物質及び着色剤は細胞培養に用いるTCM-199(培地)中に含有する。

性状

本剤は、微赤白色の乾燥製剤である。添付の溶剤0.7mLを加えると、速やかに溶解して帯赤色の澄明な液剤となる。

pH

6.8〜8.5(0.7mLで溶解時)

浸透圧比(生理食塩液に対する比)

約1

接種不適当者

(次の患者には投与しないこと)

(予防接種を受けることが適当でない者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。

(1)
明らかな発熱を呈している者

(2)
重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者

(3)
本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者

(4)
明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者(「相互作用」の項参照)

(5)
妊娠していることが明らかな者

(6)
上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

効能又は効果

麻しんの予防

用法及び用量

本剤を添付の溶剤(日本薬局方 注射用水)0.7mLで溶解し、通常、その0.5mLを1回皮下に注射する。

用法及び用量に関連する接種上の注意

1. 接種対象者

(1) 定期の予防接種

1) 第1期
生後12月から24月に至るまでの間にある者。

2) 第2期
5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者(小学校就学前の1年間にある者)

(2) 任意の予防接種
任意接種として、性、年齢に関係なく接種できる。

2. 輸血及びガンマグロブリン製剤投与との関係
輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、通常、3か月以上間隔を置いて本剤を接種すること。また、ガンマグロブリン製剤の大量療法(200mg/kg以上)を受けた者は、6か月以上間隔を置いて本剤を接種すること。(「相互作用」の項参照)

3. 他のワクチン製剤との接種間隔
他の生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。(「相互作用」の項参照)
また、不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
ただし、医師が必要と認めた場合には、同時に接種することができる(なお、本剤を他のワクチンと混合して接種してはならない)。

接種上の注意

接種要注意者

(次の患者には慎重に投与すること)

(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。

(1)
心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

(2)
予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者

(3)
過去にけいれんの既往のある者

(4)
過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者

(5)
本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者

重要な基本的注意

1.
本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。

2.
被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。

3.
被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種直後及び5〜14日の間の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

相互作用

併用禁忌

(併用しないこと)

副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン製剤等)及び免疫抑制剤(シクロスポリン製剤等)等投与との関係
薬剤名等
副腎皮質ステロイド剤
プレドニゾロン等
免疫抑制剤
シクロスポリン(サンディミュン) タクロリムス(プログラフ) アザチオプリン(イムラン) 等

臨床症状・措置方法
本生ワクチンの接種により、下記の機序で麻しん様症状があらわれるおそれがあるので接種しないこと。

機序・危険因子
免疫機能抑制下で本剤を接種すると、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある。
免疫抑制的な作用をもつ薬剤の投与を受けている者、特に長期あるいは大量投与を受けている者、又は投与中止後6か月以内の者。

併用注意

(併用に注意すること)

1. 輸血及びガンマグロブリン製剤投与との関係

本剤を輸血及びガンマグロブリン製剤の投与を受けた者に接種した場合、輸血及びガンマグロブリン製剤中に麻しん抗体が含まれると、ワクチンウィルスが中和されて増殖の抑制が起こり、本剤の効果が得られないおそれがある。
接種前3か月以内に輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、3か月以上すぎるまで接種を延期すること。
また、ガンマグロブリン製剤の大量療法、すなわち川崎病、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の治療において200mg/kg以上投与を受けた者は、6か月以上(麻しん感染の危険性が低い場合は11か月以上)すぎるまで接種を延期すること。
本剤接種後14日以内にガンマグロブリン製剤を投与した場合は、投与後3か月以上経過した後に本剤を再接種することが望ましい。

2. ツベルクリン反応検査との関係

本剤接種後、細胞性免疫の抑制が起こり1か月以内はツベルクリン反応が弱くなることがある。

3. 他の生ワクチン製剤接種との関係

他の生ワクチン(経口生ポリオワクチン、おたふくかぜワクチン、風しんワクチン、水痘ワクチン、BCGワクチン、黄熱ワクチン等)の干渉作用により本剤のウイルスが増殖せず免疫が獲得できないおそれがあるので、他の生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。

副反応

重大な副反応

1. ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)
ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

2. 血小板減少性紫斑病
血小板減少性紫斑病があらわれることがある(100万人接種あたり1人程度)。通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。

3. 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(頻度不明)
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)があらわれることがある。通常、接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。

4. 脳炎・脳症
脳炎・脳症があらわれることがあるので(100万人接種あたり1人以下)1)、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。

5. けいれん(0.1%未満)
熱性けいれんを起こすことがある。
異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

その他の副反応

1. 過敏症(0.1%未満)
接種直後から数日中に、過敏症状として、発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒、発熱等があらわれることがある。

2. 全身症状
麻しんに対して免疫のない健康児に本剤を接種すると、5〜14日の後に、1〜3日の間だるさ、不機嫌、発熱、発疹等があらわれることがある。特に、7〜12日を中心として20%程度に37.5℃以上、10%以下に38.5℃以上の発熱がみられる。被接種者のうち10〜20%に軽度の麻しん様発疹を伴うことがある。
発熱時に、咳、鼻汁が出て、食欲が減退するものもあるが、これらの症状は、いずれも通常1〜3日で消失する。

3. 局所症状
発赤、腫脹、硬結、疼痛等が接種部位にあらわれることがある。

接種時の注意

1. 接種時

(1)
接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用いる。

(2)
本剤の溶解に当たっては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、添付の溶剤で均一に溶解して、所要量を注射器内に吸引する。この操作に当たっては、雑菌が迷入しないよう注意する。
また、栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用してはならない。

(3)
注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。

(4)
注射針及び注射筒は、被接種者ごとに取り換えなければならない。

2. 接種部位
接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。

臨床成績

1. 有効性

(1) 感染防御効果
麻しん流行時、家族内小児同胞224例を対象に、ワクチン接種群及び未接種群の家族内感染調査が行われた2)
家族内感染率は、ワクチン接種群で0.9%、また未接種群で92.6%となり、家族内二次感染防御について算定したワクチンの予防効果率は、99.1%であった。

(2) 抗体産生
接種前麻しん抗体陰性の健康小児166例を対象に、臨床試験を行った3)
ワクチン0.5mLを1回皮下に注射した後、6〜8週後に採血し、獲得抗体価を測定した。ワクチン接種後の抗体陽転率は95%以上、平均抗体価は5.3(log2)の成績が得られた。なお、ワクチン接種後の抗体価は、10数年以上持続することが報告されている4)

2. 安全性
接種前麻しん抗体陰性の健康小児を対象に、承認時までに166例、市販後1,373例について、ワクチン接種後の臨床反応を調査した3,5)
接種後4〜14日、特に7〜12日を中心として37.5℃以上の発熱が約20%、39℃以上の発熱が約4%に、また軽度の発疹が約12%に認められた。その他の症状として、発熱に伴う咳、鼻汁、食欲減退、熱性けいれん等がみられた。発熱及び発疹の持続日数は、3日間以内が約80%を占めた。

薬効薬理

麻しんウイルスは経気道的に侵入、感染し、局所の粘膜上皮及び所属リンパ組織で増殖後、ウイルス血症を起こして全身の標的臓器に運ばれ、発症すると考えられている6)。予め本剤の接種により、麻しんウイルスに対する液性免疫及び細胞性免疫が獲得されていると、感染したウイルスの増殖は抑制され、発症は阻止される。

取扱い上の注意

1.
溶解時に内容をよく調べ、沈殿及び異物の混入、その他異常を認めたものは使用しないこと。

2.
本剤の溶解は接種直前に行い、一度溶解したものは直ちに使用する。

3.
本剤のウイルスは日光に弱く、速やかに不活化されるので、溶解の前後にかかわらず光が当たらないよう注意すること。

包装

1人分 瓶入 1本
溶剤(日本薬局方 注射用水)0.7mL 1本添付

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
ACIP:CDC/MMWR,31(17),217−231,1982.

2)
加藤 誠他:小児保健研究,49(5),538−542,1990.

3)
平山宗宏他:臨床とウイルス,10(3),65−73,1982.

4)
木村慶子:小児感染免疫,2(1),31−33,1990.

5)
武田薬品集計,1988年

6)
白木和夫他:小児科学,医学書院(東京),1997.pp510.

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

武田薬品工業株式会社 くすり相談室

**〒103-8668 東京都中央区日本橋本町二丁目1番1号

フリーダイヤル 0120-566-587

受付時間 9:00〜17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
武田薬品工業株式会社

〒540-8645 大阪市中央区道修町四丁目1番1号